※この作品はR-18です。

てぃーちんぐゆんゆん   作:ルイ提督

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タイトル通り、ダラダラした回が続きます。
※別作品のモンスター(メタルマックスシリーズ)が登場します。


爛れた2ヶ月間:ダラダラ旅行(道中編)

「お嬢様! そんなはしたない行為はおやめください! ああっ! 無理矢理にでも連れていきます! そっちもって!」

 

「分かりました!」

 

「コラ! 私はまだ、休暇中だ! やめ、やめろおおお!」

 

 ダクネスが強引に二人の男に掴まれ拉致された。しかし、あの二人は見た事ある。ダスティネス家の使用人だ。うん問題ないな。このまま放っておこう。そうして、俺はソファーにどっかりと座る。残されたのは、犬食いを続けるゆんゆんと、こちらを見つめてくる男……あれは、ダスティネス家の護衛の人だったかな……

 俺がぼんやりと、男を見ていると、こちらに近づいて来た。そして俺の耳元に囁きかけてきた。

 

「夜道には気をつけろ」

 

 これだけを告げて、護衛の人は退出していった。なるほど、このカズマ様に脅しか、身の程を知らない奴だ。

 

「おいゆんゆん」

 

「はふっ……! なんですか?」

 

「しばらく旅に出るぞ!」

 

これは、逃亡ではない。屋敷での生活に飽きただけだ!

 

 

 

 

 

 

 そして、俺達は旅の支度を整えリビングに集まった。鎧を着けるのも久しぶりだ。なんだか、重く感じる。ゆんゆんも、エプロンドレスを外し、いつもの紅魔族ローブ姿になっている。

 

「ゆんゆん、もう犬耳と尻尾を外せ!」

 

「あ、そうでしたね。この恰好にも随分慣れちゃいました」

 

「今思えば、俺ってスンゴイ事しまくってたな。ほれ取ってやる」

 

 そうして、俺はゆんゆんから、カチューシャをとり、尻尾を引っこ抜く。そして、ゆんゆんがブルリと体を震わせた。

 

「ご主人様、お風呂入って来ていいですか?」

 

「ああ、急ぎじゃないからな、行ってこい。後、ご主人様は終わりだ」

 

「分かりました。カズマさん、一緒に入ります?」

 

「いや、やる事あるから、一人で行ってこい」

 

「ふふっ、そうですか」

 

 そう言って、ゆんゆんが早足で、浴室へ行く。そういえば、朝から3発流し込んだからなあ。屋敷での肉欲の日々を思い返しつつ、俺はアクアへの置手紙と、めぐみんへの手紙書く。屋敷を留守にし、アクアを一人にするのは心配だが、あいつも、寂しくなれば、アクシズ教団や、ウィズに泣きつくだろう。奴らなら、任せられる。

 

「それにしても、旅か……」

 

 基本、俺達はアクセルに引きこもっている。旅など、アルカンレティア以来か。いざ、どこかに行こうと思っても、とっさに思いつく場所はない。温泉は、いいかもしれないが、混浴は毎日してるようなもんだしなぁ。

 俺は、この世界の簡易的な地図を見ながら思案する。海とかいいかもしれない。そんな事を考えている時、ふとダクネスがここ最近言っていた愚痴を思い出す。なんでも、王家がうんたらかんたらと……

 

「王都に行くか」

 

 自分の中での方針が固まった。俺は、王城や貴族邸で贅沢な日々を過ごしたが、城下街の散策はしていない。この国の首都であるから、娯楽や、うまい物があるはずだ。それに、2週間くらいたてば、その間にダクネスが、あの痴態に関する説明を自分で処理するだろう。そんな人間の屑のような事を考えながら、俺は上機嫌で旅の準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 私は気持ちの良いお湯の中で、深く溜息をついた。この屋敷で私がやらかしてきた事を改めて思い返していたのだ。私はここで犬耳メイドとして、カズマさんに仕え、好き放題に体を弄ばれた。そして、カズマさんは、あろうことかダクネスさんまで、私と同じような所まで堕としていた。

 最低のカズマさんを更生させるために一緒にいるのに、更なる犠牲者を出してしまったのだ。しかも、私は自らの快楽を満たすため、私からカズマさんに“奉仕”をしにいっていたのは反省すべき事です。また、ダクネスさんをカズマさんの魔の手から、解放させようなんて行動は起こさず、毎晩のように、カズマさんの部屋の前で、唸り声を上げながら取っ組み合っていたのは今考えても、頭がおかしいとしか、思えない。

 

「でも、褒めてくれるんです……」

 

 褒めてもらえる、撫でてもらえる。これが嬉しくて、私は従順になってしまった。自分自身を戒める必要があります。しかし、この屋敷で過ごした事で、分かった事があります。それは単純なもの。

 

「私、カズマさんが好きなんですね」

 

 もう、離れようなんて思えない。世間一般の考え方なんかどうでもいい。私の感情はカズマさんを求めている。私が褒められて嬉しいのはカズマさんだけ、他の男になんて触られたくもない。そして、カズマさんにも、私以外の女に触れて欲しくない。

