※この作品はR-18です。

てぃーちんぐゆんゆん   作:ルイ提督

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乙女なダクネス

「勇気を出しましょう! 怖くない怖くない!」

 

 頬をパンパンと叩きながら自分に喝を入れます。私が今いる場所は、カズマさんの屋敷の玄関前。ここをノックすると、私はあの3人と対峙するかもしれないのです。もしくはカズマさんがあっさり出てきて終わりになっちゃうかもしれません。だから怖くない!

 

「す、すみませーん!」

 

 若干緊張しながらドアノッカーをコンコンと鳴らしました。しばらく待っていると扉の向こうから足音が聞こえてきました。私はそれを心を平常に保ちながら待ちます。そして、ゆっくりと扉が開きました。私を出迎えたのは……めぐみんでした。

 

「め、めぐみん! その……本日はお日柄もよく……!」

 

「私、宗教とか興味ないんで二度と来ないでください」

 

「わああああああああっ!? 待って! 待って! 怪しい宗教の勧誘じゃないから私の話を聞いて!」

 

 うざったそうに扉を閉めようとするめぐみんに縋り付き、なんとか彼女を引き留めました。こんな意地悪するなんてヒドイです! めぐみんはそんな私を見下ろしながら無表情で語りかけてきました。

 

「ゆんゆん、私に何かようですか? あいにく私は忙しいのでさっさと用事を言ってください」

 

「う、うん……あの……カズマさんは屋敷にいる?」

 

「屋敷にカズマはいませんよ」

 

「それじゃあどこに……」

 

「知りません」

 

 ピシャリと言い放つめぐみんに少し気圧されましたが、私は負けません。きちんと立ち上がってめぐみんと向き合いました。

 

「めぐみん、何か知っているのなら教えて」

 

「はぁ……あなたはカズマの噂をご存じないのですか?」

 

「え……? その……聞く機会がなくて……」

 

「そういえば、ゆんゆんはぼっちでしたね」

 

「ぼ、ぼっちじゃないわよ!」

 

 即座に否定をしましたが、めぐみんは私を呆れた表情で見てきます。私にだって友達はいます。ウィズさんとかバニルさん、ダストさんのパーティの方達とか、後は……とにかく友達はいるんです!

 

「めぐみん、その“噂”とやらが私は知りたいの! 知っているなら教えてくれない?」

 

「はぁ……分かりましたよ……」

 

 めぐみんは面倒臭そうにそう答えました。私はそんな彼女をついついじっと見てしまいました。なんだか随分とゲッソリしています。でも肌はツヤツヤしていますね……

 

 

 

 

 

「三日前の夜中に、カズマがお忍びで観光に来ていたとある貴族令嬢をこました上に性行為を強要したようです。簡単に言い換えれば、貴族の娘をレイプをしました」

 

「え?」

 

 

 

 

 めぐみんが急に変な事を言った。カズマさんが貴族のお嬢様をレイプ? カズマさんがそんな事するはず……ないですよね……? しないと思いたいです……

 

「その貴族とはダスティネス家と私達で示談交渉を行って表面上は解決済みです。お互いに今回の事を第三者に口外しない事も約束しました。しかし、どうやら情報が洩れて噂になってしまったようですね」

 

「それならカズマさんは……?」

 

「だから知りません。合わせる顔がないのか、私達の事を放って逃亡したようです。現在、ダクネスが家の力も使ってカズマの逃亡場所を調査しています。今後、あなたにも捜索を依頼するかもしれませんね」

 

「そんな……」

 

 突然の事すぎて理解が追い付かない。カズマさんが女の子をレイプしたあげく逃げた? そんなの信じたくありません。例え、その犯罪行為が事実だったとしても、婚約者である私に一言も告げずに逃げるなんておかしい……ありえない……! しかも犯罪の責任をダクネスさん達に全部押し付けた……? 違う……カズマさんはそんな事をする人じゃない……!

 

「ゆんゆん、カズマみたいなクズ男は諦めなさい」

 

「めぐみんには関係ないでしょ……」

 

「いいえ、あります。あの男は最低最悪です。流石にこの私も愛想が尽きました。捕まえたら、刑務所に入ってもらう予定です。ゆんゆん、あの男の本性はただのクズなんですよ?」

 

 そういってめぐみんが私を睨み付けてくる。彼女は私が初めてみるほどの憎悪を顔に張り付かせていた。

 

「ゆんゆん、示談は終わりましたが相手方の貴族の親はカズマを私刑にしようと、私兵を雇って彼の居場所について少々過激に聞き込みを行っているようです。おかげで街ではカズマの話は一種のタブーになっています。あなたも気をつけてくださいね?」

 

「カズマさん……」

 

 私の中のカズマさんに対する信頼やイメージがちょっと傷ついてしまいました。でも、これは真っ赤な嘘かもしれない。彼の事が好きな気持ちは止まりはしない。

 

「では、さようならゆんゆん。私はカズマの後処理に追われて忙しいんです」

 

「あ……」

 

 めぐみんが扉をバタンと閉めて屋敷の中へと消えました。残された私は仕方なく帰路につきました。頭の中では先程の事がぐるぐると渦を巻いています。カズマさんが犯罪を犯した……そして逃げた……? そんな事はない……そんな事はない!

