紅蓮の男 妄想と現実 作:人間花火
「ちゅぷ…………れろ…………」
「んむ…………ん」
重なる唇。 中でねっとりと絡まり、にゅるにゅると戯れる舌。
ナインの浴衣の帯を外していく黒歌は、器用にもそのままディープキスを続けていく。
乗り気ではないものの、仕方なく黒歌の策に協力することにしたナイン。 横目に見ると、その素直になれない戦乙女が、濃厚なキスを目の当たりにして体を固くしているのが見えた。
「ナインとお口エッチ……気持ちイイにゃぅ……ん、もっと。 もっと舌絡めてぇ…………頭ボーっとなるの癖になるぅ…………」
「では――――」
抱き合う彼女の髪を梳いたり、頭を撫でたり、首に口付け――――それも相まって絡まる舌から、快楽が直接流し込まれている感覚に陥る。
こんなことになっても正常でいられるナインは、この空間では完全に異質な存在だった。
女の匂いや雰囲気に酔わず、常に素面でいられるナインは的確に黒歌の弱いところを攻めることができる。
すでに濡れてきている黒歌の秘部。 豆のようなそこに手を伸ばしたナインは、キスの片手間に絶妙な加減でぐちゅぐちゅと弄り倒していく。
「ひゃ…………そこ、気持ち良いにゃぁん、んむ…………ちゅ、れろん」
「指、もう一本入れますよ」
「ひゃうん!」
完全にナインのペースだ。 黒歌は脱力し、されるがままにナインに体を押し付けている。
黒歌の愛液でぬるぬるになった秘部に、中指に次ぎ、薬指を入れて掻き混ぜる。
「指ぃ……すごいにゃはぁ…………」
「そうですか…………で」
若い男女のエッチを目の当たりにして放心しつつも目を離せないロスヴァイセに、ナインは視線を移していた。
もじもじと股同士を擦り合わせている辺り、そろそろ、と言った具合か。
ナインはこの行為に疑問を感じながらも、ロスヴァイセが徐々に淫らになっていく光景に感心する。
「やはりそういうものですか」
「へ…………なにぃナイン?」
「いや、なんでも」
作戦を言い出した黒歌の顔は蕩けきっている。 結局私が主導かい、と半ば諦め気味に彼女の首に顔を埋めてキスをする。
「そろそろいいですかね」
「ふにゃっ!? も、もう…………ってでかッ! ナインってばいつの間にそんなに大きくなったの? あ、もしかして私に欲情してくれたとか!」
蕩けながらも身を起こし、ナインの怒張を撫でる黒歌。 しかし、すぐに――――
へにゃり。
「あれ? 萎んじゃった?」
ぎんッ。
「え、またおっきく!?」
縮小と肥大が交互におこわなわれていることに驚愕する黒歌。 こんな現象見たことがない。
すると頭の上でナインは言った。
「これもまた精神によるものです。 好きな時に勃起できるし、小さくすることもできる。
私はかつて、爆弾による妄想で一人達していたのだ。 この程度造作もありません」
「なーんだ、私で勃起してくれたんじゃないんだ」
「そうでもない」
「にゃん!?」
黒歌の巨乳を正面から鷲掴み、捏ね回していく。 乳首を指で弄りながらもおこなわれるその行為に、黒歌は体をびくつかせた。
「どうやら、そういう人間の性は避けられぬようでしてね。 僅かながらもあなたの躰に反応したというのも2割程度存在する」
「2割…………低いわねー。 自信無くなって来るんですけど」
「これでも高い方だと思います。 私は童貞喪失以来、あなた以外の女で勃ったことは無い」
「…………まじ?」
「まじです」
「やたー!」
笑顔で嬉しがる黒歌。
ナインの経験人数などこの際どうでもいい。 初めてのときが気になるが、ナインはおそらく忘れているだろう。
「ゆえに、もう前戯は必要ない」
「にゃ! また大きく――――うにゃあ!」
黒歌を抱き上げ、膝の上に座らせる。 意図を察した彼女は喉を鳴らしてナインの首に巻き付いた。
もっちりとした乳をナインの胸板で潰すと、怒張を秘部に宛がう。
とろとろに滴る透明で粘着な液体――――その先に、ナインの怒張したペニスがにゅぷりと、入り込んでいく。
「
対面座位で始まったセックス。 半脱ぎの和服を脱ぎ捨て、仰け反っていた体もナインに預ける様に密着する。
「ふむ、良い感じですか?」
「あっ、あっ、あん! すごいっにゃぁぁ! ナインのぉ…………奥にコツコツ届いてる…………」
ナインの精液をなんとしても搾り取ろうと、腰の動きにグラインドも加えて膣内で膨らむペニスを刺激する。
「はぁぁぁぁ~っ、う、あん! にゃっ…………ん、ちゅ、ちゅぷ……っ」
堪らず仰け反る豊満な肢体を無理やり引き寄せて口を合わせていくナイン。 思考が濃厚な桃色となっていた黒歌にとってそれは追い討ちに他ならなかった。
入ってきたナインの舌を口内で受け止め、さらに舌で迎え入れて巻き付かせる。 隙間から唾液を垂らしながらキス。
