「これです! このマントがカッコイイです!」
「そ、そうか…」
キャーキャー言いながら、俺の肩にマントを押し付けてくるゆんゆんに、俺は気圧される。現在、俺達は新しいマントを買いに、アクセルで一番評判の良い防具屋を訪れていた。そして、ゆんゆんに新しいマントを選んでもらってるわけだが…
「ダメです……色がダメです!やっぱりカズマさんは緑色です!」
この状況である。ゆんゆんのテンションは何故か物凄く高かった。まぁ浮かれているゆんゆんは非常に可愛いので放っておく事にする。
「カズマさん、この緑色のマント付けてください!」
「へいへい……」
ゆんゆんに言われるまま、俺はマントを身に着ける。そして姿見で確認する。そのマントは、今までの俺が身に着けていたマントより丈が長くひざ下まであるタイプであった。
「カッコイイです、カズマさん! でも何か物足りませんね……」
そう言うと、ゆんゆんは店奥のカウンターへ行き店員と話し始める。そして、数人の店員が店の奥から木箱を取り出し、俺の方へ向かって来た。
「カズマさん! これを装備してみてください!」
「ん? って、なんだなんだ!?」
周りの店員達が、木箱から取り出した鎧や籠手、といった防具を俺に着け始めた。
「やっぱりマントにはカッコイイ鎧が似合いますよカズマさん! どうですか?」
「お、おう俺もそう思うよ、うん」
「そうですか!」
そういって、ゆんゆんはカウンターへと走り去った。やべぇ、流されて適当に答えちまった。
俺は改めて、ゆんゆんに装備させられた鎧を姿見で確認する。なんというか、今の俺はThe冒険者といった感じの姿だ。
「うーむ、取り回しは問題なしか、俺もレベル上がったもんなぁ」
手首を回したり、ステップを踏んだりしながら、今の俺なら問題なく鎧を着て行動できる事を確認する。昔は、重くて一歩も動けなかったのだが…
まぁ、この鎧は前回とは違い、部分鎧だから軽さや動きやすさが違うのだろう。
「ていうかこの姿ヤベぇ! ゆんゆんもなんて物を俺に着せるんだ!」
そう今の姿の俺は色々とヤバイ。この鎧は鈍い黒色だが、もしこの鎧が緑色であったら、俺はアクセルの鬼畜男から鬼畜王へジョブチェンジする所であった。
「カズマさん、その鎧、気に入りました?」
「ああ、思った以上に動けるし、せっかくだから買おうかな~」
「それなら良かったです! 支払いは私が済ませましたし、帰りましょうか!」
「そうだな、今日はこれでお開きにするか……」
「はい!」
「ん……? ゆんゆん、お前今なんつった?」
「ええ!? やっぱり気に入りませんでした!?」
「違う、そうじゃない。支払いを済ませただって?」
「はい! 私、カズマさんに、その鎧を着て欲しいです!」
「あ、あああ……」
あかん、本当にあかん……! 何故そんな笑顔でこんな事をするんだ!
「ちなみにいくら……?」
「そんなのカズマさんは気にしないでいいですよ!」
「気にする! めっちゃ気にする! いくら……!?」
「カズマさん、落ち着いて。180万エリス程度でしたから……」
その衝撃的すぎる発言に、俺は足から崩れ落ちた。ダメだ! ゆんゆんは色々と手遅れすぎる!
「ウソダドンドコドーン!」
「カズマさん!? 滑舌がおかしいですよ! 立って、ほら立ってください!」
俺はゆんゆんに無理矢理立たされる。改めて周囲を見てみると、他の客や、店員達が俺をゴミをみるような目で見つめていた。許されない、こんな事は許されない……!
俺は新調したマントをバサッ翻し、叫ぶ!
「我が名はカズマ! アクセル随一の冒険者にして、魔王を討ち果たした者……!」
「わぁ……カッコイイ! カッコイイですカズマさん!」
周囲の客は俺をゴミというより、痛い人を見るような視線で見つめてくる。ただ、店員達は俺を驚愕の表情を浮かべて見つめてきた。そう、それでよい!