 頭を振って、私はカズマさんへの疑念や怒りを飛ばします。こういう時はアレです。友達の所へ相談しに行くのが定番だと思います。進路をウィズさんの店に変え、しばらく歩き続けます。そして、道中、私を見てひそひそと話す方たちの会話内容に耳を澄ませます。とても嫌な気分ですが、何か有益な情報を話しているかもしれません。

 

 

 

 

 

『ねーアレが鬼畜男に捨てられたゆんゆん? 可哀想にねー』

 

『おいおい、逆だろ。鬼畜のカズマを捨てたのがゆんゆんなんだって。俺はいい判断だと思うぞ?』

 

『というか、改めて見ると可愛いな。捨てられた心を俺が癒しに……』

 

『やめとけ、過去にアイツにちょっかいかけた奴はカズマや頭のおかしい子、チンピラや魔法具店の店主と店員さんにヒドイめに遭わされたらしいぞ』

 

『チッ! やっぱカズマは変なの囲ってるんだなー』

 

『でも、アイツは今いないんだよな……それなら……』

 

 

 

 

 私はそこで、聞き耳を立てるのをやめました。全く価値のない情報ばかりです。それになんだかとてもイライラする。あそこに大魔法を撃ちこみたい。そんな思いを燻らせているうちに、私は魔法具店へとたどり着きました。扉を開けると、当然のようにバニルさんが出迎えます。

 

 

 

「いらっしゃい、小僧の事で思い煩うネタ種族よ」

 

「バニルさん……実は……」

 

 

 

 

「ああああっ! ゆんゆんさん、良く来てくれました!」

 

「わぶっ!?」

 

 突然、私の頭が柔らかな物に包まれました。どうやら、ウィズさんが私に抱き着いてきたようです。

 

「ウィズさん、急にどうしたんですか?」

 

「あなたこそ何を平気そうな顔をしているんですか!? カズマさんが女の子をレイプして行方不明になったって街中で噂になってますよ!」

 

「うぐっ……!」

 

「だから言ったじゃないですか! カズマさんはオススメしませんって! それなのにあなたは早くも結婚を決めちゃって!」

 

「あうっ……!」

 

 それから、ウィズさんの説教が始まりました。カズマさんが悪く言われている事をとても不快に感じますが、状況が状況なだけに言い返す事ができません。でも、私の手は自然と短杖に伸びて……

 

「まったく、これだから今の若い子は! もっとお互いの事を……いたいっ!?」

 

「おい、友人が結婚した事に焦りに焦り、つい最近破局の噂を聞いて内心嬉しくてたまらない腹黒で卑劣な貧乏店主よ、黙るがいい」

 

「そそそそそ、そんな事思ってないですよ!?」

 

 バニルさんがウィズさんを羽箒で思いっきり引っ叩きました。なるほど、ウィズさんはそんな事を思っていたのですか。カズマさんと再会できたら、まずはあのポーションを貰いましょう。そんな算段を内心で立てていると、バニルさんに肩をポンポンと叩かれました。

 

「貴様、我輩に話があるのだろう? 奥へ来るがいい」

 

「はい……」

 

 そして、私はバニルさんに連れられて店の奥の小さな部屋に案内されました。バニルさんと私はそこでお互い向き合いました。

 

「さて、始めに言っておく。我輩は貴様に何の情報も教えないし、小僧に関する事では具体的な忠告もしない」

 

「いきなりですね……なんでですか……?」

 

「簡単な事だ。我輩も何も知らないからだ。貴様のマインドプロテクトは破れないし、破った所で小僧と同じく女神の力で未来など見えないからな」

 

 バニルさんの言葉に私は押し黙る。私の未来が見えないという事は以前から知っていた。でも、バニルさんならそれ以外の情報を持っているのではないかと思っていた。それも教えてくれないのでしょうか……

 

「小僧の事は噂で聞いている。しかし、我輩にもそれが真実か、それとも別の何かが起こっているのか、推測はできるが真実は分からない。故に貴様には情報はやれん」

 

「それじゃあ、その推測を聞かせてもらえませんか?」

 

「それもダメだ」

 

 バニルさんが私の方を見ながらきっぱりと否定の言葉を口にしました。なんだか、内心イライラしてきました。それならば、何故私をこのような場所に呼び出したのでしょうか。

 

「落ち着けネタ種族よ。我輩は人間の感情を糧とする悪魔だ。自分の食べる物についてはよく知っている。言い換えれば人間の感情の専門家とも言えるのだ。だから、貴様らを見ていれば様々な推測ができる。しかし、こんな悪魔の推測を貴様は鵜呑みにすべきではない」

 

「でも……」

 

「怖気づくな。お前はお前の信じる道を進め。そして今一度、自分の心と向き合ってみるのだ。迷った時は、我輩のような友人を頼るのは良い事だ。しかし、貴様の悩みは、将来に非常に深く関わると見た。憂いを残さないためにも貴様自身で決断し、答えを出すのだ」

 

 そう言ってから、バニルさんが私の頭を撫でてくれました。私の中では様々な感情がまだ荒れ狂っていますが、少し不安を和らげる事ができました。

 

「だが、それだけでは不安は残るからな。代わりに貴様には我輩の秘術の数々を教えてやる」

 

「秘術……?」

 

「そうだ、寛大な我輩に感謝するがいい!」

 

 そして、バニルさんのドキドキ秘術講座が始まりました。様々な知識や術式、用途不明の謎技術の数々を高速で伝授されました。ただ、どれも今の状況に役立つものではありません。

 

