※この作品はR-18です。

あやかちゃんと遊ぼう   作:新六毛

8 / 9
虐められてるあやかちゃんが一番カワイイよねっ!


あやかちゃんを虐めよう

「あやかちゃん、今日も一人なんだw」

 

夕日に長い影を棚引かせ、一人庭先で団子虫と戯れるあやかは、不意に投げ掛けられた俺の言葉に振り返る

 

「!?…… 1人じゃないのだ! もうすぐお姉達が帰って来るのだ!」

 

屈託の無い笑顔

大好きなお姉達がもうすぐ帰ってくる…

自分の発する言葉の内容で、自分自身が恍惚に浸る

まさに池沼の成せる技

俺は間髪入れずに、そのあやかの細やかなヘブン状態に水を差す

 

「そのお姉ちゃん達は今日、二人でショッピング&ランチに行った訳だけど、あやかちゃんは連れて行って貰えなかったんだw」

 

「……どうしてそんなイジワル言うのだ? あやかはお子様なのだ お子様は良い子にお留守番なのだ!」

 

イジワルを言われた認識はあるらしい

だが、イジワルをされてる認識は無い様だ

 

「ふ〜〜ん で、そのお子様あやかちゃんのクリスマスのご予定は?」

 

俺は話題を振る

 

「お姉達とパーティーしたり、ゲームしたり、プレゼント交換するのだ!」

 

再びハイビスカスの様な眩しい笑顔を見せるあやか

ぶち壊したい、この笑顔…!

 

「そんな事、去年も言ってたよねw で、お姉ちゃん達は結局彼氏とオールナイトw あやかちゃんは一人寂しくカップラーメンディナーw」

 

「こっ…… 今年は… 今年はちゃんと約束したのだ! あやか、ちゃ~んと良い子にしてたのだ! 今年は大いに盛り上がるのだ!」

 

去年のクリスマス、ブレーカーを落とされた極寒の部屋の中、涙と鼻水を流しながらワカメラーメンを啜るあやかの姿

窓から覗き見たそれを思い出すだけで、俺の体内を熱い奔流が駆け廻る

 

「お姉ちゃん達、クリスマスから新年まで海外だってさw」

 

もう我慢できん

そろそろ本気で行く

 

「嘘なのだ! おじさんは嘘ツキなのだ! だいっキライなのだ!!」

 

続けざまの雑言に聞こえた事だろう

流石のあやかも、目に憤りの炎を立ち昇らせる

 

「お姉ちゃん達さ、あやかちゃんを連れて歩くの恥ずかしいんだってw 一緒に居ると疲れるんだってw」

 

「……嘘なのだ…! 嘘っぱちなのだ! おじさんは馬鹿なのだ……!」

 

「あやかちゃんってさ、急に歌ったり踊ったりするらしいじゃんw? 会話もろくに噛み合わないらしいじゃんw? お姉ちゃん達、愚痴ってたよw」

 

「!!」

 

あやかの表情が固まる

確かに歌ったり踊ったりが大好きな自分

でもなぜこのおじさんはそれを知っているの?

目の前のおじさんの言葉が、急に真実味を帯びてあやかの心に響き始めた

 

「あやかちゃん、特殊学級なんだよね?」

 

「ち、違うのだ…! 仲良し学級なのだ…!」

 

「それを特殊学級って言うんだよ、バ〜カw」

 

「……ちが…… 違うのだ…… 馬鹿って言う方が…… 馬鹿… なのだ……」

 

あやかの言葉尻が震え始めた

それが俺の加虐心の堤防を遂に決壊させた

 

「最初に馬鹿って言ったのお前だろ、糞馬鹿! お姉ちゃん達さ、お前の事、キライなんだって! 死んで欲しいんだって! お前のせいで幸せになれないんだって!」

 

「…………!」

 