「おいコラ店員ども! この店で一番高級なアクセサリーを持ってこいやおらあああああああああ!」
「は、はい! お待ちください旦那様!」
そう言って、店員はカウンターに小物を並べはじめる。
「カズマさん、まだ何か欲しいんですか? 私が買ってあげますよ!」
「ゆんゆん…ちょっとお前は黙ってろ」
俺は抱き着いて来るゆんゆんを無視しながら、店員が並べた小物を物色し始める。
「おっさん、この腕輪はどんな効果があるんだ?」
「はい、そちらは力の腕輪です。力のステータスが3上がりますよ」
「おいおいなんか微妙な効果だな……ちなみにいくら?」
「200万エリスになります」
高すぎだろ! 1レベル上げる事でのステータス上昇量より効果が少ないってのに!
「おい、おっさん! ぼったくりか! 潰すぞこの店!」
「ち、違います! 装備するだけで、誰でもステータスが上がるんですよ!?」
うーむ、確かに、付けるだけでステータス上昇ってよく考えたらスゴい事だ。俺は他に並べてある小物を更に物色する。
「おっさん、この指輪の効果は?」
「それは、全てのステータスが2上昇する指輪です。よくある使用者に合わせた伸縮機能もついてますよ!」
「ほう、いくら?」
「1500万エリス!」
「おおう!? でも買った!」
俺は、懐の金貨袋から金を取り出し、叩きつけるようにして渡した。
「うひょ! エリス白金大判…ちょうどです! 毎度あり!」
「うっし! 帰るぞゆんゆん!」
「カズマさん、さすがにそんな大金は持ち歩くべきじゃないです!」
「うるせえ! いくぞ!」
俺は逃げるように店を後にした。なんか最近勢いで大金を使ってしまうな…
そして、店を後にして数分後、ゆんゆんが心配そうにこちらを見つめて来た。
「カズマさん……先ほどから、なんで怒ってるんですか? やっぱり鎧を気に入りませんか?」
「このアホ!」
「いたいっ! 何するんですか!」
俺は思わず、ゆんゆんの頭にチョップをしてしまった。本当にこの娘は……!
「おいゆんゆん! お前何したか分かってんの!?」
「ええ? 私何かしましたか?」
「アホ! お前は男に貢いだんだよ! 理解してんの!?」
「え? あ…」
ゆんゆんはキョトンとした顔から一転、顔を赤くし始めた。
「そ、そうじゃないです! 私はただ、カズマさんに喜んで欲しくて……!」
「貢ぐ女の思考じゃないですかーやだー」
「ち、違います!」
そういって俯くゆんゆんを俺は撫でる。
「嬉しい確かに嬉しいぞ! でもな、貢ぐのは俺だけにしてくれ。そうじゃないと、いつか破滅するぞお前!」
「はい! 私が貢ぐのはカズマさんだけです! だから大丈夫です!」
貢ぐ事は否定しないのかよ……
というか、そんなキラキラした目で俺を見つめないでくれぇ……!
「おいゆんゆん! 手を貸せ!」
「なんですか?」
俺は差し出して来たゆんゆんの指に、さっき買った指輪を無理矢理つけた。
「カズマさん、これは……」
「勘違いするなゆんゆん! 俺は仲間にちょっとでも強くなって欲しいだけだ!」
「は、はい……」
「明日からも、冒険を続けるんだ! それに俺達なら1500万エリスくらい、すぐ稼げる。遠慮なく使え!」
「そうですよね! カズマさん、明日も一緒にいてくれるんですよね……!」
「そうだ! じゃあまた明日な!」
「はい!」
俺は逃げるようにして屋敷へ急ぐ。俺も随分と臭い事をしてしまった。でもしょうがない。相手はゆんゆんなのだ。しょうがない!
「ていうか、俺も女に貢いでしまったな……」
「ふふ、綺麗ですね」
私は宿屋のベッドの上で転がりながら、指輪を撫でる。指輪はシンプルなシルバー製であり、装飾のような美しさを持つ刻印が刻まれていた。恐らく、この刻印にステータス上昇の秘密があるのだろう。
それにしても、本当に嬉しい! これはカズマさんからのプレゼントだ!
私は人差し指にはめられた指輪を、薬指に着けかえる。
「私ってカズマさんが好きなんでしょうか……」
自問自答するように私は呟く。私はカズマさんが大好きだ。私自身の感情は、そう訴えてくる。しかし、客観的に見れば、私は親友を盾に体を弄ばれている。はっきりいってカズマさんは最低な男だ。交友経験の浅い私が好きだと錯覚しているだけかもしれない
「それに、めぐみんを裏切るような事はできません」
カズマさんは、めぐみんの思い人だ。私が彼に思いを伝えるなんて事はできない。でも、彼が私を好きだというなら、喜んでそれに応える。それは彼の意思だ。それなら裏切りじゃない。そう、私はめぐみんを裏切ってなんかいない!
