※この作品はR-18です。

崖の上で待つ人   作:白浜 真砂

5 / 6
 超久しぶりの投稿がドグマなのはゲルト団長の水着姿が性的過ぎるせいです。

 エイプリルフール以降のDDONは、以前に比べて期間イベントやコラボ等をかなり頑張っていて楽しい上に、職業の安易な弱体化が無くてとても安心出来ます。
 是非このまま頑張って欲しい!!


季節イベント番外編:真夏の砂浜を見張る人 前編

 白竜神殿レーゼより西方に、『ブリア海岸』という地域がある。

 明るく広大な白い砂浜と大海原が目の前に広がり、以前は洋撃船や漁船が沖を行き交う漁業が盛んなとても活気のある場所だったのだが、白竜が墜ちた後、水の深い場所に現れる魔物『ヒュージブル』が現れるようになってから遠方へ出る船舶や沖合いへ漁に行く漁船は極端に少なくなり、今では集落のすぐ近くにまでハーピーやリザードマン等の魔物や盗賊達が出没するようになっていた。

 しかし、そんなブリア海岸の浜辺が今、白竜が墜ちる前にすら経験したことがない程の人出と賑わいを見せている。

 

 レスタニアを守護する白竜が墜ちてから300年余り。その元凶である錬金術師ディアマンテスを討ち、更に異国の地フィンダムより訪れた精霊竜の覚者と共に黒騎士と侵食の災厄を退けたという事もあってか、現在ブリア海岸の漁村ローテスの前の砂浜は海水浴場としてレスタニアの人々に開放されているのだ。

 普段の寂しい風景とは打って変わって、色とりどりの看板や砂を固めて作った大小様々な彫像、それに砂の上に敷かれた色鮮やかな敷き布や催し物の舞台が砂浜を彩り、海の上に建つ東屋や日除けの傘が立ち並ぶその下で人々が思い思いに寛いでいる。

 賑やかな浜辺には、レスタニア各地から集まった人々や日頃命がけで働いている大勢の覚者達のみならず遠くフィンダムから招かれた人々などが大勢集まっており、ある者はヒュージブルや沖合いに現れた鮫を避ける為に立てられた柵の内側で泳ぎ、またある者は海水でよく冷した大きなスイカを目隠ししたまま木の棒で割る遊びに興じ、またある者は木陰や日傘の下で潮風に吹かれながら美味な飲み物や料理に舌鼓を打つ。……といった風に、ブリア海岸の海水浴場に集った誰もが束の間の平和を満喫していた。

 

 

 そんな真夏の日差しが照りつける砂浜を、覚者アラマンダは一人で歩いていた。

 潮風に煽られる栗色の緩い三つ編みを片手で軽く抑え、眩しい砂浜の照り返しに目を細めつつ蠱惑的な美貌に楽しげな微笑みを浮かべている。

 ヴァルゴキャミソールとゴッデスぺティコートを身につけ、その下にコケティッシュバックスを履いているのみ。といったいでたちの彼女の肌は真昼の太陽の光を受けて白く輝き、覚者の証が刻まれたはち切れんばかりの胸元や、薄く腹筋の浮いた腹部から肉感的な腰にかけてのラインなどを惜しげもなく晒したビキニの水着姿は大勢の海水浴客の注目の的になっていた。

 彼女の手には何やら黄金色に輝く植物の繊維が握られており、波打ち際や砂原に落ちているそれを見つけては拾い集めつつ、しきりに辺りを見回しながら海水浴場のあちこちを回っている。

 しばらくしてアラマンダは海水浴場の外れの隠れ浜と呼ばれる岩場の近くの砂浜に人影を見つけると、ハッと顔を強ばらせて立ち止まる。

 しばらく目を凝らして遠くから人影を見ていたアラマンダだったが、やがてそれが誰なのかを見極めると彼女は頬を薔薇色に輝かせ、とても嬉しそうな笑みを浮かべながら人影に駆け寄っていった。

 

「団長さーーん!」

 

 そう声をかけつつ片手を高く掲げて大きく振り、無邪気に笑いながら駆けてくるアラマンダに振り向いた人影……白竜騎士団長ゲルトは、驚きつつも軽く手を上げて応える。

 

「こんな所にいらしたんですか? 随分探しましたよ。」

 

 アラマンダはゲルトの側で立ち止まるとそう話しながら少し乱れた髪をかき上げ、エメラルド色の瞳を微かに潤ませてにっこりと微笑んだ。

 清楚な印象を受ける白い水着を着たアラマンダとは対称的に、ゲルトはまるで己の鍛え上げられた肉体を誇示するかのような青色のビキニパンツのみを身につけている。

 穿くことで局部を一段と目立たせているような面積の少ない水着を身につけている彼の姿を見て、アラマンダは更に顔を赤らめて咄嗟に体を見ないようにしていたのだが、当のゲルトがそれに気付くことは無く普段通りに彼女に言葉をかけた。

 

