巨大なゴーレムは目を怪しく光らせると私たちの方を見てくる。
その巨大な拳で潰されでもしたら原型なんか残らずに木っ端みじんになるのは誰の目から見ても明らかだし、たった三人で倒すのも難しいのは明らか。
「ど、どうするんだよ」
「どうもこうもねえよ。あいつをぶっ潰さない限り、お宝は手に入らねえ」
男たちは腰に携えていた剣を握りしめ、ゴーレムに切りかかっていくけど体が硬い鉱石できているためか火花や金属音が散るだけでダメージを与えているように見えない。
そしてゴーレムが大きく手を横薙ぎに振るった瞬間、凄い爆風が吹き荒れ、鎧を着こんでいる男達や私を一瞬にして吹き飛ばす。
「イタタタ……とんでもない相手じゃない」
男たちは恐れずにゴーレムに立ち向かっていくけど私は行かない。
というのも男たちが勝手に倒してくれるっていう事は鼻から期待していないからどうにかしてあいつを倒すための策を考えている。
とは言ってもやっぱりあいつの弱点って言えばお宝よね。
ゴーレムを構成しているのはお宝の力だからそのお宝をどうにかしてしまえばゴーレムは倒せるんだろうけど正直、あの威力とあの巨体だから迂闊には近づけない。
「うがっ!」
「くっ! なんて奴だ!」
「ちょっと! あんたたちそれでも男なの!? しっかりやりなさいよ!」
「無茶言うなよ小娘!」
そうは言いながらもゴーレムに突撃していく男達。
(どんだけ私を無茶苦茶に犯したいんだか……性欲は人を動かすっていうけど本当にそうね)
とにかくあのゴーレムを倒すにはお宝をどうにかするかあの鉱石の特性を利用して倒すかのどちらかだけど鉱石に特性ってあったかしら。
傍に落ちていた鉱石を手に取ってみるけど他の鉱石と何ら変わりないし、むしろ石にしか見えない。
―――――びちゃっ、ズルッ、ズルッ
「え?」
そんな音が聞こえ、後ろを振り返るとなんとあのドン・スライムがさらに巨大化してギガ・スライムになって私たちがいる空間に入ってきた。
その色はほとんど変わりないけどまさか私の愛液塗れの下着を啜るだけでこんなに成長するなんて流石は女の敵、スライムね。
そんなことを考えているとスライムの体に鉱石が触れた瞬間、細かい砂になって崩れていくのが見えた。
「……もしかして」
試しに手に持っていた鉱石をスライムに投げ入れてみると推測通り、投げ入れた鉱石がスライムの水分を吸収して細かい砂になって崩れ落ちた。
この鉱石の特性は水分に触れたら砂になって崩れるのね……となればこの鉱石を体に使っているあのゴーレムもこの特性を引き継いでいる可能性は極めて高い。
「あんた達!」
「なんだよ! 今話しかけるな……ってなんだこれ」
「そのブラのカップにありったけの精子を貯めておいて!」
「ハァ!?」
「良いから! あいつを倒す方法を見つけたのよ!」
ブラを男たちに託すと戸惑いながらも私の言葉を信じ、鎧を脱ぎ捨ててズボンを脱ぎ、股間をさらけ出すと一生懸命に扱きだす。
その間、私はナイフを片手にゴーレムの意識を出来るだけ私に向けるように縦横無尽に走り回る。
流石にお宝のところにはいかせてくれないわね!
足元を通ろうとしたら足を閉じられてしまい、お宝奪取を断念してゴーレムが繰り出してくる重くて強大な一撃を回避していく。
確かにゴーレムの一撃一撃は重くて強いけどその大きな巨体故に攻撃を繰り出す速度は遅いし、ゴーレムの巨体はこの空間の広さじゃ自由に動けない!
「これくらいか!?」
「はぁ!? 少ないわよ! 三回くらい気合入れて抜きなさいよ!」
「も、もう一回出してるんだけどなぁ」
「てめえこれで勝てなかったらあの世で一生、犯してやるからな!」
男たちはそんな恨みを言いながらもギガ・スライムに注意しながらさらに扱いていく。
オナニーし過ぎたら死ぬらしいけどそんな二回や三回で死ぬほど男は弱く作られてないわよ! というか今回もノーパン・ノーブラになっちゃったじゃない!
