とある日の昼下がり、“紅魔族随一の小説家”である私は窓から外の眺めをそっと伺っていた。外は鬱蒼とした森林に囲まており、そのせいか若干薄暗い。私にとっては見慣れた場所であるのだが、この光景は私にとっては毒であった。条件反射的に自然とお腹の奥がジンと熱くなってきて思わず悶えてしまう。
「私も随分とはしたない女になっちゃったね……」
そう独り言ちながら私はベッドへと身を投げ、適度に疲労した体を伸ばす。ここは紅魔の里から少し離れたの森にひっそりと建てられた山小屋だ。この小屋の存在を知っているのは私とカズマ君、この小屋のオーナーであった紅魔族の里で猟師として働いていたお爺ちゃんだけだ。そんな私にとっての秘密の場所と言えるこの山小屋には、月一回ほどの頻度で訪れていた。
その目的は、もちろん狩猟をして得た獲物を解体するためだ。紅魔の里のポーション類が相場と比べてかなり安いのは、材料となるモンスターの素材をポーション製作者が現地調達している事が一因となっている。
だが、これはポーションの生産量が少ないこと、製作者の気分次第で作られるポーションが変わる事を意味している。ポーション製作所に売れ筋である体力・魔力回復ポーションを作ってもらうため、安定した供給量を維持するために商会はわざわざ獲物を狩ってポーション屋に錬金術の材料を納品しているのだ。普段は元ニート達の仕事である材料集めだが、私とカズマ君も体を訛らせないためにこの仕事を月一回は引き受ける。もちろん、獲物を消し飛ばすめぐみんは参加させていない。おかげで仕事はカズマ君と二人っきり。何より、獲物を早く仕留めれば仕事はすぐに終わる。言い換えれば“自由”な時間を取りやすいのだ。
「あ゛~仕事終わりの風呂はたまらねえぜ! おう、あるえ! ビール持って来いよ!」
「ちょっとカズマ君! 今日は私の作品を見てくれる日だよね。お酒を飲みながらなんて許さないよ」
「えー」
「そんな顔しないで欲しいね。今では私の小説だってこの商会の売れ筋商品さ。ほら、今度の作品は自信作なんだ。しっかり目を通してくれるかい?」
湯上りでガウン姿のカズマ君に、私は小説の原稿を押し付ける。彼はそれを渋々と受け取りながらも、素直にソファーに座って読み始める。私はそれをそわそわしながらと見守る。今回は私が出している『敏腕秘書官』シリーズの三作品目だ。怠け者で適当な商会運営をしている社長を超凄い秘書官である主人公“エルア”がサポートし、傾いた経営を建て直す笑いあり、涙あり、濡れ場ありの小説である。カズマ君からの評価は芳しくないが、女性陣に出版を薦められ、出してみたら結構なヒットになった作品だ。案の定、カズマ君は原稿を読んで微妙な表情をしていた。
「いつも思うんだが、何でこのクズ社長に主人公は入れ込んでるんだ? さっさと会社乗っ取って成り上がれよ。今回なんか主人公に泣きついてるぞコイツ」
「あのねえ、そのクズ社長ってダメ男だけどイケメンなんだよ! イケメンに泣きつかれるなんて最高じゃないかい? おまけに、ピンチの主人公のために本気を出した時は凄い経営力と強さを見せて……」
「あーそういうのいいから」
「どうしてさ! こう、女性にとってはグっと来るものがあるのだけど……」
こればっかりは性差による考え方の違いがあるのかもしれない。まぁ、単純に女主人公というのに彼が慣れていないという可能性もある。彼がダメ女達を躾けてハーレムを作る小説を傑作だと以前言っていたが、その時点で色々とお察しだ。
「まぁ、今回の新キャラである新入社員は良い感じだと思うぞ。素直で可愛いし」
「はぁ!? その女は無能なくせに社長に取り入って気に入られちゃうムカつくライバルキャラなんだ! 可愛いとか見当違いすぎる感想だよ」
「うわっ、主人公って新人イビリするような奴なのか? それはツンデレを超えて単なる嫌な奴だな」
「ち、違うから! 世の真面目な女性にとってぶりっ子女は天敵なだけだよ! 全く、カズマ君って女の子の気持ちってものが全然分からないのかい!?」
少しプンスコした私をカズマ君は微妙な表情で見てくる。もしかして、今回の巻はダメなのかと本気で心配し始めた時、彼は苦笑しながら原稿手渡してくる。そこには発行部数と発売日についてのメモ書きが添えられていた。
「俺が微妙って思う時は何故かゆんゆん達や購買層である女性達には人気だからな。という事で、さっさと刷って売り出していいぞ。出版費用は商会で出すが、出版までの手続きはいつも通りお前がやれよ」
「うーん少し嬉しくない反応だね。どうせなら、面白いから合格って笑顔で言って欲しいよ」
「はいはい、合格合格~」
「んむむっ……カズマ君、最近は適当で何だか府抜けてないかい?」
「失敬な。仕事終わりなんだから気を抜いてもいいじゃねぇか」
私の言葉を聞き流しながら、彼は懐から取り出した煙草に火をつけて吸い始める。ちょっと前にゆんゆんに禁煙するって土下座して謝っていたのにもうこれだ。何かムカツクし今度チクってやろうか。まぁ、今はそれより優先すべきものがある。私はすでに色々と限界なのだ。
「ね、ねぇカズマ君! 私の小説は合格なんだよね? それなら、“いつも通り”ご褒美を貰えるかい?」
「おい、まだアレを続ける気が? 最近はさよりが俺を冷めた目で見てくる事も多いんだ。出来るだけ子供に呆れられる原因は作りたくない。何より、ゆんゆん達が怖くてな」
「大丈夫だよ。これは私達だけの秘密だからね。それに、私みたいな優秀な秘書を失いたくないよね? 今月もあんなに書類を貯めちゃって……」
「うぐっ……!?」
私は少し息を荒くしながら彼の弱点をつく。書類仕事は主に社長であるカズマ君と秘書である私の仕事だ。しかも、カズマ君は書類仕事を面倒くさがって私に任せっきりだ。ここで私が仕事を辞めてしまったら、しわ寄せは全て彼に行ってしまうのである。
「私は今や人気作家なんだよ? おかげでお金にも苦労していない。私がここで働いているのは今更君と商会を見捨てられないし、君に構ってほしいから……接点を持ち続けたいからっていう単純な理由さ。それすら許されないというなら……」
「分かった分かった! 俺が何でもしてやるから辞めるとか言うな! 正直言って、お前がいないと商会は色んな意味で成り立たないんだ!」
「それならやる事は一つさ。さぁ、カズマ君、私に“天国”を見せて……?」
「まったく、お前もモノ好きな奴だな」
呆れたような表情をしながらも、彼は口角を少し上げながらソファーにどっかりと座る。それから、私に向かって小さく手招きをしてきた。それに吸い寄せられるように私はゆっくりと彼に近づき、倒れるように彼の胸へ飛び込んだ。彼の匂いはお風呂に入った直後なのでフローラルなものであり、それが少し残念だった。
「えへへっ……カズマ君……キスしてくれるかい……?」
「キス? お前はこっちで十分だろ」
「んぶぅっ!?」
キスのお願いをしたのに、私の口の中に侵入してきたのは彼の舌ではなく指だった。無造作に突っ込まれた二本の指は私の口内を好き勝手に蹂躙する。彼の指のほのかな塩味は、私に何とも言えない快感を与えてくれた。
「んぐっ……ひゅぐっ……んっ……んぁっ……んふっ……♪」
「おいおい、俺の指に舌を絡ませて蕩けた表情しやがって……いい趣味してるな」
「んむっ……君が先にやったんじゃないか……それにこういうのも悪くない……んっ……」
「ほーん」
「ぐぷっ……んっ……ちゅるっ……れろっ……んんんっ……!」
私の口内に侵入してきた彼の人差し指と中指をゆっくり丁寧に舐めあげる。爪のスキマを舌でなぞり、指の股にじゅるりと吸い付く。すでにほのかな塩味も消えてしまったが、彼の指を私の唾液で汚すことに満足感を覚えていた。
それから、もう噛みついてしまおうかという考えが頭によぎった時、カズマ君は私の口から指をちゅぷりと引き抜く。もちろん、彼の指は私の唾液でぬらぬらと濡れていた。
「よし、これくらいで十分だ。あるえ、俺の膝に座れ。背中を俺に預けるんだ」
