「ふふ、カズマさんったら…んぅ…!」
そう呟きながら、私の胸に飛び散っている精液をなめとる。今日、私はカズマさんに裸体を晒してしまった。カズマさんは、今までにないくらい、血走った目で私を見つめ、性器を擦っていました。そして勢いよく、カズマさんは精液を私の胸にふりかけた。別に、今までも下着の上から、もしくは胸の谷間にかけられる事はあった。
でも、今までとは何かが違う。精液で濡れている自分の胸を見て、私は改めて赤面しました。そして、なんとも言いようがない幸福感を噛み締める。
「ゆんゆん…お前の下半身のそれって、やっぱり…」
「秘密、誰にも秘密ですよ? 後、服買ってきてください。このままじゃ私、まともに外へ出られません」
「分かったよ…」
私は更に真っ赤になって俯く。カズマさんに私の秘密を知られてしまった……!
恥ずかしいはずなのに、最初に知る事となったのがカズマさんである事に私は安堵しました。
「うーい、ゆんゆん。買ってきたぞー」
「あ、カズマさん、お帰りなさい」
彼の手には紙袋が握られている。私は先ほど、初心者殺しに服を裂かれた。カズマさんには服を買ってきてもらったのだ。
「服のサイズとかわかんねーからな、とりあえず俺と同じサイズの奴を買ってきた」
そういって彼が取り出したのは、黒一色のTシャツでした。
「カズマさん、これ私には大きすぎます!」
「隠せれば問題なーし!」
そう言って笑う彼から、私は服を受け取る。そして着てみると、やっぱりというか、ブカブカです。
「おお!いい感じのブカブカ具合……ってしまった!Yシャツ買ってくるべきだった!」
地団太を踏む彼を、私は微笑ましく見守りました。私が紅魔族ローブ以外の服を着る事を彼は喜んでくれるかもしれない。
「カズマさんが着て欲しいって言うなら、私、どんな服装だって喜んで着ますよ!」
「……ゆんゆんは可愛いな」
「もうっ、そんな事、惜し気なく言わないでください!」
私の事が可愛い……ダメ、嬉しすぎて泣きそうになってくる。
「じゃあ、今日はこのへんで。また明日な、ゆんゆん!」
「はい、また明日!」
私はカズマさんに手を振って見送る。ああ、明日が楽しみだ。宿屋に残された私は、下着やスカートを着ていきます。そして、ベットにカズマさんのマントが残されている事に気付きました。
「返し忘れちゃいましたね…」
私は、マントを思わず手に取り抱きしめる。ほのかに、カズマさんの匂いがしました。
「明日、洗って返しましょう!」
私は丁寧にそれをたたむ。さて、これからどうしましょうか。ウィズさんの店には午前行きましたし……
「・・・・・・・・・・」
そこで、私はふと、冷静になって考え込んでしまいました。私は今、何をやっているのだろうかと。1ヵ月前、私はとある噂を聞いた。そして、噂の人物、カズマさんから親友のめぐみんを守ろうと、私は立ち上がった。今考えれば、物凄いおせっかいだ。
そして今の自分の状況はどうだ!? 私は、カズマさんに親友を盾に体を弄ばれている。気づいてしまった。私はカズマさんに騙されている!
「そ、そんな……ひどいですカズマさん!」
私の目からは、大量に涙が流れ落ちました。私はカズマさんに騙されていた。そして何よりも、めぐみんを悲しませるような事を、私自身がやっているのではないか?
こんな事は今日で終わりにすべきだろう…
「あ、いやです……明日も楽しみなんです……!」
私は騙されている。でも、その過程で私は彼の事をよく知った。彼の傍にいると、とても楽しい、安心できる。そして彼はとても面倒見の良い方であった。彼なら、めぐみんも任せられるだろう。
「会いたい、会いたいです……」
自分自身何を言っているのか分からない。こんな事は今日で終わりだ。だから、だから……
そこでふと、私は思いつきました。
「そうです、カズマさんは私に猫を被っていただけかもしれません!」
彼が優しいのは私の前だけかもしれない。私の見ていない所で、カズマさんは鬼畜行為を働いてるかもしれないのだ。そんな人に、めぐみんを任せられない。私が見極め、彼を更生させなくては!