「バニルさん、これをどう使うんですか?」

 

「何を言っておる。これは絶対に使うな」

 

「ええっ!? じゃあ、今まで何の意味があったんですかこれ!?」

 

「落ち着け、これは貴様のためなのだ」

 

 バニルさんはそう言って、私の頭をペチリと叩きました。なんだか納得行きません。不満を顔で伝えると、バニルさんは小さく笑いました。

 

「心して聞け。我輩が教えたもののうち、一つでも使ってしまえば貴様は最終的に間違いなく“不幸”になる。だから、それを使わない事を心がけよ。言い換えれば、それを使わない道が貴様の幸福に繋がるかもしれない。だから、これは一種の脅迫のようなものだ」

 

「バニルさん、そう言われても、こんなものを使う機会なんて一生きそうにないのですが。それに、今の状況とちっとも繋がらないものばかりですし……」

 

「うむ、それでよいのだ。深くは考えず、貴様自身で全てを決定するがよい」

 

なんだか、はぐらかされたような気がしますが、まぁいいでしょう。全く必要ないものばかりではなかったのは確かだからだ。

 

「バニルさん、私がこれらを使う時ってどんな時だと思います?」

 

「む、使うなと言っているのだが……まぁ、貴様が人生でどうしようもなく詰んだ時にこの技術の数々の誘惑に負けるかもしれないな」

 

「誘惑に負けたらどうなるのですか?」

 

「言ったであろう? 最終的に不幸になると。しかし、その過程は貴様にとっては幸せとなるかもしれない。我輩は友人である貴様には幸せになって欲しい。だから、これは我輩がつけた枷であり、一方で絶望したお前を一時の幸せに導くものとなるかもしれないと思っている」

 

バニルさんの言っていることの意味が分かりそうで分からない。とにかく、これは使うべきではないというのは良く伝わった。なんだか、本当に時間を無駄にしたような気になりました。

 

「最後にもう一度言っておこう。我輩の見通す未来は絶対のものではない。そして、選ぶ道の選択次第で未来は無限に変化する。悪魔などに頼らず、重要な選択はお前自身が決めろ」

 

「私自身……」

 

「そう、お前自身だ! 悔いが残らぬようにな! さて、この話はもう終わりだ! これから貴様はお客さんだ! 何か欲しいアイテムはおありかな?」

 

「はぁ……分かりました。いくつか欲しいものもありますし、買い物していきますね」

 

 結局、これでバニルさんの忠告(?)は終わってしまいました。私達は店内に戻り、買い物を開始しました。ともかく、カズマさんの周りで何か不穏な事が起こっているのは確かです。私も備えをしておくべきでしょう。なので、店にある有用なアイテムをとりあえず購入しておきました。

 

「毎度あり! 大量購入してくれた貴様にはおまけとしてこの最近人気のアイテムをやろう……!」

 

「そうやって売れ残りを私に押し付けないでくださいよ! まぁタダなら貰っておきますけど……」

 

私は購入したアイテムと押し付けられたアイテムを鞄に放り込み、改めてバニルさんに向き合いました。

 

「バニルさん、今日は色々とありがとうございました……ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ気が楽になりました」

 

「うむ、今後も何か行き詰った時は我輩に話すがよい。答えはやれんが、話す事で迷いや鬱憤がなくなる事もあるのだ」

 

「ふふっ……じゃあその時はお願いしますね」

 

そう言って私は店を後にしようとしました。その時、私以外のお客さんが店に現れました。それは私の友人……知り合いであるダストさんです。

 

「よぉクソガキ! こんな所で奇遇だなぁ!」

 

「私はクソガキじゃ……いえダストさん、少し聞きたい事があるのですが、いいですか?」

 

「なんだよ? 俺はウィズさんを見る作業で忙しいんだからあくしろよ!」

 

何やら微妙に苛立っているダストさんの方をじっと見ます。一応この方も冒険者です。カズマさんの事を何か知っているかもしれません。今は少しでも情報が欲しいんです。

 

「ダストさん、カズマさんの事について知ってますか?」

 

「カズマ? 俺はマジでなんも知らねぇな。でも、お前の噂なら知ってるぞ? カズマに捨てられたんだろ! お前、もう食べごろな年齢になったし、俺の女になるか?」

 

「死んでください」

 

「ごべっ!? いきなり何を……ぎゃばっ……あぎっ……ばわっ!?」

 

 どうやら何も知らなかったようです。私は短杖の血を拭い、潰れた肉塊をウィズさんの前に放り投げました。

 

「ウィズさん、そんなに婚期が気になるなら、これと結婚してやってください」

 

「ゆんゆんさん、流石にこの方は私と釣り合わないというか……」

 

「高望みしすぎじゃないですか? ダストさんは実は強いって噂もありますし、能力的にも釣り合っているじゃないですか。それに、私は以前からウィズさんとダストさんは性格的にもお似合いだなと思ってましたよ?」

 

「ちょっとゆんゆんさん!? それはどういう意味で……!」

 

「そういう意味です。では、失礼しますね」

 

 私はウィズさんが騒ぐうるさい声を無視して店を後にしました。そして、夕日を背に受けながら帰路へとつきます。結局、今日分かったのは、カズマさんに限りなく黒に近いレイプ容疑がかけられている事、どこかに逃亡済みであるという事だけです。私はどうすればよいのか分からなくなってきました。バニルさんは自分で決めろと言った。でも何を決めろというのだろうか?