「だから、まだこっちです」
私は、指輪を再び人差し指に戻す。そして、私は布団をひっかぶる。
明日はウィズさん達に会って、カズマさんと冒険だ!
「明日も楽しみです。お休みなさい、カズマさん」
布団の中で私は指輪を撫でた。
そして、いつも通りの朝が来る。身だしなみを整え、外出の準備をする。午前はウィズさんの所へ行きましょう!
私は宿を飛び出し、ウィズさんの店へ急ぐ!そして数十分後、私はウィズ魔法具店の扉を叩いた。
「おはようございます! ウィズさん、バニルさん」
そう挨拶する私に対して二人は笑顔で応えてくれた。やはり、友達って非常に良いものだと思う。
「はい、いらっしゃいゆんゆんさん」
「おう小娘…ほう! なるほどなるほど! いらっしゃい!」
バニルさんがこちらをジロジロ見ている。何かおかしい所でもあるのだろうか。
「私、今日はとても良い気分なんです! 掃除でも商品整理でも何でもしますよ!」
「ありがとうございます。ゆんゆんさん、今日はポーション作成を手伝ってもらえますか?」
「はい、喜んで手伝います!」
そういって私が醸造台に近付いた時、バニルさんが私に話かけてきた。
「貴様! いつもと雰囲気が違うな、特にそのマント! 似合っておるぞ!」
「そ、そうですか? ありがとうございます!」
今、私はカズマさんから貰ったマントを身に着けている。私にカズマさんのマントが似合っている。その事が非常に嬉しい!
「バ、バニルさんが人を褒めた!?」
「うるさい貧乏店主! 吾輩は商品整理をしておるから、小娘の相手をしてやれ!」
そういって、バニルさんは商品棚の整理を始める。私も醸造台に座る。さすがに、友達だからと言って店に居座る事はできない。こうやってポーション作成や、掃除などを手伝っているのだ。
そして、ウィズさんと会話しながら、ポーション作成を始めてしばらくたった頃、ウィズさんが驚いた顔をしながら話しかけてきた。
「ゆんゆんさん! この指輪どうしたんですか? 随分、良いものみたいですが!」
「これですか? これは……昨日貰ったんです」
「ええ? これかなり高価なものですよ!」
「そ、そうみたいですね…」
指輪に気付いてもらった事が私は非常に嬉しかった。そして、そんな私にウィズさんは興味津々といった感じで聞いてきた。
「だ、誰に貰ったんです!?」
「これは…その…」
「さぁ誰です! 誰に貰ったんです!?」
鼻息を荒くするウィズさんに、私は顔を赤くする。何故かとても恥ずかしい。でも一方で私はこの指輪を自慢したいと思った。
「これはその……カズマさんに貰ったんです!」
「えぇ!? カズマさん!?」
ウィズさんは先ほどの様子から一変して、不安そうな顔で聞いてきた。
「あの、ゆんゆんさん? 対価として、体を要求されたりなんて…」
「バニル式殺人光線!」
「わあああああああ! ウィズさんが黒焦げです! バニルさん、いきなりなんですか!」
「うるさい! その貧乏店主の事は放っておけ!」
そう言ってバニルさんが私に近づいてくる。どうしたのだろう。バニルさんが普段より私にかまってくれてる気がする。
「貴様! その指輪、小僧に貰ったのだな! 非常に似合っているぞ!」
「そうですかバニルさん? これ似合ってますか?」
「うむ! そして、貧乏店主が言った事は気にするな! 小僧は鬼畜であるが、身内には非常に甘い! 今後も頼るといい!」
「ふふっ、そんな事は言われなくても分かってます」
私にカズマさんから貰った指輪が似合っている。ふへへ・・・
「ポーションはもう出来ているだろ? 小僧の所へ行ったらどうだ?」
「そ、そうですね……ちょっと早いけど、行ってきます!」