「ふふっ、私が監視しなきゃ!」
私はたたんであるカズマさんのマントを羽織り、彼を追いかけて宿を飛び出しました。
「ね~カズマさん、私お腹すいたな~」
「あたし、最近できたハンバーグ屋行きたいな~」
「お前らも懲りねぇな!」
カズマさんには、すぐに追いついた。彼には二人の女冒険者が抱き着いている。やっぱりカズマさんは最低な人だ!
「お前ら、手を放せ!」
「え? あ……」
「ど、どうしたの? いつも、ドサクサにまぎれてお尻触ってきたりするくせに!」
カズマさんは女冒険者の手を振り払う。そして踏ん反りかえって言いいました。
「今の俺は冷静なんだ。金を俺からたかるのはかまわん! お前らには世話になってるしな」
「それなら、ご飯を……」
「アホ! 金が欲しいなら、それとなく言ってこい! あまり、街中でこういう事してると、お前ら自体の風評が悪くなるぞ?」
カズマさんの言葉に女冒険者達が押し黙りました。
「ほら、金だ。今後は抱き着いてくるなよ?」
そういってカズマさんは女冒険者にお金を渡し、歩き去りました。
「う、うぇ~ん!」
「コラ! 泣くな泣くな!」
どういう事だろうか。カズマさんは女であれば、誰でもセクハラし、浮気するような人だったはずだ。いや、たまたまかもしれない。私はカズマさんを追い続けました。
「あー重いのう……」
「なんだ爺さん? 大変そうだし、家まで運んでやろうか?」
「おお、親切な若者よ! 頼むぞい!」
そういってカズマさんが、お爺さんの荷物を背負う。カズマさんが、あんな親切な事をするはずがない。恐らく、隙を見てお爺さんの荷物を盗むつもりだ! でも、カズマさんはそんな素振りを見せず、お爺さんと楽しそうに会話しながら歩き去りました。
「おい爺さんついたぞ! といかこれメッチャ重いな。何入ってるの?」
「石!」
「はぁ!? なんなの、土木作業員の方なの!?」
「いや、老後って、くっそ暇でな! 毎日若者の親切をもらっては楽しんでいるんじゃ!」
「おい、爺さん! 俺が賢者状態じゃなかったら、はっ倒してたからな! まったく…」
「ほっほっほ!」
彼は親切な人なのであろうか……いや、おかしい! 彼はアクセル随一の鬼畜男だ!
歩き去る彼を私は追う。この道は、ウィズさんの店の方角だ。そして彼は予想通り、ウィズさんの店に入る。私は扉に縋りついて聞き耳を立てました。
『おう! 最近、頭の弱いネタ種族を騙して日々快楽にふける男よ! いらっしゃい!』
『なななんのことでせうバニルさん!』
『気にするな小僧! ネタ種族の未来が破滅から切り替わるだけで吾輩は満足だ!』
『あ、はい。他言無用でオナシャス』
む! カズマさんは誰を騙してるんでしょうか? ネタ種族…めぐみんの事でしょうか!?
やっぱりカズマさんは鬼畜だ!
『カズマさん、いらっしゃい! 何をご所望ですか?』
『よぉウィズ! 中級冒険者満足ポーションセットをくれ!』
『ええ? カズマさん、まともに働くんですか!?』
『おい、その普段は働いてないみたいな言い方やめろ!』
『事実だろ、小僧!』
『うるさい! とにかく、ダクネスの時みたいに、有り金全部はたくような事が今後も起こるかもしれん。稼ぐに越した事はない! ちょっと放っておけない奴もいるしな!』
『小僧……』
『カズマさん……残念ながらこの街に精神科はありません』
『はっ倒すぞお前ら!』
カズマさんが真面目に働く……? そんなカズマさんは鬼畜で最低な駄目人間のはずです! カズマさんが真人間になったら、私は……!
『ところで、小僧! この石に魔力を込めてみてくれ!』
『ん、なんだ? ほれ!』
『“おはようございます!”』
『おお!? 石が喋った! しかもウィズの声か!』
『正解だ小僧! この石は任意の単語を一つだけ録音、再生できる!』
『すげぇ! で、デメリットは……?』
『単純に値段が高い! 1個100万エリス!』
『よし買った! 在庫全部よこせ!』
『ひょ!? さすがの吾輩もこれは予想外!?』
『見てバニルさん、全部売れました! やっぱり私、商才あります!』
『うるさい貧乏店主、小僧は例外だ!』
それにしても、カズマさんは大金をすぐに使って……やっぱりダメな人です!