 

カズマさんを探す……? 

 

それとも、もうカズマさんの事は諦める……?

 

 

「っ……!」

 

 

 ダメです。深く考えると私はおかしくなってしまいそうです。その不安と恐怖心を抑え込むようにして、私は薬指で光輝いている指輪……カズマさんからの愛の証を撫でました。

 

 

「大丈夫……大丈夫です……カズマさんが私を捨てたりなんかしない……!」

 

 

 

 

「にゃぁ!」

 

「え?」

 

 私の足元にいつのまにか黒い毛玉が出現していました。この子は、ここ数日カズマさんの弁当を上げてる子猫ちゃんです。今まではあの路地裏で会っていたのですが、子猫ちゃんの方から会いにきてくれたようです。

 

「にゃう」

 

「どうしたの?」

 

「にゃにゃ!」

 

 しゃがみこんで、その毛玉を撫でます。そんな私に子猫ちゃんはネコパンチをする事で応えました。どうやらお腹が減っているようです。

 

「ごめんね? 今日はお弁当ないの……」

 

「にゃ……」

 

「ふふっ、そんなに落ち込まないで」

 

 私は、帰る途中で買ったものを子猫ちゃんの前に置きました。それは、キャットフード。実は子猫ちゃんにお弁当の料理は良くないと思い、事前に買っておいたのです。明日渡そうと思ったのに、今日使う事となってしまいました。もしかしたら、この事を嗅ぎつけて私の元へ来たのかも知れません。

 

「あなたは鼻がいいんですね」

 

「にゃうにゃう」

 

 

キャットフードを食べる子猫ちゃんを撫でながら私は改めて自分の思いを確かめます。

 

 

 私はカズマさんが好きです。そして、私はカズマさんの大事なお嫁さんなんです。だから、レイプしたなんて噂を信じません。

 カズマさんは確かに外道で最低な人です。レイプをしたって言われたら一瞬信じちゃうくらいクズな人です。実際、安楽少女に強制フェラ、スリにレイプ未遂という前科もあります。でも、私は信じています。カズマさんが真に人を泣かせるような行為をしないと。

 もちろん、無自覚で周りの人を泣かせる事があるでしょう。しかし、レイプなんて被害者だけでなく、私をも悲しませる行為はしない。そう信じているのです

 

 

そして約束してくれました。“私の元へ必ず戻る”と

 

 

私はカズマさんを信じてるんです……

 

 

 

「にゃん……にゃう……」

 

「ねぇ子猫ちゃん、やっぱり一人じゃ寂しいの。だから、私と一緒にカズマさんの帰りを待っててくれない?」

 

「にゃうっ!」

 

 任せろ! とばかりに、子猫ちゃんが私の足をペシリと叩きました。この子猫ちゃんも随分なスケコマシですね。

 

 

そうだ! せっかくですし、私がこの子猫ちゃんに名前をつけてあげましょう!

 

 

「ねぇ、あなたの名前私が決めていい?」

 

「にゃう~」

 

「いいの? それじゃあね……」

 

 私は頭の中で恰好が良くて可愛い名前は何かを考えます。そして、とある単語がパッと浮かびました。言葉として意味はありませんが、なんだかピッタリな気がします。

 

「ふふっ、今日からあなたは“じゃりめ”です! いい名前でしょう?」

 

「にゃーっ!」

 

「わあああああっ!?」

 

 じゃりめが突然私の腕を引っ掻いてから、路地裏へと逃げて行きました。気に入らなかったのでしょうか? でも、私はピッタリだと思います! だから変えません!

 

「また明日会いましょうね。じゃりめ!」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「せいっ! おらっ!」

 

「はひ……はひ……かじゅまかじゅま……ふきゅっ!?」

 

「おっと、やりすぎたか……」

 

俺は種付けプレスで責めに責めまくって気絶させためぐみんから逸物を引き抜く。これで気絶も10回目か、そろそろマズイかもしれない。めぐみんは口から涎と胃液と精液が混じった液体を垂れ流し、秘所はヒクヒクと痙攣しながら愛液をダラダラと溢れさせていた。

監禁から約1週間とちょっとが経ち、その間にめぐみんを犯しに犯しまくった。おかげで、痛みに関してはもう感じなくなったようだ。しかし、めぐみんの体力は一番低い。1時間でこれじゃあまだまだだな。

 

「おーいアクアー! 持ってけー!」

 

 部屋の外へ向けてそう呼びかけると、台車を引きずりながら、純白のナース服姿のアクアが部屋の中に入ってきた。俺はその台車の上にめぐみんを放り投げる。

 

「うわっ! また凄い事になってるわね! というかアンタめぐみんに偏りすぎじゃない? 私にももっとしてよ……」

 

「どうせ夜は3人でヤるだろうが! まぁ次はお前を……そういえば珍しく日中にダクネスがいたな。アイツを呼んでこい。お前はライターオイルとタバコ、酒を買って待機しとけ」

 

「また? もう、まったくしょうがないんだから……」

 

 そういって、めぐみんを乗せた台車を持ってアクアが退出した。俺はそんなアクアを見ながら、口に咥えたタバコにジッポで火を灯して一息ついた。そうしてしばらく待っていると今度はお嬢様モードの三つ編みと白いドレスを着たダクネスが部屋に入って来る。俺はそんなダクネスにタバコの煙を吹き付けた。

 

