※この作品はR-18です。

白羽蘇芳という生き方   作:抱き枕50

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交感

 ギャー! サ、サボテンの上に落さないで・・・・・・」

 

「林檎? 林檎しっかりして! それは夢よ。起きて! 」

 

 うなされていた林檎が突然に絶叫した。どうも良くない夢の世界に居る様だ。寝汗をかき、目尻には涙が滲む。それを拭いながら頬ずり、痕の残らない様なキスを繰り返す。でもまだ起きない。起きてよ林檎。

 

そして止められていたけど揺すったり軽く抓ったり。添い寝して心音を重ねていくとすやすやと何時もの寝息に戻っていく。それを確認して肌を離しベッドを出た。とほぼ同時に先生が病室に。

 

 

「沙沙貴? どうした? 林檎がどうかしたか? 」

 

「先生・・・・・・。また・・・・・・うなされていたんで。添い寝を・・・・・・」

 

「そうか。あまり刺激を与えるのは好ましくは無いが・・・・・・」

 

「大丈夫です。林檎に何か差し障る様な事はしません」

 

「ならいいけど。少しデータに変化が有ったんで見に来たんだ。ずっとモニターをしてるからな」

 

「先生・・・・・・」

 

「そんな顔をするな。データは順調に収束してきている。そろそろ起こしてやれ。なんならディープキスでもして」

 

 

「え? 」

 

「狸寝入りしてるんだよ・・・・・・。そうだろ沙沙貴! 」

 

「えへ・・・・・・。 バレてたんだ。もしかして頭の中まで見ていたり? 」

 

「それは無理。見てみたいけどな。まあもし見られるなら、いの一番に白羽のを見てみたいよ。そうだな八重垣もいいかな。二人とも沙沙貴の頭の中よりは見応えがありそうだからな」

 

「酷いー。でも判る気もするわ。皆蘇芳ちゃんに振り回されてるんだからね」

 

「確かに」

 

「全くだ」

 

 

 そう言って皆で笑った。そして視線は機械の向こうの寝ている蘇芳ちゃんに。未だに寝たまま動きのない蘇芳ちゃん・・・・・・。皆でじっとその姿を見つめる。チューブが繋がってるので動けない私達を余所に、先生は近寄って色々と検査の様な事をして戻って来た。私達にウインクして異常無い事を伝える先生。

 

 

「苺姉、蘇芳ちゃんは大丈夫。そんな簡単にくたばらないって。それより・・・・・・。苺姉、ありがとう。苺姉は夢の中でも助けてくれたんだよ。二人で魔法少女してたんだ・・・・・・。そうしたら私が敵に捕まってサボテンの上に落されそうになった時に、魔法でサボテンをこんにゃくに変えてくれて助かったんだ」

 

「何だか突っ込み処が多い夢だな、沙沙貴。まあなんだ、席を外すから二人で夢の話でもしててくれ。三十分経ったらそのチューブを外す。で食事をしながら今後の話をするから・・・・・・。じゃあ後で」

 

 

 急に顔を真顔にして部屋を出て行った先生を見て訝る林檎。私は林檎をギッと抱きしめる。林檎には何かが伝わった様で涙を流し始めた。

 

「林檎。そんなに心配しないで。大丈夫だよ。大丈夫。そのさ、さっきの夢の続きを聞かせてよ。私の夢も教えてあげるから」

 

 

 

「さてと、二人が回復したと」

 

 スマホからメールを送信する。テレメタリーを向こうでも見ているだろうから、簡潔に送る。

 

「ドクターイルザ宛ですか? 」

 

「そうですけど、何か? 」

 

「気を悪くしないで欲しいんですけど、その・・・・・・何者なんですか? 偽名なんですか? ネットで検索しても何も引っかからないし、論文の提出も皆無。臨床例も見当たらない。なのに貴女もうちの先生も絶大な信頼を信用を寄せている。結果として黄泉から二人は生還した。もしかしてブラック・・・・・・」

 

「いや。アングラでは有るけれど、架空の人間ではない。闇の治療では知られた存在。話せるのはここまで 」

 

「それはうちの先生からも聞きました・・・・・・ならどうして」

 

「それが全てだよ。これから先は軍機だから私も何も言わないし、君も知る必要はない。君の様な、過ぎた好奇心は身を危うくするよ? 」

 

「軍機って・・・・・・。冗談でしょう? もしかして731・・・・・・」

 

 興味津々な外来の医師に向かって人指し指を振る。ウインクしながら。

 

「君に家族が居るなら決して深入りするなよ。忠告だ。いや警告だな。夜の訪問者には注意して・・・・・・。おっと返信だ」

 