『カズマさん、何に使うんですか?』
『凄い発明だ! 今度お前らにも見してやる!』
発明、そういえば、カズマさんは凄い魔導具を作りだして大金を稼いでいる。必要経費なのだろうか……
『うっし、じゃあな、お前ら!』
『毎度あり!』
『頑張ってください、カズマさん!』
あ、隠れなきゃ!
『小僧はやっぱり鬼畜だな! まさか、あんな純真なネタ種族を騙し、性奴隷に落とすとは……』
『バ、バニルさん!? 一体、何の事ですか!?』
気が付いたら私は、カズマさんの屋敷の前にいた。彼は屋敷へと帰っていく。
「ふふ、私って何がしたいんでしょう……」
この時、私は自分自身が理解できなくなっていました。
「カズマ、行きますよ!」
「マジかよ!? 俺、今帰宅したばっかなんだけど!」
「うるさいです! 行きますよ!」
「服引っ張るな! 伸びる!」
めぐみんの声だ。私は慌てて隠れる。別に隠れなくても良かったが、今はめぐみんに顔を合わせられない。私は楽しそうに会話するカズマさんとめぐみんを追いました。何故だろうか、私は今とてもイライラしている。そして、めぐみん達はアクセル周辺の森にたどり着いた。
「ではカズマ、適当なモンスターを、あそこの岩付近にトレインしてきてください!」
「あのなぁ……」
「はやくはやく! できれば、ちっこくて大量にいる奴がいいです!」
「分かったから騒ぐな! 敵感知には……何だこれ!? 何かが大量にいるんですけど!」
「ヘイ、レッツゴー! その何かをトレインして来てください!」
「いや、おかしい、おかしいから! これはさっさと撤退……」
「このくらい、私の大好きなカズマなら余裕ですよね!」
「あ、当たり前だろ! 見てろコラ!」
カズマさんが、めぐみんに乗せられて走りだす。なんだか、非常にむかつきます! カズマさんはいつか、女の子に騙されてお金を失いそうです! そして、カズマさんはめぐみんの期待通りに大量のモンスターを引き連れて現れました。
「めぐみーん! コボルト、コボルトだよコイツら! 絶対、近くに初心者殺しいるから! 撤退! てったーーい!」
「“黒より暗く…」
「アホ! めぐみんのアホー!」
「エクスプロージョンッ!」
「ほああああああああ!」
岩付近にいた大量のモンスターが、めぐみんの魔法で消し飛ぶ。やっぱり、威力だけは本当に世界一かもしれません。
「めぐみん、敵反応がそちらに向かっている! 逃げろ……って逃げられなかった!」
「ふへへ最高ですカズマ! 我が生涯に一片の悔いなし……!」
「諦めるなー!」
崩れ落ちるめぐみんに、カズマさんが遠くから必死に駆け寄ってくる。これは、助けるべきでしょうね。私がめぐみんの前に行こうとした時、動けないめぐみんに走り寄る1匹の黒い獣、初心者殺しが目に入った。最近多いですね……見回りを強化する必要がありますね。
「あーやっぱり初心者殺し! まったく…狙撃!」
『ギャンッ!?』
カズマさんが撃った矢が、正確に初心者殺しの前足に突き刺さりました。そして、初心者殺しは体制を崩して地面に転がりました。
「うっし、くらえ! ライトニング!」
カズマさんが放った電撃で、初心者殺しの動きを完全に止める。そして、そんな初心者殺しにカズマさんが刀を抜いて切り掛かりました。私の助けは、いりませんね……
「とどめ! 必殺剣、臓物開き!」
カズマさんは初心者殺しのお腹に、刀を突き立て横に薙ぐ。獣の悲鳴とボドボドという、臓物と血が流れ出る音が森に響きました。
「おいコラめぐみん! 俺の指示を無視しやがったな!」
「ふふ、私はカズマが助けてくれるって分かってましたよ」
「お、おう……」
カズマさんは、動けないめぐみんをおんぶする。何だか、非常に羨ましいです。
「カズマも随分強くなりましたね!」
「そりゃな! 今、俺レベル49だよ? しかも、大量に覚えたスキルの使い方と応用を最近やっと理解したからな!」
「なんだか納得行きません……いつもビビって大騒ぎしてたカズマが懐かしいです!」
「お前な、一応これでも世界救った勇者様なんだけど……って俺はさっきもビビって大騒ぎしたぞ! お前のせいで!」
「うるさいです! 納得いかないんです!」
「ひっ叩くぞ! というか、俺も本編終了後になってチートになるとか、納得行かないんですけど!」
ギャーギャーと騒ぐ二人を私は木の陰からじっと見つめました。そして、ぽつりと呟きます。
「ふふ、カズマさん、めぐみんは任せましたよ……」
もう私はカズマさんと、あんな事はしない。そう決めました。私はテレポートで街に戻ると、宿屋で早めの睡眠を取った。何故だか涙が止まらない。いやだ……さびしい……苦しい……カズマさんに会いたい……!
