今、俺は所属をしている傭兵派遣組織の本部にへと出向いている、と言っても夜兎族限定だがな。
「やぁ、久しぶりだねイッセー。」
俺にそう言って来るのは夜兎族の中でも戦闘力の高い神威だった。
「神威、何か用か?」
俺がそう言うと、神威はこう言って来る。
「いやさぁ、イッセーの行ってた派遣先の紛争地域から身元不明の肉塊が幾つも見つかったらしいんだけど…何か知らない?」
そう言って来る神威の声は普通だが、顔は笑顔だった。
こいつが笑顔の時は殺す気満々って時だからな。
俺は神威に対して正直にこう言った。
「あぁ、アレは俺がやった。俺に牙を剥いて来たから肉塊にした、ただそれだけの事だ。文句でもあんのか、神威?」
俺が殺気を発しながらそう言うと、神威は口元を釣り上げながらこう言った。
「簡単な事だよ、久しぶりに殺し合おうと思ってね。」
神威はそう言いながら拳を俺の顔面に向かって放ってくる。
俺は神威の腕をデコピンで弾き、横腹に蹴りを叩き込む。
だが、神威は蹴りを放った俺の足を片手で受け止め、足を潰しにかかってくる。
その時、俺と神威の上から何かが降ってきた。
それを察知した俺と神威は別方向へと回避した。
何かは地面にぶつかり、爆音と衝撃波を放った。
俺と神威は意にも返さずにいたが、他の奴らは衝撃波で宙を舞っていた。
すると、俺に向かって拳が飛んできたので受け止めると、ハゲがいた。
「お前ら本部で暴れんじゃねぇって何遍言えば分かるんだ、コノヤロー‼」
目の前のハゲは神晃と言って神威の父親であり、本部の幹部の一人だ。
すると、神威はハゲにこう言った。
「うるせぇよ、出来婚野郎。お前だって母親とハッスルしすぎて出来ちゃった結婚したんだろうが。」
ハゲは神威に襲い掛かっていき、俺はそれを見た後自分の部屋に戻っていった。
俺の自室は本部の十階で、執務室としても機能している。
「はぁ、だる~。」
俺はそう言いながら番傘を壁に立てかけた後、懐から一匹の黒猫を出す。
地面に降ろされた黒猫は光を帯びながら人にへと変身したのだった。
その正体は、イッセーが助けた猫又の黒歌だった。
「ご主人様、さっきは凄かったにゃん!」
黒歌の言っているさっきというのは神威との瞬間的な殺し合いのことを言っているのだろう。
だが、あんな事は俺と神威にとっては日常茶飯事であるが故に何らかの感情が芽生えることはない。
「黒歌、俺の傍にいるということはあれくらい簡単に出来なきゃならないという事だ、解るな?」
俺は端的にそう言うと、黒歌はコクリと首を頷かせる。
それを確認した俺は自室に置いてあるカウチソファに腰を落とし、こう言った。
「じゃあ、まずは面接から始めようか。名前とか種族とかその他諸々を言って貰おうか?」
そう言いながら俺は紙とボールペンを手に持ち、面接を始める。
「名前は黒歌、種族は猫魈の転生悪魔にゃ。仙術や妖術が得意にゃ。大好きなものはご主人様で嫌いなものはご主人様が嫌いなものにゃ。」
黒歌の言葉を聞いて、俺はこう思った。
「{ふぅん、この程度か…。}」
俺はそう思いながらソファから立ち上がって壁に立てかけてあった番傘を握り締めて、黒歌に振り下ろした。
「っ!?」
黒歌はいきなりのことに驚きながらも紙一重に躱した。
だが、イッセーの振り下ろした番傘がそんなに甘い訳も無く、黒歌の着物は乳首や秘所を隠してはいるがほとんどが消し飛んでしまっていた。
黒歌はイッセーの方を見ると、背筋に寒気がした。
それはイッセーが自分を視界に入れながら…嗤っていたからだ。
「さぁ、次は実戦での面接だぜ、黒歌?」
今、殺し合いという面接が始まろうとしている。
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