「了解だよ……んしょ……あっ……んへへっ……!」
「ご機嫌だな」
「だって、こういうのも悪くないかなって……ひゃんっ!?」
カズマ君が私の事を背後からぎゅっと抱きしめてくれる。男性特有のゴツゴツとした感触と彼の暖かな体温に包み込まれるのは心地良かった。それに、カズマ君の少し荒い吐息が私の首筋に吹き付けられるのを感じた。私に興奮してくれている。その事実が私にゾクリとした満足感と快感を与えてくれた。
「なぁ、あるえ。お前って最近新しくバイトとして入ったねりまきが気に入らないのか?」
「うぇっ!? 急に何さ! というかどうしてそんな事を思ったのかい!?」
「だって、あの新作小説の後輩キャラと主人公のやり取りを現実でも目にしてたからな。お前とねりまきで」
「ななな何の事かな!? カズマ君、小説と現実をごっちゃにするのは良くない事だよ!」
「今更何言ってんだよ。あのシリーズの主人公はお前がモデルだろ? 何故かエリス様と俺以外にはバレてないけどな。あんなにも分かりやすいのに……」
「わあああああああああっ! あああああああっ!」
羞恥やら何やらで私は叫ぶ事しか出来ない。よりにもよってカズマ君にバレてしまったのが恥ずかしくてしょうがなかった。ああ、どうしよう……! 主人公の設定を盛りに盛って、おまけにカズマ君モデルの社長にはダメ男にした事も全部彼に筒抜けなのだ。
「今だから言うけどさ、小説のクズ社長の妻を事故で亡くした設定はどうかと思うわ。小説の中とはいえ俺の可愛い嫁さんを殺しちまうとは……」
「ち、違うんだよ! あれは影があるとか、悲しい過去を持ったイケメンはそそるっていうか……過去の女を忘れさせて男を自分だけのものにする女としての支配欲を満たすための……!」
「うわっ……」
「待って! これは小説の話だから! 現実ではそんな事思ってないから!」
思わず涙目で否定してしまった私の頬を彼は軽くつまんできた。それから、彼が微かに溜息をついたのを私は感じ取り、体を強張らせてしまう。もしかして、今までもの小説も含めて私は彼を不快にさせてしまったのだろうか。
「ご、ごめんねカズマ君……もうこのシリーズはやめるからさ……」
「何でそうなるんだバカ。そもそも小説なんて全て作家の妄想の塊みたいなもんだしな。妄想にまで文句は言わねえよ」
「むっ、作家として今のカズマ君の発言は許せないよ。いいかい? そもそも文学というものは……」
「へいへい、難しくなりそうだからこの話はここで終わりだ。さぁ、あるえ。次は俺に何をして欲しいんだ?」
「むうっ……次のお願いも一緒だよ。キスして欲しいかなって……ってなんでおっぱい揉むのさ……んひっ!?」
カズマ君はキスをしないで私のおっぱいをぎゅむぎゅむと揉んできた。でも、これはこれでいいものだ。実は里一番大きいのではないかと言われる胸を私は密かに自慢に思っている。そんな胸が、私の眼下で乱暴に揉みしだかれている。強すぎず、弱すぎず、手慣れた手つきでほどよく性感を刺激してくる。カズマ君はおっぱい揉みのプロなのかな……
「やんっ……はうっ……んぅっ……んふふっ……カズマ君って私のおっぱいは好きかい……?」
「蕩けた顔で何言ってんだか。まぁ、男でおっぱいが嫌いな奴はいない。特に巨乳は……なっ!」
「ひゃあああっ!?」
私の服のボタンを引き裂くように強引に押し開く。今の蛮行でボタンがいくつか取れてしまった。後で付け直さなきゃと思う暇もなく、私の胸が外気に晒され、その勢いでお気に入りのブラも剥ぎ取られる。それから、カズマ君は私の乳首をきゅっと摘まみ上げてきた。
「んひいいいっ!? ちくび……いきなり……だめだよっ……あうっ……!」
「相変わらず綺麗な色してるなぁ……」
「そんなにやっても私は何も出ないよ……はうううぅっ!」
「おう、ここの開発も順調だな。いい傾向だ」
「ひゃうっ……んっ……もっと……もっといじって……!」
私の口から自然と卑猥な懇願の言葉が出てしまった。そんな私をカズマ君が鼻で笑う音が背後から聞こえる。それから彼は私の敏感な乳首を、引っ張り上げるように抓り上げた。これ以上されたら、私は頭がどうにかなりそうだった。
「んひゃっ……あうううううううっ!? だめっ……それ以上はだめだからっ……!」
「弄れって言ったのはお前だろ? それに乳首をこんなにもカチカチにしてるくせによぉ……」
「はううっ! だめって言ってるじゃないか! そんなにコリコリしちゃっ……いひっ……!? なんで耳……いやぁっ……!」
「んぐっ……お前はいつもすまし顔なくせに、えっちの時は本当に可愛い顔をするな」
「ひいいいいいっ!? やめっ……くすぐったくて……ひゃわわわっ!?」
可愛いと言われただけで嬉しすぎて漏れそうになる自分自身に内心呆れる。そんな私の耳をカズマ君は容赦なくしゃぶり、耳穴の中に舌先を入れて蹂躙する。まるで耳に水が入った時のような不快感とゾクゾクとした未知の快感が私に押し寄せる。もちろん、その間もカズマ君は私のおっぱいを虐めていた。自然と私の顔も快感に蕩けてしまう。こんな気持ちよさは“ひとりえっち”では絶対に味わえないものなのだ。
「あひっ……はひっ……! だめっ……なにか来ちゃいそうだよ……んっ……あうっ……!」
「大丈夫だあるえ。快楽に身を任せろ。」
「だめだめっ! おっぱい千切れちゃうからっ……やめっ……ひううううううっ!?」
「ヒャッハッハ! 本当にいい声で鳴くなお前は! おりゃっ! 止めの一撃!」
「いやああああああああっ!? 痛いっ……痛いよカズマ君……いたいっ……!」
カズマ君が私のおっぱいを絞るように摘まみ上げる。そして、私の乳首に強く爪を立ててきた。先ほどまでは痛みより気持ちよさが勝っていたが、流石にこれは痛すぎて快楽が吹き飛んでしまう。眼下の光景は視覚的に痛みが伴うものであり、私は目を瞑ってしまう。もしかして、カズマ君は私に“本当”の意地悪をしているのだろうか。やっぱり、嫌がる彼に無理やりご褒美を求めたのがいけなかったのだろうか? それとも、単純に嫌われたのかもしれない。今まで、私は彼に取り入ろうとする女性従業員や取引先の悪女を事前に追い払ってきた。
やっぱり余計なお節介だったのかな……
「んっ……んぅ……んぁ……! はぅっ……んう……んうっ!?」
私の口内にカズマ君の熱い舌先が突き入れられる。朦朧とする意識の中で私は彼にキスをされている事を理解する。ずっとやって欲しかった口付けをこんなにも力強く、強引にしてくれた。夢見るような甘いキスじゃないけれど、男らしくて彼らしいこのキスもいいものだ。そして、今まで感じていた痛みがなくなった事に気づく。むしろ、その痛みが反転して快楽となり、私に暴力的な快感を与えてくれた。ああ、もう我慢できない。こんな気持ち良い事に抗えるわけ……!
「んはっ……だめっ……んっ……ん……! んぁっ……やっ……んっ……んぅうううううううううっ!?」
「んぐっ……絶頂したか。胸だけでイくとか、お前も相当な変態だな」
「んっ……はふぅ……私は変態じゃ……ないよ……! えへっ……えへへっ……」
「おう、急にどうした?」
私はカズマ君に背中を深く預け、彼の右腕を抱いて快楽の余韻に浸る。盛大に絶頂したせいか、私のパンツはどろどろに濡れて今も愛液が滴り落ちている。そんな濡れた下着に対する少しの不快感は彼に絶頂させられたんだという幸福感のおかげで吹き飛ぶ。今回のご褒美も、本当に気持ちがよかった。思わず笑みがこぼれてしまう。やっぱりカズマ君は私に“天国”を見せてくれる人だ。
「ねぇ、カズマ君。このまま私の処女を奪ってはくれないかい? イッたばかりのとろとろおまんこだよ……?」
「遠慮する」
「やっぱりダメかい? そんなに私って魅力ないのかな……」
「いいや、お前は十分魅力的だぞ~」
適当に答えながら彼はまた懐から煙草を出して吸い始める。そんな素っ気ない態度が悔しくて私は彼の腕をきつく抱きしめて反撃した。本当にこの男は……本当に……!
