「どうしたの? ゆかり・・・・・・」
私の顔を見てゆかりがベッドの座面をリモコンで起こした。カーテン越しの先程と違い、消え入りそうな声で私に声を・・・・・・。
「お姉ちゃん・・・・・・。私達あれって・・・・・・。夢じゃないんだよね、見て、コレ・・・・・・」
私を見て目に涙を溜める妹のゆかり。縄の痕が残る腕を私に見せつける。呼応する様に私も縄の痕を見せた。刹那、号泣するゆかり。バッと駆け寄り抱きしめた。こぼれる涙を肩で受け止める。あまりの量に下着まで滲みてきた。腕の中で震える妹、落ち着くまで更に力を込めギュッと抱き留めた。
「先生から何が有ったのかを聞いたのね・・・・・・。ゆかり、身体は平気? なんともない? 」
「うーん。なんだか少しクラクラするし、縄の痕がなんだかむず痒い。それに脚が鬱血して内出血してるみたい。でも、先生は一晩ケアすれば良くなるって」
涙も枯れたのか、微笑みを見せる。
「そう。私も脚は鬱血してる。でも痒くは無いかな? クラクラする感覚は多分貴女以上に有ると思う。地に足がついていない感じ。私が一番長く吊られていたから・・・・・・。凄いムーンフェイスになっていたみたいで、今も何か変な感じなの」
愛想笑いでそこまで口にすると、ゆかりが・・・・・・
「お姉ちゃん・・・・・・。私達、恥ずかしいところを、皆に見られちゃったんだよね・・・・・・。もう・・・・・・どうしたら・・・・・・」
その先は涙で言葉にならなかった。私に比べたら妹はまだ幼い。状況をイメージするとかなりのショックなんだろう。
「先生の話だと、生徒は全員建屋に移動させて隔離したって。だから私達のあれを見たのは教職員だけ。そんなに気にしなくて良いからね。先生達は私達の事を変にイヤらしく見たりしないわ。仲の良い姉妹とそのアミティエ。単純に事件の被害者なのよ私達」
「でも・・・・・・」
「ゆかり! 」
声を荒らげた私にビクッとする妹。虚を衝かれたゆかりにキスをして押し倒し、そのままふとんの中に引きずり込む。舌を絡ませ激しく愛撫。戸惑うゆかりを強引にリード。
「こうすれば誰も見てないよ。あんな事、お姉ちゃんが忘れさせてあげる。任せてゆかり・・・・・・」
何時も以上に丁寧に愛撫を。でも執拗にねちっこく。何度も何度も・・・・・・。心を完全に塗り替えて穏やかな寝息のゆかり。それをBGM代わりに腕枕をして目を瞑っていると、私も何時の間にか寝てしまっていた。
人の気配に目を覚ます。先生らしき声が私を捜している。声が聞こえなくなった思った瞬間、いきなり布団を剥ぐられた。
「お前達・・・・・・」
「先生。ど、どうも」
「どうもじゃないよ。まず、服だ、服を着ろ。そのキスマークベタベタの身体、ふやけた指。シーツの滲み。事情は分かるし、和田には妹のケアをして貰いたいから野暮は言いたくないけれど、ここその何だ、学院の中じゃないんだから、少しは気を使え。今は私の請願であそこのカメラを止めてある」
「カメラ? 」
「そうだ。天井のな。気がついてなかったのかよ。音声も24時間ずっと高品質で録画してある。まあ録画されている分は、こっそり消しておくからそんな顔をするな。外部の人間にうちの可愛い生徒が好奇の目に晒されるのは私としても辛いからな」
「理解ある先生の教え子である事を、神に感謝します。槙先生、ありがとうございます」
「和田、なんだよ改まって。歯が浮いてないかお前? それはさておき、あの事は無かった事にしろ。するんだ。忘れるんだ。妹とする事でアレを忘れられるというなら、その環境を私の権限で用意する。これは学院の意志だ。平たく言うと新執行部で不祥事を隠蔽するって事だな。表立って真相の究明を放棄するって事でしゃんしゃんと言う事だよ。色々な事が有り過ぎたんだ。お前達は色々と釈然としないだろうけど・・・・・・。今後あの事の一切を口外をしないでくれ」
「そんな・・・・・・納得できません」
「してくれ。それがお前たちには一番良いんだ」
槙先生はそう言い、睨む私の元に来た。手を上げる先生。身構える私。しかし・・・・・・槙先生が私を抱きしめてキスをしてきた。それも涙を流しながら・・・・・・。これでは納得するしかない・・・・・・。返礼の意で舌で涙をすすった。
「それと、和田。根本はまだ起きてこないのか? 」
私とゆかりで一番窓際のベッドを見る。大人しく寝ている小夜花ちゃん。
「はい。ずっと寝たままです。起こしますか? 」
「いや、寝ているならそれはそれで好都合。逃亡の恐れが無いからな。根本には聞きたい事が色々有ってさ。白判定のお前達と違い、根本は薬物の検査も本格的にする事になるんで向こうの別館に移送になる。移送のスタッフが直に来るから、お前達は服を着て別に寝ていろ。邪推されたくない」
先生が小夜花ちゃんの様子をチェックしている。モニターのデータや直接脈を診たり、呼吸を確認したり・・・・・・。それにしても薬物の検査って・・・・・・。
「お願いだからこれ以上酷い事はしないで。小夜花も被害者なんだから・・・・・・。早く元に、何時もの小夜花に戻してあげて」
ここまで大人しくしていたゆかりが、布団から出て這い出してきて先生に嘆願を。その強い口調に驚く私。先生も驚いた様で一瞬たじろいだ。