 

 スマホを見るとドクターイルザの所見が返ってきていた。保存をして病院のドクターに転送する。もちろん私信の所は削ってだ。

 

 複雑な顔をしている外来の医師に手を振り、監視カメラのモニター室に行く。

 

「さてと。沙沙貴は・・・・・・」

 

 監視カメラのモニターを見ると二人が同衾して布団に潜っている。頭頂部だけが見え隠れしている。身体の違和感を確かめ合っているのかもしれない。さてと問題は白羽だ。事情を知って混乱してはまた強姦魔にでもなってしまいそうだ。沙沙貴達がこっそり用意した保険に気がつくと良いが。

 

 

 

「沙沙貴、起きろ自由の身にしてやる。それと差し入れだよ。毒入りじゃない真っ当なケーキの差し入れだ。モンブランも苺ショートも。共食いネタを聞かせてくれよ。ほら沙沙貴・・・・・・」

 

 どうしたんだろうか? 布団から顔を出しては来たけどそこまでだ。また潜って出て来ようとはしてこない。

 

 

 

「先生、身体が変なんです。なんて言うのか・・・・・・。伸びていると言うか、むくんでいると言うか・・・・・・関節も痛いし・・・・・・」

 

「恥ずかしいンだけど、胸とかアソコがモヤモヤしてて・・・・・・こんな所でしちゃいけないと思うんだけど、どうしても手が伸びちゃうの・・・・・・」

 

「先生・・・・・・。私達・・・・・・変態に・・・・・・」

 

 

「もう自覚が有るのか。早いな・・・・・・。明後日あたりからかと思っていたが・・・・・・」

 

「どういう事です? こうなるって知って? 私達に今何が起きてるか説明して下さい。知ってることを全部教えて! 私達どうなっちゃうの・・・・・・」

 

 二人が布団から顔を出し、半身を起こす。私は近寄り、一つの箱を二人の前に晒した。

 

「その前にこれを食え。ケーキだ。空腹は心を乱すからな。紅茶はインスタントだけど、ケーキは絶品だ。此処に来る前に職権で試食もとい毒味、ブルーベリーを一つ所望したけど・・・・・・。最高だった」

 

 にやつく私。わざとらしく誇張して沙沙貴の反応を探る。

 

 

「うわーずるいんだ、先生・・・・・・」

 

 少しは落ち着いた様で、さっきまでの涙目、悲壮感の溢れる声ではない。

 

「まあ、その前にそのチューブ取るからこっちに来て座れ。何、直ぐ済む。痛いかって? 平気だよ・・・・・」

 

 

「もう無いの? 全然足りない・・・・・・。林檎もそう思うよね? 」

 

「うん・・・・・・。恥ずかしいけど、足りないよこれだけじゃ・・・・・・。まるで胃が異世界に有るみたい。鬼太郎に出てきた化け物みたい」

 

 

「林檎は、随分マニアックな事を知ってるな。歳幾つだお前・・・・・・。食いに連れて行ってやりたいが、モニタリングの関係でまだ外に出せない。テレメトリーの電波は弱いんだ。強いと身体に良くないからな。おいおいそんな悲壮な顔をするな。本当はこんな時間に大食いは拙いが、うーん仕方ない、外でおにぎりでも買ってくる。少し待ってろ」

 

「えーと、二人だから各種二個ずつだよ? シーチキン、明太子、焼き肉、鮭、高菜、ねぎとろ、昆布・・・・・・」

 

「そんなにかよ。取り敢えず色々買ってくるから。希望のが無くても恨むなよ! 」

 

 

「行ったね。なんだか先生嬉しそう。一体今私達に起きてることってなんなんだろう? 悪い事じゃないのかな」

 

「林檎、もうすぐ判るから待ってようよ。それより・・・・・・」

 

 苺姉は、ウインクして蘇芳ちゃんの方に視線を。チューブが外されて動ける様になった今見に行くのはたやすい。考える間も無く身体が動く。

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「これ蘇芳ちゃんなの? そっくりさんじゃないの? 林檎はどう思う? 」

 

「黒子も痣も蘇芳ちゃんと一緒の所だけど・・・・・・。何だろう何かが違う気が・・・・・・」

 

「顔が幼いよね。それに刺々しさがない感じ。邪気が抜けているのかな? それにしても身体が痛いよ。何だろう・・・・・・背が伸びるのかな・・・・・・」

 

「ならいいけど。苺姉と違って私はむくんでる感覚の方が強いよ。デブりたくないよ・・・・・・」

 