「っ……っ……!」
「はぁ……泣くなよあるえ……」
「泣いてなんか……! ひぐっ……あぅ……!」
「はぁ……」
面倒臭そうにため息をつかれて、私のプライドも何もかもがズタボロになる。カズマ君の腕を私の胸へ押し付けてみるが、すげなく振り払われる。どうやら、私が不機嫌のスイッチを押してしまったらしい。彼の機嫌をどう戻せばいいか分からず、気が付いたら私は無様に泣きついていた。
「ごめんねカズマ君……私って面倒臭い女だよね……」
「…………」
「私の事は抱かなくてもいいんだ。でも、この背徳的で少し淫らな関係は続けて欲しい。私はそれで十分なんだよ」
できるだけカズマ君の重荷にならないような事を言ったつもりだが、彼はげんなりとした様子で私を見てきた。まさか本当に嫌われたのかと肩を震わせている私を彼は優しく抱き寄せてくれた。
「あるえ、お前はなんで俺なんかに執着してるんだ。いつからここまで拗らせちまったんだ?」
「いつからかは自分でも良く分からないよ……でも私が君を好きになる要因はいっぱいあったんだ」
「お、おう……好きか……」
「あっ、今思えば言葉にするのは初めてだったね。えへへっ、何だか照れちゃうよ」
思わず頬が熱くなってしまう。言葉にして初めて理解できる事がある。それは、私が目の前のクズに好き放題された事、そんなクズに私が本当にどうしようもなく好きになってしまっているという事だ。
「私が君を好きになった理由は、やっぱり私の本を読んで認めてくれたって事かな。あの時に私が書いていた小説はどれもお粗末なものだったよ。それを、君は全部読んでくれてしっかりと感想までくれたね。本当に嬉しかったんだ……」
「あの時はお前が必要だったからな。単なるリップサービスだ」
「ふふっ、カズマ君も中々キツイ事を言うね。でも、当時の私はそれを真に受けた。気になっていた異性に自分が本気で取り組んでいる事を認められるというのは本当に嬉しいものなんだよ? そう考えると、私が君に惚れている理由はめぐみんと同じような理由なんだね……」
めぐみんが上級魔法ではなく爆裂魔法を取得したことは里の住民にとってもあまり良く思われない事だった。そんなめぐみんと爆裂魔法の力を認めてくれた上に、魔王を倒して世界を救うという実にカッコよくて羨ましい事をめぐみんは彼の仲間としてやり遂げた。そんなの、惚れてしまうに決まっている。男日照りで耐性がない私の世代の紅魔族なら猶更だ。
「それに、私はあの時焦っていたんだよ。作家になるという夢を見ていた私は定職につかないニート。別に、就職先はいっぱいあったし、冒険者になる事も考えていた。でも、作家以外の職に就くのは夢を諦めるようで私のプライドが許さなかった」
「でも、お前は俺の日雇い秘書の仕事を受けたじゃないか」
「君は私の小説を認めてくれた男だからね。当時焦っていた私は君の元なら別にいいかって思ったんだよ。それに、仕事の合間に君に小説を見せた事で当たり前の事にやっと気づけたんだ。別に、他の仕事をしながらでも作家にはなれるってね……」
たった数週間の職業体験だったけど、あの時の私は充実していた。外の人間なのに、紅魔族の里のために尽力している彼はカッコ良かったし、そんな彼のために働くのは言葉にできないほどの満足感があった。
「君と別れた後、私は働きながら小説を書き続けた。ニートっていう劣等感は私に想像以上のダメージを負わせていたみたいでね。ニートを脱却した私は執筆作業も以前より捗ったよ。そして、カズマ君がこの里に帰ってきた時、私はすぐに君の商会に転職したんだ。ゆんゆんと結婚してたのは私の想定外だったけどね……」
「普通だったらそこで諦めるだろ……」
「うん、最初は諦めた。でも、カズマ君はなんだかんだ言いながら私の作品をしっかり評価してくれた。不本意ながらも一番最初に認められたのは自分自身納得出来ない小説だったけど、無償で出版しておまけに売り込みだって一生懸命してくれたよね」
「べ、別に深い意味はねーぞ! 俺は売れると思ったからやっただけだ!」
頭をガシガシ掻きながらそっぽを向く彼を私熱い視線でじっと見つめる。結局、あの本はあまり売れなかった。主人公である天使の非道と過激な内容は人を選ぶものであったし、天使を冒涜する内容だと、禁書指定の話まで出た曰くつきの処女作だ。
「あんな本でも買ってくれる人はいたし、ファンレターまでくれる人もいた。だから、自信をつけた私は今まで書き慣れたファンタジーや英雄譚だけじゃなくて、恋愛小説も書き始めた。そのおかげで、私は作家という夢を叶えられたんだ」
「それは俺のおかげじゃなくてお前の実力だ」
「いいや、違うさ。これは全部カズマ君のおかげだよ。君がいなければ、今の私は存在しないんだ」
巷では“狂気の小説家”とも噂される私の最初のヒット作は夢も希望もないドロドロとした恋愛小説だ。主人公は単なる田舎の村娘。そんな彼女はひょんなことからとある貴族の青年と知り合う。村娘に淡い思いを寄せながらも、幼い時から何度も顔を会わせてきた許嫁を無下に出来ない貴族青年。そんな優柔不断な青年を村娘と婚約相手のお嬢様が奪い合うドロドロの三角関係モノだ。実は、これはカズマ君とゆんゆん、ダクネスさんの関係を見て思いついたものである。実際にカズマ君とゆんゆん達のやりとりを観察しながら書いたせいか、少し生々しい描写を取り入れている。ちなみに、小説では村娘が勝利した。大衆は立身出世……悪く言えば成り上がりモノを求めているのだ。
「ねえ、カズマ君って自分がなんで多数の女性に好かれている理由を知ってる?」
「いきなりなんだよ? 俺が好かれているのは……まぁ運が良かったのと金を持ってるからじゃないか? 後、イケメンだしな!」
「ふふっ、それもあるかもだね。でも、それは付加価値でしかないよ。君の魅力の本質は“適度にダメ男”だって所かな」
「ひでぇ魅力だな。それより、それもあるかもって……お前は俺がイケメンだって思ってるのか?」
「え? カズマ君、カッコイイじゃないかい」
「!!?!?」
何やら顔を赤くしながら狼狽えているカズマ君に私は首を傾げる。何か変な事を言っただろうか。いや、単に照れているだけだろう。カズマ君のくせに可愛いじゃないか。
「君ってさ、仕事をしてる時もこうして友人として過ごす時も怠そうにしてる。何もかもがいい加減で普段はムカつくけど、いざという時には君は凄く真面目になる。才能ってやつなのかな。カズマ君の商才はこんな田舎で腐れるのはもったいないくらいだよ」
「それも俺の運の力だ」
「それだけじゃないよ。従業員のニート共の失敗のフォローは忘れないし、私の失敗だってカズマ君が解決してくれた。本当に君は“頼りになる”んだよ。君がいれば、何もかもが上手くいく。そう思えるくらい、君は頼もしい人なんだ」
表情を固いものに戻していた彼は私の話を黙って聞いていた。それから、少し機嫌良さそうに溜息をつく。どうやら、満更でもないらしい。この男はおだてるとすぐに調子に乗ってしまうのだ。そんな部分も魅力的だけど。
「でも、普段の君はやっぱり怠け者としか言えない。だから、君を見てると、やっぱり私が一緒にいてあげないとダメな人なんだなって思うんだよ。私がいないと、書類整理は無茶苦茶にするし仕事も適当だし……」
「あのなぁ、あれは怠ける余裕があるから怠けているだけだ。なんせ、やる時は頼りになるカズマさんだからな!」
「本当に調子良いねぇカズマくんは……」
ドヤ顔をしている彼を私はじっと見つめる。この人は本当にダメな人だ。でも、本当は私の助けなんてなくても何でも出来てしまう人だ。それに、私より能力が高くて美しくて可愛い人達が彼をしっかりと支えている。
彼にとって私は“必要のない女”なのだろう。
今まで目を逸らしていたが、それが現実というものだった。
「まあ、カズマ君への想いの暴露はこの辺でやめておくよ。それより、私はカズマ君の事が聞きたい。特に、ゆんゆん達への思いを聞きたいんだ。君は君で溜め込んでそうだからね」
「はぁ? 余計な気遣いはいらねえぞ」
「そんな顔しないで私に話してくれないかい? 部外者の私にだからこそ言える本音や愚痴があると思うんだ。それに、純粋に男の気持ちというものが知りたいし、ゆんゆん達の話も気になる。小説を書くにはそれ相応の知識や経験があった方がいいしね。取材みたいなものだよ」
「そう言われてもな~」
再び煙草をふかしながら宙を見つめていた彼は、私の方をじっと見つめてからニヤリとした下卑た笑みを浮かべ、吸殻を灰皿へと押し付けて新たに煙草を咥えて火をつける。こういう時の彼はエログロで興味深い話をしてくれる事が多い。冗談抜きで彼らの話や普段の姿は私の創作活動において重要な情報なのだ。だから、私は彼の言葉を静かに待った。
「よし、それじゃあ俺がお前やめぐみんにしょうもないセクハラを続ける理由を教えてやろう」
「そんな事は聞かなくても知ってるよ。君が女好きのクズなのと私達の誘いを断れないダメ男だからだよね」
「女好きのクズなのは否定しないけど、誘いは断ってるだろ! これは浮気じゃなくて単なる遊びだ。俺はお前を何度もイかせたが、俺はイってもなければアレを触れさせてもないからな」
「むぅ……!」