「大丈夫、元に戻すのが主眼だよ。唯、何を使われたか検査確認しないとこれは難しいんでな。蘇芳の時みたいに副作用だかなんだか良く判らないんでは後々困るし。まあ別館には沙沙貴達も居るから心配するな。何だか牢名主みたいだぞアイツら・・・・・・来たばかりなのに何年も居たみたいにしてる。おい、そんなに睨むなって。まあ学院側は根本が多少なりとも事情を知ってると判断していてな、犯人の情報を知ってるんじゃないかと・・・・・・」
「犯人は、榊でしょう? わかりきってるのにどうして小夜花ちゃんを? 」
「そうですよ、どうして? 小夜花も一緒に酷い目に遭ったんですよ・・・・・・。私達は誰も見てないし、小夜花だって知らないかと・・・・・・」
「なんか学院に複数の人影を・・・・・・的なタレコミが有ったらしくてな。補間する意味で話をどうしても聞きたいらしい。まあ私も根本が何かをしてなんて思っちゃいない。唯・・・・・・」
「唯? 」
「いや、何でも無い。服を着ろ。もう来るぞ。ここは学院と違う。粗暴な男も居るんだからな」
「はい、先生! 」
着替えが終わるかどうかのタイミングでドアがノックされた。
そしてどかどかと男の看護師が何人も。節くれだった太い指、ゴツイ腕、広い肩幅、ゴリセンの異名を持つ槙先生が小さく見える。それでも先生が私達の前に立ち私達をガードしてくれる。やっぱり男は怖い。
男達が小夜花ちゃんをベッドからストレッチャーに乗せ変えている。まるで人形の様に乱暴に。その時私は気がついた。小夜花ちゃんの腕に縄の痕が無い事を。私もゆかりもまだ消えていないのに、綺麗なままの肌・・・・・・。小夜花ちゃんは縛りの達人だ。まさかあの時・・・・・・。
「搬送します。お騒がせをしました。それではアングレカム学院の槙先生、別館までご同行お願いします」
そう言って嵐は去って行った。先生は、また来るからと小声で私達に伝え出て行った。残された私達がする事は・・・・・・。野暮な事は聞かないの!
「ここは? 」
「あっ、起きたよ。どんだけ寝てたんだろうこのお姫様は・・・・・・」
「苺さん? 」
「蘇芳ちゃん、おっはー」
「お、おはよう・・・・・・。あれ? 」
なんか違和感のある目覚めだ。苺さんも何か言いたそうな顔をしている。
「死んだ様に寝ていた割りには、寝ぼけては無いんだ。今は夜だよ。夜。ずっと昏睡してたんだよ。血のロンダリングの副作用でさ。まず最初に言っておくね。蘇芳ちゃん、私達を現世に戻してくれてありがとう。林檎共々お礼を言わせて頂戴。林檎は今、槙先生と一緒に根本ちゃんの所に行ってる。今コールで看護師さん呼ぶから。起きたら呼んでって言われてて。そうそう喉が渇いてるなら、そこにお水が有るからね」
何だろう発汗からか喉がとても渇いている。苺さんに言われるままにペットボトルを手に取り、キャップを緩めて一気に飲む。思わずうなってしまうほど美味しい。一気に二本を飲み干した。何故かラベルが無かったけれど、キャップは存外に固く未開封だったし変な物は入っていないだろう。すると主任さんが部屋に。
「良かったー。気がついたのね。もう気が気じゃなかったのよ。白羽さんが此処に来て処置室に入って以来、原因不明の昏睡状態になったって聞いたから・・・・・・」
そう言いながら私のベッドめがけて突進して私をきつく抱きしめた。
「痛いですよ。主任さん。今回の事ではご心配をおかけしました。色々とありましたけど・・・・・・。そういえば、千葉先輩はどうされていますか? 」
「あの子は・・・・・今忙しくしてるわよ。演奏会の準備で。お姉さんと一緒に八面六臂の状況よ。それにしても良かった。白羽さんが目を覚まさなかったら、対応した救急の担当者を絞めちゃう所だったのよ」
涙を目に溜めている主任さん。どうにも現実感が無い。突慳貪な応対をしてしまう。
「そうですか。孝崎さんは? 」
「あの子も準備で大変なのよ。その事で街に出て行ったわ。そろそろ帰って来るんじゃなくって? 」
「ふーん、そう・・・・・・」
「私が今此処に居るのに。何その気のない返事。居ないこの方が気になる? 居なくって淋しいの? そう・・・・・・」
主任さんが嫉妬しているみたいな口調で私に食ってかかる。
「そんな事より、白羽さん! 貴女、随分な事をしでかしたのね。私は悲しいです。沙沙貴さん、孝崎さん、緑さん、皆さんから話は全部聞きました。ここを退院してから今日の事まで洗い浚いにね。耳を疑う様な話だったから最初はからかわれていたのかと思ったわ。キラちゃん事から始まり、貴女が心を寄せていた先輩が大変な事になってしまって、貴女の心が揺らいでいた事には同情するわ。だからって同室の子から先輩。あまつさえ先生も。しかも複数・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「ねえ白羽さん、そろそろトイレに行きたいんじゃなくって? 黙っていても良いけど。沈黙は金にはならないわよ。まあいいわ。ちょっと足を動かしてみて。いいから早く」
一気に巻くし立ててくる主任さんに気押される私。そうか全てを知ってるのね。この人には知られたくはなかったけれど・・・・・・。言われるままに息を整え足を動かす。あれ? 引っかかる? 少ししか動かせない。右も左も。主任さんを見ると腕組みをして勝ち誇った様な笑みで私を見ている。
「貴女を自由にするとレイプ被害者が量産されちゃうから、私やドクター、槙先生の判断で足を拘束してあります。この件院長からも許可を貰ってあるから。一応調整すればベッドからは降りれるくらいにしてあるけれど、貴女は当分の間そのベッドの上で過ごして頂戴。トイレもベッドの上でおまるを使って」