「わぶっ!? 何するんだカズマ! ドレスが汚れるじゃないか!?」

 

「いいからベッドに来いよ」

 

「んっ……その見るからにクズっぽい仕草、嫌いじゃないぞ!」

 

そしてベッドに腰かけたダクネスを俺はじっくりと視姦してから、そのドレスをビリビリに引き裂こうとして……

 

「そういえばお前と二人っきりってのは初めてだよな」

 

「そうだな、私は少し忙しくてな。でもカズマがここにいるから頑張れるんだ……」

 

「おかげで好き放題やらせてもらってるわ」

 

 俺はそう言いながらダクネスにタバコの煙を浴びせる。現在、監禁中であるが思いのほか自由度は高い。脱出に使えそうな物以外はなんでも用意してくれるし、食事に関しても思いのままだ。おまけに好きな時にめぐみん達を犯せるという夢のような環境だ。ただ、娯楽が少ないため、酒やセックスに溺れるしかなく、当初は別の目的で仕入れたタバコに馴染んでしまうほどだ。これで外に出られれば完璧なんだがなぁ……

 

「そうだ、俺はお前から話を聞いてなかったな」

 

「コホッ……コホッ……! タバコ以外に何か欲しいものでもあるのか? すぐ用意するぞ?」

 

「ちげーよ! お前が何故こんな事を……監禁するかって話だよ!」

 

「ああ、そういう事か」

 

何やら神妙な面持ちになるダクネスが俺の隣に腰かける。一週間にわたる酒池肉林で忘れかけていたが、コイツも立派な監禁協力者なのである。ただ、最初に暗い笑顔を見せていただけで他は全く持って普段通りなのだ。

 

「ダクネスはこういう犯罪はしない奴だと思っていたんだがな」

 

「カズマがそう思ってくれていたなら嬉しい事だ。でも、これは仕方のない事なんだ……」

 

「仕方のない……ねぇ? 今は二人っきりだ。その理由とやらを俺に聞かせろよ」

 

「ん……」

 

 俺はタバコを吹かしながらダクネスの言葉を待つ。彼女は膝に手を置いてしばらく目を瞑った後、コテンと俺の方に体を倒す。そして、俺の膝に頭を置いてこちらを見上げてきた。男の膝枕なんて固いだけなんだがな。

 

「カズマ、それならばまずは私の質問に答えて欲しい。カズマは私を“愛して”いるか?」

 

「ダクネスを? そりゃあ……うむ……その……アレだな……」

 

 こちらを見上げるダクネスの視線から逃げるように顔を背ける。ヤッてる最中なら簡単に言える言葉なのに、いざこうして顔を合わせて会話する時にはいいにくい言葉だ。

ダクネスはそんな俺の顎を手で掴み、無理矢理視線を合わせられる。彼女の碧眼が俺を射抜くように見つめた。

 

「それだ……それが原因だ。私はなお前に愛されたいんだ。私をただの都合の良い女……奴隷として扱って欲しくないんだ……」

 

「はあ? なんかお前らしくない発言だな」

 

「自分でも分かっている。でも私はそう本当に思ってる……そう思ってしまったんだ……」

 

 要領を得ない話に俺自身困惑する。コイツは変態ドMだ。だから、こんな事言うなんて割と想定外だったりするのだ。ダクネスはそんな俺を見ながらゆっくりと話しを続けた。

 

「カズマ、私はお前に奴隷扱いされるのは嫌いじゃないし、私にとっても本望だ。でもな、お前がゆんゆんやエリス様を優しく、愛しい女性として扱っている所が我慢ならないんだ」

 

「そう言われてもな……」

 

「最近のお前は私を本当に性処理の道具としか見ていなかった……別に私だけに手を出しているのならそれで良かった。でも、お前は他の女には優しく抱き、愛を囁く。そうしたら、自然と比べてしまうんだ……私はゆんゆん達より劣る女……愛する価値がない女だって……そう言われているようで私は辛かったんだ……!」

 

 静かに涙を流し始めたダクネスの頭を俺は優しく撫でる。でも、言葉をかける事ができなかった。現に俺はダクネスをそういう女として扱い、接してきたからだ。

 

「カズマ、私は奴隷扱いはもう嫌だ……! はっきり言ってしまえば私はそういう“プレイ”やシチュエーション好きなんだ。私の好きな……愛している男にそう扱われるのは嬉しいし気持ちがいい! でも前提としてお前が私を愛してくれていなければ意味がない。その前提がなければ“プレイ”じゃない! 本当の奴隷……単なる肉便器だ!」

 

「昔と言ってる事が違うな……」

 

「私自身、不思議なんだ。でも私の本心である事は確かだ。お前にただの“奴隷”として見られるのは嫌だ……辛い……苦しいんだ……! 私もお前に一人の女として愛して欲しいんだ……!」

 

 泣き縋るダクネスを撫でながら俺は納得する。ダクネスは1人の女として見て欲しかったという事か。俺は今まで何名かの女に手を出したクズだ。それでもクズなり、相手の女性の事はそれなりに尊重していた。自分自身、単なる遊びとして認めている相手、あるえさえも俺は扱いには最大限の注意を払った。

 もちろん、ダクネスにも最初はそうしていた。でも、奴隷扱いを受け入れ、乱暴な性行為に嬌声をあげるコイツを見て俺は調子に乗ってしまった。だから、最近はコイツの事を本当に奴隷として……肉便器として扱い……性的欲求が高まった時はコイツを乱暴に犯して処理した。それでいいと俺は思っていた。でも、ダクネスも女の子である事は変わりない。コイツは本質的には潔癖で乙女チックな思考を持つお嬢様だ。その事を俺は知っていた。でも、ダクネスの美貌と肉体を貪り快楽を得ているうちに、それを忘れてしまった。ああ……本当にクズでどうしようもないな俺……!