少し得意げな彼を私は睨む事しかできない。初期の性的悪戯では私も彼の性器に色んな奉仕をしたのだが、さよりちゃんが生まれてからは彼は自分が気持ちよくなる事はせず、ひたすらに私に天国を見せて来た。もう、何年も彼の性器に触れていないのは私も少し思うところがある。どんな誘いをしても、彼はセックスをしてくれないし、無理矢理おちんちんにむしゃぶりつこうと押し倒したらマジ切れされて泣かされた挙句、イキ狂わせられた。挿入したら浮気という謎理論を彼は頑なに守っているのだ。
「いいかあるえ、俺には超絶可愛くて最高の妻が3人もいる。はっきり言って俺はあの3人には釣り合わない男だ。1人でも釣り合わないのに3人だぞ。気が休まる日はねえよ……」
「カズマ君、そんなに自分を卑下するのは良くないよ」
「エリスにも昔そんな事を言われたよ。でもな、俺は自分がどうしようもないクズである事は自覚してるし、客観的に見ても反論の余地がないクズ男だ。そんな俺に彼女達がいつまでも好意を持ってくれると思えるほど自惚れちゃいない」
自嘲するように笑うカズマ君を私はなんだか見ていられなくなった。そっと彼の腕を取ってぎゅっと抱き着いてみた。こうすると、男の人は安心するとどこかの雑誌で読んだのだ。そんな私の頭を彼は優しく撫でてくれた。
「だから俺は愛想を尽かされないように出来る限りの事をしてアイツらが幸せでいてくれるように日々奮闘しているんだ。おかげで、俺はなんとかアイツらから愛想を尽かされずにいる」
「ふむふむ、要するに君はゆんゆん達を盗られたくないんだね。でも、君へのベタ惚れっぷりは凄いものだよ? そんな不安は杞憂だと思わないかい?」
「まあな、でも油断は出来ない。特にゆんゆんはちょろいって言葉を擬人化したような女だからな。俺に騙されたように、他の男に騙されるじゃないかって心配でな……」
「うーん……」
私は少しゆんゆんの事が不憫に思えてきた。確かに彼女はちょろいが、越えてはいけないラインというものをしっかり認識している。何より、ゆんゆんはカズマ君へ狂気を感じさせるほど愛を持っている。彼女には勝てない。自然とそう思ってしまうほどゆんゆんはカズマ君にイカれているのだ。
「エリスには同じような話をして怒られたんだ。私の愛が信用出来ないのかってな。でも、こればかりは仕方がない。俺はクズな上に独占欲と束縛が強い男なんだ。彼女達の無償の愛を受け取るだけじゃ不安で仕方がない。だから、俺はゆんゆん達を精神的だけでなく肉体的にも依存させる事にしたんだよ」
「肉体的……」
「アイツらの心と体は俺のもんだ。絶対に渡しはしないし、奪わせない。アイツらの心を束縛するのは相応の苦労が必要だし一筋縄ではいかない複雑さがある。でも、体に関してはひたすらに鍛えた性技で俺だけしか考えられないような快楽を与えればいい。単純で簡単な束縛の方法だ」
相変わらずの下卑た笑いを浮かべながら、彼は右手をゆらゆらと嫌らしい手つきで動かす。それを見て、私はお腹の奥が熱くなるのを感じる。本当に、彼はイケナイ人だ。
「でも、性技に関しても慢心してはいけない。だから、俺は日々鍛錬を重ねた。そういう意味ではお前は実に良い女だったな。アイツらと違って痛い事は痛いって素直に言うし、嫌だと思ったら嫌と言ってくれる。気持ちよくなければ、これじゃご褒美じゃないと怒ってもくれる。何より、挿入以外の性技を極めたかった俺には処女だったお前は実に都合が良かったんだ」
「え……?」
「要するに、お前は俺の都合の良い肉人形……木偶って事だよ」
カズマ君は邪悪な微笑みを浮かべながら煙草をふかしている。その姿は正にクズ男としか言いようがない姿であった。そして、私はカズマ君に投げかけられた言葉を時間をかけてゆっくりと咀嚼する。つまり私はカズマ君にとって単なる実験台ようなものだったという事だ。思い返せば、今まで受けた“ご褒美”全てが気持ちの良いものだったわけではなかった。鞭打ちされた時は普通に泣いたし、極太バイブで処女を奪われそうになった時はカズマ君を沼に沈めてやった。彼がダクネスさんとエリス様向けのご褒美だと言った時はヒドイものが多いので私はいつも身構えていた。最近は彼も飴と鞭の加減をマスターして私もそのようなマゾ向けのご褒美を楽しんでいるけど……
でも、いくら何でも木偶扱いは酷過ぎる。私だって彼に好意を持つ女性の一人だ。そんな私を彼は女として扱うどころかモノ以下の存在として扱っていたようだ。自然と体に熱が泡立つように湧き起こる。
最低だ……本当にこの男は最低だ!
「えへっ……えへへっ……肉人形ってそんな……興奮するじゃないかい……!」
「ええ……」
ドキドキとした胸の高鳴りと陶酔感を抑えながら私は彼に全身を擦り付ける。そんな私を彼は呆れと驚愕と蔑みが混ざったような表情で見てきた。その表情が私のお腹の奥を更に熱くさせた。
「あのさあ、ここは『この男最低!』って言いながら俺を殴って帰る場面だろう? こんな反応は考慮してねえよ……」
「確かに君は最低だよ。でも、私はそんな君が好きなんだ。ああっ、もしかして君の発言の意図は私に嫌われる事かい?」
「別にそんな思惑はねえぞ」
居心地悪そうに答える彼の姿を見てやっぱりそうだと確信する。最近、彼は私やめぐみんにいつも以上に冷たくなってきた。どうやら、私達を本格的に彼から切り離すつもりらしい。でも、そんな事は許されない、許さない!
「あるえ、お前もそろそろいい年なんだからさ、俺みたいなクズとは縁を切る時期だ。ほら、取引先で関わる奴とか従業員の中には明らかにお前に好意を持ってる男が……」
「カズマ君、最初に言ったよね? 私は今の爛れた関係を続けられるだけでいい。私の幸せについて君の指図を受けるつもりはないさ。私自身がどれだけ君が好きかなんて事も私にとってはどうでもいい。例え私が君の事が大嫌いだったとしても、私は今の関係を続けるよ」
私は彼に真正面から抱き着いて火照った体を擦り付ける。見上げると、悔やむように顔をしかめているカズマ君の姿がある。そんな彼に私は体を押し付け続ける。服越しに擦れる胸が私に丁度良い快感を与えてくれた。
「だって、カズマ君は私に天国を見せてくれるから」
ついに頭を抱えてしまったカズマ君の頭を私の胸の谷間へ抱きいれる。そして、大人しくなった彼に私は言い聞かせるように囁いた。
「カズマ君が私の事が好きだとか、私がカズマ君の事を好きだなんて事は正直言ってどうでもいい。君は私を気持ちよくしてくれる。それだけで私は十分なんだよ。私だって、君の事は諦めるつもりだったんだ。でもね、体が疼いて疼いてしょうがない! 一人じゃ満足出来ないし、君以上の快楽を与えてくれる人もいないし受け入れたくもない! カズマ君の戯れのせいで私はこんなにも“淫乱な体”になったんだよ?」
「うぐっ……!」
悲痛な声を上げる彼を私は更にギュっと抱きしめる。ああ、彼は本当にダメな男だ。クズならクズなりに開き直ってしまえばいいのに。そんな罪悪感を持っているような姿を見たら私は余計に諦められなくなる。その罪悪感は私にとってのチャンス。付け入るスキだ。だから、彼を慕う女性は皆すぐには諦められない。ダクネスさんやエリス様という成功例があるため、もしかしたら自分も……と考えてしまうのだ。
「もう私の体は君なしでは満足出来ない淫乱な体になったんだ。今更私との関係を改めるなんて事は許さないよ? もし、この関係を終わらせたいなら私とセックスして欲しい。そうすれば、見えてくるものもあるだろうし、諦めがつく可能性だってあるさ」
「それは事態を余計に泥沼化するから却下だ。しかし、俺もバカだったな。ダクネスとエリス向けの性技を続ければお前もすぐに音を上げると思っていた。それを気が付けばズルズルと……」
「ふふん、私も君のせいですっかりマゾヒズムの良さに目覚めてしまったよ。私の状況は正に快楽堕ちと言ったところさ。カズマ君、嬉しいかい?」
「うーむ、ダクネスのおかげで思い知ってるけど、ドMの相手は面倒臭いんだよなぁ」
そう言って、私を振り払ったカズマ君は新たに煙草を口に加えてから背を向ける。それから、ゆっくりとした足取りで外へ出るための扉へ歩き出した。
「カズマ君! 私のお話はまだ終わってないよ! それにご褒美だってまだ満足出来なくて……!」
「うーい、つまりは今の関係を維持しましょうって事でいいんだろう? 俺はそれでいいさ。優秀な秘書官をまだ失いたくないしな。ご褒美はまた別の機会に追加でやるよ」
「カズマ君さあ、私がここまでしてるのにその反応なの? 据え膳食わぬは男の恥って良く言うじゃないか」
「悪いなあるえ、お前の体より美味いものをゆんゆん達が作って待ってくれているんだ。つーわけで、またな」
後ろ手に手を振って小屋の外へと消えた彼を呆然としながら見送る。流石の私も先程の発言は心にクるものがある。流石はカズマ君だ。最近の塩対応も含めて明らかに私を切り捨てに来ている。こんなひどい仕打ちをされたというのに、私の心と体は屈辱と快感で熱く火照っていた。そして、少しでも冷静さを失えば得体の知れない感情が爆発しそうであった。
「こういう時は小説を書かなきゃね……」