「えっ? 」
「おまるよ。そこに白鳥のが有るでしょう? それが一番大きいから持ってきたの。可愛いでしょう? 」
「何、その顔。使ったこと無いの? 本当に? コールしてくれればうちのスタッフがが使い方を指導するから。誰が来るか判らないのが嫌なら、私を指名しても良いのよ。それとも他人に見せたいかな? 」
「嫌! 普通にトイレに行かせて下さい! 幼児じゃないし、だいたい私、歩けるんですから! 」
「蘇芳ちゃん! ダメ! そんな事しちゃ・・・・・・」
枕や枕元に有った物を手当たり次第に壁際に立っている主任さんに投げつける。枕、テレビのリモコン、あまつさえガラスの花瓶さえも。当たっていたら顔に痕が・・・・・・。それは間一髪の所で主任さんが避け、後ろの壁に当たって割れて散らばった。
「全く・・・・・・聞き分けの無い子・・・・・・。美人だからって普段から甘やかされてるのかしら? 躾けが足りないのね。前に入院していた時は猫被っていたって事なん? 。大違いね・・・・・・あの子とは・・・・・・」
割れた花瓶をバインダーでささっと部屋の隅に集める主任さん。ボーッとそれに気を取られていた私。主任さんは集め終わると素早く私の所に来ていきなり頬を張る。音の大きさに苺さんがびっくりして、手にしていたペットボトルを落す程に。主任さんに髪を掴まれ繰り返し打たれた。
「止めて、やめてあげてよ・・・・・・」
「苺さん、こういう聞き分けの無い子にはこんな体罰も有効なんですよ。ここは病院。病棟では私がルールブックなんです。従ってもらいますから。まずはそう苺さんも居るし、折角だから白羽さんを使っておまるの使い方の講習をしましょう。最近の子は洋式でしか用を足せない子が多いって言うし。苺さん! 貴女も助手として手伝ってね」
主任さんが布団をはぐり持ち上げて奥のベッドに載せた。あまりの手際の良さに対応できなかった。パジャマ姿の私が露わになる。足には括られているナイロンの紐が・・・・・・。主任さんに身体を起こされウンチングスタイルにさせられた。逃げようとしても主任さんがだぼっとしたパジャマを摑んでいて逃げられない。
「苺さん、そこのおまる取って下さいな。蓋はそこにおいてね。白羽さんは下を脱いで。ショーツも。当たり前でしょう。貴女は何時もショーツを履いたまま用を足すの? そういう趣味ならそれはそれで尊重するけど? 」
「蘇芳ちゃん、我慢良くないよ。恥ずかしいと思うからダメなんだよ。ほら脱いで」
「じゃ・・・・・・見ないでくれる? 」
「それはダメだよ。だってボスの助手なんだもん」
そう言ってウインクする苺さん。えっ、と思った時、一瞬の隙を突かれ手を後手に捻られてしまった。主任さんだ。私の力でもキッチリと決められてしまってからではもう動かせない。
「苺さん、貴女が下げてあげて。膝の所までしっかりとね。汚してしまってはいけませんから」
「はい」
ゴムの緩いパジャマとショーツが脱がされていく。抵抗できないうちに手際よく白鳥のおまるをお尻にの下に入れられてしまった。
「苺さん、上手ね。でね蘇芳さんの手をおまるの握りに括って頂戴。結束バンドを渡すから、それでして。それじゃまずは左手から」
主任さんが苺さんに手を明け渡し、苺さんはそれを握りに括りつけた。
「痛い! 」
「ゴメン、蘇芳ちゃん」
「あらあら肉を挟んじゃった? でも情を移して気を許しちゃダメよ。貴女は今この子のために正しい事をしているんだから。はい今度は右手。利き腕だから少しは丁寧にね」
苺さんだけなら、簡単に振りほどけると思っていたけれど、主任さんも手を出しているので全くダメ。呆気なく括られてしまった。
「苺さんありがとう。準備は終わったわ。後は白羽さんがするだけね」
「嫌です、トイレに行かせて。お願いします。もう漏れ・・・・・・」
「あら、少しは殊勝な気持ちになったのかな? でもダメよ。貴女は私たちに見られながら今此処で、おまるで用を足すの」
尿意がきつくなってきた。でもまだ・・・・・・。主任さんは、口角をあげながらも目つきは緩んでいない。口調は優しくなってきたけれど・・・・・・。しかもとんでもない事を口にした。
「そうだ苺さん、貴女カメラ持っていないの? 撮ってあげなさいよ。記念になるし見せてあげたい子が居るからから」
私は主任さんをキッと睨む。苺さんも主任さんを怪訝な顔をして見ている。
「キラちゃんよ。黒沼アキラ。召天記念日にキラちゃんに見せてあげて。貴女の恋人は貴女よりもずっとずっと聞き分けが無いって。あの子は従順だったわ」
「そんな。それは止めて! アキラの事を持ち出さないで。卑怯よ」
「だったら、素直になりなさいな。かなり薬も効いてきたでしょう? おでこの汗、拭ってあげようかしら? 目に入るわ」
「薬? 」
さっきから冷や汗が出てきている。もうかなりきつくなっている。それにしても薬? 苺さんも私と同じ様に声に出して問い質した。
「利尿剤よ。さっき飲んだペットボトルに入っていたの。ふたがキッチリと閉まっていたって言いたいんだろうけど、最初っから入っているのも有ったりするのよ、ここではね・・・・・・」
「蘇芳ちゃん。早くした方が良いよ。林檎が帰って来たら、あの夜みたいに、またカメラで撮られちゃうよ? その方が良いなら話は別だけど・・・・・・」
「判ったわ。するから、見ないで! 」
諦めて天井を見、目を瞑り息を吐き、力を抜くとジョーって音とともに一気におしっこの噴流がおまるを満たしていく。撥ねが上がりお尻におつりが来るほどの勢いで・・・・・・。