「うむ。貴殿達覚者とは違い、我々白竜騎士団はここの警備を任されているからな。……もっとも、そういった名目で我らをこのビーチに呼び寄せ休暇を取らせたい。という主催者の意図はあるのだろうが。」

「休暇、ですか?」

「そうだ。今まで色々な事が立て続けに起こっていただろう? オーク戦争にディアマンテスの討伐、そして今回の黒騎士と侵食魔の騒動で覚者も騎士達も随分と働いたからな。……だが恐らく皆が一番休ませたがっているのは、これらのどの案件でも誰よりもよく働き、戦果を上げてきた貴殿だぞ? 隊長。」

 

 そう言うとゲルトは呆れたように腕を組み、いつもの険しい表情でアラマンダに向き合い慇懃(いんぎん)に言葉をかけたが、彼女を見つめる彼の目は優しく微笑んでいた。

 

「あら、そうですか? 私はただ、しなければいけない事をしただけですけれど………ッ!?」

 

 ゲルトに労いの言葉をかけられたアラマンダは赤くなった顔を綻ばせ、艶っぽい笑みを浮かべる。

 しかしその拍子に彼女の視界に青い布に覆われた騎士団長の股間が飛び込んでくると、アラマンダは急いで其処から視線を外し、みるみるうちに茹で蛸のような顔色になっていった。

 

「……どうした、具合でも悪いのか。」

「えっ!? あ、だ、大丈夫です。心配は要りませんから……。」

「しかし、顔が真っ赤になっているぞ? 何しろこの陽気だ。照り返しの強い浜辺でずっと日の当たる場所に居たのであれば、例え貴殿であろうと暑気あたりにかかってもおかしくはない。どこか日陰に移動して休んだ方が良いだろう。」

 

 そう言うが早いか、ゲルトはアラマンダを持ち上げて軽々と横抱きに抱える。

 

「きゃあ! ち、ちょっと団長さん!? 本当に……本当に大丈夫ですからあっ!!」

 

 アラマンダは突然の事に持っていた黄金ヤシの繊維を取り落としそうになりつつも、恥ずかしさのあまり抱えられたまま手足をばたつかせて抵抗するが、ゲルトは意に介さずに彼女をお姫様抱っこしたまま足早に歩き出した。

 

「夏の日射しを侮るな。貴殿は平気だと思っていても、しばらくは涼しい場所で安静にしていた方が賢明だ。……それに、もしお(・)前(・)が倒れでもしたら………。」

 

 不意にお前と呼ばれてアラマンダは反射的にゲルトの方を見ると、巌つい顔を曇らせて彼女が今までに見たことが無いほど心配そうに見つめてくる彼と目が合う。

 その表情を見たのと同時に横抱きにされた体を支えている逞しい腕の力が更にこもるのを感じたアラマンダは、女性や子供と接するのが苦手なゲルトの不器用な気遣いに心が暖かくなりつつも、不意に可笑しさが込み上げてきてクスクスと笑いだした。

 

「……何が可笑しい?」

「うふふふ、何でもありません。……ゲ(・)ル(・)ト(・)さ(・)ん(・)が私のことをそんなに心配してくれて、とても嬉しいんです。」

 

 憮然とした表情のゲルトにアラマンダは照れくさそうに微笑みながら、彼の首に腕を回し顔を寄せて紅い唇を耳元につける。

 

「……でも、私は本当に暑気あたりになんてかかっていませんよ? 私の顔が赤かったのは、貴方の水着が大胆過ぎて目のやり場に困っていたせいなんですから。」

「なっ!? ……それは本当か?」

「ええ。ハインツ副団長も、先程お会いした時に貴方の水着のセンスが若すぎるとぼやいていましたよ?」

 

 耳たぶをくすぐるような、笑いを含んだ声に事の真相を告げられたゲルトはアラマンダを抱えたまま呆然と立ちつくし、顔を赤くしながら視線を落とす。

 

「そうか。自分ではそんなに派手だとは思わなかったのだが……。」

「ふふふふ……。でもその水着、とってもよく似合っていますよ? ……ただ、初めてし(・)た(・)時に、貴方が私に「その目のやり場に困る装備をどうにかしろ」と言った気持ちが少しだけ分かったような気がします。」

 

 そう言うと、鍛えられた太い首まで赤くして項垂れるゲルトの耳朶に軽く口付けたアラマンダは彼の耳元から顔を離し、あどけない少女のようにはにかみながら再び口を開いた。

 

「……そうですね。言われてみれば少し目眩がするのですが、これが暑気あたりの症状なのかしら? 恐らく静かな日陰でしばらく休めば回復すると思いますが……。

 団長さん? お手数ですが、 そこの岩場……隠れ浜の外れに日除けのテントが張ってあるはずなので、そこに連れて行って下さい。……出来ればついでに私を介抱して頂けると、とても嬉しいのですけれど。」




 後編は現在作業中ですが、リアルの都合等で投稿時期は未定です。

 元々俺得以外の何者でもないものなので何なのですが、おっさんとお姉さんが人目を忍んでイチャつくだけの話で良ければお付き合い頂けると幸いです。
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