その日、私は狩猟小屋の掃除をしてから一人で寂しく帰還した。自宅へ向かう途中、私は必然的に彼の家の前を通る。薄闇の中で彼の家の窓から漏れる灯りはとても暖かなものであった。賑やかな笑い声と、ドタバタとした音が外にまで少し響いていた。私はその場でしばらくたたずんでから、そっと目を瞑った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の新作小説が発売されてから数か月後、商会が紅魔の里で運営している雑貨屋で私は気分よく商品整理を行っていた。私の新刊は安定の売り上げをみせ、貯金額も一生では使いきれないレベルになってしまった。最早、私は人生の勝ち組だ。働かなくても全く問題ない。でも、まだまだ小説は書きたいから執筆は止めない。無論、商会の仕事を辞めるつもりもなかった。
「ういーっす、おはようあるえ」
「おはようございます社長。5分の遅刻だよ?」
「俺は社長だからいいんだよ。それに、どうせ客なんて来ねえし」
彼は眠そうに欠伸をしながらリクライニングチェアにもたれかかる。この雑貨屋は彼が片手間に開いた店だ。扱っているものは彼が何処かから仕入れた意味不明な工芸品や一部の嗜好品、彼が趣味で作っている発明品、聖地巡礼者向けの暴利なお土産だ。おかげで来店者は非常に少ない。これは既存の商店との軋轢を避けるためと言っていたが、私は単に彼が仕事をしてますアピールをするための店だと思っている。そんな彼に苦笑してから私は商品整理へと戻る。そして、内心ではどきどきとした胸の高鳴りを抑えていた。暇を持てあまして彼は私にセクハラしまくるからだ。その期待はすぐに果たされる事となった。
「んっ……ふっ……何してるのさ社長……」
「尻揉んでるだけだ」
「相変わらずだね……まったく……うくっ……」
「これくらい今更だろ。さーて、それじゃあ仕事するか。おい、こっちこいあるえ」
「ん、なんだい社長? 昨日の分の事務仕事が残ってるの?」
私のお尻でぐりぐりと嫌らしく動いていた手の感触が消え、彼は椅子へと戻る。そして、こちらに向かって手招きをした。素直に彼の前へと来た私をじっくりと眺めた後、机の上にあった箱を開いて中身を見せて来た。ピンク色のどんぐりのようなものが3つ入っていた。それは、私にとって馴染み深いものであった。
「なにこれ、どんぐり……?」
「しらばっくれるなよ、あるえ! こいつはお前が夜な夜な自慰で使っているピンクローターだよ!」
「つ、使ってないから! それに私は自慰なんか……うぅ……!」
「流石にしてないとは言えないかこの淫乱!」
「はうぅ!? おっぱい叩かないで……ひゃああん!?」
いきなり胸を叩かれた後、上着のボタンを高速で外されて私のブラが外気に晒されてしまった。思わず両腕で胸を抑えて、尻もちをついてしまった私を彼は下卑た笑みで見下ろしてきた。
「というわけであるえ、今日はこれをつけて一日を過ごすんだ。ほら、自分でつけろ」
「ひゃっ!? ローターを投げつけないでよ……壊れちゃうよ……?」
「いいから早くつけろ」
急かす言葉を投げかけながらも、彼の瞳には情欲の炎が燻っていた。それに、ズボンの上から一目で分かるほど彼のペニスは大きく勃起していた。そんな姿を見せられては、調教された私が逆らえるはずがない。私は両方の乳首にローターを押し当ててテープで固定する。それから、すでに濡れはじめた性器のクリの部分に押し当てて固定する。体に冷たくて固いものが押しあたる不快感とゾクゾクとした期待感に私は思わず肩を震わせた。
「ほう、付ける場所に迷いがなかったな! やはりビッチか!」
「えっちだけど、ビッチじゃないよ! 社長の馬鹿!」
「同じようなもんだろ。まあいい、さっさと開店の準備を始めろ。開店5分前だぞ」
「もう、本当に容赦がなくなってきたね……」
「実験台でいいって言ったのはお前だしなぁ」
「むぅ……!」
くつくつと笑いながら椅子へ戻った彼を見送ってから、私は店のプレートをオープンへと変える。少しぎこちない歩きで彼の元へ戻った私は身震いをしながらも平静を装った。
「あるえ、その顔は何故ローターが動かないのかっていう不満顔だな。安心しろ。そいつはお前の魔力をドレインしながら半永久的に稼働する優れものだ。初期充填が終わったらすぐに動き出す」
「別に不満に思ってないよ! ただ、魔力ドレインなんて複雑な機構をこんなしょうもない事に使う魔道具なんて初めてだよ……」
「それは誉め言葉として受け取っておこう。さぁ、お前は客が来るまで商品整理でもしてろ」
「もう、社長もサボッってないで少しは手伝ってくれないかい」
「へいへい……」
「なんでそう言いながらお尻触るのさ!?」
素知らぬ顔で目を宙に泳がす彼に私はため息をつく。かなり冷たくなった上に鬼畜の塩対応なのに、セクハラは以前よりひどくなってる気がするのだ。本当に彼はとんでもないクズだ。
「ん、でもこういうのも悪くは――」
「すいません、このお菓子を一つください」
「うっ!? い、いらっしゃいませ!」
「わっ、何だか気合入ってますね」
いつの間にかお客さんが来ていたようだ。こちらに王都で作られている高級砂糖菓子の箱を差し出しているのは見知った人物であった。この店の数少ない常連、アクシズ教徒に胸がエリス様そっくりだと煽られて里の中で槍を振り回している姿がお馴染みとなってしまったエリス教徒の司祭だ。
「おっ、貧乳司祭じゃないか。またそんなお高いお菓子を買っちゃって……」
「うっ……貧乳は余計ですし、何か文句があるのですかカズマ様! 私は聖職者ですが一人の人間なんです! それに、ちょっとくらい息抜きしたって構わないってエリス様本人から諭されたのですよ!」
「ほーん、エリスがねぇ……なら内緒でもうひと箱おまけしてやろう。他のシスターにも分けてやれ」
「なっ……うっ……こんな施しは受けちゃダメで……!」
「施し? これは神の恵みだ。ほ~れほ~れ」
「あうあう……!」
カズマ君が菓子箱を持った手をゆらりと動かし、それを司祭が首を動かして追い続ける。この司祭が彼に遊ばれるのはいつもの光景だ。単にじゃれているだけだが、見ている方はイラっと来るので早めに退散してもらうとしよう。
「司祭様、一箱は社長の言う通りおまけしてあげます。ほら、包んでおいたのでお金を出してください」
「うっ……どうぞ……」
「はい、丁度頂きました。という事でさっさと……ひああああっ!?」
「ど、どうしたのですか!? どこか痛いところでもあるのですか!?」
「ちがっ……ひっ……違い……ます……!」
突然局部につけたローターがぶるぶると震えだす。漏れ出そうになる嬌声と熱い吐息を我慢し、内股気味ながらも私は何とか立位を保つ。カズマ君の方を見るとニヤニヤとした表情を浮かべていた。くっ、今回は少し油断していた私が悪いか……
「あの、顔赤いですよ? 病気は治せませんが、回復魔法をおかけしましょうか? 気休め程度にはなりますし体力も回復出来ますよ?」
「だ、大丈夫だよ! 紅魔族じゃこういうの……ひぅ……は良くある事だから……んっ……」
「そうなんですか? やっぱり不思議な種族ですね」
そこで納得するなという言葉を飲み込み、私は振動と押し寄せるじわじわとした快感に耐え続ける。そして、私が早く去れオーラを出している事も気づかず、彼女は私の事をチラチラと見てきた。
「あのこんな状態の貴方にお願いするは気が進みませんけど、あの……その……サインを貰えませんか?」
「は?」
「ひっ……すいませんすいません! 実は私、最近貴方の本を読んでファンになって……!」
「っ……本当かい!? それは嬉し……はうっ……あひゃっ……うん……嬉しいよ! サインなんて……うぅっ……どんとこーい!」
落ち着け私。今、私の目の前には大事なファンがいるんだ。こんな所でカズマ君の遊びに屈してファンに無様な姿を見せるわけには行かない。平常心……平常心……!
「あるえ様、それならこの最新巻にサインをお願いします!」
「ちゃんと最近出した奴も買ってくれてるんだねぇ……」
「はい、私はこの秘書シリーズが読むきっかけだったんです! 本当にこの小説の社長はヒドイ人なんですけど、妙な所でカッコよくて……主人公の報われない行動と恋に――」
嬉々として感想を言ってくれている司祭様は本当に有難い存在なのだが、状況が状況なだけに早く帰って欲しかった。そして、先程からしていた嫌な予感が現実となる。カズマ君がゆっくりと私のお尻を撫で始めたのだ。
「ふふっ、最初は見るのが嫌だったんですけど、女の子同士の修羅場は本当に変な気持ちになるというか……」
「ひぎぃっ!?」
「あるえ様……?」
「な、なんでもないよ! ただのしゃっくりだから! ほら、サインは書いたよ! だから、また今度に感想を……ひっ……あっ……ふぅっー……ふぅっー……!?」
「悪いな司祭様、コイツは久しぶりのファン登場で浮かれて上がってるんだ。あまり気にしないでくれ」
「そうなのですか! それじゃあ長居も悪いですね! サインありがとうございます! 続刊も期待していますね!」
満面の笑みで手を振る彼女に私は力なく手を振り返すし、彼女が去ったのを確認してからカウンターに力なく突っ伏した。正直言ってもう限界だ……!