「あらあら。はしたない事。溢れちゃいそうね。白羽さんは身体が大きいから膀胱も尿道も大きいのかしら? 」
「蘇芳ちゃんのおしっこ、マジでゴールドだよ。こんなん初めて見たよ・・・・・・。固めたら金の延べ棒になりそう。売ったら億万長者? 」
「じろじろ見ないでよ。は、早く捨てて」
「まだ出るの? 検査に回すにしてもこんなには要らないわよ・・・・・・。全く慎みの無い子ね。恥ずかしいったらないわ」
どれ位の時間、恥水を放出していたのだろうか一分? 二分? 何時の間にか涙が出ていた。それを苺さんが拭ってくれる。そしておしっこに濡れた性器もそのハンカチで。ピンクのハンカチが黄金色に染まった。主任さんがハサミでおまると私の手の結束バンドを切断していく。
「蘇芳さんそれじゃ腰を浮かせて。沙沙貴さん、零さない様に静かにおまるを抜いて頂戴。重いから気をつけて」
受け取った主任さんはワゴンに載せ、おまるに蓋をして封をし名前のタグを付けて外に運び出した。私は紐を解き逃げるのも忘れ脱力し、ベッドに倒れ込む。苺さんがショーツとパジャマを膝からずらして元の通りに履かせてくれる。
「蘇芳ちゃん・・・・・・。主任さんってダリア先生より怖いじゃん。前に会った時は優しかったのに。頬が未だ腫れてるからタオルで冷やすよ。そこで待ってて」
苺さんが部屋を出て行った。今一人なんだわ。さっきの主任さんは見た事が無いほど怖かった。どうしよう、紐を外して逃げようか・・・・・・。逃げてどうする? 学院に戻ったって・・・・・・。でも此処に居た方が・・・・・・。いや此処に居るよりは・・・・・・。
気がついた時にはエレベータの中に居た。パジャマにスリッパで。唯、外に逃げたい、逃げれば・・・・・・。それだけが頭に・・・・・・。
夜間専用の出入り口から外に出ると。ムッとするくらい暑い。公園の向こうに、未だ開いている花屋さんが見える。そこの人に助けてもらおう・・・・・・。閉店の準備で女の人が片づけをしているのが見える。走っていくと・・・・・・。
「白羽さん? どうしたのこんな時間にそんな格好で」
「た、孝崎さん? なんでここに? 」
怪訝そうな顔で私を見る孝崎さん。肩から大きいドラムバックを下げている。
「衣装につける花を手配してもらおうかと。これ衣装。白羽さんの分も有るわよ。それよりも白羽さん貴女こそ、ここで何を? 」
「何って、その・・・・・・。嫌、どうして・・・・・・。どうして・・・・・・」
「ちょっと白羽さん、何処に行くの? ちょっと待ちなさいって! 」
私は花屋さんから逃げた。スリッパは脱げてしまった。裸足で走る。目の粗いアスファルトが痛い。速く走っているつもりなのにスローモーションの様な感覚。あまりに痛いので芝生の上を走る事にする。トイレの側を通り抜けようとした時だった。
「痛い! 」
見ると足の裏に酒ビンのスクリューキャップが刺さっている。赤い? 血・・・・・・血が、血が・・・・・・。
電撃を食らった様にその場に倒れ込む。痛さとショックで見境無く泣き叫ぶ私。気付いた孝崎さんが花屋のお姉さんと息を切らせて私の元に。孝崎さんはスマホで先生に連絡を。花屋のお姉さんは私の足を見てくれたけれど・・・・・・。
「指の所が・・・・・・これは酷い・・・・・・。血塗れだわ。早く病院に・・・・・・うぇー」
お姉さんが私の足を見て胃の中の物をリバース。それでもトイレから水を汲んできて、私の汚れた足を綺麗にしてくれる。でも出血が酷く直ぐに真っ赤に。
「こっちです。先生。早く! 」
「白羽、大丈夫か? これは・・・・・・! 」
「先生・・・・・・。ごめんなさい・・・・・・」
「謝るなんて後にしろ。おい、しっかりするんだ。孝崎、お前は主任さんにも連絡を。まずは先にダッシュで行け。荷物は此処に置いていけ。盗る奴なんか居ないだろ。私はこいつをおぶっていく。花屋のお姉さん、私の生徒がご迷惑をおかけしました。後日正式な形で謝罪に伺います。今日の所は・・・・・・」
「いえ。私の事は気になさらないで。この子、何か思い詰めた様な感じで店に来ました。勝手ですけど怪我だけじゃなくメンタル面も見てやって下さい・・・・・・」
「誰? 」
「え、マユリ? 」
「夢か・・・・・・。マユを保健室の枕元で見るなんて。夢じゃなければ、あ・り・え・な・い・よね・・・・・。ご利益かな。夢に出してくれた事、神様ありがとうございます。このプレゼント、大事にします・・・・・・」
「立花。夢じゃないよ。現実だよ。何だか急に顔を見たくなって・・・・・・。変だよな」
「うそ。本当に本物? 私も会いたかった。マユの事を夢に見られればと思って此処でお祈りをしていたの。そうしたら・・・・・・」
「此処に立っていたって? 此処は何だか暑いな。何か飲み物を買ってこようか? 」
「私も一緒に。良いでしょうマーユ。でも、少し脱水気味で脚がふらつくの。車椅子で連れて言って頂戴。あの時と逆に・・・・・・良いでしょ? 」
あの時。そう私が足を怪我をして暫くは立花が車椅子を押してくれていた。私は何時も押してくれる立花の顔を見たくて、後ろに首を捻って居たから夕方には首がしびれていた。そんな事を思い出して思い出し笑いを。
「どうしたのマユ笑ってるけれど・・・・・・。ねえ連れて行ってくれないの? なんか私・・・・・・変な事を言ったかしら? 」