「でもお腹は減ってるんだよね。何だか前よりも林檎のことが良く分かる気がする」

 

「それは私もだよ苺姉。不思議に苺姉の気持ちが判る。良い機会だから蘇芳ちゃん弄っちゃおう」

 

「だね。私も林檎の気持ちが手に取る様に良く分かるわ。据え膳は頂こうぜ兄弟」

 

 

 まず、手足をベッドの柵に紐で縛る。何故かベッドに四肢を固定する紐が用意してあった。暴れる患者用だろうか? それ幸いと使わせてもらった。処置をして私達は蘇芳ちゃんのベッドの中に潜り込む。まずは添い寝。何時もなら濃厚な女の香りがするんだけど、今日は何故かそれを感じない。二人で身体を撫で回したり、舌で耳を舐めたり歯でかじったり、髪の毛を編んだりしても目を覚まさない。全くの無反応。能面の様。鼻息だけが死んでいない証。少し腹立たしくなって林檎は胸を揉み私はショーツの下に手を入れた。

 

「なにこれ凄く熱い・・・・・・びちゃびちゃに濡れてる・・・・・・。イヤらしい夢でも見てるのかな・・・・・・。それにしても濡れすぎ。中はもっと熱い・・・・・・体温以上? それじゃ変か。林檎も手入れてみなよ。あんな事した続きを見てるのかねぇ? 」

 

 私に促されて林檎も指を入れた。大げさに驚き声を上げる。

 

「なにこれ。凄く熱いしネットリと絡みついてくる汁。納豆見たいに糸引くわ。ヤラシイ夢を見てるんだね。こんな虫も殺さぬ顔をして」

 

 二人で散々愛撫したのに、反応するのは性器だけ。私達だけが盛り上がっていた。マグロを前に何だか興が冷めてしまった。二人でベッドを整え髪を戻したりして蘇芳ちゃんのベッドから離れた。一応四肢の紐はそのままにして。

 

 

 暫く、ベッドの横のテレビを見て時間を潰す。たまにしか見られないテレビ、つまらないバラエティでもドラマでも食い入る様に見てしまう。きわどいシーンは特に。見ている以上の事は体験しているけれど・・・・・・。コンコンとノックする音と同時に部屋の戸が開き先生が帰って来た。

 

「ほら買ってきたぞ。おにぎりとお茶。それと・・・・・・」

 

「もしかしてプリン? 」

 

「んなわけあるか! 歯ブラシだよ。お前らは歯を大事にしないからな。食ったら直ぐ磨けよ。それはともかく体調はどうだ? おかしな所は無いか? 」

 

「今は全然いいです。このまま遊園地行っても良いくらい。一晩中絶叫マシンのハシゴしても大丈夫」

 

「そうか。にしてもお前達は日本語力が拙いな。全然はダメとか否定に使えよ・・・・・・」

 

 

「先生、全然いいとかは誤用じゃないそうですよ。苺姉は間違った事は言ってません。どちらかというと先生の方の日本語力が・・・・・・」

 

「それ、マジ? 」

 

「大マジです。」

 

「文学少女の林檎の方が言うならそうなんだな。一つ勉強になったよ。さて食おう」

 

「食う前に私の名誉を回復してよ・・・・・・先生・・・・・・」

 

 

「歯磨き済んだな。それじゃ沙沙貴。改めて入院の用意と手続きをしてくるから。そこに居てくれ。調子がいいからって外をふらふらするなよ。テレメが届くからって隣室の美馬や鈴木先生とかに会いに行っても良いけど長居はするなよ。向こうは一般に戻って来たけどまだ注意が要るんだから」

 

 そう言って先生が部屋を出て行った。

 

 

「食ったね。何だか眠くなってきたよ。それにしても先生の話、本当なのかな? ねえ林檎・・・・・・」

 

「でも、今の私達におきてるこの感覚。先生の行った事と整合してる。本当なんだと思うよ」

 

「うーん。これから先、蘇芳ちゃんとずっと離れられないってのは・・・・・・。悪い事ばかりじゃないんだけどなぁ。でも・・・・・・」

 

「でもそれしかなかったんでしょう? 昏睡していた私達が蘇生するのって・・・・・・。苺姉、腹を括ろうよこうなったらさ。悪い事ばかりじゃないんだし・・・・・・」

 

「だねー。変わってしまう前に二人で写真にでも残しておこうよ。現在を」

 

 