 だからこそ、私は使命をはたさなければならない。カズマさんは放っておくと、ダクネスさんみたいな女性を量産する、スケコマシだ。これは、なんとしても阻止しなければならない。カズマさんに泣かされる女は私だけでいい。他の女に目をかけるなんて、やめて欲しい。

 

「でも、どうすればよいのでしょう……」

 

 このままだと、私はまた従順な犬になってしまう。いっそ、カズマさんを殺して、私も死にましょうか。これなら、泣かされる女はもういなくなる。

 

「そうじゃありません!」

 

 私は顔にお湯を打ち付ける。思考が変なとこに行ってしまった。死んだら元の子もない。私が欲しいのは、カズマさんとの幸せな未来だ。それに、私もまだ若い。色々とやり残した事がある。ではどうすればよいのか。

 

「カズマさんとずっと一緒にいたいです……」

 

 確認するように呟く。そう、私はもうカズマさんがいない生活をもう想像できない。カズマさんと過ごした数ヶ月は、私の今までの人生での中で一番楽しかった。それに私の体を散々弄ばれ、言ってしまえば調教もされてしまった。もう、私に選択肢はない。あの男じゃないとダメだ。

 

「ごめんなさい。ごめんなさいめぐみん……」

 

 めぐみんが悲しむ? そんなのもう知りません。カズマさんは私の、私だけの男です。そもそも、めぐみんが悪いんです。だって、あの男を野放しにしていたんですから。

 

「めぐみんの尻拭いは、私がしないと!」

 

 そう、これは親友の失敗を、尻拭いをするだけです。裏切りじゃありません、仕方がない。仕方がない事なんです。私がカズマさんを更生させ、浮気しないように監視する。

 そして理想的な旦那様として、私と結婚するんです。例え更生したとしても、カズマさんは元々は人間の屑、前科者です。そんな男は、めぐみんに相応しくありません。だから、カズマさんには、私以外の選択肢なんてないんです。

 

「ふふっ、カズマさん、絶対に逃がしませんよ……」

 

 なんだか、私の中でごちゃごちゃになっていた感情がスッキリしました。さぁ、カズマさんの元へ急がなくては。私は意気揚々と風呂場を飛び出しました。

 

 

 そして、私達はしっかりと戸締りをし、屋敷を後にしました。向かうは王都行きの馬車停留所です。

 

「カズマさん、テレポート屋は使わないんですか?」

 

「かーっ! ゆんゆんはアレだな、友達と旅行に行ったりした事ないの?」

 

「それはひょっとして、バカにしてるんですか!?」

 

 何やら哀れみの視線を向けてくるカズマさんに、非常に腹が立ちます。私だってそれくらい! それくらい……

 

「ぐすっ……ひっぐ……」

 

「泣くなよ!」

 

別に泣いてなんかないです。目にゴミが入っただけです……

 

「ゆんゆん、旅ってのは、目的地に行くまでを含めて旅なんだ。テレポートなんて無粋なんだぜ?」

 

「ぐすっ……でも、家族旅行はテレポートを使って行きましたよ?」

 

「まぁ、紅魔族って常識外れだしな」

 

「カズマさん、家族を馬鹿にするのは許しませんよ」

 

「そういう意味じゃないっての……ほら、飴ちゃんやるから機嫌直せ」

 

「私、そんな単純じゃないです!」

 

「はいはい、それじゃあ馬車に乗るぞ。道中の楽しさは、これから味わえ」

 

 そういって、カズマさんは上機嫌で、馬車のチケットを買いに行きました。なんだか、カズマさんの方が、私よりテンションが高いようです。私と同じように、内心はドキドキワクワクなんでしょうか。

 その後、カズマさんが手配した馬車に私たちは乗り込みました。金持ち向けの高級馬車ですね……

 

「もう出発の時間ですけど、私達以外は、誰も乗って来ませんね」

 

「そりゃな。席を買い占めたし」

 

「どうしてですか? 結構高いですよ、馬車代は……」

 

「ゆんゆんと二人っきりでいたいから」

 

「そ、そうですか」

 

あ、ダメです。私こういうのに弱いんです。嬉しくて死にそうです。

 

「お、動き出したぞ! さぁ旅の始まりだ!」

 

「上機嫌ですね、カズマさん」

 

「当たり前だ。アクアがいないんだぞ? トラブルもなくゆっくりできそうだ」

 

「カズマさん、それは紅魔族の『言ってはいけないセリフ集』に載ってる言葉です。多分、トラブルに遭遇しますよ?」

 

「変な事を言わないでくれ、ゆんゆん……」

 

 カズマさんが、へなへなと崩れ落ちました。しかし、その後は、平和な旅路が続きました。特にモンスターの襲撃があるわけでもなく、ゆっくりと時間が過ぎて行きました。窓に流れる景色を見ながら、会話をしていると、特に退屈することなく、時間が過ぎていきます。

 

「カズマさん、どうせなら護衛として、参加したほうが良かったんじゃないですか?」

 

「アホ、旅行なんだから、面倒はできるだけ避けるに決まってる」

 

「まぁ、それも一理ありますね」

 