「いやそうじゃなくってさ、車椅子で首を痛くした奴が居るんだってって八重垣さんに笑われた事を思い出してさ」
「そうね。そんな事も有ったわね。八重垣さん、どうしたのかな・・・・・・。また会いたいんだけど・・・・・・」
そんな事を話しながら廊下に出る。音がしない様にゆっくり押しながら。自販機で脱水気味の立花はスポーツドリンク、何時ものが売り切れで私はコーラを買った。普段は二人ともあまり飲まない取り合わせ。自販機の前を立ち去り、東屋に向かう。
「そうだね。八重垣さんとはまた色々な事を話したいね。蘇芳さんの事とか。アミティエの孝崎さんも居なくなって直ぐはキチガイみたいになってたよね。苺や林檎が抑えていたけど・・・・・・」
「それは酷すぎじゃない? だってあの二人は出来てたんだし、失踪の黒幕がダリア先生なんだもの。八重垣さんはダリア先生の事を好いていて、ある意味寝取られた様なモノ。私があの立場だったら絶望して川に身を投げていたかも」
「立花・・・・・・」
「ねえ。私は川に沈んだ方が良いのかしら? 」
「ゴメン。立花にはどんなに言葉を積んでも許されない事をしてしまった。今ここで殺されても文句は言わない。悪魔を殺したって君は汚れない。私は地獄、君は天国に。私の様な屑が居なくなったって君には萩野が居るだろ・・・・・・」
「萩野さんはいい子よ。私も好きだし彼女も私を愛してるみたい。でも、マユとは違うのよ。でも、ベストでなくベターでも受け入れるわ。その代わりマユは貴女の理想を突き進んで。勉強もスポーツも恋愛もね。マユは天才肌。何でもある程度に何でもこなしてしまう。でもやる気を見せればその道のトップに成れるわ。恋愛でもよ。向こうで良い人を見つけてきて」
「・・・・・・・・・・・・。ゲホゲホ・・・・・・」
「何よ、むせたりして。普段飲まない炭酸なんて飲むから・・・・・・。それともまた私が何か変な事を言ったかしら? 」
「立花。君はシスターになって人を導いてみたら? 君の言葉には何だか不思議な力が有るよ。そしてそれは人に良い影響を与えてくれる。言霊って奴だな」
「シスター? そうね。悪くないかも。でも私は同性愛を認める立場の人だから・・・・・・どうかな? 」
「だからこそだよ。立花ならそれを是に出来るんじゃないか? 」
「そうね。前から考えていたんだけど、手始めにニカイアの会の会長に立候補してみる。今の会長代理の小御門先輩は同性愛に厳しいけれど、八代前会長や白木理事代行は理解が有る方だものね。それに肯定派は生徒の中にはかなり居るから、問題は頭の古いシスター連だけだと思う。貴女が戻って来て居心地の良い場所を作っておいてあげる。どうせ一週間で戻って来ないんでしょう? 」
「知っていたの? 」
「うん。白木先輩から。白木先輩が予定から変わってこっちに残る。イギリスに八代先輩とマユの二人が留学する事とうちのクラスに来る転入生が遅れるという事。これは白木先輩が独自にオリエンテーションをするんだって。内容は暈されちゃったけど」
「そっか。そこまで知っているんだ。さすがに級長だね。居ない間クラスをまとめて下さい。立花殿」
「何よ。変なマユ。ここんところあまり話しも出来なかったから今日はなんか満たされた。ねえ、保健室で一緒に寝よう? 一人が淋しくまて此処に飛んできたんでしょう」
「飛んでって。そんなには焦ってなかったと思うんだけど・・・・・・そうだね。久しぶりに・・・・・・。でも・・・・・・」
「何よ、言い噤んで。寝るの寝ないの? もしかして、まだ留学の用意が出来てないとか? 今日は私を自由にして良くってよ、マーユ? 」
「そこまで言われたら、据え膳食わぬわ・・・・・・だね。よーし覚悟してくれ、立花! 」
「当直が外科の女医さんで良かったよ。しかも主任さんとツーカーの仲で・・・・・・。ほれ皆に謝れよ白羽。何針も縫う様な怪我しやがって。皆がどれだけ心配したか・・・・・・」
処置室のベッドの上に正座する私。私の前には槙先生と孝崎さんと病室から飛んできた沙沙貴さん達。主任さんは外科の女医さんを連れて出て行った。頭を下げて謝罪する私。
「私の勝手な行動で皆様にご迷惑を掛けてしまいました。どうもすみませんでした・・・・・・」
「何だそれだけか。まあいい。白羽にはこれから言葉だけじゃなく身体で反省をしてもらう。今の逃亡の件もだが、先生方にした事、根本達にした事、お前の性犯罪容疑を書きつらねると帳面が足りないくらい有るよな、白羽。それじゃ続きは病室でだ」
先生は私を抱き抱え車椅子に乗せた。そして皆を引き連れて病室に。逃げたい・・・・・・そう思ってはみても足の怪我が酷くてとても無理。エレベータに乗る時など死刑台に連れて行かれる様な気すらした。
病室には誰も居なかった。私はベッドに乗せられて服を脱ぐ様に命令され素直に従う。もう逃げ場は無いのだ。
槙先生はナースコールをして何かを伝えた後、ロッカーから箒と塵取りを取り出して掃除を始めた。ある程度済ませると次に床にロール状のシートを敷いていく。継ぎ目にはダクトテープを貼って。
そしてノックの音と主任さんが現れた。ステンレスのカバーのされたワゴンも一緒に。そして全員が私の方をチラチラ見ながらひそひそ話を。良く聞き取れないのがかえって辛い。
「なあ白羽、やった事の責任はとれよ。花瓶なんて投げてお前はこの人を殺す気だったのか? 主任さんの反射神経が良かったから大事には至らなかったけれど」
「だって・・・・・・」
