俺の名前は兵藤一誠、現在進行形の傭兵だ。
俺、いや俺達一族は太陽を嫌っている。
それは俺の一族の血が関係している。
俺の種族名は夜兎と呼ばれる白兵戦における最強戦闘民族だ、某野菜人じゃないぞ。
夜兎はその名の通り夜を好み、太陽を嫌う。
太陽は俺達にとって猛毒に等しいほど嫌いな存在だ、しかし、それでも行動を起こさないといけない時は夜兎の特徴の一つである番傘を差して歩かなければならない。
この番傘は俺達夜兎族の武器にもなっていて、結構扱いやすい。
それに加えて俺の身体には神器と言うものが埋め込まれている。
その名前は「赤龍帝の籠手」という赤い龍の籠手である。
まぁ、そんなことは置いておこう。
今、俺のいる場所は某紛争地域にいて依頼者に敵対をしている奴らの根絶やしをしている。
依頼者は何処かの国のお偉いさんらしく、今回の仕事の報酬はかなりいい。
「さぁて、今日も楽しませてくれよ。」
そう言いながら俺は戦場を平然と歩いていく。
これでも一族の中で大人しい方なのだが、それでも血を見てしまうと身体が昂ってしまう。
そんな時は一暴れをするか、女を抱くかで昂りを沈めている。
俺が戦場を歩いていると、女の声が聞こえてきた。
だが、俺は気にしない。
何故なら戦場で女の声が聞こえてきたという事は、どっかのバカが女を犯しているってことだと割り切っているからだ。
だが、俺の予想は大きく外れていた。
よく耳を澄ませてみると、なんか悪魔だとか、眷属だとか聞こえてきた。
なんか面白そうな事が起こっていると思った俺は近くに行こうと思い、足を女の声が聞こえてきた方向にへと向けた。
仕事は大体片付いてたから問題はない。
俺は鼻歌交じりに向かっていると、目の前に地面に膝をついて肩で息をしている黒髪で猫耳と尻尾をつけている女とどこからどう見ても偉そうな男とそれに従っている従者が十人くらいいた。
俺は少しばかり様子を見ようと木陰にへと隠れた。
そして、耳をよく澄ませて奴らの会話を聞くのだった。
「黒歌、貴様の犯した罪を重い。よって、貴様を始末すると言いたい所だが、私の眷属に応じれば貴様を生かしてやらんこともないぞ?」
偉そうな男はそう言いながら下卑た笑みを浮かべる。
それを聞いた女はこう言い返した。
「あんたの眷属なんか願い下げよ!あんたみたいな悪魔に仕える位なら死んだ方がましにゃん!!」
そう気丈に振る舞う黒歌という女性に、悪魔の男はこう言った。
「そうか、じゃあ死ねよ。」
そう言って、黒歌に男や周りの悪魔たちも魔力を高めていき、魔力の塊として放った。
黒歌はギュッと目を瞑る。
だが、幾ら待っても魔力の塊が飛んでこない事に違和感を感じ、ゆっくりと目を開けていく。
すると、黒歌の目に飛び込んできたのは番傘を差している一人の男の背中だった。
その背中を見て、黒歌が感じたことはその背中は暖かくて気持ちいいと思えるものだった
黒歌の前に立っている男は傭兵の仕事として来ていた兵藤一誠である。
彼は口元に指を当てながら低い声で対面している悪魔たちに言うのだった。
「なぁ、あんまりここで騒ぐなら殺すぞ?」
今、夜の兎の血を宿した赤き龍の帝王によって紡がれる物語が動き出すのだ
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