 そんな事を話ながら、外を眺めていると、並走している馬車に乗っている子供が、こちらに手を振って来ました。

 

「ふふっ、カズマさん、あの子がこちらに手を振ってますよ」

 

「そうだなー」

 

 私が子供に手を振り返していると、カズマさんが私のお尻に手を這わせて来ました。はぁ、まったくこのヒトは……

 

「カズマさんって、やっぱり最低ですね……」

 

「よいではないかーよいではないかー」

 

「もうっ! んぅ……」

 

「お、あのクソガキが変顔してるぞ。ゆんゆんもアヘ顔で返してやれ!」

 

「アホな事言わないでください! あっ……んぁ……!」

 

 それからは、いつものエッチな事をする流れになりました。今更ながら、カズマさんが高級馬車を独占した理由を悟りました。本当にエッチで最低な人です。

 

「んぁっ……! だから、お尻いじらないでください! 最近そこ触られると私……!」

 

「気にするな! さて、俺もスッキリさせてもらおうかな」

 

 カズマさんが性器を取り出しました。やる気のようです。まぁ、仕方ありません。彼が満足しないと、他の女に手を出しますから。私は、カズマさんの膝の上に腰を下します。私の内股の間から、カズマさんの性器が顔を出しました。

 

「ゆんゆん、これが気に入ったようだなぁ……」

 

「だって、よりカズマさんを感じられますから」

 

「お、おう、そうか」

 

カズマさんは、素直に好意を伝えるといい反応を示すようです。覚えておきましょう。

 

「周りの人にバレる心配はないんですか?」

 

「安心しろ。そういうのをやっても、問題ない馬車だ。チケット買う時にこっそり聞いておいた」

 

「はぁ、やっぱり最初からその気だったんですか……」

 

「ゆんゆんもその気だったろ?」

 

「そんなわけありません!」

 

 私はそう言いながらも、カズマさんを強く抱きしめました。そして、軽いをキスをしました。

 

「んーやっぱり座位っていいよね」

 

「いきなりなんですか?」

 

「気にするな! ゆんゆん、この体位の名前は座位だ。覚えておけ!」

 

「はいはい……んぅ……」

 

「なんか、積極的ですね。ゆんゆんさん」

 

 私はカズマさんに抱き着きながら、彼の熱くて固い物に、自分の秘所を、擦りつけるように押し当てました。本当に、四六時中、勃起してますね。

 

「だって、カズマさんは最低のレイプ魔ですから、私が性欲を解消してあげないと……」

 

「レイプはまだしてない!」

 

「……まだ?」

 

「いえ、なんでもないです」

 

 安楽少女はレイプしたのではと、悶々と考えながら、私がゆっくりと腰を動かしました。その時、突然カズマさんが、私の下着を横にずらしました。ダメ、ダメです。カズマさんの熱いのが、直接当たっちゃいます!

 

「カ、カズマさん、一歩間違えば入っちゃいますよ!?」

 

「大丈夫だって、パパパっとイって終わりにするから、入らない入らない」

 

「…………」

 

「ど、どうしたゆんゆん……その目で俺を見ないでくれ」

 

「挿れたら、結婚ですよ」

 

「あ、うん………」

 

 むしろ、挿れてしまえば結婚できるのでは? 私はちょっと腰を浮かし、狙いを定めて……

 

「ま、まて落ち着け!」

 

「あ……」

 

照準をズラさせました。カズマさんは、ケダモノのくせに、ヘタレすぎます。

 

「言っただろ! 覚悟決まるまで待てって……!」

 

「…………」

 

 私は、冷や汗をたらしながら、こちらをチラチラ見てくるカズマさんを見つめました。本当にカズマさんは、その覚悟があるのでしょうか? 私はカズマさんの首筋を優しく撫でました。何故でしょう。猛烈に喰らいつきたくなってきました。

 

「カズマさん言っておきますけど、あなたは私の体を弄びました。それは分かってますか?」

 

「そりゃぁ、分かってるさ……」

 

「そうです。もう後戻りできないんです。もしカズマさんが私を捨てたら……」

 

カズマさんがゴクリと唾を飲みこむ音が聞こえました。

 

「ふふっ……」

 

「なんだよ! 最後まで言えよ! 怖いんですけど!」

 

 何やら怒り気味のカズマさんの首に、私は喰らいつきました。ん……味はしないはずなのに、すごく美味しい。

 

「あだだだだだっ! いきなり何すんだ、ゆんゆん!」

 

 抗議の声を上げるカズマさんを無視して、私は噛み続けます。少し、鉄の味がしてきました。口を放すと、カズマさんの首の一部が腫れ、私の歯型が残っています。そして、滲み出るように出血していました。私は、流れ出る鮮血に舌を這わせました。やっぱり、カズマさんは美味しいです……

 

「カズマさん、私はもうあなたの物なんです。逃がしませんよ……」

 

そして、私はカズマさんの口に舌を――

 

 

 

 

 

 

「調子に乗んなオラアアアアアアアアアッ!」

 

「ひゃあああああああああああっ!?」

 