「だってじゃない! 反省が足りないな・・・・・・。仕方ない、現状改心の余地無しと言う事で慈悲抜きでお願いします」
「それじゃ予定通り始めます。沙沙貴さん、カメラの用意は良いわね? 」
「はい。フル充電で一時間はバッチリ。フルハイビジョンの60Pの最高画質で撮れます」
「後で病床の鈴木先生や美馬先生に見てもらうんだから、しっかり撮って下さいね。槙先生に特に念を押されてますから。車の恨みって」
「しゅ、主任さん、それ酒の上でのことですから忘れて下さい」
先生の困った声に皆が笑う。でも私はちっとも可笑しくない。
「緑さん、孝崎さん、そっちでお湯でお薬を溶いて。そうね1.5リットルも有ればいいから。体温程度に調節して下さい。槙先生、不本意ですが拘束具を白羽さんにつけて下さい」
仕切る主任さんの言葉に皆が従う。槙先生が私の手首に革の枷を右手左手と嵌めていく。手際良く澱み無く、どことなく嬉しそうに。
屈辱。
拒否をしたいのだけど、テーザー銃の前には・・・・・・。
「白羽。正座を崩すな。次に手で髪を持ち上げで頭の後ろで組め。首枷を嵌めるからな。済んだらそのまま維持しろ。頭と上半身にレザーのハーネスをつけるから」
槙先生は到って事務的に手慣れた様子で私を西洋の奴隷女の姿に仕立てていく。首枷はかなり固い革で、気管の辺りは緩いけど頸動脈の辺りを圧迫する造り。頭にも革のハーフマスクと付随する遮眼帯がつけられて視界を制限する。
ハーネスはDリングを使って細革を締め上げていくタイプ。先生はギチギチと締め上げていく。胸に食い込む革のきつさは吐きそうになるくらいだ。おっぱいの上下に通る細革が綺麗な形のおっぱいをくびり出す様に変形させる。充血した肌の色が哀しい。元に戻るのか不安になり、思わず涙が出る。
そして腕を後ろに回され手首の枷を背中で括られた。それもかなり高い位置に。後手で合掌している様な感じだ。柔らかくなったとはいえ、柔軟性におとる私にはかなり辛い形に拘束されてしまった。息を荒らげる私。もっとキツい拘束に音を上げていなかったゆかりや小夜花はかなり身体が柔らかかったんだと今更ながらに思った。
「白羽、辛いか? お仕置きだから辛いのは当たり前だよ。これくらいじゃ胸は型崩れしないから安心しろ。これからお前はもっと辛い経験をするんだ。これくらいで泣いていてはダメだぞ。お前が憎くてするんじゃないんだよ。行動に分別を持って欲しいからなんだよ」
先生はキスをしながら頭を撫でてくれた。そして主任さんと病室を出て行った。代わりに入ってきたのは入院した時に初めて関わった看護師さん。アキラの話をした時に見たあの時の笑顔は無く、無表情のままガラス製の浣腸器、ワセリン、ニトリルの手袋をワゴンから取り出し引き出しテーブルに並べていく。
ああ。これですべて理解できた。お浣腸。そう皆の前でのお浣腸のお仕置き・・・・・・。保健室でゆかりと小夜花がされていて間近で見たあのお仕置きの再現・・・・・・。
「準備出来ました。看護師さん! 」
何処か上擦った様な声が病室に響く。孝崎さん達が用意したお薬というのが私の横に運ばれてきた。グリセリンの溶液だというのがビンのラベルで確認出来る。小説では読んだ事の有るお浣腸。いまだかつて自分ではした事もされた事も無い。ああ、このままだと小説でヒロインが言ってた悪魔の薬が私に・・・・・・。
妄想に耽っていると、私は看護師さんによって正座の形のまま前に突き倒された。刹那手を出して庇おうとしたけれど腕を拘束されている私は顔面から布団に突っ伏す・・・・・・。首枷で顎を固定されているので顔を横に向ける事が出来ない。元々遮眼帯が正面以外の視界を遮っているので、以後視界は消滅した。開けても見えない目は閉じ、これからされる事を受け入れるのみだ。
「あら? もう濡れ濡れじゃないの。お浣腸の経験は? 」
「ありません。こんなイヤらしい事した事無いです。私は変態じゃありません! 」
「あれー? おかしいなー。貴女がしてきた事色々聞かせてもらったわよ? それに動画も・・・・・・。白羽さんは此処に居る誰よりも変態です! 」
看護師さんはそう言って、私のお尻をパシンと叩いた。
「失礼します。病棟から来ました和田と関本です」
「入って頂戴。グッドタイミングよ」
花子と、ゆかり・・・・・・。あの二人にはこの惨めな姿を見られたくはなかったのに。せめてもの救いは小夜花が来ていない事か・・・・・・。そうだこの二人、私を連れ出してはくれないのかしら? その為に来たんでしょう? そうなんでしょう? ねえ・・・・・・。
「それじゃ始めます。手始めは今来た子達ね。皆それ使ったことある? 」
看護師さんが、浣腸器のレクチャーをしている様だ。花子達は正直に話している様で、沙沙貴さん達は色々と質問をしている声が聞こえてくる。
「まずはこの子に声をかけてやって。済んだら浣腸器の先にジェル付けて肛門に突き刺してね。それから一気に内筒を押し込んで。この子大きいから作った分全部入れて頂戴。残したってしょうが無いし。皆が入れたって腸はパンクはしないから。少しカエル腹になるだろうけど」
「蘇芳様、こんな形だけど蘇芳様にお浣腸できるなんて夢みたい。それじゃ入れます。苦しいでしょうけど我慢して」
花子がトップバッター・・・・・・。罵られるかと身構えていたのでその優しい口調に少し気が緩んで涙が出た。