あやかは目を見開き、呼吸を止めた

もう俺の言葉を、イジワルなおじさんの雑言とあしらう事が出来なくなった様だ

尤も、俺は真実しか言っていない訳だが…

 

「最初は酷い事言うな〜、って思ったけど、今のやり取りで分かったw やっぱお前、生きてる価値ねーわw」

 

「……………ううぅ……… グスン…… あやか…… ズクッ…… 良い子にゃのじゃ…… ううぅ」

 

ついに口をへの字に曲げて啜り泣きを始めたあやか

だが容赦はしない

 

「悪い子だよ、大飯食らいの役立たず! ウンコ&経血製造機!」

 

「……あやか…… もうご飯…… うぅ… 少ししか… 食べにゃい…… にょだ… グスッ」

 

そんな事、俺に言ってどうなるのかw?

やはり池沼の思考は常人には図りかねるw

 

「まだ食う気かよw? 吊って来いよw お姉ちゃん達に迷惑かけんなw な、首吊って来い」

 

「………ううぅ うわぁぁぁぁぁぁぁぁん !! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっん!!」

 

遂にあやかも決壊した

 

「ほらっ お前が折り紙でセコセコ作ってるサンタコスw? あれ着て、あの縁側の梁に吊ってこいよ! お姉ちゃん達、泣いて喜ぶぞ~! あやかがくれた、最高のクリスマスプレゼントだってw!」

 

「うやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! うやぁぁぁぁぁぁぁぁっんんんっ!!」

 

耳をつんざく絶叫

まさに発狂w

 

「そうそう、クリスマスプレゼントって言えば、お前が去年、お姉ちゃん達にプレゼントしたパンダw? の縫いぐるみw? あれ、大事にしてるって言ってるみたいだけど、即日焼却炉にぶっ込まれてたからw」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」

 

信じていた大好きな姉達の裏の顔、心の内

見たくない、聞きたくないそれを見せつけられ、聞かされて、あやかの精神は崩壊した

だけどあやかちゃん…

俺は何一つ、嘘なんか言っていないよ…

悪いのは全部あやかちゃん…

そんなに可愛く知恵故障に生まれたら、幸せになんか成れっこないよねw?

 

「ほらっ さっさと着替えて吊れよ! お姉ちゃん達、帰ってブハッッッ!!?」

 

強烈な衝撃が俺の脳天を襲った

次の瞬間、俺は少し高い所から下界を見下ろしていた

背後から俺に踵落としを決めたさやかと、泥人形の様にゆっくりと崩れ落ちる俺

そしてあやかに駆け寄るまどか

 

 

 

「あやか、怖い思いをしたわね…」

 

「もう大丈夫よ、あやか!」

 

「うぅ… お姉……? うぅぅ…… ぐすっ… あやか、生まれて来て… ごめんなのだ…… ひくっ」

 

「なっ… 何を言ってるの、あやか! 冗談でも怒りますわよ!」

 

「そうよ! あやかが謝る事なんて何も無いじゃない!」

 

「………お姉……? なんだ… やっぱり嘘っぱちだったのだ……! ぐすんっ… あやか、お姉達が大好きなのだ!」

 

寄り添う姉達に目一杯抱き付くあやか

ぐじょぐじょに濡れた笑顔が遠く街灯の明かりに照らされ、宵闇の中に咲く白百合の様に浮かび上がった

 

「何があったのか存じませんけれど、わたくし達が貴女を不必要に悲しませてしまった様ですわね…」

 

「そうね、あやか… これから沢山… 罪滅ぼし、するわね……」

 

「罪滅ぼしなんて要らないのだ! あやかはお姉達がずっと側に居てくれれば、それで良いのだ!」

 

あやかはその温もりを味わうが如く、己の小さな身体をぐいぐいと姉達に押し付ける

二人の姉は、そんな妹の身体を優しく包み込んだ

 

「いいえ… 罪滅ぼしは必要ですわよ……」

 

「そうよ…… 簡単に終わらせなんかしないわ……」

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