 突然カズマさんが、私を力強く抱きしめました。カズマさんの性器が、私の秘所の陰唇を押し開き、膣口に直に触れました。カズマさんのビクビクとした脈動が、下腹部に響きます。そして、私の敏感な所にカズマさんの裏筋に当たっています。少し擦れるだけで、暴力的な快感が襲ってきました。

 

「カ、カズマさん……動かないで……!」

 

「セイヤアアアアアアアアアアッ!」

 

「ああああああああああっ!? だめっ! こすれ……んんんぅ!?」

 

 痺れるような快感に、私は意識が遠のきそうになります。そして、カズマさんが、乱暴に腰をガンガンと振っています。その突き上げの一回ごとに、カズマさんの熱いものが私の敏感な所を擦り、秘所をどんどんと濡らしていきます。そもそも、最初の一突きで私はイってしまいました。その余韻を味わう事もなく、私は次の絶頂へ無理矢理導かれました。

 

「はぁっ……! あぅっ! いきます……またいきます……あああああっ!」

 

「もっといけ! ついでに……オラァ!」

 

 カズマさんが、私の衣服をずらし、胸を外気にさらしました。そして、振動で擦れて固くなっていた乳首を、噛みちぎる勢いで吸ってきました。

 

「あひゃっ!? あうあう……! んっんぁ!? カズマさん、そこ吸っても何も出ませんよ!」

 

「うるしぇえ! んぐっ……! んんんんんっ!」

 

「あ、だめだめだめだめっ! また……また……いひゅううううう!?」

 

 私の体が快感と共に、ガクガクと痙攣しました。あ、私、このままだと壊されちゃいます……

 

「ああっ俺も……う゛っ!」

 

「あっ……! あっ……! あぅ……」

 

 カズマさんが射精しました。私の下着と下腹部に熱いドロドロがいっぱい飛び散りました。私は、震える手でそれをすくいとり……

 

「ふきゅ!」

 

「気絶したか……あ、あぶねぇ! もう少しで主導権握られる所だった!」

 

 

 

 

 

 

 

「ん……」

 

 私が目を覚ました時、あたりは暗くなっていました。そして、私は屋外に敷かれた毛布の上で寝かされていました。周りの馬車も停車している事から、どうやら、商隊全部での休憩中のようです。

 

「起きたか、ゆんゆん?」

 

「はい、カズマさん……」

 

 私が振り返ると、たき火の前でカズマさんが座っていました。そして、火にかけた鍋をお玉でかき回しています。そこから漂う、良い匂いに、私はつい鼻をヒクつかせてしまいました。

 

「ほれ、豚汁。今お茶入れるから、待ってな」

 

 私は素直にお椀と箸を受け取りました。しかし、私はそれを食べずに、カズマさんの両隣にいる異物を睨みつけました。

 

「すまない。私も、もう一杯頂けないだろうか?」

 

「ボクもボクもー!」

 

「はっはっは! 食い意地の這った女どもだ! ほれ!」

 

「感謝する」

 

「やーりぃ!」

 

 私は怒りと呆れが混じった目で、カズマさんを睨みました。彼の隣には、軽鎧を着た女戦士と、動きやすそうな狩人衣装を着た、レンジャーと思われる女性がいます。私が目を離した僅かな時間に、女を侍らせるなんて、最低です。

 

「もちろん、お代は体で払ってもらおう! そのむき出しのお腹を触らせろ!」

 

「あ、コラ!くすぐったいって! あはははっ! 」

 

 カズマさんが、レンジャーらしきのお腹に手を這わしています。私の怒りのボルテージが更に上がりました。やっぱり、カズマさんは最低のスケコマシです。

 

「カズマさん! そのお二人はなんですか!」

 

「ん? ああ、護衛をしてる冒険者らしいぞ?」

 

「よろしく頼む」

 

「どもー!」

 

 う……護衛の方ですか。いきなり怒りをぶつけても、相手の不興を買うだけですね……

ここは、無難に返しましょう。

 

「あ、はい、よろしくです……」

 

「よろしく」

 

「よろー!」

 

「うっし! 挨拶も済んだ所で暇つぶしに情報交換と行こうぜ!」

 

 そうして、カズマさんとお二人が会話を始めました。話を聞いていると、彼女達はつい先ほど通過した街に拠点を置く冒険者だそうです。職業は、ソルジャーとハンターだとか。そして、カズマさんは二人に今までの冒険の事についてなどを放し始めました。

 それにしても、私はどう会話に参加すればよいのでしょうか。話を切り出すきっかけが、つかめません。というか、私まだお二人に名前すら告げていません。私はもう、ぼっちじゃないです。カズマさんといつも一緒にいますし、特訓だっていっぱいしました。以前、カズマさんが言っていました、恥ずかしがらずに強引に行けば、成功する事もあると。もう、思い切って、話しかけちゃいましょう。

 

「今日も寒いですね!」

 

「え……? あ、うん」

 

「ふむ、そうだな」

 

なんだか、気まずい沈黙が流れています。勇気を振り絞って話しかけたのに……!