「おう! 行ってらっしゃい!」
私はウィズさんの店を飛び出す。少し早く行っても問題ないであろう。ギルドとは違い、喫茶店でカズマさんを待つのは、まったく辛くない。
「いたた、突然なんですかバニルさん……ってバニルさん!? 仮面から水が大量ににじみ出ていますよ!」
「おお、なんて事だ……悪魔公爵の吾輩が、喜びの感情などで……!」
「ええ!? 泣いてるんですか!? もしかしてバニルさん泣いてるんですか!?」
そうやって、早足で歩いていると、通りで何やら、人だかりが出来ていた。ちょっと、気になったので、私も野次馬して行く事にする。
「うわぁ……」
私はそこで目にした光景を見て思わずそう呻いてしまった。人だかりの中心には多数の警察官で見えないようにしているが、隙間からその惨状が見えてしまうのだ。そこには大泣きする女性がたくさん蹲っていた。それにしても、何故地面に女性用下着が散らばってるのでしょう…
「あ、ゆんゆんさん!」
「え? ゆんゆん? 私と同じ名前の人いるんだ……」
「何言ってるんですか、ゆんゆんさん!」
「ええ!?」
驚くべき事に本当に私を呼ぶ声であった。話しかけてきたのは、よくカズマさんに抱き着いている女冒険者の片割れ、ダークハンターの女性だ。
「わ、私に何の御用でしょうか?」
「いやーちょっと頼みたい事あってね」
「どんな事でしょうか?」
ま、まさか私の友達に……!?
「カズマを迎えにいってくれないかな……」
「カズマさんを?」
「そう! あたし、ちょっとコイツから手が離せなくてね」
そう言ってダークハンターの人は、隣の女の子を撫でる。撫でられているバードの女の子も、いつもカズマさんに抱き着いてくる人だ。その子はもの凄いニヤケ面をしながら、時節、フヘフヘと気持ち悪い声を上げている
「迎えに行くって、どこにですか?」
「ああ、警察署」
「ええ!?」
カズマさん、あなたは何をしでかしたのですか……
ゆんゆんが事件現場に至る少し前、カズマは数十人の女性冒険者に取り囲まれていた。
「おいお前ら! 軽食奢るって言うから付いて来たのに、騙したのか!?」
そういって俺は、抱き着いているいつもの女冒険者を睨む。
「いや、あたしも知らないよ……」
「カズマさん! 騙してないよ! 信じて信じて!」
「分かった! 分かったから俺によじ登ってくるなロリっ子!」
俺はよじ登ってくるロリッ子の頭を手で押さえながら、周囲の女冒険者を見る。全員知らない顔だ。新人冒険者であろうか……
そんな中、取り囲んでいたうちの一人が話しかけてきた。
「あなたがあの鬼畜のカズマだな?」
「ああ、もう定着しきってるな……そうでーす」
そう答えた瞬間、一気に包囲が狭くなる。
「私達は全員ゆんゆんさんに恩義を持っている者だが……最近、あなたがゆんゆんさんを誑かしていると、私達の噂になっている」
俺は思わずビクリと震える。なんだろう、変な汗出て来た!
「……な、なんのことでせう?」
「最近、ゆんゆんさんを宿に毎日連れ込んでるそうじゃないか?」
やべぇ! 完璧バレてる!
「黙秘します」
「ほう……しかも昨日はゆんゆんさんに、装備一式を買ってもらったそうじゃないか」
「・・・・・・・・・・」
「「「「「覚悟!」」」」
「誤解! 誤解だから! ってマジで抜刀しやがった! 街中だぞ!」
切り掛かってくるアホ共を俺は避ける。やはり新人なのであろう。動きが遅い
「おいロリッ子ども! これって反撃していいよな! 正当防衛だよな!?」
「おう、警察きても私達が証言してやる」
「カズマさん、頑張って!」
「よっしゃ! 頼んだぞ!」
これで後顧の憂いはない!