 おにぎりを食べ、ペットボトルのお茶を飲みながら先生がした話。それは正に驚天動地。二十一世紀のバンパイアの話。私達を蘇生するために蘇芳ちゃんの血を透析の機械を使って私達に輸血というか置換というかまあ入れ替えをした。もちろん生命に関わる拒絶反応が出ない事は検査してだ。薬物に耐性の有った蘇芳ちゃんの血は私の身体から薬物を封じ込める事に成功し私達は蘇生した。

 

 しかし、副作用はもちろん存在する。その一つが、今私達の身体に起きている身体の成長だ。先生の話だとこれから一月で背は二十センチは伸び、骨格も大きくなり蘇芳ちゃんとほぼ同等になるという。この間は体内の組織の成長が遅れ気味になるというので、安静に徹しろと。そして性徴も進み、巨乳になるらしい。もちろん性器も大人の様に・・・・・・。

 

 これを持続的かつ安定的にコントロールするためには、大人になってからも定期的な血のやりとりをしないといけないらしい。それは蘇芳ちゃんも同じ。私達が成長する変わりに蘇芳ちゃんは生育が納まり、将来も今の容姿とさほど変わらぬまま歳をとるとの事。しかしそれも私達の血を定期的に摂取しての話。しなければ一気に反動が来てしまうかもしれないと・・・・・・。

 

 それは私達もしかり。その事で私達は逡巡した末受け入れた。平穏を手に入れるためにはそれしかないから・・・・・・。細かい副作用が有るとも先生は言う。未だに寝ている蘇芳ちゃんはどう受け入れるのだろう・・・・・・。

 

 

 

「へえ。便箋の種類がこんなに有るなんて知らなかった。迷ってしまうー。萩野さんのお勧めは? 」

 

「私だったらこのネコ柄かな。でも立花さんはこっちの花柄が似合うと思うわ」

 

「これアングレカムね。これ良いわね。これにする。会計するから外で待っていて」

 

「うん。外に居るね」

 

 そう言って萩野さんが廊下に出て行った。部屋の中に居させなかった理由、それは彼女を見つめる悪意ある視線。奥に居る三人ほどの上級生の存在。萩野さんは上級生にかなりの恨みを買っている様だ。おそらく風紀委員の仕事での事だろう。素の彼女はとてもいい子なのに・・・・・・。会計を済ませた私に、上級生達が近付いてきた。

 

「貴女、級長でしょう? あの女の所業知ってるの? 知ってて付き合ってるなら貴女も大したタマね。小御門は貴女を随分買っているけど、買いかぶりじゃないかしら。人の目を見る力が無いからね小御門」

 

「仰る事の意味が良く分かりませんが、萩野さんの事を貴女よりは理解しております。良く知りもしない人は口を差し挟まないで下さい。それに小御門先輩に対する悪口撤回して下さい」

 

 

「それが上級生に対する態度。そう、わかったわ」

 

 いきなり頬を張られた。眼鏡をかけていない今の私は手を上げやすいのだろうか。口の中が切れた血の味がする。上級生達は悪びれる様子も無く立ち去った。間近で見た購買の若い売り子さんは手に持っていた物を落とし、奥に居た年配の店長が私の元に参じた。

 

「大丈夫かい? 少し切れてるじゃない。保健室に行って薬を・・・・・・。でも今先生は・・・・・・」

 

「大丈夫です。自分で行きますし、処置をしますから・・・・・・」

 

「そうかい? 付いて行ってあげたいけど、手が放せなくって」

 

「お心遣いだけで。お騒がせしてすみませんでした。ごめんなさい」

 

 廊下に出ると萩野さんは窓を開け外を見ていた。私の気配に気付くと、のり出していた身体を引っ込めて私を見る。そして中で何が起きたかを瞬時に理解した。

 

「私の事よねその顔の・・・・・・。立花さんにそんな事をするなんて・・・・・・。許せない! 」

 

 目のつり上がった萩野さんを見るのは初めてだった。そして上級生の行った思われる方に駆け出そうとする萩野さんを抱き留めた。

 

「待って。追わないでいいから・・・・・・。それよりも一緒に保健室に。もうこの時間は常勤の先生が居ないし、保健委員も不在だから・・・・・・。お願い」

 

 

「そうね。それが賢明だわね。立花さんの怪我を第一に考えるべきだった。ごめんなさい」

 

 

 

「お待たせ。小御門先輩から鍵を借りてきたわ」

 

「小御門先輩から? 」

 

「うん。ほら今居ない人とか多いじゃない? それでニカイアの会で鍵を預かってるんだって。申請する時少し大げさに言ったの。そんなのほっておいても治るなんて言われたらイヤだから。重症なら泊まっていったらって言われちゃって。それでね、今日はずっと鍵を預かってって言われちゃった」