強い日差しで私は目を覚ます。いつも通りの朝が来てしまった。今日から私はカズマさんとはもう会わない。そう思うと何もする気になりまれせん。私はベッドの上でごろごろ転がる。そんな風にしていると、どんどん時間がすぎていきました。約束の時間が、近づいてくる。
「行きません行きません行きません!」
何かから耐えるように私は呟く。そんな時、衣紋掛けに吊るされた緑色の布、カズマさんのマントを見つけました。私は縋り付くように、そのマントに抱きつきます。ほのかに匂うカズマさんの香りが私を安堵させました。
「カズマさんカズマさんカズマさん!」
そうだ! 私はこのマントを返していない! カズマさんの所に行かなきゃ!
私は急いでマントを鞄に詰めると、いつもの喫茶店へ走り出しました。
「カズマさん!」
「う~い、ゆんゆん。今日はこのままここで飯食おうぜ~」
「あ……はい!」
何やら覚悟を決めてここに来たのに、いつも通りのカズマさんの様子を見て、私は気が抜けてしまった。そして、いつもの場所、カズマさんの対面に座る。
カズマさんは、コーヒーとサンドイッチを注文する。私も、同じものを注文しました。
「そういえば、ゆんゆんって普段何してるんだ?」
「普段……ですか?」
「そうそう、例えば俺と会う前、午前中はいつも何しているんだ?」
「午前中ですか?そうですね。私はよくギルドで座っていますよ」
「ほーん、座って何してんだ?」
「むきーっ!」
「ど、どうしたゆんゆん! 落ち着け、落ち着け!」
はっ! 私は今何をしていたのでしょう!
「ち、違いますカズマさん! 私、ギルドで一人寂しく座ってなんかいません!」
「ア、ハイ」
「信じてください! そ、そうです! 私、よくウィズさんの店に遊びに行ってるんです!」
「アイツらの所か……」
「そうです! 聞いてください! ウィズさんとバニルさんは私の友達なんです!」
そう言う私にカズマさんは何だか生暖かい視線を送ってきました。
「そこなら安心だな。アクアも入り浸ってるだろ?」
「そうですね。私、アクアさんとも仲いいんですよ!」
「そうかそうか! うむ、よきかな」
「後、ダストさんもよく来ますよ! 何も買わず、ウィズさんをじっと見て帰りますが……」
「おう、そっとしといてやれ。奴にも必要な事なんだ……!」
「そ、そうなんですか……」
何やら神妙な顔つきのカズマさんに私は気圧される。今度来ても、何も買わない事に文句は言わないようにしましょう……
「で、俺とのお楽しみの後は何してんの?」
「お、お楽しみ…」
この人は私を騙しておいて、なんて言い草でしょうか。でも私の顔は自然と羞恥で真っ赤になってしまいました。
「はっはっは! 照れるな照れるな!」
「照れてません! それに、カズマさんと会った後、私は、きちんと冒険者の義務を果たしています! 駆け出しの人が勝てないような、高レベルモンスターを退治してるんです!」
これに関しては、私も誇る事ができる日課だ。途中で助けた冒険者の方もいっぱいいる。
「ほ~ん、じゃあゆんゆん、今日から俺もそれに参加していいか?」
私はギョッとする。カズマさんが一緒に……?ダメです! そんなのダメです!
「ほんとですか!? バニルさんみたいに、うっそで~すとか言いませんよね!?」
「落ち着けゆんゆん。もちろんパーティメンバーとしてだからな。報酬は折半だぞ?」
「構いません構いません! 行きましょう! 今すぐ行きましょう!」
「だから落ち着け! まだ飯食い終わってないから!」
私は急いでサンドイッチ片付ける。私の日課に仲間が加わる。今までになく嬉しい事だ。それとも、単なる仲間でなく、カズマさんだから嬉しいのだろうか……
「ふぁい! かひゅまふぁん! いひまふぉう!」
「飲み込め! 飲み込んでから喋れ!」
そして、私はカズマさんとアクセル近郊の森林に来ていた。何故だろう。いつも来ている場所なのに、隣に人がいるだけで非常に嬉しいし、頼もしい!