「貴様ら、ひん剥いてやる! スティール!」
「ひゃああ!」
俺に切り掛かっていた奴のうち、一人が地面に座り込む。もちろん俺の右手にはパンツが握られている。
「おう!? お前大人のくせに、くまさんパンツかよ!? まぁ、ギャップがあってよろしい!」
俺がパンツをポケットに入れると、回りの反応が止まる。怖気づいたのだろうか。
「かかってこいやあああああああ!」
「このー!」
「ヒャッハー!スティールスティールスティールスティールスティールスティール!」
「「「「ひゃああああああああああ!」」」」
気が付いたら、周りの女冒険者が全員泣きながら座り込んでいた。そして俺は今、大量の下着を抱え込んでいる。
「人肌ってあったけぇ……」
俺が、下着に残る熱を堪能していると、顔馴染みの男冒険者が集まってきた。
「何やってんすか! カズマさん!」
「下着! 下着!」
「・・・・・・・・」
男冒険者が羨望の目で見てくる。可愛い奴らだ……!
「お前らにくれてやる!」
俺は手に持っていた下着の束を奴らに投げつけた!
「うひょおおお!」
「おいこら! これは俺んだ!」
「うるせー! お前はこの経血まみれのでも持ってけ!」
「おい! その経血パンツこっちに渡せ!」
下着を巡って争う男達を俺は笑いながら見守る。争え…!もっと争え…!
「ねぇ、もうやめよ?」
「なんだロリっ子……ていうかお前ってガキのくせに恰好はビッチだよな! スティール!」
「わあ!?」
「おお……お前、エロイ下着だな」
「え? 何、私に欲情したの?欲情してくれたの? ふへ、ふへへへへ!」
「気持ちわりぃよ! おいコラお前どこ擦り付けて……!」
そんな時、俺の手を掴む奴がいた。またあいつらか?
「なんだよ! また、ひん剥く……」
「ちょっと署まで来ようか?」
「はい、お巡りさん」
糞が!
「カズマさん、大丈夫ですか!?」
私は今、警察の留置場に来ていた。無論カズマさんを迎えに行くためである。そこには、カズマさんと、何故かダストさんがいた。
「おいカズマ、こいつは予想外だ! 賭けは無効な!」
「チッ、仕方ねぇ! しかし、ゆんゆん! よく来てくれた!」
カズマさんが笑いながら話しかけてくる。いつもの様子に私は安心した。
「でもなんで、ゆんゆんが来たんだ? 俺は身元引受けは、あいつら二人組か、めぐみんだと思ってたんだが……」
「そうだぞ! ゆんゆん! 賭けが無効になったじゃないか!」
この二人は随分余裕そうだ。捕まったって聞いた時、とても不安だったのに!
心配して損した……
「カズマさん出ましょう。今日も冒険するんですよね?」
「おう、だから出してくれ!」
「はい、警察の人呼んできますね」
そんな時、ダストさんがカズマさんに話しかけてくる。ダストさんは何をして捕まったんだろうか……
「おいカズマ! どうせなら飯食ってけよ!」
「ふ~む……やっちゃいますか!」
「やっちゃいましょうよ!」
二人が下卑た笑いを上げる。バニルさんを外したら、私の男友達ってどっちもチンピラですね……
なんだか泣きたくなって来た!
「おらああああああああ! 飯よこせや糞ポリがあああああああああああああああ!」
「あくしろよおおおおおお! 糞尿ここで撒き散らすぞクソがあああああああああ!」
「ふ、二人ともいきなり何ですか!?」
奇声を上げながら、牢内で暴れ回る二人を私は茫然と見つめる。
私、カズマさんが好きだって自信が早くもなくなって来ましたよ!