 

「カズマ、私はお前に愛されたい……愛してるって言いながら優しくキスされたい。お前とエッチな事以外の会話を楽しみたい……二人で一緒に楽しいデートがしたい……もちろん、たまには乱暴な“奴隷”や“レイプ”みたいな過激なプレイもしたい……そしてプレイが終わったら私に優しく“大丈夫だったか?”って言って欲しい……」

 

「おう……」

 

「お前と楽しくて幸せな生活がしたい……そして綺麗なウェディングドレスを着て小さな結婚式を開いて見たいんだ……昔からの家臣やお父様にその姿を見てもらって祝福してもらいたい……私は幸せですって皆に伝えたいんだ……結婚したら子供を身ごもって静かな暮らしをお前としたい……」

 

 俺は頭を抱えた。めぐみんとアクアに関しては妥協案ともいえるその場しのぎの術でなんとかやり過ごし、彼女達を以前のような状態に近づける事に成功した。しかし、ダクネスのこれは難しい。勿論、その場しのぎの術はある。でも、それをしたら彼女は悲しむ事になる。俺はダクネスがこれ以上俺のせいで傷ついて欲しくないのだ。だからこそはっきり言わねばならない。

 

「ダクネス、お前のその夢を叶えるのは難しい……もう遅い」

 

「なぜだ……?」

 

「俺がゆんゆんを嫁さんに選んだからだ。お前の幸せ結婚生活は俺とはできない……はずだ。大人しく別の男にでも乗り換えろ」

 

「嫌に決まってるだろ! 私にはお前しかいない……お前がいい……お前が好きなんだ……!」

 

 ダクネスに体をガクガク揺らされながら、俺はタバコを吹かす。そんな事言われても無理なものは無理だ。

 

「だが、ダクネスお前を愛する事はできる。それじゃ不満か?」

 

「私を愛する……?」

 

「そうだ。もうお前をただの奴隷として扱わないし、一人の女として愛してやる。まぁ嫁さんは無理だから愛人とか浮気相手って事になるがな」

 

「カズマ、随分と上から目線だな……それにそうやって私を騙してまた奴隷に落とすのだろう? 私はもうあんな思いはしたくないんだ……」

 

 俺は嘆息する。これで一つ分かった。この3人の中で一番の強敵はダクネスだ。めぐみんとアクアは根の部分が割とヘッポコなので対処がしやすかった。でもコイツのガードは固い。流石クルセイダーと言った所か。

 

「それじゃあダクネス最初の質問に答えてくれ。何故俺を監禁した?」

 

「お前に愛して欲しいからだ」

 

「そうか、それならお前を最大限愛すると誓う。解放してくれたら、ゆんゆんよりお前を優先するかも知れないぞ?」

 

「信用できない。それに私はこの環境でしばらく過ごしたい。ゆんゆんやエリス様を愛してなんか欲しくない。それだけ私への愛が減ってしまうんだ……!」

 

 取り付く島もないとはこの事か。ダクネスに関してはゆっくりじっくりと対処していくしかなさそうだ。

 

「まったく……面倒臭い女だなお前は!」

 

「そんな事言わないでくれ……」

 

「ああもう! とにかく、俺はお前を愛すると誓う! だからお前は安心してそれを受け取れ」

 

「ふん、愛すると誓う? 安っぽい言葉だな」

 

「ああっ! やっぱり面倒臭ぇ!」

 

 俺の腹を指で突いてくるダクネスを放って食事のメニューを取り出す。そして呼び鈴を鳴らした。すると、ナース服姿のアクアが俺達の元へ再びやってきた。

 

「なんかよう? めぐみんはまだ回復してないわよ?」

 

「昼飯だよ。オムライスと……コイツを頼む」

 

「はいはーい! 少々お待ちくださいねー!」

 

 嬉しそうに注文を受け取ったアクアが部屋を退出するのを見てから、俺はダクネスをどかし、近くにあるテーブルと椅子を引き寄せる。

 

「おいダクネス、昼飯だ。そっち座れ」

 

「む、分かった」

 

 俺はタオルケットをかぶりながら、席につくダクネスの様子を眺める。この殺風景な部屋にTheお嬢様なスタイルでいるコイツは浮いて見える。そして、改めて実感した。俺、貴族のお嬢様に手をつけちまったんだな…… まぁ後悔はしてないけど。

 

「ダクネス、お前は実家で何の仕事をしているんだ? アイリス絡みの件は終わったはずだろ?」

 

「カズマは知らなくていい事だ。安心してここで過ごせ」

 

「物騒な事してないだろうな? もしそんな事をしたら……俺はお前を許さねぇぞ?」

 

 多少キツめに言ったが、ダクネスは薄く微笑むだけだ。コイツは俺の影響のせいか、割と狡い事もやるようになってしまった。今はコイツの良心を信じるしかない。

 こうして、しばらくダクネスに探りを入れているうちに、アクアが二人分の食事を台車に載せて現れた。おっ、メイド服に着替えてる……

 