でも入ってくるグリセリンは少し熱く、ずんずんと腸内を侵攻して来る。うそ、こんな感じなの? 小説なんかでは何時間も我慢する描写が有った。これではとても無理。今にでも出てしまう・・・・・・。
「終わりました。もう効いてきた? 慣れてないから仕方ないですよ。辛いけれどそれを愉しんで・・・・・・」
花子がお尻の穴にキスをして戻っていく。次に来たのは ゆかり。
「お姉ちゃんの言う通りよ。愉しんでね。それにしても蘇芳様のお尻の穴綺麗。崩れてないもの。綺麗な菊・・・・・・」
そこまで言って浣腸器を。またしても圧迫感が私を襲う。さっきよりも苦しい・・・・・・。それに便意も。ゆかりが浣腸器を抜いた時、少し肛門からグリセリンを吹き出してしまった。
「蘇芳様、今拭きますから・・・・・・」
「関本さん退いて! 白羽さん、一体誰が出して良いと言ったのですか? 答えなさい」
「・・・・・・・・・・・・」
「痛い! 」
お尻に渾身の平手打ちが・・・・・・。その痛みが全身を貫きまた肛門からグリセリンを吹き、且つ少量だけど失禁も・・・・・・。そして双臀が真っ赤になるまで続けられ、その都度肛門か尿道から漏らしてしまう・・・・・・。そして呼応する様に愛液が銀糸の筋を・・・・・・。
「入れた分がかなり出てしまいましたね。次からは水で薄めて量を倍入れて」
「蘇芳ちゃん、我慢してね。これで昔の蘇芳ちゃんに戻してあげるから。そして林檎を受け入れて・・・・・・。姉として妹をお願いしたいの」
切れ切れに、囁く様に苺さんが耳元で私に吐露した。そして叱咤されての注入。さっきのより冷たく重く感じる。倍量はは相当にキツい。お腹が弾けそうな感覚。膨満感とでも言うのだろうか。前に入院した時の内視鏡検査を思い出す。そしてお尻に違和感を感じた。そして段々と膨らんできつくなっていく。
「バルーンの肛門栓をね。貴女の肛門だらしなく緩いから。でも肛門は壊したりしないから安心して。こんな綺麗な身体にストーマなんて付ける様にしちゃったら、私主任に殺されちゃうわ・・・・・・それにしても綺麗な身体ね。肌もラインも」
声しか判らないけど、どこか小馬鹿にした様なトーン。でも今の私は受け入れるだけしか出来ない。
「蘇芳さん、ごめんね。私は貴女に恨みも嫉みも無いけど、二人の先生の代わりという事にしておく。それと間違いなくこの状況に怒っているだろうあの子の分・・・・・・」
孝崎さんは淡々と話し、浣腸器を肛門に刺さっている栓をそのままに、真ん中のワンウェイバルブに浣腸器の先を入れ、内筒を押して自身が溶いたグリセリンをゆっくりと入れていく。優しいからで無く、栓越しだと注入の勢いが削がれ腸内の圧が必然として遅くしている様だ。
「孝崎、終わりました。緑さん、冷子さんどうぞ・・・・・・」
ラブホで緑さんを犯した私。罰を受けるのは当然と言えば当然。でも冷子さんとは特段関わりはないんだけれど・・・・・・。その事で抗議はしてみたけれど、鼻で笑われてしまった。
千葉冷子。学院OGにして千葉緑の従姉妹。怪我で演奏家を断念し、現在商業音楽のコーディネーター、調律師。聖堂での最悪の出会い。私の義母に酷似したきつい口調とその容姿、今の異常な状況が忘れていた小さい時の記憶を思い出させた。
それは・・・・・・浣腸のお仕置きこそされなかったけど、義母にされた全裸で庭での正座、空気穴の空いた衣装ケースに固い身体を無理に丸められ詰め込まれる、土下座全裸での義母の足舐め・・・・・・等々。かつてされたそんなお仕置きの記憶が私の心胆を寒からしめる。
「白羽、これでお前が真人間になる様に、心を鬼にしてやるよ。私もお姉も心では泣いてるんだよ。だから・・・・・・」
「千葉さん、ご託はいいから早く入れてあげて。まだ後が居ますから」
看護師さんがまたしれっと言う。悔しさと辛さと苦しさに歯を食いしばり、手に力を入れる。
「それじゃ入れるから・・・・・・」
済まなそうに言う。でも注入の圧は孝崎さんの比ではなく、お腹が避けそうに膨らむ感じ。続けて冷子さんが入れてきた。冷子さんは義母の様に何も言わないで一気に入れてきた。
「苦しい・・・・・・。吐きそう・・・・・・」
実際、胃液が逆流してきて口の中が酸っぱい。呟きを耳にした冷子さんが看護師さんに見つからない様にささっとハンカチで口をぬぐってくれた。
「耐えて。お願い。乗り越えて改心して。貴女には未来が有るのよ」
そう言って立ち去っていく。義母とは違う。些細な事が嬉しかった。そして色々と用意が有るからと有るからと孝崎さんと部屋から出て行った。次は看護師さんが散々私の事を嘲笑しながら入れ、残るは小夜花とカメラを担当していた林檎さん。後来るかどうか別だけれど、今此処に居ない槙先生、主任さん・・・・・・。
「プルルルル、プルルルル・・・・・・」
部屋にコールの音が響く。看護師さんが慌てて何処かと話をしている。終わってから皆に呼びかけた。
「今から根本さんが来ます。先に林檎さん、グリ浣をして下さい。カメラは苺さんに変わって」
「苺姉、このまま撮って。弄っちゃダメだよ」
「判ってるって。さっきだって林檎が居ない時に、蘇芳ちゃんがおまるにおしっこして恍惚の姿をスマホで撮ったんだから。任せな」
うそ。あれも撮られていたの・・・・・・。苺さん酷い・・・・・・。
「小夜花。気がついたんだー。お姉ちゃん良かったー。小夜花ったら本当に心配をかけて全く・・・・・・」
「うん。そう・・・・・・」
ゆかりはとても悦んでいる。でも花子は生返事で浮かないトーンで答える。どうしたんだろう?