「~♪」
「ご機嫌だなぁ、ゆんゆん。でもその鼻歌は可愛いから続けろ」
「わ、私、鼻歌なんて歌っていません!」
「はいはい」
苦笑しているカズマさんを私は睨む。そういえば、何故カズマさんは私と組んでくれるのでしょうか?まさか後で、体を強要されるのだろうか? まぁ別にいい……いくない!
「カズマさん、なんで私と組んでくれたんですか?」
不安そうに問いかけた私にカズマさんは苦笑しながら答えました。
「あのなぁ、本来俺はこういう冒険っぽい事は大好きなんだよ」
「カズマさんの言葉とは思えません…」
「ひでぇ!」
私はカズマさんを再び睨む。アクアさんが言っていたのだ。
『あのクソニートはお金が出来たら、金がなくなるまで引き込もるわよ! 今なんて、人に見せられない姿で部屋にこもってるわ!』
そんな、私にカズマさんはチッチッっと指を振りました。
「ゆんゆん、俺はあのパーティだから積極的に冒険に出ないだけだ! めぐみんはぶっぱなした後は、非常にもろいし、フォローしないと、あっというまに死ぬ! ダクネスは俺の指示をあまり聞かないし、殲滅力ないのに敵に突撃する! アクアは一番頼りにはなるが、何かしらの問題を誘発させて、より危険な事態を呼び込む!」
「でも、それで魔王を討伐しちゃったじゃないですか……」
「そりゃぁそうだが、毎回毎回、死と隣合わせなんだぞ!? 楽しく冒険なんて出来たもんじゃない!」
そういったあと、カズマさんは少し寂しそうに笑いました。
「それに、今の俺のパーティは若干崩壊気味でな。ダクネスは実家で押し寄せる貴族と戦ってるし、アクアは根は俺と一緒でダラケ女神で、今も遊び歩いてる。めぐみんはいつも一緒だが、さすがに俺一人じゃフォローできねぇし、今更冒険しようなんて言えねぇ!」
「そ、そうなんですか……」
「そういう事だ! あいつらに比べればお前は、前衛、後衛両方をこなせるし、瞬間火力、殲滅力、持久性も最高だ! はっきり言ってチートだチート!」
「チートって……」
「いや事実だからな! それに、お互いテレポート使えるし、どっちか死んでもアクアのところへ逃げれる! お前自体が超強いから、俺の背中も安心して預けられるんだよ」
カズマさんの言葉に私は納得がいく。結構、合理的な理由でした。
「それとなぁ、ゆんゆん! 俺はお前が心配なんだ!」
「え、私ですか!?」
「そうだ! 昨日、初心者殺しに殺られかけたんだぞ?」
私は何も言い返せなかった。
「ここです!この付近にグリフォンの目撃情報が度々上がっているんです」
「ふーん」
そういってカズマさんは森の出口の先にある草原をキョロキョロ見る。恐らく、千里眼を発動しているのだろう。
「お、アレか? なんか牛っぽい生き物食ってるぞ!」
「ホントですか! 捕食中は無防備です! 早く行きましょう」
「おいゆんゆん、浮かれて突撃するな。今日も潜伏で行くぞ」
私はこの前のようにカズマさんに手をひかれる。そうしていると、別のモンスターを捕食しているグリフォンを私の肉眼でも確認できました。そして、呪文を詠唱しようとして……カズマさんに止められた。
「おいゆんゆん、今日は俺一人に任せろ」
「え? カズマさんでも一人じゃ厳しいんじゃ……」
「任せろ! 最近俺もレベルによるゴリ押しができるようになってきた。まぁ何よりこいつを自慢したいんだ!」
そう言って、カズマさんは刀を抜き放つ。刀のつばに、なんだかゴテゴテした変な物が取り付けられていた。
「なんですかそれ?」
「見れば分かる! しっかり見てろよ俺の雄姿を……!」
カズマさんはベルトに取り付けられていたホルスターから、紙……何やら遊戯で使うようなカードを2枚取り出す。そしてカードを刀に取り付けられたゴテゴテに、スライドさせるように押し付けました
『“スラッシュ!” “サンダー!”』
「か、刀が喋った!?」
まさかカズマさんは魔剣を作ったのだろうか。それならば本当に凄い!