「社長……お尻に指入れるのやめて……!」
「なんだ、もう一本増やして欲しいのか」
「はぅっ!? ダ、ダメだから……はううううううう!?」
あろうことか彼は私のお尻をあの司祭の前で弄っていたのだ。もし、司祭に事がバレたら小説家として終わるどころか、人間として終わってしまう。私が口を手で押さえて嬌声を止めていると、彼は私のお尻に異物を挿入してきた。
「何を入れたのかい……」
「感触で分かるだろう? お前も大好きなアナルプラグだ」
「あうっ!?」
彼は私のお尻に栓をした後、気分よさ気に私のお尻をぺちぺち叩く。本当に痛いし、屈辱的だ。でも、乳首とクリにつけたローターの快感と、何より彼が私に“構って”くれているという嬉しさが痛みを快感へと変化させる。気が付けば、私は体を大きくのけ反らしていた。
「ひっ……あっ……いぁ……あぅ……」
「ふーん、あるえはそんなにファンの前で醜態を晒すのが好きだったのか?」
「ふうっー! ふぅっー! うぅっー!」
「話す気力もないか」
私はぺたんと床に座り込む。愛液で出来た水たまりを踏んでしまい、下着が濡れる不快な感触がする。何だか、自分自身に笑えて来た。本当に、私はマゾヒストの変態だという事を否定できなかった。
「実はこのローターは振動の強弱を今俺が持っているリモコンで遠隔操作できるんだ。ちなみに今の振動の強さは最弱だ。これを最大値にしたらお前はどうなるかな?」
「へっ……!? 嘘だよね社長……これ以上強くしたら私が壊れちゃう……」
「別にいいだろ。実験体なんだし」
「っ……!」
彼の冷めた目を見て私は今までにない恐怖を覚えた。そして、この男の眼中に私の存在などない事を改めて悟ってしまった。もうこれ以上は彼にとっても迷惑なのかもしれないう。
認めたくはない
でもやっぱり彼は……
「カズマさーん! 助けて! 今すぐ助けてくださいいい!」
「おふぁ!? いきなりどうしたゆんゆん!? ほら、落ち着け……」
「むぐっ!?」
いきなり店に駆け込んできたゆんゆんをカズマ君は優しく抱きしめる。それを受けたゆんゆんはしばらくじっとしてから、音で分かるほど彼の匂いをすーはーと嗅ぎ始めた。
「ふぅ、やっと落ち着けました。ありがとうございますカズマさん!」
「へいへい、それで急にどうしたんだ?」
「それがですね、カイズ君が地下室で勝手にアレを繁殖させていたんです! アクアさんもエリスさんも余りの大量のアレを見て真っ白になって気絶しちゃって……今はダクネスさんが何とか地下室で押しとどめているんです! 早くしないと家の中までアレが……! 何とかしてくださいカズマさん!」
「まったく、しょうがねえなぁ……!」
ゆんゆんに連れられてカズマ君が店を出た。残された私はへたり込んだまま彼らを見送る。一気に静かになった店内では、微かな振動音が響くのみであった。私は立ち上がって服についたほこりを軽く払う。今の私は何も感じることがなかった。羞恥も快感も屈辱も全て無となる。ただひたすらに寂しかった。それから、しばらく来客のない暇な時間を過ごし、一人で持ってきたサンドイッチをもそもそと食べる。やっぱり味も感じられなかった。
「なるほど、彼女もこれと似たような思いをしたのだろうか? いや、もっとかな……」
あの金髪碧眼の女性。私では到底かなわない気品と優雅さを持つ彼女も、彼と一緒になるまではこのような孤独を味わっていたのだろうか。
「私と比べるのもおこがましいか……」
サンドイッチを片付けた私は一人カウンターに立つ。いまだに振動している玩具が本当に煩わしかった。彼もいないし、もう外してもいいかもしない。そうして服に手をかけようとした時、久方ぶりのお客さんが現れた。そのちっこいシルエットはとても良く知っている。カズマ君の息子であるカイズ君だ。
「いらっしゃい……ってどうしたのさ、涙目になっちゃって」
「お母様からお尻叩きの罰を受けたのであります……」
「へぇ、何か悪い事したの?」
「そうらしい……のであります……」
納得いかなそうな顔でカイズ君は顔を逸らす。その姿によだれが出そうになるのを堪えて私は冷静に接することにした。これも平常心……平常心……!
「この前、お父様がお母様の機嫌が悪い時はテキトウにモノでも渡せば大人しくなると言っていたのであります。というわけで、何かお母様の機嫌が良くなりそうなモノはありませんか?」
「うーん私も見当つかないね。こういうのは素直に……」
「お金ならあるのであります!」
そう言ってカイズ君がポケットから取り出したのはエリス金貨2枚だった。これを見てしまっては流石に私も顔をしかめる。子供が持っていていい金額ではない気がしたからだ。
「あのね、カイズ君。このお金はどこから持ってきたの?」
「お手伝いをしたお駄賃なのであります!」
「あ、あれ、カズマ君の家ってお手伝いのお駄賃にこんなに払うのかな……うーん……」
「……? これはめぐみんお姉様のお手伝いをした時に貰ったであります」
「!?」
一気に体中に寒気が走った。もしかして、めぐみんが越えてはいけないラインを越えてしまったのだろうか。そうだとしたら本当に最低だ!
「カイズ君、めぐみんになんか変な事されたりとか……!」
「簡単なお手伝いだったのであります。お父様の歯ブラシやパンツを新しいものに変えて古いものは捨てるっていう……」
「ん? んー……うわぁ……」
どっちにしろダメだった。めぐみんは私刑決定だ。流石にまずいと思う。うん、まずいまずいよめぐみん……!
「カイズ君、モノを上げてご機嫌を取るなんてやっぱりダメだよ。素直にお母さんに謝るのが一番だよ」
「むっ……」
「という事で早く家に帰りなさい。きっと、お母さん達も心配してるよ?」
私の言葉を受けて素直に頷いたカイズ君はトボトボと店を出ようとする。私はそんな彼にどんな言葉を投げかけていいか分からなかった。やっぱり、私にはまだ“お母さん”としての経験が全くない。子供、子供か……本当に純粋だな……
「ふへっ……えへへ……ねぇ、カイズ君」
「なんでしょうか?」
「私のお手伝いもしてくれるかな……?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「何やってるんだろう私……あー……んー……すんすん……んふっ……」
私の手に中には少し汚れた白シャツが握られていた。やってしまった感と罪悪感でいっぱいになるが、そんな事は目の前のご褒美と復活した五感が感知する彼の匂いと温もりの前に霧散した。
「これからどうしようかな……」
私は彼の匂いがする上に狭くて落ち着く場所。彼の事務机の下で膝を抱えて縮こまっていた。カズマ君は帰ってこない。それに、彼からの冷めた反応を受け続けて流石に私も辛くなってきた。でも、彼の快楽の呪縛から私の体は逃れられない気がした。きっと、時間が経てばまた彼の元へ戻ってきてしまう。それくらい、私は彼に“依存”していた。
何より……
「これがなきゃ、小説なんか書けないよ」
今の私の体に纏わりつく不快感、地の底から湧き出るような得体の知れない感情。これがなければ、今の私は存在しないし、今までの作品もなかったと言っていい。これがなければ、私は本を書けない。これがなかったら、私は日々を怠惰に過ごすことしか出来ない売れない小説家にしかなれない。だから、これだけは譲れない。
「ふぃー疲れた。ああ、くそ、謎の体の痒みが収まらねえ。流石にあの量はな……カイズはなんたってあんなものを地下で……んー……あるえー?」
「っ……!」
何故か私は咄嗟に息を潜めてしまった。机の下の暗がりで、私はジッとする。そして、彼の足音が私に近づき、目の前にあった椅子に腰かける。彼の両足は私の顔の数センチ先にあった。
「あー……流石に逃げたか。まぁ、ヒドイ事何度も言ったしなぁ……」
「…………」
「今後は俺みたいな男に騙されませんようにっと……」
キィっという椅子の音が鳴る。彼が椅子にもたれかかったのだろう。足先が私に眼前に来ている。ん、少し臭い。でも、嫌いじゃない匂いだ。
「って、秘書官どうすっかね。アイツいねーと月末がマジでやべえな。少しでも終わらせとくか」
彼がリクライニングをやめて机に向かってペンを走らせ始める。恐らく、今できる範囲の事務作業を片付けているのだろう。彼は片足でぼすぼすと床を叩いて貧乏ゆすりしていた。その姿が私には微笑ましいものに見えた。しかし、出るに出られない状況になってしまった。そのまま、私は彼しばらくの傍でじっと息を潜める。なんだか、こういうのも悪くない。そう思ってしまった。
「ふぅ、これで今日までの帳簿は終わり! うーむ、コーヒー……ってあるえいないんだったな」
「…………!」
「なんだかんだで寂しいもんだ」
今こそ私の出るチャンスかも知れない! そうしたら、きっと彼はお決まりのツンデレセリフを吐くに違いない。まったく、本当にしょうがない人だ。私を失ってから、私の大切さに気付く。うん、王道的だからこそいい展開だ。しかも、私は彼の秘書として長年鍛えたお茶くみスキルがある。ここで颯爽とコーヒーを出せば少しは仲を元に戻せるかもしれない。そうと決まれば行動あるのみだ!
「クリス、コーヒーいれてくれ」
「はいはーいっと、よくあたしがいるって分かったねぇ~」
「うおっ!? 床下から急に出てくんなよ! ビックリしただろうが!?」
「なんで助手君が驚くのさ? 分かっていてあたしを呼んだんでしょ?」
「いや、なんとなく気配を感じたから呼びかけたが、まさか本当にいるとはな。まあいい、コーヒーくれ」
「助手君は本当に怠け者だね。それくらいは自分でやってよね」
お湯を沸かす音と食器が擦れるかちゃかちゃとした音が聞こえてくる。私は完全に出るタイミングを見失ってしまった。というか、急に出現したクリスさんの存在に私は何とも言えない恐怖を覚えた。
「はいどうぞ。味は保証しないけどね」
「おっ、ありがとう。んーっ……あー……普通だな!」
「そこは嘘でも美味しいっていう所でしょ!?」
「そんな事言う仲でもないだろ。やっぱりお茶くみはダクネスかあるえだな」
「むっか! そんな文句言うなら最初から自分で淹れてよ!」
「あだだだっ!? 悪かったっての……ほら、どうせだし一緒に飲もうぜ」
私のすぐそばでカズマ君とクリスさんのお茶会が始まってしまった。彼の足しか見えないけれど、声のトーンと椅子の軋む音で全てが分かる。悔しくて仕方がないけど、心から会話を楽しんでいる。私の付け入るスキなんてあるわけなかった。
「ところでさ、今、商会の事務担当がいないんだよ。なんか、事務出来る奴に心当たりないか?」
「なんでそんな事をあたしに聞くかな。というかあたしに頼めばいいじゃんそんなの」
「えっ、お前事務仕事出来るの? わっかんねーとか言いながらペン投げそうなイメージあるんだけど」
「なにその変なイメージ!? あのさぁ、助手君。私は女神エリスの分身なんだよ? 事務仕事なんて天界で気が遠くなるくらい経験済みだよ」
「流石クリス! 結婚してください!」
「わああっ!? ちょっ……もう結婚してるでしょ!?」
何かが砕け散った音が脳内に響く。それだけは……それだけはやめて欲しい。本当に私がいらなくなってしまう! 二度と彼に必要とされなくなってしまう。やだ、いやだ。聞きたくない……信じたくない!