 

 何だかモジモジして話す萩野さん。照れているのか、私の顔を見ない。その顔はさっきまでと全然違う。微笑んだ顔。早く治療しましょうとぐりぐり背中を押され先に暗い部屋に。何かにぶつかった。何だろう? 一拍遅く萩野さんも部屋に入り電気を点けると・・・・・・骨格、筋肉、臓器の三体の人体模型がお出迎え。

 

「キャー! 」

 

 怖がりの私は驚いて絶叫し、しゃがみこんんでしまった。そしてお決まりの失禁。

 

「酷いよ。意地悪。私怖がりなのに、先に部屋に押し込むなんて・・・・・・」

 

「ごめんなさい。まさかこんなグロ人形が出してあるとは思わなくて・・・・・・。あらお漏らし・・・・・・」

 

「見、見ないで・・・・・・」

 

「今、ベッドにお漏らしシート引くから。そうしたら載って。済んだら部屋に行って着替えを持ってくるから」

 

 動きたくても動けない。腰が抜けてしまっている。失禁はかなりの量で、女の子座りをしている私の丸く包んでいる。床は冷たいけれど、おしっこは温かい。何とも言えない感じだ。

 

「立っちましょうそのままじゃ冷えるわ。立花さん」

 

「立てないの・・・・・・。腰が抜けて・・・・・・。お願いだから手を・・・・・・」

 

 半泣きで訴える私。うろたえる萩野さん。ベッドから慌てて私の所に来て私の脇の下に手を入れ後ろから抱えて立たせた。そしてお姫様抱っこで私をベッドに運ぼうとする。運動神経抜群のスポーツ少女のマユリ、体力無双な蘇芳さんと違い、萩野さんはどうにもぎこちない。蹴躓いてしまい一旦私を落してしまう。

 

「ごめんなさい。痛くなかった? 慣れていなくって。八重垣さんの介護をしていたから、バランスの取り方とか多少の心得は有るつもりだったんだけど・・・・・・」

 

「大丈夫よ。痛くなんて無いから気にしないで。そういえば萩野さんは孝崎さんが風邪を引いていた時に介助していたよね・・・・・・」

 

「ダリア先生に命じられてね。私は仲良くなるきっかけと思っていたけど、八重垣さんは私がするのを好んではいなかったわ。彼女はダリア先生が好きだったし、同じ嫌われ者同士でも、巨乳の孝崎さんと貧乳の私とじゃ結果は見えてたもの・・・・・・。それじゃ持ち上げるわね」

 

「萩野さん・・・・・・」

 

「良いのよ。もう済んだ事だし。私は立花さんが居ればそれで良いわ」

 

 今度は腰が入ってきちんと私を抱え、シートを敷いたベッドに私を腰掛けさせる。萩野さんが私の濡れた制服を脱がせ下着姿にして、湯気を立てているグショグショの褌を外しビニール袋に。閉じると袋の中に湯気がこもり、黄色い滴が溜まっていく。床をモップで拭いて綺麗にしてから、濡れタオルをチンしてから清払を・・・・・・。

 

「序だから、ブラも取って。拭いてあげるから・・・・・・。じゃ手を上げて」

 

 言われるままに手を上げる。首筋、脇の下から胸全般。お腹、そして・・・・・・。

 

「それじゃ、今度はーベッドに乗って。それでその柵に寄り掛かってー」

 

「こうかしら? 」

 

「そうそう。もう少し腰をこっちに突き出してね。それでいいわ。そうしたら股を開いて膝を手で抑えて。M字に・・・・・・」

 

「恥ずかしい・・・・・・。早く拭いて、萩野さん」

 

「綺麗なオマンコね。大人になりかけの・・・・・・。クリトリスが大きいのね。顔出してる」

 

「もう見てないで、早く拭いて。じゃないと・・・・・・」

 

「じゃないと? どうなの? 」

 

「またおしっこ出ちゃうー」

 

「え、今? 」

 

「いやー。止まらない・・・・・・。どうしよう・・・・・・」

 

 刹那、萩野さんが私の性器に口をつけた。そして口を開き私のおしっこを飲み込んでいく。汚さないで済んだという安堵感、こんなことをさせている罪悪感、放尿している解放感。色々な感情が起き混乱する私。

 

「ご馳走様。美味しかったわ。どうしたのそんな顔をして・・・・・・」

 

「だって・・・・・・。汚く・・・・・・」

 

「汚い? 立花さんの身体から出たものだもん、汚くなんて無いわ」

 