カズマさんの刀にバチバチとした紫電がまとわりつく。そしてカズマさんはグリフォンに向かって突撃しました。
「あの卑怯なカズマさんが真っ向からの突撃!?」
「ウェーイ!」
『“ライトニングスラッシュ!”』
カズマさんが紫電を纏わせた刀を一閃する!
グリフォンの片羽がズルリと切り落ちた。グリフォンは自分の羽へのダメージから絶叫をあげ、下手人であるカズマさんへ一気に走り寄りました。
カズマさんは、そんなグリフォンを見据えながら、3枚のカードを取り出し、スライドさせる。
『“キック!” “サンダー!” “マッハ!”』
カズマさんは一気に跳躍し、空中で体を一回転させ、跳び蹴りの体制を取りました。両足にはバチバチとした紫電が纏わりついています。
「ウエエエエエエェーイ!」
『“ライトニングソニック!”』
カズマさんの跳び蹴りがグリフォンにぶち当たる。私は、紫電の光から目を守るため、思わず目をつぶってしまいました。そして、私が目を開けると……!
「・・・・・・・・・・・」
何やら決めポーズを取るカズマさんと、その後ろで黒焦げになっているグリフォンが目に映りました。
「凄い! 滅茶苦茶カッコイイです!」
「そうだろう、そうだろう!」
うんうん頷いているカズマさんに私は素直に羨望の眼差しを向けました。あのカッコイイ魔剣で、華麗にグリフォンを仕留めたのです。なんだか、ゾクゾクとした興奮が、私の中で巻き起こりました。
「その魔剣、見せてください!」
「どうぞどうぞ!」
私はカズマさんから受け取った刀を私はじっくりと見る。魔剣のわりには、魔力をあまり感じない。
「カズマさん! これどういう仕組みなんですか!?」
「おう、こうやってな……」
カズマさんがカードをゴテゴテにスライドさせました。すると……!
『“スラッシュ!”』
「わぁ! カッコイイです!」
「だろおおおおおおおお!?」
ドヤ顔のカズマさんに私はさらに尋ねました。
「カズマさん、そのカードはどんな意味があるんですか!?」
「これか? これはカードによって刀から再生される音声が違うんだ!」
「へぇ! その後、どうなるんです!?」
「それだけ」
「ん……?」
「どうしたゆんゆん?」
「カズマさん、さっき刀に紫電が……」
「ああ、ライトニングを刀に付与しただけだぞ?」
「でも、グリフォンの羽がスパンって……」
「いっただろ? 高レベルでゴリ押しが出来始めたんだよ俺も! それに最初に取った刀剣スキルも熟練してきてなぁ~!」
「でもキックでグリフォンが黒焦げに……」
「おう! 徒手格闘、ライトニング、ドレインタッチを併用した、すんごい技だ!」
私は押し黙る。
「カズマさん、このゴテゴテの意味は?」
「カッコイイだろ!」
そういって、目をキラキラさせるカズマさんを私は見つめる。常識人だと思っていたカズマさんが、紅魔族より紅魔族らしい事をしていた。恐らく、このゴテゴテを紅魔の里で売ったら爆売れだろう……
そして、そんなものに、大はしゃぎした自分に腹が立ちました。
「こんなもの!」
「ちょ!? ゆんゆん!? それは徹夜で……!」
「えいっ! えいっ!」
「あ゛あ゛~!」
気が付いたら私はゴテゴテを粉々に粉砕していた。
「……人の物壊すなんて失望しました。ゆんゆんの友達やめます」
「ち、違うの!? つい反射的に! あ、待って、謝るから待って!」
「まってくだしゃい~かじゅまさん~!」
「街中だから泣き止め! 変な誤解を受けるだろ!」
なんとか許してもらった私は、気が付いたら、いつもの宿の前にいた。そこで足が止まる。
こんな事は今日で終わりだ。だから、カズマさんに……!