「くぁぁっ! も、もう無理だ!」
「まあいいわ! それ貸してこっちに来て!」
精子がいくらか入れられているブラを両手で落ちないように持ち、ギガ・スライムを男達の精子の匂いでおびき寄せつつ、ゴーレムとの距離を縮めていく。
本当だったら私の愛液の方が一番いいんだろうけどカップに入れるんだったら男の方が早いしね。
「お、おいどうするんだよ! 挟まれたぞ!」
「チクショウ! ここまでか!」
「ハンターたる者、いかなる状況においてもお宝を手に入れるまで絶望はするな……これこそ、私が考え付いた打倒・ゴーレム作戦よ!」
私が精子が入ったブラをゴーレムに向かって投げつけた瞬間、ギガ・スライムがその精子の匂いにつられて大きく跳躍し、私たちの頭上を飛び越えていく。
そしてゴーレムにへばり付いた瞬間、鉱石がスライムの水分を吸収していって徐々に細かい砂となって崩れ落ちていく。
「うおぉぉ! すげえ! ゴーレムが砂になっていく!」
「そうか。この鉱山の鉱石の特性は水分に触れたら細かい砂になること。スライムの水分を使ってその特性を利用するなんてな」
直後、巨大なゴーレムが一気に細かい砂となって地上に落ち、その衝撃で砂埃が私達に覆いかぶさるようにして襲いかかってくる。
(今がチャンス!)
「ゲホッ!」
「な、何て砂の量だ!」
目を閉じ、手で鼻を押さえつけて舞っている砂を吸い込まないようにしながら砂埃が収まるのをじっと待つ。
大量の砂が被さったことで水分が吸収され尽すだろうから多分、あのギガ・スライムは砂と混じりあって泥になっって消えるでしょう。
砂埃が収まったのを感じ、ゆっくりと目を開けると私の予想通り、ギガ・スライムは多量の砂が被さったことで泥になっていた。
「や、やった……ゴーレムを倒した!」
「よし、お宝を……あれ?」
「もしかしてこれ探してる?」
「「あっ!」」
男たちがキョロキョロと周囲を探している時にそう言ってやるとこちらを振り向き、その直後に目を見開き、口をポカンと開けて驚いていた。
こちとら、ハンター歴は長いのよ。砂埃が待っている間にお宝を回収するなんて造作もないんだから。
「い、いつの間に」
「……砂埃で視界が潰れたあの時か」
「ご名答。これで勝負は私の勝ち。約束通り、あんた達が集めたお宝の数々、見せて貰おうじゃない」
「……なんのことだか」
「は?」
「別にお宝なんて奪っちまえばいい話だしな!」
男が私に飛びかかろうとしたその時、もう一人の男がそいつに足を引っかけて転ばした。
「な、何すんだよ! ここで襲えば犯せるし、お宝奪えるしで一石二鳥じゃねえか!」
「バカ野郎。んな男らしくねえことできるか。約束はどちらが早くにお宝を手に入れることが出来るかだ。今回は俺達の完敗だ」
「へぇ、男らしいじゃない」
「これでもこっちはAランクを目指すハンターだ。俺が歩んできた道に泥なんて塗らせねえ」
そう言い、未だに文句をブツブツ呟いている男を睨み付け、その男を黙らせた。
――――――☆―――――――
「すっごーい! 流石はAランクを目指すだけの事はあるわね!」
迷宮を抜け出した翌日、男たちが泊まっていたホテルの部屋に足を運ぶとそこには目もくらむような輝きを放っているお宝が広げられていた。
パッと見でもどれもB以上じゃない! 流石という所だけどやっぱりレア度Aのお宝は無いわね。
「どれでも好きな物持っていきな」
「これは何?」
「使用すれば二十四時間の間だけ魔物や虫なんかを寄せ付けない膜を張る」
「これは?」
「それはレア度Aの奴だな。簡単に言っちまえばそっくりそのまま模造品を作ることが出来る。もちろんお宝の模造品を作ることも可能だ。ただし、能力までは再現できねえ」
「どうやって使うの?」
「どちらかの手にこれをもってコピーしたい奴を逆側の手に持てばいい」
男は説明しながら近くにあったベッドのシーツを掴み、逆側の手でお宝を手に取るとお宝から光の粒子が噴き出してきてそれが徐々に形を成していく。
その形はまさにベッドのシーツ。
「こういった感じだ」
男に説明を受けながらお宝の吟味をしている最中にも文句塗れの視線を向けてくる男が一人。
まぁ、スタイルは良い方だとは思うけどそんなにセックスしたいんだったら娼婦の館にでも行けばいいのに……なんか襲われそうで怖いわ。
男の説明を聞きつつ、使う用と売却用のお宝をもらい受け、ホテルから出て早速換金所へ行ってみると中々良い値段になった。
「ん~。今日も無事に迷宮攻略完了。さ~てと、次はどこに行こうかしらね」