 体を起こしてそう言って微笑む萩野さん。再び股間に顔を埋め舌でクンニリングスを・・・・・・。腰をがっちりと手で抑える萩野さんに私は抗えない。マユリとは違う舌使い。何だろう、とても上手に舌先を動かす。

 

「あん。いい・・・・・・。んー、もっと・・・・・・」

 

「私、散々先生達に仕込まれていたから・・・・・・。逝かさないと待っていたのはお仕置きだったの。内容は拷問だったわ。一本鞭の痛みは何度も殺してって絶叫した位にきつかった。見えないところは何時も痣と傷が有ったのよ」

 

「そ、それは誰が? ダリア先生? 」

 

「ううん、先生は、貞操帯プレイの方が好きだった。鞭は寮監の片喰先生。嬉々として振るっていたわ。一年の風紀委員は基本的に人身御供に出されるの。処女を献上するために。誰って? 寮監に。それで大抵は処女を奪われて終わるらしいんだけど、私が嫌いだったのか好みだったのかは知らないけれど。ほらダリア先生と寮監はツーカーの仲じゃない? それでどんどんとエスカレートしていったのよ」

 

「そんな事が・・・・・・。あの寮監の片喰先生が・・・・・・。もしかして過去の密告も・・・・・・」

 

「そう。人は見かけによらないわ。立花さんもだけど」

 

「私?! 」

 

「そうよ。お固い委員長のクセして。下半身はゆるゆるじゃない。あっ、別に悪い意味じゃないのよ。立花さんとこんな事が出来て今とっても幸せ」

 

 そこまで話してまた私の性器に食らいつく萩野さん。もう私の愛液で顔中ベタベタになってる。彼女の鼻は存外に高く、舌で汁を飲めとる時に鼻がクリトリスに当たる・・・・・・。

 

「鼻が・・・・・・」

 

「花? ああ、鼻ね。私クォーターなの。おじいちゃんノルウェーの出身なんだ。だからなのか少し高いんだよね。でも鼻の穴が大きくってあんまり好きじゃないの」

 

「ねえ、立花さんもうしろが好きなんだよね。もうヒクヒクしてる。入れたくて仕方ないみたいよ。まずは一本入れてあげる」

 

 私の愛液をたっぷりとまぶした萩野さんの人指し指が、肛門をこじ開けてくる。そしてすぐに二本目が添えられくねり始める。上手・・・・・・。巧みにほぐしてくる。もう私は声を抑えられない。

 

「ああん。いい、いい。もっとして。あんあん・・・・・・」

 

「A感覚に長けてるとか思ってたけど、お尻の穴、すっかり開発されてるのねー立花さんは。おまんこが決壊したダムみたいよ。それに質が変わってきたわ。ヨーグルトみたいのが出てきてる。そろそろ逝ってみる? 」

 

「逝かせて。お願いだから」

 

「お願いされたら仕方ないわねー。じゃこの粘る愛液を指に絡めて・・・・・・。三本入れるわよ」

 

「いい。きついけどいい。もっと、もっと動かして・・・・・・そうそう。あー逝く、逝っちゃう・・・・・・」

 

 あまりに大きな喘ぎ声に意地悪したくなった。小指まで・・・・・・。嘘・・・・・・。入っちゃった・・・・・・。さすがに怖くなって指を引き抜く。ぽっかりと開いたお尻の穴。捲れ上がる粘膜が薔薇みたいに赤くとても綺麗。立花さんの荒い息とシンクロして口が話す様に動く。中々閉じていかなかったけど、立花さんが落ち着くと共にすぼまっていき薔薇から菊に変わっていく。

 

「ねえ立花さん、私ばっかりしてるんじゃイヤ。クンニして」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「何よ。自分だけ夢心地でずるいんだ。こうなったら・・・・・・。こうして・・・・・・」

 

 柵にもたれていた身体、その上下を入れ換えて頭を下に、下半身を上に。まん繰り返しの形にして立花さんの顔に腰を下ろす形。目の間には立花さんのおまんこが。飛び出たクリちゃんが凛として起立している。そしておまんこ全体が充血していて赤みを帯びている。白い肌の中、おまんこの赤みが何だかいけない事をしている証の様でゾクゾクしてきた。

 

「ねえ、舐めてよ。まだ動けないの? じゃ起こしてあげるね」

 

 目の前に起立しているクリちゃんに、顔を寄せ甘噛みを・・・・・・。噛んだ瞬間、立花さんの身体が痙攣して・・・・・・。目の中に噴水が直撃!