(あたま…………真っ白になる。 ナインのキス、キモチいい…………ずっとこうしていたい…………にゃあぁ)
「イキますか?」
「う、うん! 子宮も下りてきて…………ナインの子種ねだってる! ぬぷぬぷ止まらないっ…………そのままビューって来て! ナインも、ナインもイクわよねぇ、ね?」
「さて、どうですかねぇ」
「意地悪しないでよぉぉ。 中出しして! 膣内射精してぇ、じゃないと私もイケないわ…………!」
「私がイカなくともあなたはイケるでしょう。 痩せ我慢はしないことだ…………」
「嫌! やだ…………ナインをイカせたいのにぃ…………」
これでもダメなの? と黒歌得意の膣内万力でナインのペニスをぎゅーぎゅーと締め付ける。
膣内のひだも使って、好きな男の射精を促進させようとした。
「む…………」
「あは! 表情変わったにゃ。 これがいいんだ?」
上下に動く度にたぷたぷ揺れる乳。 細い腰と大きく柔らかい尻。
「絶対搾ってやるぅぅ、にゃはは!」
「…………っ。 上達しましたね」
「こっちは猫魈よ? 経験だけじゃ超えられない快楽…………見せてあげる!」
「面白い」
水音の間隔が縮まる。 ぬぷぬぷパンパンと、ペニスの出し入れが加速する。
膣内もなかなか具合が良いが、大きいだけではない絶妙な張りを持った尻に打ち付ける股間からも快感が送られてくる。
汗だくの生セックス。
神に愛された躰を持つ猫又と、程よい筋肉の付いた人間の細身の躰がとけ合っていく。 この種族間を超えた性行為に、彼女も見惚れていた。
そんな光景を見せられるロスヴァイセ。 部屋にはいつの間にか鍵がかかっており逃げようにも逃げられない。
だが、耳を塞ぐことはしないらしい。 目もつぶらない。 二人のセックスに目が釘付けである。
「こ、こんな…………え、エッチな…………」
先ほどまで妖艶な笑みを浮かべていた彼女が、この男の前では淫らに乱れて喘ぎ、涎まで垂らして精液をねだっている。
信じられない光景だ。 ヒトとはこんなにも変わるものなのか。
それに比べ、多少黒歌のテクニックに唸るも、いつもの調子を取り戻したナインは、歯を見せつつ不敵に笑みながらスパートをかけていた。 飛び散る汗がより一層ナインと黒歌の魅力を演出する。
「イキたければいいんですよ黒歌さん。 私は別に怒らない」
「ナインが良くても私が嫌にゃのー! 独り善がりのセックスなんてしたくにゃいのー!」
「強情ですね。 そんなに私の精が欲しいのか」
「うん…………! 欲しい!」
すると、仕方がないなぁと苦笑いをしたナイン。 黒歌を膝に乗せたまま、立ち上がった。
ふわりと体が浮く感覚を覚えた黒歌は、一瞬きょとんとした顔となってナインを見詰める。
「こ、これ……体の重みで深く挿入って…………すごい…………にゃ……」
「望み通り、出しますよ。 ええ、そんなに求められて悪い気は起こらないからねぇ。
子宮で私の精を嚥下しなさい――――!」
持ち上げられたことにより、黒歌の体重のほとんどがナインの股間に集中する。 根元で支え、完全に挿入されたまま――――
「ナイン! キス、キス! 舌絡めて! ナインの唾液ちょうだい!」
「―――――」
言葉は要らない。 黒歌の躰を支えながらねっとりとしたディープキスを繰り返す。 もう汗なのか唾液なのか愛液なのか分からない。 ぐちゃぐちゃにとけ合うセックスは遂に佳境に入っていた。
むっちりとした尻で股間を刺激し、たっぷりの乳袋を押し付けながら――――
「イク、にゃぁ―――――!」
「私も、
瞬間――――重い射精が、黒歌の子宮に叩き付けられた。
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああああああああ………………!」
「くっふ…………ふふ…………」
ビュルビュルと吐き出される精液はすべて黒歌の膣内で。
「にゃぁぁぁぁぁぁあ…………にゃ…………」
「クッ…………まだ
「うん…………うん! むしろもっと―――――」
せっかく射精してくれたんだから、もっと出して欲しい。 黒歌は目でそう訴えると、腰をグラインドさせてぐりぐりと射精を促す。
もう一塊の精液の迸りが、黒歌の中を満たしていく。
「ウソ…………まだ
人間だったら絶対孕んでるわよ……とうわ言のように言いながら二人は脱力しつつも抱き合ったのだった。
◇
淫靡な空間と化したホテルの一室。 ナインと黒歌の濃厚な夜の営みを間近で見せ付けられたロスヴァイセは完全にその雰囲気に中てられていた。
羞恥心とは、周囲を気にすることで成り立つ道徳的ルールだ。 人目を意識し、守られるもの。
だがいま、この部屋にはロスヴァイセ含め、二人の女性、一人の男性がいる。 うち、二人の男女が交わり、片方だけであるが髪を振り乱して快感の喘ぎ声響かせている。