「うるせーお前ら! おい嬢ちゃん、お前の分もあるから配膳手伝ってくれ」
「ええ!? わ、分かりました」
その後、私とカズマさん達と一緒に牢屋の中で食事をしました。捕まってないのに、臭い飯を食べる事になって泣きそうです。
でも、刑務所のご飯って全然臭くないし、むしろ美味しいんですね。知らなくていい事を知りました……
そして、私はカズマさんを出所させた後、ジャイアントトードの繁殖場にもなっている草原に向かいました。今日はここで私の日課を手伝ってもらうんです。
「カズマさん、この岩の上です! んしょっと…」
「おう、今日のパンツは黒か……可愛い!」
「見ないでください!」
「もう、今更すぎるだろ」
そう言うカズマさんを私は同じ岩の上に引き上げる。この岩の上に私以外が……
あ、また泣きそうになって来ました。
「おいゆんゆん! ここで何すんだ?」
「そのうち分かります。それまで、お話して待ちましょう?」
「うーい」
そして、私はカズマさんとお話をする。今まで退屈だと思っていた岩の上がとても楽しい場所になった。そして、話題はカズマさんが捕まった事にうつる。
「カズマさん、本当にアレは正当防衛なんですよね?」
「当たり前だろ! 二人や警察官から聞いたんだろ! 俺はいきなり襲われたんだ!」
「で、でも女の子達が皆、大泣きしてましたよ……」
「知るか! 正当防衛でーす! 俺は悪くねぇ!」
なんだか、非常に納得いきません。なんで、周囲に女性用下着が散らばっていたかも分かりませんし……
「というかゆんゆん! あいつらお前の関係者みたいだぞ!」
カズマさんの言った事に私は押し黙る。確かにあの女性達はみんな、見覚えのある方ばかりでした。
「あの方達は、私が救助した人みたいですね……」
「救助~?」
「そうです。死んじゃいそうな駆け出し冒険者を助けるお仕事です。ギルドの常時クエストなんですよ」
そう言う私に対して、カズマさんはなんだか哀れみの視線を送ってきました。
「ゆんゆん…ギルドにいいように使われてるな。やめたきゃ俺に言えよ」
「進んでやってます! 使われてなんかいません! それに今はその仕事の最中です!」
そう、この岩は草原のほぼ真ん中に位置します。ここで助けを求める冒険者の声を聞くんです。そして、都合が良い事に、こちらに悲鳴のようなものが、かすかに聞こえて来ました。
「カズマさん、あっちです! 早く助けましょう! そして“公開レイパーのカズマさん”なんて不名誉な汚名を雪ぐんです!」
「おう! ってお前今なんつった!」
「早く行きますよ」
「待てゆんゆん! さすがに洒落にならん、洒落にならんぞ! その通り名!」
私はギャーギャー騒ぐカズマさんを連れて、現場にたどり着く。
そこには、2匹のジャイアントトードが棒立ちしていました。そして、両方のジャイアントトードの口から人の足が見えていました。
「カズマさん私はこっちをやります。向こうは任せましたよ」
「了解~」
私は、左のジャイアントトードへ向けて、詠唱しながら走り寄る
「ライトオブセイバー!」
無防備なジャイアントトードの頭を貫き、私はそのまま滑るように背中を切りつけて背開きにしました。そして、飲み込まれた冒険者を引っ張り上げます。
「大丈夫ですか?」
「うぅ、ありがとうございます~」
意識がある事を確認すると、私は鞄から信号弾を取り出し、空に打ち上げました。
「もう安心してください。ちょっと待てば、ギルドの回収班がこちらに来ますよ」
「ありがと、ありがとね~」
そう言って泣く冒険者を私は慰める。その時、カズマさんがボソボソと何か呟いているのが聞こえました。
「こいつ、犯して捨ててもバレないかな……」
「カズマさん! 何やってるんですか!?」
カズマさんもカエルを倒して、救助を完了させていました。しかし、カズマさんの両手は、あろうことか気絶した女冒険者の服の中で蠢いていました。あそこは、胸の位置です!
「ひょ!? ここここれ治療だから! ヒール! ヒール!」
「カズマさんのバカ!」
「誤解!これは誤解で…へぶぅ!?」
私はカズマさんを蹴り飛ばして、冒険者を救出しました。この女性も可愛そうに…
「おい待てゆんゆん! って後ずさるな!……謝る!謝るから!俺から逃げないでゆんゆん!」
「・・・・・・・・・」
「おいゆんゆん、機嫌直してくれよ……」
私は、ギルドに報告を行った後、いつもの宿屋に連れ込まれました。でも、今の私は不機嫌です!
「今日は脱ぎませんし、手も使いません! 勝手に一人でやってください!」
「ええ~」
「もう知りません!」
そうやって、そっぽを向いていると、カズマさんが私に恐る恐る聞いてきた。
「なら足でやってもらえる?」
カズマさんは、何をほざいているんでしょうか…
「ねぇやって! ゆんゆん様! お願いお願いお願い!」
「わ、わかりましたから! そんな情けなく泣かないでください。私、そんなカズマさん見たくないです!」
結局、私は足でやる事を了承してしまった。流されてなんて……ないです!
「じゃあ頼むぞ、ゆんゆん!」
「はぁ……」
私は、ベッドで性器を反り立たせて仰向けになっているカズマさんに近づきます。
「私、足でなんて知りません……」
「やればできる! 足で踏みつけるように、オレのチンポを擦るんだ!」
「はぁ……」
私は言われた通り、カズマさんの性器を右足で踏みつける。ストッキングは脱ぎません!今日は脱がないって決めたんです!