私は助けを求めるように、カズマさんの方をチラリと見ました。

 

「ゆんゆん、気象の話は、最初の話題が尽きかけた中盤戦で切り出す話題って、言ったろ? それにお前は、まだ名前を告げてない! さっきの出身地の話題の時、話振ったのに無視しやがって……」

 

「うう……!」

 

 カズマさんが、グチグチと文句をつけてきました。私はまだまだ、会話の経験値が少ないんです。勘弁してください!

 

「おう、二人とも。こいつは、ゆんゆんっていう、凄腕アークウィザードだ」

 

「ゆんゆん……!?」

 

「ゆん!?」

 

 お二人が、私を驚きの表情で見つめてきました。はいはい、また名前でいじられるんですね。知ってます。しかし、お二人は、私の予想に反してこちらにズイッと近寄ってきました。

 

「紅魔族だよな……?」

 

「え、はい。そうですけど……!」

 

「わわ! もしかして本物!?」

 

 私にお二人が更に近寄ってきました。な、なんでしょうか? 私の偽物でもいるんでしょうか……

 

「もしかして、“蒼き稲妻を背負う者”ゆんゆん!?」

 

「わー! 本物だー! 本物の英雄だー!」

 

「ぶふっ!」

 

 お二人の影でカズマさんが爆笑していました。それにしても、何故そのあだ名を!? 紅魔の里以外で、私をそう呼ぶものはいないはずなのに……!

 それから、私はお二人の質問攻めに会いました。どうやら、私の名が魔王討伐パーティの一員として噂になっているようです。私が英雄ですか。なんだか実感がわきません。

 

「という事は、カズマさんは、あのカズマさんなのか?」

 

「うわ、つまりはそういう事だよね……」

 

 お二人が、私の後ろに隠れて来ました。なんだか、カズマさんをゴミを見るような目で見ています。

 

「あれが、最低最悪の鬼畜男……」

 

「太鼓持ちのカズマさん……!」

 

「おいお前ら! いきなりなんだ! ぶっ飛ばすぞ!」

 

 カズマさんって、他の街でも最低最悪の鬼畜男の名を広めてたんですね。まぁ女が寄って来る要因が減るので、私としては大歓迎ですが。

 

「しかし、鬼畜のカズマは死んだと噂で聞いたが……」

 

「ええ!? 私は結婚して、冒険者引退したって……」

 

「勝手に殺すな! 結婚させるな! というか、俺の評判ってどうなってんだ!? 詳しく聞こうじゃないか!」

 

そう怒るカズマさんを見て、お二人がそそくさと立ち上がった。

 

「私は用事を思い出した。今日は失礼する」

 

「ばいばーい!」

 

「待てコラ! 逃がすか!」

 

 カズマさんと二人が追いかけっこを始めました。私はその光景を、溜息をつきながら眺めます。本当に、カズマさんの世間での評判ってどうなってるんでしょうか。

 しばらくすると、カズマさんがホクホクとした顔で帰ってきました。ポケットからは、カラフルな布が顔を覗かせています。まったく、カズマさんは……

 

「ゆんゆん、そろそろ寝ようぜ」

 

「そうしましょうか」

 

 私はカズマさんに同意し、馬車の中で寝袋を広げました。ちょうど、二人が寝れる程のスペースがあり、私達はそこに横になりました。虫が鳴く音、草木が風にふかれて揺れる音、外で歓談する人達の声が微かに聞こえてきました。今さらながら、私達は旅に出てるのだと実感しました。

 

「カズマさんカズマさん……」

 

「どうした?」

 

 

 

「明日も、平和な旅路が続くといいですね」

 

「ああっ! お前もフラグになるような事いうな!」

 

 そして、次の日も旅は順調でした。カズマさんと他愛もない会話をしたり、スキンシップをしながら、時間を潰していきました。そして、夕方になり……

 

「よし、飲み込んでいいぞ!」

 

「ん……ん……」

 

私は、カズマさんの精液を味わうように飲み込んでいた時、それは起こりました。

 

『敵襲―! 上空攻撃が可能な護衛はただちに前方へ急げ!』

 

 そんな怒鳴り声とともに、周囲が騒がしくなってきました。おそらくモンスターの襲撃でしょう。

 

「カズマさん、私達も行きますか?」

 

「アホか、俺達は客だ。それに、放っておけば、護衛がすべてモンスターを撃退するだろ」

 

カズマさんが、ふんぞり返りながら言いました。確かにそうなんですが……

私も素直に、馬車内でしばらく待機していましたが、周囲の喧騒と怒号がどんどん強くなっていきました。

 

「カズマさん、昨日の二人も戦ってると思いますよ。助けに行かないんですか?」

 

「ゆんゆん、旅先で出会う人とは一期一会の関係性が望ましい。奴らの今後なんて知らねぇ!」

 

 そう言いながらも、カズマさんは窓から外の様子をチラチラ見ていました。分かりやすい人ですね。

 

「とりあえず、外に出て様子を見てみませんか?」

 

「ま、まぁ、それくらいはやるか。敵がこっちに来たら逃げるからな!」

 

「はいはい」

 

 私は、仕方なくといった様子のカズマさんを連れて外に出ました。付近には商人や乗客、護衛の冒険者が、慌ただしく動いていました。

 