「まっ、臨時ならいつでも引き受けるよ。でも、常勤は無理かな。あたしも色々とやることがあるからね」
「マジかー」
「だからさ……」
私の前にヌっと顔が現れる。美しい紫色の瞳がしっかりと私を射抜いていた。
「頑張ってね」
「どこ見ていってんだよお前は……」
「まあまあ、それより君に話がしたいって人がそろそろ来るからさ。あたしはここでお暇させてもらうよ」
「別にこのままずっと一緒にいても構わないだろ」
「んふふっ、それはまた助手君と“二人っきり”になれるときに言って欲しいな」
ガチャリと窓が開けられる音がする。それっきりクリスさんの声は聞こえなくなった。店は再びペンの音と貧乏ゆすりの音だけとなる。それと、私が歯を震わせる音。本当に怖くて怖くてたまらない。クリスさんは私の存在に気づいていた。そして、私に向けてのっぺりとした笑顔を向けて来た。意味なんか分からないし、分かりたくない。一刻も早く、私は逃げ出したい。彼に思いっきり抱き着いて泣きわめきたかった。でも、それをする気力も恐怖を前に霧散してしまった。
「すまない、カズマはここに……ああ、いたいた」
「よおダクネス。何かようか?」
「いや、仕事中ならまた今度にする。邪魔してすまない」
「待てよダクネス。今を持ってこの雑貨店は営業終了だ。ほら、こっちこいよ」
「貴様は相変わらずのお気楽商売だな」
ダクネスさんがため息をつく音が聞こえる。でも、悪い意味のため息じゃない。顔が見えなくとも、彼女の表情が笑顔である事は分かった。何だか、体が軋む。口の中に鉄の味が混ざる。
「なぁ、カズマ。私は一言お礼が言いたかっただけさ」
「あらま、急に殊勝な態度になったな。一体どういう風の吹き回しだララティーナお嬢様?」
「お嬢様と言うな。でも、お前に名前で呼ばれるのは悪くない」
「可愛い事言うじゃないかララティーナ」
「まったく、お前と言う奴は……」
クスクスと笑い合う声に私は絶望的なほどの“差”を感じてしまう。口の中に広がる鉄の味が濃くなる。衝動のままに身を動かすことが出来たら私はどんなに楽になれるか、どんなに気持ちよくなれるか。でも、出来ない。私にはそんな勇気は……
「私はな、お前は父親には向いていないと思っていた」
「お前言ってはならない事を……」
私の目の前に彼の両足があった。自然と、そこに吸い寄せられる。そして荒れ狂う感情の中で一つの共通する思いがある事に気づく。私は、カズマ君とダクネスさんの甘い会話をぶち壊したかった。だから、私はそっと手を伸ばした。
「ゆんゆんと結婚してぐうたらすると思っていたら、世間体が悪いからなんて俗っぽい理由で真面目に働いていた。まぁ、お前自身が仕事で手を抜いているのは分かっている。それでも、これだけの商会を維持した上に紅魔の里の住民全員から頼られている。お前なりの努力をしている事は私も理解しているさ」
「ほう、やっと俺の偉大さを実感できたか。ほら、もっと感謝していいんだぞ! カズマ様、毎日お仕事頑張ってありがとうって……いっ……!?!?」
カズマ君のズボンのジッパーをゆっくり降ろす。彼のモノはもちろん通常モード。でも、パンツの上から擦ってあげるとすぐに大きくなった。奥さんの前なのに、私みたいな女の手で固くさせるなんて、カズマ君は本当にいけない人だ。
そして、私にギラギラとした欲望と暗い感情が湧き起こる。彼に一矢報いる事が出来れば私は満足だ。そう考えた瞬間、私の体に活力が戻り、身を捩らせる。そういえば、私には玩具が取り付けられているのだった。思い出したと同時に快感が押し寄せる。私の秘所はすでにとろぐしょだ。
「そこで調子に乗るのがお前の悪い癖だ。でも、感謝は忘れていない。蓄えはあるに越したことはないしな。お前の稼ぎだけで私達家族は十分に暮らしていける。それに、私たち家族との時間も大切にしている事はこの身に感じている。だから、心から礼を言う。ありがとう、カズマ……」
「くっ……! 当たり前だろ…お前は俺の家族だ……っ……!」
そっとチャックを降ろしガチガチのペニスを解放させる。彼の勃起したモノはビキビキと血管を浮かせている。その凶悪なペニスの先からはねっとりとした我慢汁が溢れていた。私は我慢できずに彼の亀頭に舌を這わせる。ああ、これだ。この雄臭くてどこか癖になる味。何年振りかのカズマ君のおちんぽ様!
「カズマは子供の教育に悪そうな父親になると思っていた。でも、実際はとても良い父親になっている。むしろ、私はダメな母親だ。ゆんゆんとエリス様と比べたら、私は母親として失格だ」
「そんな事は……うっ……ない! カイズはお前のおかげで立派に育ってる! アイツは俺に似てるからな! 教養がなかったら……くっ……ただの悪ガキになっちまう……」
「ふふっ、そうかもな。あの子は本当に腕白だからな」
亀頭だけじゃ満足出来ない私は舌を伸ばして固い竿を弄り、自ら喉奥まで咥え込む。濃厚な雄の匂いと痺れるような刺激的な味が私の脳内を蹂躙する。こんなもの、しゃぶらないわけにはいかない。しゃぶって弄って思いっきり射精させてやりたい!
「がふっ……!? んむっ……はぶぅ……じゅるっ……んはっ……んふふっ……」
「んっ……? 何か変な音が聞こえないか……?」
「俺には何も……うぉ……聞こえねぇぞ……んっ……!?!?」
じゅぷじゅぷと彼カズマ君のくっさいおちんぽを味わっていると、ぽすりと胸の当たりに蹴りをもらう。その瞬間、何故か彼の体がピンと張って動きが止まる。それを良い事に私は彼のおちんぽをじゅるりと吸い上げる。
「カズマ、少し顔が赤くないか? どうした、熱でもあるのか」
「アホ……お前に見惚れただけだ……うっ……今夜はお前を抱きにいくからな! 寝ずに待ってろよ……ぐぅ……!」
「そ、そうか……今日は私か……ふふっ……そうか……!」
嬉しそうなダクネスさんの言葉を聞いて私は一瞬頭が真っ白になって硬直する。その硬直も、次の瞬間には暴力的な快楽に吹き飛ばされる。乳首とクリを刺激するローターが今までにないくらいに振動して大暴れし始めたのだ。突然の快楽に私の体は屈服した。ガクガクと激しく痙攣しながら私は絶頂してしまう。そして、蕩けた思考と抜けてしまった腰のおかげで、私の体は前のめりになり、カズマ君のおちんぽを危険域までぐっぽりと咥え込んでしまった。
でも、カズマ君はやっぱり鬼畜だった。私の自慢の巻き髪を無造作に掴んで引っ張り上げ、更に喉奥へとおちんぽを突き立てる。おまけに、私のぐしょ濡れの股をぐりぐりと踏みつけて来た。玩具の振動がより強くクリトリスを刺激する。我慢なんて出来るわけがなかった。私が何度目かも分からない絶頂を迎える同時に、彼のおちんぽがビクンと膨らむ。それから、私の食道が熱いドロドロで満たされ、胃の中が重たくなる。どうやら射精したようだ。ツンとした胃液と共に強烈な雄の匂いがせりあがる。吐きそうだった吐瀉物は精液に流されて胃に戻される。
「……っ!? んごっ……んぐっ……!?!? んぐううううううっ!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおっ! ララティーナ! 今夜は無茶苦茶に犯しまくってやる! スタミナのつく食事を作って家で待ってろおおおおおお!