「はーいお待たせご主人様、お嬢様! ご注文の品をお届けに参りましたー!」

 

 声を弾ませながらアクアが俺達の前に食事を配膳する。この食事はダスティネス家のシェフが作っているらしく、非常に美味しい。俺の数少ない娯楽の一つだったりする。

 

「おいアクア、俺のオムライスの端の方が虫食いになってるんだが……」

 

「えへへ、お腹すいてたからつまみ食いしちゃった! ごめーんね!」

 

「そうかい……」

 

なんだか怒る気も起きない。そしてアクアはケチャップを手に取り、俺の横に並んだ。

 

「お詫びに私が美味しくなる魔法をかけてあげるね! はい、ブ・ル・マ!」

 

「オムライスにそんな文字入れらても美味しくならねーよ!」

 

「ええっ!? カズマさんブルマ好きでしょ!?」

 

「好きだけど、こういう意味じゃないから! まったく……アクア、あれは食事の最後くらいに持ってきてくれ」

 

「かしこまりましたー! ご主人様―! ではごゆっくりー!」

 

 騒がしい奴が退出して再び部屋はダクネスと俺だけになる。しかし、文字入れは良い考えかもしれない。俺はダクネスのオムライスを引き寄せ、ケチャップを手に取った。

 

「ダクネス見てろよー」

 

「ん……」

 

「“ララティーナ愛してる”っと!」

 

「お、お前……!」

 

 ケチャップでそう書いて、ダクネスに渡す。彼女は顔を真っ赤にしてそれを受け取った。うーむ、こいつの恥ずかしがる基準はよくわからないな。

 

「なんだよ、お前が愛して欲しいって言うから……」

 

「これは何か私が望む愛し方とは違うぞ!」

 

「面倒臭いなー」

 

「面倒臭い言うな!」

 

 口では怒っているものの、顔は緩んできた。おーちょろいちょろい! もうこうなったらアレだ! こいつはひたすら甘やかそう!

 そう決めた俺はスプーンでオムライスをすくい、ダクネスの口元へ持っていった。めぐみんにもやったアレである。

 

「ほら、ダクネス! あーん!」

 

「こ、こら! 私の愛されたいってのはこういう事じゃなくて……」

 

「あーん」

 

「カズマ……? その……これは……」

 

「あーん」

 

「う……くっ……はむっ……んっ……!」

 

 結局は嬉しそうに口を開けたダクネスに俺は内心笑う。この3人は監禁までするという、妙な歪み方をしているが、本質的な部分はあまり変わっていないようだ。

 

「ダクネスお前は可愛いな」

 

「にゃ、にゃにを……!」

 

「凛々しいお前も好きだけど、そうやって可愛いドレス着ている姿を見ると、やっぱりお前は可愛い可愛いお嬢様なんだよな……」

 

「ううっ……お嬢様言うな……!」

 

「お前の可愛い所を俺に見せてくれないか」

 

「あうっ……おおお……おまえってやつは……!」

 

 耳まで真っ赤にするダクネスをじっくりと見ながら俺は再びスプーンをダクネスの方へ向けた。

 

「ほら、あーん」

 

「ん……うみゅ……」

 

「美味いか?」

 

「そ、そんなの知るか……!」

 

 そのまま、俺はダクネスの餌付けを開始した。彼女はグチグチと文句を言い続けているが、スプーンを差し出せば素直に口に含む。そして俺が囁く甘言に引っ掛かり、顔を上気させ嬉しそうな顔を見せた。そのまま和やかな食事が続く。そして、ダクネスのオムライスが全てなくなってから、俺も食べ始めた。

 彼女は、何やらソワソワしながらこちらをチラチラ見てきたが、そんな事は知らない。俺は一気にオムライスを腹の中に放り込んだ。そして、ベストなタイミングでアクアがおぼんを持って現れる。彼女はテーブルに注文の品をを置くと、ニヤニヤとした表情を浮かべながらこちらを見て来た。

 

「それじゃあごゆっくり~」

 

「うーい、後、今夜はお前メイド服のまま来いよ?」

 

「んふふっ! 私のメイド服姿に興奮した? やっぱりカズマは変態ね! 本当にしょうがないんだから!」

 

 ウキウキした様子で去るアクアに対して、ダクネスは注文の品、クリームソーダを見て固まっている。クリームソーダにはグネグネと絡み合う二股のストローがついていた。俗に言うアベックストローという奴だ。

 

「おう、飲むぞダクネス!」

 

「お前……これ……」

 

「なんだよ? 恥ずかしいってか? なら喜んで応じてくれそうなアクアを呼んで……」

 

「わわわわ、わかった! 私がやろう!」

 

 俺は体をモジモジさせるダクネスをジト目で見ながらストローに口をつける。彼女はゆっくりとストローに口をつけて……

 

 

「ぶっ!?」

 

「おわっ! ふくなよ! 俺の体にかかりまくって汚ねぇだろうが!」

 

「しょ、しょうがないだろ! こんなのできるか…! カズマ私が求めているのはこういうのじゃない! 多分……!」

 

「はぁ……ダル……」

 

「コラッ! 面倒臭そうにするな!」

 

 顔を真っ赤にして怒るダクネスから視線をを外し、俺はクリームソーダをストローを使わずに飲んだ。うむ、甘い!