「潜伏で偵察だ。いくぞ」

 

「はい!」

 

 私はカズマさんの差し出した手に、抱き着きました。そして、喧騒の中を潜伏しながら、静かに進み、戦場となっている商隊の最前列付近に到着しました。そこでは、冒険者達が、上空に向けて、弓矢や、魔法をぶっ放していました。

 

「おーやってるやってる……」

 

「むむ、カズマさん、厄介なモンスターに襲撃にされてるみたいです」

 

「知っているのか、ゆんゆん?」

 

「はい、あれを見てください」

 

 私は解説するように、手を上空で滑空しているモンスターに向けました。それは、かなり巨大な鳥型のモンスターであり、数十匹で編隊を組みながら飛行していました。そして今、数匹が急降下し、汚物を投下しました。投下地点には小規模の爆発が起こり、近くにいた冒険者グループが吹っ飛びました。死んではいないようですね……

 

「アレは、『B-52アホウドリ』 爆発するフンを投下し、爆撃する嫌らしい敵です!」

 

「はいはい、フンが爆発ね。こんなモンスターばっかだなこの世界」

 

 カズマさんが、鼻を指でほじりながら、呟きました。汚いのでやめてください。そして私はアホウドリの更に上空で悠々と飛ぶモンスターを指でさしました。

 

「加えて、あの巨大なエイみたいな姿をしたのが、『B-2マンタレイ』 同じく、爆撃を得意とする飛行モンスターです!」

 

「ほーん」

 

「どう攻略します? 特にマンタレイは、上級冒険者でも狩る事が難しいモンスターです。このままだと、商隊全滅の恐れも……」

 

「よし、アクセルで仕切り直そう。“テレ……!”」

 

「わああああああああ!? 待ってくださいよ! 全滅するかもしれないんですよ!」

 

私は慌ててカズマさんの詠唱を止めました。ここは颯爽と助けに行きましょうよ!

 

「ゆんゆん、俺は別に他の乗客が爆死しようが、どうでもいいんだ」

 

「カズマさん! 私達、英雄とか言われてる冒険者ですよ! もうちょっと頑張ってみましょうよ!」

 

「ケッ! 俺はただの鬼畜男だから、関係ないし!」

 

「拗ねてるんですか? もしかして拗ねてるんですかカズマさん!?」

 

「うるさい」

 

「いたいっ! もうっ!」

 

 カズマさんに叩かれた頭を、抑えながら、私は嘆息しました。このヒトも子供ですね……

 そして私達が、じゃれ合っている内に、護衛の冒険者達が、徐々に後退してきました。

 

『撤退! てったーい!』

 

『積み荷も放棄しろ! さっさと逃げるぞー!』

 

『うわああ! また急降下してきたぞ! 矢と魔法の対空砲火を奴らに集中させろ!』

 

『上空援護機を要請する!』

 

『ダメだ!』

 

『こんな所で死ねるか、撤退だ!』

 

 そして、近くに停車していた馬車が、B-52アホウドリのフン爆撃で爆散しました。これはもう、本当にダメみたいですね。このまま、撤退戦に入ったら、死者も出るかもしれません。

 

「カズマさん、私は行きます」

 

「おいコラ! 話聞いてんのか、撤退だっての!」

 

 そう言って、怒るカズマさんを、私はじっと見つめました。数ヶ月一緒に過ごして、私はカズマさんの人となりを知りました。カズマさんは、鬼畜で最低な人です。でも、私は知っています。本当は、お人好しで、面倒見のいい方なんです。口では、逃げると言ってますが、内心は違うと私は思います。

 

「カズマさんカズマさん」

 

「あぁ!? なんだよ?」

 

「私一人じゃ怖いです。一緒に戦ってくれませんか?」

 

 私は、カズマさんに縋るような目つきで見ました。さりげなく、手に抱き着きながら。そして、あざとく目をうるませました。

 すると、カズマさんは私を見て、バツの悪そうな顔で応えました。

 

「しょ、しょうがねえなぁ! ゆんゆんは俺が付いてないとダメだからな!」

 

「ふふっ、そうですね、私にはカズマさんがついてないとダメです」

 

 アクアさんが以前言っていた事に、納得が行きました。カズマさんって、ちょろいですね。

 

 

 

 

 

 

「で、どうするんですか? 何か卑怯な作戦でも思いつきましたか?」

 

「アホ、卑怯も糞もあるか。俺のパーティの必勝パターンでいく。つまりは、俺が攪乱し、その間に最大火力をぶつける。シンプルでいいだろ」

 

「でも、私はめぐみんみたいな火力はありませんよ?」

 

「そりゃそうだが、ゆんゆんは、敵を殺すのには十分な火力と手数がある。いけるさ」

 

 私は少し不安になりました。でも、カズマさんができると言ってくれている。それならば、やってやりましょう!