 

「呆れた。また失禁なの? でもまたおしっこ飲めちゃって、ああ、美味しい。立花さん、また逝っちゃったのね。続きはもう無理ね。仕方ないから清拭をし直して寝ましょう」

 

 未だ夢現の様な立花さん。楽な姿勢に寝かし直してホットタオルで全身を拭く。全裸の立花さんに布団をかけて一旦保健室を離れる。もちろん鍵は掛けて。向かうは立花さんの部屋。着替えの下着を取りに行く為。

 

 

 

「匂坂さん、萩野です。入っていいかしら? 」

 

「萩野? 何の用だ? 」

 

「立花さんが失禁してしまって・・・・・・。下着の替えと部屋着を取りに来たんだけど・・・・・・」

 

「立花は今何処に? 」

 

「こっちの保健室よ。ねえ開けて下さらない? 」

 

「立花の着替えは私が持っていく。それでいいだろう? 立花は保健室に泊まるのか? 」

 

「その予定だけど・・・・・・。それじゃ不満? 」

 

「その方がいい。唯、鍵は私が管理する。萩野は部屋に帰ってくれ」

 

「貴女って・・・・・・勝手ね。でもまあいいわ。早く来て頂戴。それじゃ戻るから」

 

 

 

「部屋に戻って来ないって、そう言う事だったのかよ。立花も変わって行くな・・・・・・。まあ、一番変節したのは私だよな・・・・・・」

 

 萩野を帰して、立花のワードローブを開いて部屋着と下着を取り出す。それと制服。朝まで泊まるというんだから言われてはいないけど、持っていくのが筋だろう。

 

「さてと。行くか・・・・・・」

 

「匂坂だ。開けてくれ。萩野居るんだろう? 」

 

 

「あら早いわね。私、鍵の事を小御門先輩に話をしてくるから出るわね。部屋に直接戻るから、鍵は貴女から直接に小御門先輩に返して頂戴。これここの鍵よ。じゃお休み」

 

「萩野? 」

 

 萩野はそそくさと退室して行った。

 

「何だか懐かしいな。あの時とは立場が違うけどね・・・・・・。あれはもう二月以上前か」

 

 私がサッカーの試合で怪我をして此処に運ばれた時の事を思い出す。今立花の寝ているところに私が居て、立花は今の私の様に世話をしに此処に来ていた。そして・・・・・・立花に告白をして結ばれた。あの夕日の中での出来事、未だに鮮明に記憶している。なのに今、立花を前にあの時の様な感情が沸き起こらない。布団をはぐり、裸の身体を見てもだ。

 

「おむつか・・・・・・。相変わらずだな、お漏らし癖は・・・・・・」

 

 以前の私ならおむつを脱がせて立花を愛しただろう。その知識を得る、実地の実践も立花の為にしてきた。先輩たちに身体を売って。お金の事を有ったのも確かだけど、立花を悦ばす為という意味合いが有ればこそだった。でも今は・・・・・・。

 

寝ている立花に事務的に着替えの世話をし、再び布団を掛けて寝顔を見つめる。寝ている立花は私が来て着替えさせたなどは思ってもいないだろう。何だか目に涙が滲む。私が一方的に好きになり、私の勝手で立花を捨てる。いい死に方をしないなと自分でも思う。

 

今の私は初恋の女性に会う会える事だけが、心の支えだ。今度の安息日に行われる召天記念の催しを最後に私は留学する。当初は一週間の予定だったけど、私が希望すれば短縮も出来るし、逆に伸ばせる事になっている。今、立花と距離を取り、別れる事はお互いにとって良い事なんだと・・・・・・。

 

 

「もう何日か一緒だけど、君との恋愛はここで終わりだよ、立花」

 

 別れのキスをして、一旦部屋に戻る。立花との思い出の品を集めて外に有る美術部の釜で焼いた・・・・・・。

 

 

「これで私はあの人と。そして立花は・・・・・・。萩野? いや蘇芳さん? それとも最近仲がいい関本や先輩たちか? なんにしても新しい恋が待ってるに違いないな。いい子だもの、立花は・・・・・・」

 

 

 ひとしきり泣いた。理由は判らないけれど。いや本当は判っている。判らないと思いたいだけの私・・・・・・。部屋に戻っても寝つかれない。寝られたけれども、すぐに目が覚めてしまう。ずるい女には報いが有るという事なんだろうか・・・・・・。

 

「立花・・・・・・」

 

 下のベッドに向かって声をかけても、覗き込んでも返事などあるわけがない。

 

「一人ってこんなに淋しいものだったんだっけか」

 

 淋しさが身に沁みる。次の瞬間、私はとび起きて走り出していた。

 

 

 