 

「ダクネス、愛されたいっていうけどな、見ろよこの殺風景な部屋をよぉ! イチャイチャするなら外行こうぜ外! 良い感じの喫茶店で俺達のイチャラブっぷりを周りに見せつけてやろうぜ!」

 

「ふん、そんな事を言っても無駄だ。私は外にお前を出す気はないぞ」

 

「ありゃ……?」

 

 もうちょっと恥ずかしがるダクネスの姿を想像していたのだが、彼女は輝きを失った目でこちらを見つめながらクスクスと笑うだけであった。ああ……やっぱりコイツが一番の強敵だ。

 

「カズマ、食事は終わりだ。そしてもう一度言う。お前を出す気は私にはない。お前だってこの状況を楽しんでいるじゃないか。私は嬉しいぞ。お前が他の女に手を出したか心配しなくていいしな」

 

「おい……」

 

 ダクネスが俺のベッドの上へ腰かけてくる。彼女の甘い香水の匂いがやけに鼻についた。

 

「しかも、こうして二人っきりにもなれる。これが一生続くんだ。カズマも嬉しくて嬉しくてたまらないだろ? さぁ、私と愛し合おうじゃないか……」

 

「…………」

 

 しなだれかかるダクネスを抱き留めて、そのままベッドに横になる。ダクネスは俺をギュっと抱きしめた。

 

「ダクネス、お前はそれでいいのか?」

 

「どうでもいい……カズマ……私を愛して……?」

 

俺はダクネスを抱きしめ返す。そして、彼女の耳元に愛の言葉を囁いた。

 

「ダクネス、綺麗だ」

 

「当たり前だ……」

 

「ダクネス、綺麗なだけじゃなくて可愛いな」

 

「ん……もっといってくれ……」

 

「ダクネス、愛してる」

 

「心がこもってない……罰として100回言え……」

 

時節、深いキスと手による愛撫を交えながら面倒臭いダクネスをひたすら可愛がった。

 

 性行為はせずに、このスキンシップをやり続ける。甘えてくる彼女を構うのはとても面倒臭いが、少しだけ俺の心も癒された。結局、アクア達が部屋に乱入してくるまでこの行為は続けられた。そして、3人での乱交を派手にやり、全員の意識を快楽と恥辱に沈めさせて飛ばした。

 

 

 

 もちろんダクネスも快楽に身を委ねて嬌声をあげていた。でも、俺の脳裏からは、彼女に愛の言葉を囁いた時の嬉しそうな……そしてどこか寂しそうな顔が消えてくれなかった。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

「うへへへっ……カズマカズマ……ふきゅっ!」

 

「ん……カズマさんの性欲お化け……あうっ……!」

 

「あへ……私は騎士として最後まで……うぅっ……ふきゅっ!」

 

「よし、全員沈めたか」

 

 暗闇の中、ベッドで気絶して眠るめぐみん達を確認していく。どうやら、きちんと意識を飛ばす事に成功したようだ。何時間もぶっ通しで愛撫と挿入を繰り返したことで彼女達には相当な疲労がたまっているはずだ。

 それから俺は日課となっている作業を始める。タバコを口に咥え、ベッド脇に置かれたジッポとダクネスに使っていた金属製のアナルプラグを手に取る。そして、自分を拘束する鎖の一部分をジッポで炙りながら、アナルプラグで衝撃を与えていく。室内に金属音が鳴り響くが、めぐみん達は涎を垂らして気絶、熟睡しているので問題ない。

 

「クソッ! やっぱダメだ……!」

 

 俺は金属を打ち付けながら、焦燥感で頭がいっぱいになった。この一週間ちょっとこれを続けているが、ジッポ程度の火力じゃ鎖はどうにもならない。鍛冶スキルを駆使して効率良く鎖にダメージを与えているが、鍛冶スキルで解析すると、小さな傷とほんの少しのクラックしか出来ていないようだ。これでは、時間がかかりすぎる……!

 

「ゆんゆん……もう少し待っててくれよ……!」

 

 四肢の鎖に同様の衝撃を与え、めぐみん達の愛液をそこに塗りつけていく。少しでも耐久度が落ちて欲しいのだ。そんな時、めぐみんが身じろぎして薄目を開けようとしていた。俺は慌ててアナルプラグをダクネスに突っ込み、口に咥えたタバコに火を灯した。

 

「ん……カズマ……起きているのですか……?」

 

「あ、ああ……ちょっとな……」

 

「もう、タバコはいけませんよ。臭いですし、私達の体にもよくありません。明日アクアの浄化魔法をきちんと受けてくださいね? 私はヤニ臭いカズマは嫌いです……」

 

幸せそうな顔をしながらそう呟くめぐみんの頭を俺は優しく撫でる。彼女はそれを嬉しそうに受け入れ、俺の体に抱き着いてきた。

 

「めぐみん、明日も相手してやる。今日は無理したろ? ほら眠るんだ」

 

「ん……カズマ……私をもっと撫でてください……ずっと私の傍にいてください……」

 

「安心しろ。俺はここにいるさ」

 

そして、しばらくめぐみんを抱きしめる。彼女から、再び規則的に寝息が聞こえ始めた。俺は煙を空中に吹き付けてから、再び作業に戻る。自然と悪態が口に出てしまった。

 

「本当にこの糞バカどもが……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな様子を蒼い瞳がじっと見ていた。

 

 

 




この話を考えながらシロギス釣ってました。

次回はゆんゆんかな……

更新は密林から送られてくる9巻を読んでOVA見た後くらい
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