 

「よし! とりあえず撤退してる奴らに合流するぞ!」

 

「ええ? 戦わないんですか!?」

 

「いいからこい!」

 

 そして、私達は戦線から少し後方に移動しました。そこには、避難誘導をしたり、商人から、大量の荷物を背負わされる護衛の方達がたくさんいます。そんな人達の前で、カズマさんが突然大声を上げました。

 

「ものども、きけええええええええええ!」

 

 カズマさんの大声に周囲の方達が、こちらを一斉に向きました。そして、カズマさんが私の隣に立ち……

 

「こちらにおわすお方をどなたと心得る! 恐れ多くも、魔王討伐を果たした英雄、凄腕アークウィザードの、ゆんゆん様にあらせられるぞ!」

 

 カズマさんの声を聞いた周囲の方が、私を一斉に見つめて来ました。なんだか恥ずかしいです。

 

「あれがあの……英雄!」

 

「ゆんゆん、ゆんゆん様なのか!」

 

「見ろ、目が赤い、紅魔族だ!」

 

「マジだ! あの、頭のおかしい紅魔族だ!」

 

「“蒼き稲妻を背負いし者” ゆんゆん!」

 

 ちょっと待ってほしい。いつから紅魔族全体が頭のおかしい呼ばわりされているんでしょうか。そして、何故、あのあだ名が普及しているのか……!

 

「今だ、ゆんゆん。“名乗り”を上げろ」

 

カズマさんが、そんな事を小声で私に言いました。な、名乗りだなんて……!

 

 私は改めて周囲を見ました。皆が、私に何やら、期待を込めたような視線を送ってきています。何故でしょう。血が騒いで来ました。いいでしょう、いいでしょう! やってやります!

 私は魔法を詠唱し、身に着けた緑色のマントをバサァッと翻しました。そして、短杖を掲げ、片足立ちになるようなポーズを取り、“名乗り”を上げました!

 

「我が名はゆんゆん! アークウィザードにして、魔王討伐を成し遂げた者……!」

 

 ああ、皆さんが私を見つめています! なんでしょうか、凄く気持ちがいいです! そして、私はカズマさんをチラリと見て……

 

「紅魔族随一の魔法の使い手にして、やがてカズマさんの伴侶となるもの!」

 

私の名乗りと同時に、私の周囲に雷撃が飛び散りました。完璧、完璧です!

 

 

「うおおおおおおおお! 勝てる、勝てるぞ!」

 

「英雄さんが一緒だ! やれる!」

 

「そうだ! 英雄に続けぇ!」

 

「うわぁ……」

 

何やら周囲の方の士気が上がったようです。カズマさんの狙いはこれでしたか……

そして、カズマさんがこちらを真っ赤になって見つめてきました。

 

「お前、どさくさにまぎれて、何いっちゃってんの!?」

 

「別にいいじゃないですか」

 

「く、クソ!」

 

 カズマさんがそっぽを向きました。おーちょろいちょろい。そして、カズマさんが逃げるように前に出ました。

 

「おいお前ら! 今からゆんゆん様が、超スゴイ魔法で、あの糞モンスター共を吹き飛ばす! 詠唱の時間は、俺達が稼ぐ! 上空攻撃が可能なものは、俺に続け!」

 

「おう! 俺の弓で少しでも援護してやる!」

 

「私もウィザードとして精一杯頑張るわ!」

 

 

 そんな声を上げながら、カズマさんの周囲に、レンジャーやウィザードが集まってきました。

 

 

「そして、上空攻撃ができない、前衛職の諸君! 貴様らは、ゆんゆん様を死ぬ気で守れ!」

 

「まかせろ!」

 

「クルセイダーなめんな!」

 

 私の周囲にも、クルセイダーやナイト系の方達が集まって来ました。とても、頼もしいです。

 

「よっしゃ! 行くぞお前ら! 突撃いいいいい!」

 

「突撃!」

 

「ゆんゆん様バンザーイ!」

 

「урааааааааа!!」

 

 周囲の冒険者がカズマさんに続いて、一斉に走り出しました。もう後戻りは出来ません。全力で魔法を撃たないと!

 そして、私達は戦線にたどり着きました。そこには、気骨のある冒険者達が、爆撃を受けながら、今だに抵抗を続けていました。

 

「よし、ゆんゆん! 魔法を放て! 俺達は周囲の糞鳥を狙う! できるだけ、こちらにヘイトを集めろ!」

 

「「「了解!」」」

 

 カズマさん達が、魔法と矢を放ち始めました。私も、使い慣れた魔法を詠唱しました。視界の隅で、カズマさん達がいた所に、爆発が巻き起こっているのが見えました。でも、動揺したりしません。あちらは、カズマさんに任せます。

 

「“カースドライトニング!”」

 

 そして、私は魔法を放ちました。短杖から放出された稲妻は、アホウドリを巻き込みながら、巨大マンタの腹部に命中しました。

 

「やったか!?」

 

 周囲にいるクルセイダーの一人が、そう叫びました。ダ、ダメです! それを言ったら……

 

「クソ! あいつまだ生きてるぞ!」

 

「英雄様でも勝てねぇのか!? もうおしまいだぁ!」

 

 案の定、倒せなかったようです。私の魔法はマンタレイの一部を焦がしたものの、致命傷を与える事はできませんでした。速く、次の詠唱をしないと!