「起きたか。いやそのままにしていてくれ。少し話を聞きたい」

 

「先生。ここは? 」

 

「街の病院だ。どうして此処に居るか判るか? 和田」

 

「病院? 街の? 」

 

「そうだ。和田と一緒に、お前の妹の関本ゆかりもそのアミティエの根本小夜花も此処に入院した。カーテンの向こうに寝ている」

 

動こうとする私を先生が制す。

 

「動くな。お前達はまだ安静にしていないとダメなんだ。落ち着いて聞け。お前達は学院で身体に何らかの薬物を使われた形跡があり、今は点滴をして処置をしている」

 

 

「薬物? 」

 

「そうだ。詳細は不明だが、ドクターイルザは科学的に合成された物ではなく、マジックマッシュルーム的な自然に存在している危険ドラッグの様な物との判断た。他の先生も私もそういう意見だ。それだけに対処しやすい」

 

 

「それで何があったのですか・・・・・・」

 

「お前、ちょって手首を見て見ろ」

 

「これ・・・・・・。縄の痕です・・・・・・よね? こんなにくっきりと残ってる・・・・・・。先生にこんな趣味が? 」

 

「アホ。私はレザー派だから縄は好かん。話を戻すがお前、今朝からの行動を思い出してみろ。克明にとは言わん思い出せる範囲でだ」

 

「・・・・・・・・・・・・。昼辺りからでいいですか? 記憶が曖昧で」

 

「構わない。それでいいから・・・・・・」

 

「八代譲葉に呼び出されて天文部の部室に行きました。部室に入り奥の扉を開けてくださいと。でも開けられなくて・・・・・・」

 

「和田は部長だろ? なのに開けられない扉が? 」

 

「ええ。暗証番号が変えられていて・・・・・・」

 

「それで鍵を初期状態にする資料を取りに行ってもらいました」

 

「八代にだな。それで和田は一人でそこに居たと」

 

「ええ。その通りです。その後は誰かが来て・・・・・・。そこからは記憶が・・・・・・。夢の中に居た感じですが思い出せません」

 

 先生が検査機器に見入る。そしてより表情を硬くして私を見た。

 

「和田、待っていたお前を誰かが薬を使って生気を抜いたんだ。それで全裸にして部室の外に逆さ吊りにした。その縄の痕はその時のものだ」

 

 

「嘘。嘘でしょう? 」

 

「その時、可燃物がトラップとして仕掛けられていた事もあり、対応に苦慮したんだ。それで和田は水でずぶ濡れになってしまい、薬物の問題に加え、冷水で低体温症になってしまい今に至る。縄も締まってしまってそんなに濃く痕がついてしまった。それに・・・・・・」

 

 今度はとても困惑の顔になる先生。何だかとてもいいにくそうだ。

 

「それでだな。和田が下げられて直ぐに、関本ゆかりも、根本小夜花も和田の横に吊るされた・・・・・・そう同じ様に全裸で逆さ吊りだ」

 

「嘘でしょう。嘘って言って下さい・・・・・・。ゆかり、小夜花もなんて・・・・・・」

 

「悪いが真実だ。唯、和田よりは症状は軽い。今は安定剤を投与して寝かせている。二人の身体の心配する事は無い。それに人払いをしていたから、裸を見たのは教員の他は八代と白木だけだ。学院に来ている作業員達には見られていない」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「それでだ。泣き止んでくれ。私達はこの件の犯人を捜している。心当たりは? 今、榊が絡んでいるのは判っているんだが、一人では到底無理なんだ。共犯とは言えないが関わっている者がいる」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「判った。後でまた来る。その時にはもう少し突っ込んで聞くからな。それまでに少しは記憶の整理を。紙とペンはそこに有る。無理強いはしないが有益な情報には多少の報奨を出すからさ」

 

 出て行く先生に黙礼し、ベッドに潜り込む。榊杏。アイツが私を嵌めた。それは確かだと思う。意識を乱す直前に見たシルエットは確かに榊だった。何処から現れ、何処に消えたか判らないけれど・・・・・・。榊が妹達に手を掛けた? 幾らなんでも無理だろう。二人同時に仕掛けるのは無理だ。一人ずつなら妹達はある程度抵抗できる。それ位の身体能力を身につけている。その二人が?

 

 

「お姉ちゃん・・・・・・」

 

「ゆかりなの? 」

 

「こっちに来て・・・・・・お願いだから・・・・・・。話したい事が有るの・・・・・・」

 

ゆかりの求めに応じてカーテンの向こうに行く。ちらりと見えた腕にはやはり縄の痕がくっきりと残っていた。

 

 

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