「どうした?今日もやってもらうぞ!」
私は黙ってうなづく、今日で最後、今日で最後だ。
そして、私達はお互い裸になって向き合う。
「おいゆんゆん! 今日はよくも俺の傑作を壊したな! これはもう体で賠償だよな~?」
下卑た笑いを浮かべるカズマさんを私は見つめ返す。
「手でしても良いですよ?」
「ひょ!? そ、それだと見抜きじゃなくなるっていうか…!」
散々私の体を弄んでおいて、何をヘタレているんだろうか。私は狼狽えているカズマさんの性器を手に取った。そして見様見真似で擦る。
「どうですか…?」
「あ…最高です…」
なんだか、いつものカズマさんと違って大人しい。
「ゆんゆんって指細いな」
「ふふ、そうですか?」
「ああ、やっぱ自分の手と全然違う」
気持ちよさそうな顔のカズマさんを見ながらは、私は性器を擦る手を強く、そして早くする。
カズマさんの様子は大人しいのに、性器は普段よりガチガチで、雄々しく反り立つ。
先走りの汁が私の肌に飛び散るのを感じた。
「お……おう……」
「カズマさん、私の手で気持ちよくなってくださいね」
「お願いします……」
そして、カズマさんの性器を手で擦りはじめて、数十分、カズマさんが何かを我慢するような、苦しそうな顔をしだした。もうすぐ射精するのだろう。
「ふふ、もう出しちゃうんですか?」
「い゛っ!? ゆんゆん……なんかいつもと違うな」
「それはあなたもですよ」
私は更に手を早める。
「あ……出る」
私の手元でビクビクと脈動する性器を私は見つめる。そして、亀頭に狙いを定め……
私はそこに吸い付いた。
「おお!?おおお…」
私の口の中に暴れ回る精液を必死に口に納める。一滴も逃したくない。
「ん……ん……」
「ゆ、ゆんゆん!?」
性器の中にまだ残ってるであろう精液を求め、私は更に亀頭を吸う。そして最後まで吸い出し、私は口を放しました。
「ゆんゆん、見してくれ」
私はゆっくりと頷き口をあける。
「んぁ…」
「大量だな」
私の頭をカズマさんが撫でる。
「飲み込め」
「ん…」
ゴクリと精液を飲み込む。喉に絡みつく感覚は不快ともいえるが、嫌じゃない。
「嬉しいぞ、ゆんゆん」
カズマさんはそう言って、しばらく私の頭を撫で続けてくれました。
事が終わった私達はお互い、服を着る。これで終わり。カズマさんとの関係も今日で終わりだ。
「カズマさん、渡したいものがあるんです」
「ん、なんだ?」
私は鞄から緑色の布、カズマさんのマントを取り出す。
「そういえば貸しっぱなしだったな!」
カズマさんがマントを手に取りました。
「どうしたゆんゆん? 手を放してくれないと、受け取れないんだが…」
私はマントを掴む手を更に強くする。これを渡せば、カズマさんと私の関係が終わってしまう。今までの楽しい日々に終わりが来てしまう。
今日も楽しかったなぁ…
「カズマさん、このマント私にしばらく貸してくれませんか?」
「お? いきなりどうした?」
「ふふ、私これ気に入っちゃいまして!」
そんな私をカズマさんが、また優しく撫でた。
「んじゃ、やるよ!」
「え……?」
カズマさんの言葉に私は茫然とする。確かにそれは嬉しい。でも、貰ってしまったら、カズマさんと会う建前がなくなってしまう。そんなのダメだ! でも今更、いらないなんて言えない! どうすれば……! 終わってしまう! カズマさんとの関係が本当に終わってしまう!
「よし、ゆんゆん! 今から俺は新しいマントを買う! 俺好みなのを選んでくれ!」
「あ…」
私はカズマさんに手を引かれて立ち上がる。私はマントを貰ってしまった。もうカズマさんに会う建前はない。でも、よく考えればカズマさんは私を騙し、体を弄んだ。その事実は変わらない。こんな人に親友を任せるわけにはいかない。そして、被害にあった私こそがカズマさんを更生させるのに適しているだろう。
それならば問題ない。明日も、これからもずっと、私はカズマさんに会いに行く。カズマさんには、私が必要だから。
「任せてください! カッコイイの選んであげます!」
「まかせた!」
――そういう事にしておこう。
これで書き貯めがなくなりました。
続きは気が向いた時に投稿します。
毎回短編みたいにするかね…
また、途中のライダーネタは元ネタ分からない人には、意味不明で寒かったかな…
でも、カズマっていったら、やっぱりケンジャキさんだよね。