「おおう……ゆんゆん、君も話が分かる子だね」
「一体なんの事ですか! まったく!」
私は変な事を言うカズマさんに対して、性器を強く踏む事で応える。
「おふ!? おお、気持ちええ……」
「カズマさん、こんな事が気持ちいいなんて、変態さんですね」
「おひょ!?」
私は変な声を上げるカズマさんに、改めて怒りが湧いてきました。
「カズマさん、女性をレイプしようとするなんて最低です!」
「いや待て聞いてくれ! あれは誤解なんだよ!」
「本当ですか……? カズマさん」
私は思わず、足を止める。カズマさんが、そんな最低すぎる人間だと私は思いたくない。カズマさんは、最低だけども、人間の屑ではないと信じたいのだ。
「ゆんゆん、レイプ願望ってのはな男は全員持っているんだ!」
「ええ、そんなの信じたくないです……」
「アホ! エッチな本がレイプ物で溢れてる事から、それくらい察しろ!」
「でも、そんなの最低すぎです……」
「そうだ! 男ってのは皆最低だ! でもな、思っても実行には移さない人がほとんどだ! 信じてくれ!」
私はカズマさん言葉に押し黙る。カズマさんは、私の体を弄ぶ最低の人ですが、最後の一線はまだ超えようとはしません。それはカズマさんが根は良い人で……いや、単に度胸がないのでしょう。
確かに、カズマさんがレイプをできるなんて思えませんね……
「はぁ、分かりました……」
「おう、分かってくれたかゆんゆん!」
微笑むカズマさんに、再び腹が立ちました。
私は亀頭の付け根部分を、右足の親指と人差し指で、強く握りこみました。
「おぅ!?」
「でも、カズマさんはレイプしたいって思った事は確かなんですよね……」
「ああ、だから男は誰でも……おふっ!?」
私は体重を乗せてカズマさんの性器を踏み潰す。
「毎日毎日、カズマさんの性欲を私が発散させてるのに、まだ足らないんですか?」
「いや違う! むしろ俺は、一日中お前の事を考えて…」
「うるさいです!」
「ほひょっ!? うへ、うひひ!」
私はそのまま、踏みちぎるように性器をしごく。ストッキング越しに、カズマさんの性器の熱と固さが、ジンジンと伝わります。本当に最低です!
「カズマさん! レイプしたいなんて思う女性は私だけにしてください! そうしないと縁を切りますよ!」
「はひぃ! おほっ……分かってます! ゆんゆん様あああああ!」
「ふん! 絶対ですよ!」
私はしごく速度と、踏みつける力を更に強める。そして、カズマさんの性器がビクビク震えるのを感じました。
「足でやってるんですよ……もう出しちゃうんですか?」
「ふひぃ! そ、そうです! もう出る出る! ・・・・あ」
カズマさんが微かに声を上げた瞬間、性器からビュルビュルと精液が飛び散りました。
「カズマさん、本当に足で射精するなんて……変態さんですね」
「あへっ!? おおう……」
カズマさんはもう一度性器を震わせ、ビュルリと白濁を吐き出しました。そして、カズマさんは全身の力が抜けたように、大の字に体を広げました
「ああーやべぇ……ちょっと癖になりそう」
恍惚とした表情をしているカズマさんを見ながら、私は性器の前に座り込みました。そして、陰毛やお腹に付着した精液を舐めとっていきます。
「んむ……ん……んじゅ……」
「ゆんゆん……」
私は、精液を全て舐めとると、昨日のように、亀頭を吸い上げる。
「ん……ん……」
「おほっ……!」
そして、全ての精液を舐めとり、カズマさんに報告しました。
「カズマさん、全部舐めとりました!」
「そうか、さっきのゆんゆんも少しいいが、やっぱりお前は笑顔が一番だ!」
カズマさんは私の頭を優しく愛撫する。それを、私は黙って受け入れた。
「偉いぞゆんゆん!」
「はい、カズマさん!」
私は満面の笑みで応えた!
ゆんゆんに足コキさせるための前ふりがかなり冗長になりました…
途中出て来た、ダークハンター、バードは世界樹の迷宮に出てくる職業です。