水の迷宮の攻略が完了してから数日が経過した私の生活状況はそれ程良いとは言えないけどそれほど悪いとは言えないという微妙なところにあった。
カリンさんのマッサージはあの人のご厚意でタダなんだけど問題は冒険資金。
前回のお宝は譲っちゃったからお金が入って来ず、ただ単にお金が出て行っただけ。
「高レア度のお宝でも狙おうかしら……でもそうなると今の私じゃチームを組まなきゃいけないし……そうなったら分け前は分割だし……なんかパッとまとまったお金を稼げる仕事ないかな~」
「嬢ちゃん嬢ちゃん」
「私?」
後ろから声をかけられたから振り返ってみると恰幅が良くてそこそこ高そうな服で身を包んでいる優しそうなおじさんが立っていた。
「そうそう。嬢ちゃん、パッとまとまったお金を稼ぎたいんだってな」
「まぁ、そうだけど……おじさんは?」
「俺か? 俺はアダルトイベントで収益を上げているクシオっていう」
「クシオ……あぁ、女性から忌み嫌われている」
そう言うとおじさんは苦笑いを浮かべながら頭をかく。
この街には娼婦のほかにも性サービスをするお店は多く開かれていて周辺の町と比べるとかなり性サービスに関しては充実しているといえる。
その中でも群を抜いていると言われているのがアダルトイベントを企画してそれで収益を上げている富豪がいくつかいると言う事。
「まとまったお金が欲しいんなら今度、行うイベントに選手として出場してくれたらお礼は弾むよ? しかも成績に応じてさらにそこからプラスしていくし」
「そのイベントっていうのは?」
「レイプ魔から二時間、逃げ延びろっていう趣旨のイベントなんだけどさ」
これまたグレーゾーンなところを……まぁ、性犯罪が起きるよりかはマシだってことで国はそう言ったイベントが開催されていることについては黙秘を続けている。
まぁ、お金が良ければ考えなくはないけど……。
「それって顔丸見えなんでしょ?」
「大丈夫。参加者には秘密を守るように厳守させているし」
「ふ~ん……じゃあ、そのお給料のシステムについて話して」
「まずは参加してくれるだけで30万ビル」
「二カ月は暮らせるわね」
「さらに二時間、誰からもレイプされなかったら二倍の金額を上乗せして90万支払う。さらにレイプされた男からはあらかじめ配布してある架空紙幣が支払われる。それと一万ビルを交換する。さらに怪我をした場合はこちらが全額負担」
なるほど。保険も充実しているし、企画とはいえレイプされる側の女の子にもちゃんと収入があるように設定しているわけ……まぁ、いきなりされるのとゲームのルールでされるのとじゃ違うんだろうけど。
「ただし、条件があってテーマはレイプ魔から逃げろっていう物だから犯される際はちゃんとそう言ったりアクションを取ること。そうじゃないと盛り上がらないからな」
「なるほどねぇ……」
まぁ、確かに気合を入れて逃げ回っていればもしかしたら90万なんて言う大金を貰えるかもしれないし、仮に捕まって犯されたとしてもある程度の収入は入ってくる。
それになんだか面白そうな感じがしてきたし……。
「分かったわ。私も参加するわ」
「おぉ! 話が分かる子でよかった。イベントではお宝は使えないし、イベント中は全裸でよろしく。そこは注意しておいてくれよ」
「了解。ちゃんとお金、支払ってよ」
「分かってるって。はい、これが招待状な」
そう言われ、渡されたのは開催場所の地図が示されている一枚のチケット。
逃げ切れば90万、犯されたとしても最低、30万は貰えるなんていい話じゃない。
――――――☆―――――――
という訳でアダルトイベントの当日の日、チケットに書かれていた場所に行くとクシオ家の豪邸に到着し、さらには召使いさんに案内されて女性の集合場所らしい広い部屋へと案内される。
そこには私と同年代の女性がいっぱいいてあらゆる性癖に対応するためか巨乳の子もいれば貧乳の子もいる。
大体年齢差は二歳~三歳くらいってところかしら……それにしてもやっぱり、美人を集めて来てるわね……ここに居る子全員、モデルでもしてんじゃないの? というか一人、女の私から見てもエロいって思う人がいるんだけど……まさか男とやるためだけに来たとか?
「今日はようこそお集まりいただきました」
そんなことを考えていると扉が開く音が聞こえると同時にあのおじさんの声が部屋に響き渡る。
「この度、行うイベントに参加していただき、誠にありがとうございます。私がイベントの総責任者であるクシオと申します。ではまずはルール説明と行きましょう」
そんなことで始まった今回のイベントのルール説明。
一つ目は鬼となる男百人から二時間、逃げ回ること。
二つ目は鬼に捕まった際には抵抗を見せること。
三つ目は鬼に犯された後に受け取るチケットに関しては気にしないでいいこと。
四つ目は相手を殺さないこと。
そして最後にイベント終了後、犯された数が少ない女性に最低限度貰える金額に上乗せして二倍のお金を賞金として貰えるという事。
あとは細々としたアクシデントに関する保証に関してなどが話され、用意されているそれぞれの箱に所有しているお宝などを全て預けた。
「なお、鬼の方は全力で犯しに来ますので命の危険を感じた際は容赦なくブッ飛ばしていただいて結構です。ゲームにそぐわない男はいりませんのでね」
あくまでゲームなのね……言い換えるならば合法的に女をレイプできるゲームってわけなんだけど女性の地位向上云々を声高に叫んでいる人達からしたら失神物ね……実際にここに来るまでにそういったいたずら書きを何個か見つけたし……まぁ、性犯罪が蔓延るよりかはマシだろうけど。
そんなことを考えていると1人の女性が手を上げた。
「ねえ、質問があるんだけど」
「なんでしょう」
「仮に男をブッ飛ばした際に相手を殺しちゃったらどうなるの?」
「ご安心ください。そのようなアクシデントが発生した場合、こちらで弁護人をたてます。貴方方が罪に問われないようにはしますがなるべく殺さず、気絶程度で済ませてください」
「よっし。分かったわ」
と言いながらも気合十分な様子を見せる銀髪で巨乳の女性は明らかに男を殴りたいがだけに参加しているような感じを抱いているのは私だけじゃないはず。
裏を返せば男を合法的にぶっ飛ばせるわけだしね。
「では皆さん、頑張って逃げて逃げまくって大いに盛り上げてください! いざ、アダルトスペースへ!」
おじさんがポケットからお宝を取り出し、掲げた瞬間、そのお宝から眩い光が発せられて私たちの視界が一瞬にして光に塗り潰された。