「わかりましたぁ♪ ららてぃーな待ってりゅ♪ かじゅまにれいぷされるためにまってりゅう♪」
「おらっ、ならさっさと帰れ!」
「ひゃいいい♪」
とたとたという足音と店の扉を強く開けた音が聞こえ、ダクネスさんの緩んだ声が消える。どうやら彼の命令通り家に帰ったようだ。静かになった店内には私が喉を鳴らす音、淫靡な水音だけが響いた。
そして、巻き髪を引っ張られて私は机の下の暗がりがら引きずり出されてしまう。顔をあげると複雑そうな表情をしたカズマ君と目が合った。私は彼のおちんぽを舌で綺麗にお掃除しながら喉奥から引き抜く。彼のアソコは、相変わらずガチガチに勃起していた。
「こんな事をするのはクリスだと思ったんだが、胸の大きさで分かったぜ。やはり、お前だったんだな。なぁ、あるえ?」
「はひっ……はふっ……あぅ……ふーっ! んっ……!」
「聞いてんのか?」
「ひぅ……!」
彼の勃起したおちんぽで頬をベチベチと叩かれる。快楽の余韻が引かない私は、カズマ君に曖昧な返事しか返すことが出来なかった。
「まあいい、今日はもう営業終了だ。家に帰りな」
「んふっ……ごめんね社長……いやカズマ君。腰抜けちゃって立てないのさ……」
「まったく、ほらよ……」
彼が私の両脇に手を入れて抱っこをしてくれた。苦笑する彼の顔がたまらなく愛おしかった。
「はうっ!? んっ……あっ……あうっ……!」
「うおっ!? お前何やってんだ!?」
ぼやけた意識の中で、私は先程とは違う快感と開放感に満たされた。もう何もかもがどうでも良くなってくる。しばらくしてから、すっきりとした快感と共に思考がクリアになっていった。
「んへへっ、ごめんねカズマ君……おしっこ漏れちゃった……」
「はぁ……お前なあ……」
「だって、カズマ君が私を抱っこしてくれたのが嬉しかったのさ」
「うれションかよ。アクアみたいな事してんじゃねえよ……」
「アクアさんもするんだ……」
押し黙るカズマ君は私を机の上へと突き飛ばす。机に腹ばいになった私は必然的に彼に向けてお尻を突き出すような姿になってしまった。そんな私のおしっこと愛液で濡れた不快な下着を彼はずるりと引き剥がす。濡れていたからだろうか、脱がされた瞬間に体がぶるりと震えた。
「なんで脱がすのかい……?」
「ここに挿入して欲しかったんだろあるえ」
「あっ……えっ……カズマ君……?」
「ケツ穴もヒクヒクさせやがって……ふんっ!」
「ひゃあん!?」
お尻の中を占領していたアナルプラグを一気に引き抜かれて視界が白黒に明滅する。思わず致してしまいそうになったが、それだけは必死に我慢する。女として、それだけは譲れなかった。そして、私の秘所にカズマ君が勃起ちんぽをぐいぐいと押し付けてくる。くちゅくちゅという音と、秘書に触れる彼のモノのせいで頭がおかしくなりそうになった。
「どうするあるえ、おねだりしたら挿入することを考えてやる」
「えっ……!? んっ……カズマ君……あるえのえっちで……はしたないおまんこにいれて……! 君のおちんぽで無茶苦茶にれいぷして……!」
「よく言えました……おらああああっ!」
「ひぎゅううううううううっ!?」
ズドンという衝撃と共に私の体に彼の勃起おちんぽが突き立てられる。それだけで私は天にも昇るような絶頂を迎えたが、何とも言えない違和感に包まれる。でも、気持ちがいいからどうでもいい。
「あうっ……やあっ……! 違うよカズマ君……そこおまんこじゃないよ……!」
「ん? 間違ったかな?」
「ひぎっ!? あひっ……はふっ……! んへへっ……違わないさ……あるえはお尻の穴もおまんこだから……♪ 突いて……もっと突いて……!」
自分でも何を言っているんだと呆れてしまう。でも、私の体は彼に逆らうことなんてできるわけがない。性器ではなくアナルに挿入されているのだとしても、私は嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。冷たい態度の彼が、私を構ってくれる上に私の体で気持ちよくなってくれているのだ。
「まったく、お前はおっぱいだけじゃなくてケツもでけえよな! ああっクソ! このド畜生が! ふんっ……せいっ……!」
「ひんっ!? お尻叩かないで……! ふぁうっ……そこ気持ちいい……んひっ……んひいいいいいっ!」
「おう、ここがいいんだな。そりゃっ!」
「はううううううううううううっ!」
私のお尻はとうの昔に彼によって開発済みだ。だから、私の弱いところは全て把握されている。そんな私の弱点を彼はカリ首でゴスゴスと刺激した。そして、私を机に押しつぶすようにのしかかって深く挿入してくる。ああ、たまらない。この私が彼に犯されている!
「せいっ……くぅ……! 気持ち良いじゃねえか! 喜べあるえ、お前のケツは最高だ!」
「んひっ……ひゃぐ……ううっ……私で……ひぅ……気持ち良くなってくれているのかい……?」
「ああ、最高だ……ぜっ!」
「あうううううっ!? そんな強く……あひっ……あひいいいいっ!」
我が名はあるえ。里一番の偉大な作家にして、数多の魔法を操るもの。そして、カズマ君のアナル奴隷に身を堕とした淫乱秘書官。んふふっ……今度からこんな名乗りをしてみようかな。
「気絶してんじゃねぇ! “ライトニング!”」
「あぎいいいいいいいいっ!?」
「おまけに出力最大! リミットブレイク!」
「ひゃあああああああああああっ!?」
体に走る電撃と、壊れそうなほど激しく震える玩具。そして、奥深くまで挿入されるおちんぽに私は全てを壊される。ただひたすらに、はしたなく嬌声を上げて涎を垂らす。私はどうしようもない女であった。
「くそっ……出るっ……ぐぅ……くうううっ!」
「ふわあああああああああああ!? あうっ……熱い……お腹熱いよカズマ君……!」
「あ˝あ˝~……えがった……」
「んひっ!?」
彼が私のアナルから性器を引き抜くちゅぽんという下品な音が聞こえた。そして、荒い息をつく私をよそに彼は服を着て身支度を整える。甘い言葉もなければ、後戯もしてくれない。それが少し不満であった。
「くそ、勢いでやっちまったな……ああやべぇ……アイツの反応がこっちに……浄化スプレーは……あったあった」
「カズマ君……どこに行くのさ……?」
「家に帰るんだよ。お前はきちんと掃除してから帰れよ。残業代はつけとくからよ」
自分の体にスプレーを振りかけたカズマ君が店を出ようとする。私はそんな彼の腕を掴んで止めた。面倒臭そうにしながらも、足を止めた彼に私はずっと聞きたかった質問をしてみる事にした。
「ねぇ、カズマ君。私とエリス様、ダクネスさんの差は何かな……?」
「はあ? 分かり切った事を聞くなよ」
「知りたいんだ。なんで私は……めぐみんは……」
「アイツらの事をお前より愛しているだけだ。理解出来たか?」
「っ……!?」
素っ気なく言われて一瞬理解出来なかったが、つまりはそういう事だ。我慢しようと思っても、両目から溢れる涙は止まらない。やめて欲しい。そういう事は、面と向かって言わないで欲しい……
「それじゃあアクアさんは……? なんであの人は君の傍にいられるの……私じゃダメかい……?」
「…………」
押し黙ったカズマ君は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。そして、私の耳元に顔を近づけて言い聞かせるように囁いてきた。
「アイツは俺の“モノ”だ」
彼はそう言ってから私に背を向ける。それが悔しくて悲しくて、どうにか繋ぎ止めたくて仕方なかった。だから、あえて私は余裕を装う。こんな扱いをされても構わないだろうと自分を鼓舞する。だから、私は――
「カズマ君、また今度しようね。この背徳的な関係がたまらないのさ」
「へぇ……お前頭おかしいんじゃねえの?」
恐怖と不安、蔑みを混ぜたような表情を彼は私に向けて店を出る。私はそんな彼を這うようにして追いかける。そんな態度はやめて欲しい。私だって……私だって……!
私は何とか店の扉を開くことが出来た。でも、もう遅かった。
「あっ、カズマさん!」
「お父さん……」
「お、おう! 今仕事が終わった所だ」
娘の手を引いて駆け寄ってくるゆんゆんに、カズマ君は満面の微笑みを返していた。知らない。そんな彼の顔を私は知らない。彼はもっと鬼畜でクズで冷たくて……
「今日の夕食のコロッケはありさと一緒に作ったんです! だから揚げたてを食べて欲しくて……!」
「ん、頑張った……」
「おう、そうか偉いぞありさ! 一風呂浴びてさっぱりしてから頂こうかな!」
「ふふっ、お湯は沸かしてありますからね。カズマさん、お仕事お疲れ様でした」
仲良く手を繋いだ三人の背中が私から遠ざかっていく。その光景は私に様々な感情を呼び起こしてくれた。羨み、憎しみ、失望、無念、怒り、苦しみ、殺意! この全てを内包した感情。“嫉妬”を覚えた私は、唇を噛み締め、拳を床に叩きつける。ああ、羨ましい憎らしい妬ましい!
でも、この感情は嫌いじゃない
「あはっ♪ これだよカズマ君……この感情は最高だねぇ……」
ガリガリと胸を掻きむしりながら、私は先程見た光景をどのようにしてぶち壊してやるかを考える。様々な物騒な手段と計略が頭に思い浮かぶ。ああしたら、彼は破滅する。こうしたら、ゆんゆんは醜く死ぬ。彼を私のモノに出来る!
「ああっ……書かなきゃ……小説書かなきゃ……!」
でも、実際にそんな事は出来るわけがない。だから、私はこの思いを小説にする。だって、小説の中の“私”は何だって出来る。彼を奪う事も、憎いあの女を破滅させる事も、冷たい態度の彼を満面の笑みにだって出来る!
この荒れ狂う感情が私の創作意欲を刺激してくれる。だから、余計に諦められない。現実で彼に受け入れられた時、私はもっといい小説が書ける。そんな気がしたからだ。
「でも、涙は止まらないんだよカズマ君……」
小説の中の私は強い女だ。
現実の私はだめだめだ。
でも、どちらも同じ“私”だ!
「事実は小説より奇なり……か……」
さぁ、“小説”の続きを書こう。
皆さんはこのすばのゲームを買いましたか?
アクア様は相変わらず最高でしたね。そして、クリスが最高でした。ナチュラルにデートを継続させるエリス様マジ策士!
なんだかんだで、二人とも満更でもないんですね……