 そんな時、カズマさんの怒鳴り声が聞こえてきました。私は、反射的に声のした方向へ顔を向けます。

 

「ゆんゆん! 最大火力の大魔法を放て! 詠唱する事だけに集中しろ! 時間は稼ぐから、思いっきりやれ!」

 

 そう怒鳴るカズマさんは、体のあちこちに火傷を負い、尚且つ、鳥のフンまみれになっていました。カズマさんが、私のために時間を稼いでいる。それなら、私も、もっと頑張らないと! 私は意識を集中させ、詠唱を開始しました。

 

「“天の風琴が奏で流れ落ちるその旋律……”」

 

「敵機直上! 急降下! 全力でゆんゆん様を守れ!」

 

「狙撃! 狙撃! ゆんゆん、そのまま続けろー!」

 

 

 カズマさん達だけでなく、私の周囲にも爆撃が始まりました。どうやら、さっきの一撃でマンタレイが怒ったようですね。急降下するB-52アホウドリは、カズマさん達が仕留めています。しかし、B-2マンタレイは、高高度にゆっくり漂いながら、口から爆発物を投下してきました。

 いくらかは、魔法で迎撃されましたが、いくつかは、私の近くに着弾したようです。しかし、その攻撃は、周囲の前衛職の方が身を盾にして押しとどめ、爆風から私を守りました。

 

「“凄惨にして 蒼古なる雷……”」

 

 爆撃と怒号が飛び交う中、詠唱が完成しました。後は撃つだけ。私は短杖の照準を、空を飛ぶB-2マンタレイに合わせ、発動させました。

 

「“ブルーティッシュボルト!”」

 

 私が放った蒼き稲妻は、周囲のB-52アホウドリを焼き殺し、雷竜の姿となってB-2マンタレイを貫きました。そして、蒼い閃光が周囲を照らした後、体を黒焦げにされたマンタレイが、力を失って墜落してきました。

 

「墜落するぞ! 退避―!」

 

「墜落したら、囲んで殺せー!」

 

その後は、一方的な戦いでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んぉ……」

 

「カズマさん、起きました?」

 

 私の膝の上で、カズマさんが目を覚ましました。私は、怠そうにしているカズマさんの頬を優しく撫でます。

 

「アレ、俺いつのまにか気絶してた?」

 

「そうです、無茶するからですよ。自分の体もボロボロなのに、他の怪我人に回復魔法を唱えて回るなんて事したからです」

 

「いいじゃねぇか……」

 

 そう言いながら、カズマさんは、私の膝から起き上がると、自分の体を確かめるように触り始めました。

 

「カズマさんの傷なら、護衛隊にいたプリーストの方が、ほとんど直してくれましたよ」

 

「そうか、でも、やっぱアクアみたいに全快とはいかないか」

 

 カズマさんは首をゴキゴキ鳴らしながら、伸びをしました。そして、近くにたたまれていたマントを手に取り、ジッと見つめていました。

 

「どうしたんですか、カズマさん?」

 

「いや、ゆんゆんが選んでくれたマントがボロボロになっちまってな……」

 

 カズマさんは少し悲しそうな顔をしています。私が指輪を大切にしているように、カズマさんもマントを大切に思ってくれているのでしょうか。もしそうなら、本当に嬉しいです。

 

「カズマさん、それ貸してください」

 

「ん? ほい」

 

私はボロボロのマントを受け取ると、それをカズマさんに強引に装備させました。

 

「なんだよ、ボロマント着けてたら、貧相に見えるんだが……」

 

「何を言ってるんですか、カズマさん。逆ですよ! マントは薄汚れてボロボロの方がカッコイイんですよ!」

 

 私の言葉に、カズマさんは毒気を抜かれたような顔をしていました。でも、これは世間一般の常識だと思います。汚れたマントは、それだけ激戦を潜り抜けた証でもあるのです。

 

「そ、そうか……カッコイイか……」

 

「はい、カッコイイです!」

 

 カズマさんは私の言葉を聞いて、満足そうにうなずいた後、両手を腰に当て、ふんぞり返って高笑いを上げました。

 

「はっはっは! 何せ俺は、勇者のカズマさんだからな! カッコイイに決まってる!」

 

「そうです! カズマさんは世界で一番カッコイイです!」

 

「あったりまえだ!」

 

私は高笑いを上げるカズマさんに抱き着きながら思いました。

 

 

 

カズマさん、あなたって本当にちょろい人ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




『B52アホウドリ』、『B-2マンタレイ』(元ネタ:メタルマックスシリーズ)
片方は鳥のフンが地味に面倒臭く、片方は遭遇するまでが面倒臭い
魔法の元ネタは安定のヴァルキリープロファイル

次回、グダグダ王都編

どうでもいいで事ですが、ばくおん見て、久しぶりに愛車で旅に出たくなりました。今年の夏は北海道旅行者が増えそうですね。
学生の人は、無理して1年目に旅に出ない方がいいですよ。私はそれで、初代の愛車(zzr250)を失いました。以上、おっさんの、俺もバイク乗ってんだぜ自慢でした。
後、蚊柱に気をつけろ(謎の警告)
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