むせ返るような独特の匂いが充満したここでは、倫理観などとっくに置き去っている。
「あ……や、こんなこと、イケないことなのに…………はぅっ!」
本能で、しかし無意識に、ロスヴァイセは自分の股に片手を誘っていた。 心ではしてはイケないことと解っているのに、躰はすっかりスイッチが入っている、逃げられない。
「黒歌さん…………すごく気持ち良さそうに……しかもすごい乱れて…………」
ナインに抱きかかえられながら甘く切ない声を上げている彼女――――黒歌のことを、常に妖艶さを纏わせている魔性の女をイメージしていたロスヴァイセ。 ギャップの差が激しすぎる。
そう考えると、もしかしたら自分も、もう別にいいのではないかと一瞬でも思ってしまう。
ナインのことが気になっているのは事実だし、上司に指摘されたことも正鵠を射ているゆえに――――もし黒歌の今居る場所に自分が居たら。 などという妄想も、彼女の手を捗らせてしまう。
「ハァー…………ハァー…………んく、あっ…………」
(どうして? 止まらない…………気持ち良い…………。 いままでこんなことなかったのに…………)
くちゅくちゅと、自分の秘部を刺激していくと、体に快感が駆け抜ける。 色で表せばピンクか……そんな色合いの甘い感覚が彼女を襲う。
「――――なんだかんだ言いながら、めっちゃ楽しんでるわね」
「きゃッ!」
耳元で突然囁かれたのでびっくりするロスヴァイセ。 一瞬達してしまいそうになったことを自覚し、ロスヴァイセは無言で声の主から顔を逸らした。
「ふー…………ふー…………くッ………………!」
「我慢してるのバレバレよ、あなた。 そんなに鼻息荒くして、耳まで真っ赤」
「…………っ」
ギッ、と黒歌を強く睨むロスヴァイセ。 しかしその顔は紅潮し、逆に色気が増しているのに、彼女は気づいていない。 そもそも過小評価なのだ。
彼女は無知なのを除けば、素材やベースも完璧と言っていいほどの容姿を持っている。
こんな、スタイル抜群の銀髪美人の自慰光景。 世の男なら、大金をはたいてでも見てみたいシークレット映像だろう。 普通なら変態と両断される行為でも許される。
「あん…………垂れてきちゃった…………」
股を擦り合わせて、足に伝わってきたであろう白濁を手で掬い取って舐め取る黒歌。 そして、そのまま、自然な成り行きのように――――
「んむ――――!」
「んふ…………ん、ちゅ…………」
白いそれを口に含んだまま、黒歌がロスヴァイセに口付けをした。 「おクチががら空きよ」と呆けて半開きになっていた彼女の口内にそのまま流し込む。
「んふ……ぷあ…………なにを…………」
「まぁ、エロ漫画じゃないんだし、そんなすぐにはその気にはならないと思うけどにゃん。 気持ち効くのよ、これがまた」
楽しそうに笑む黒歌。 同時に、ロスヴァイセの手が徐々にだが早まっていく。
「どうして…………気持ち良い…………」
「それがまた、好きな男の精液の味って知ると、こう――――キュンッ、て感じでここが切なくなるのよね」
「…………こ、こんな淫らな行為をしておいて、何が『キュンッ』ですか」
「あら、それはあなたの偏見よ。 エッチが悪徳なわけないじゃない。 むしろ正統派、大事にしたいから手を出さないっていうのはただのエゴ。 そんなんじゃすぐ獲られちゃう。
私は、それが嫌だからずーっとナインにアプローチし続けて来たんだから…………予想とかなり遅れちゃったけど」
文句を言う割にはその欲望の手は止めないロスヴァイセ。 いや、本人からしたら止められない域に達しているのかもしれない。
ふっと、ナインの姿を探すロスヴァイセ。 見回すと、服装以外最初と同じような光景が目に入ってきた。
本を片手に、コーヒーだ。 服装は白い寝間着。
「あなた…………私とナインのセックスが終わってから、ナインがお風呂に入って出て来るまでずーっと夢中で弄ってたものね」
「うそ…………そんな…………!」
「認めるにゃん。 それだけ気持ち良かったってことでしょ? だから―――――」
そう言い、もう一度黒歌はロスヴァイセの唇を奪い取る。
これは黒歌なりの洗礼。 ファーストキスはナインには渡さないという、正妻を自負した行為なのだろう。
―――――他の男で嫌なら、私の唇で我慢なさいな。
そう目で語りつつも、彼女の口内を舌で蹂躙していく黒歌。 もはや止まらない。
困惑と快感と罪悪感と、すべて頭でごちゃごちゃになっていくロスヴァイセはこのまま意識を暗転させることになる。
「あ――――――」
「あらら…………気を失うほど意識が混濁していたのかしら…………ふふ、おやすみロスヴァイセ…………」
訳も分からないまま銀髪のヴァルキリーは気を失ってしまった。
―――――――――遠くの椅子から、溜息を吐くのが聞こえてきたのを最後に。