それにしても良かった先生達は来ないんだ。そうなら後二人。何とか最後まで我慢できそう。そうは思ったけど、時間と共に排便の圧力は蓄積されていってる。うっすらとかいていた汗も今は滝の様になっている。大きく息をし、息を整え、そして腰をふり少しでも楽に・・・・・・。
「あ、フー、ハアハア。が、我慢よ蘇芳。こんな事で・・・・・・。あー、ダメダメ。フー、フー。ハアハア。あ、少し楽になった」
「蘇芳ちゃん、こういうの好きなの? う、うん悪い意味じゃなくって。今の蘇芳ちゃん見てると何だかとっても女してるんだもん。だってとっても綺麗で怪しくって。気持ち良さそうで辛そうで・・・・・・羨ましくもあるし・・・・・・。引き続いて血を飲めば私もこんなに? 」
「林檎さん? 一体何を・・・・・・」
「おまんこが凄い事になってるんだよ。蘇芳ちゃん。ヨーグルトみたいのがだらだら出てきてる。これって本気だ感じてる時に出るやつでしょう? 」
「蘇芳ちゃんがこういうのしたいされたいなら、私を相手にして。私蘇芳ちゃんの望む事なら何でもするしさせてあげる。だって私達はこれからずっと血の契約をして結ばれるんだもの。あ、でも苺姉はここまでしないかな? 」
「ち、血の契約? 」
「そうだよ悪魔じゃないけど、まあ同じ様なもの。詳しくは後で話すから。今は過去との決別のお仕置き。これで蘇芳ちゃんは自由になれる」
そう言って林檎さんがグリセリンを入れてきた。中々入っていかないのに業を煮やして看護師さんがお腹を揉みしだく。
「あ,あー。奥にまで冷たいのが・・・・・・」
何時の間にかグリセリンはかなり冷たくなっていた様だ。小康状態だった腹痛がまた沸き起こる。
「もうダメ。せ、栓を抜いて・・・・・・」
「甘ったれない。未だ全員終わってないのよ。林檎さん栓を抑えてあげて。この子、圧で飛ばしてしまうかもしれないから。それからお仕置きなんだから乞われてもクンニとかしちゃだめよ」
苦しい。漏れる。でも我慢・・・・・・喘ぎ声を意識的に出し必死に耐える。手に力が入る。掌に爪が食い込む。林檎さんは真っ赤に腫れたお尻に舌を這わせ私をサポートしてくれている。それが今許される最大限の愛撫として。
「遅くなって失礼。連れてきました。ただ、こんな状況なんで、したら直ぐに別館に帰させて下さい」
槙先生と主任さんの声。同時に病室がざわめく。近寄ろうとする病室の友達を看護師さんと主任さんが制止する声が聞き取れる。
そうして私の横にストレッチャーが。冷子さんがハンカチを使った時、遮眼帯がずれたのでチラッと横目で見ることが出来た。そこに見えたのは・・・・・・。
「ミイラ? 」
全身に包帯? テープ? を纏ってコードとチューブだらけのひとがたが載せられていた。一応動くから人形では無い。でも人間には見えない。
先生がそれの体を起こし、腕を取って二人で浣腸器を私の肛門に突きたてグリセリンを入れた。先程までの注入と異なり不思議とするりと注入を完了した。しかし・・・・・・。
お腹の中には信じられないくらいの大量に注がれたのグリセリンが爆発寸前なのだ。また直ぐに排泄感が沸き立ち苦悶する私。今度はかつて無いほどのきつさ。歯を食いしばり息を荒くするそんな私の顔の横に。ミイラ然とした頭が寄せられた。今度はその姿がしっかり見える。
「蘇芳様。小夜花です。部屋の外で隔離状態を維持するという事でこんな格好をしています。失礼と思いますが許して下さい。蘇芳様これからも私を・・・・・・。す、捨てないで。お願いですから・・・・・・玩具にしてくださって良いですから。最下級の奴隷で良いですから。友達を売った私には・・・・・・それでも・・・・・・」
マスク越しにくぐもって消え入りそうな声。声は間違いなく小夜花・・・・・・。小夜花、貴女一体どうしたって言うのよ。そんな身体になって。それに未だにそんな事を言うの? 私のせいでこんなに成ったんでしょう。恨み言を言って、言って頂戴・・・・・・。小夜花、ごめんなさい」
「いいえ。謝らないで。蘇芳様はどんな時も小夜花のご主人様で居て下さい。それでは私は隔離室に帰ります」
槙先生と主任さんが小夜花を連れ出して帰っていった。戻って来るまでの間、地獄の苦しみが私を襲う。恥も外聞もなく声を出し、腰を動かし必死に耐える。栓が効いているから吹き出す事は無い。でもそれゆえに苦しみは倍加する。
「お願い。出させて。もう我慢できません。何でも言うことを聞きますから・・・・・・。苦しい・・・・・・。もうダメー」
「あらあら。みっともない。恥も外聞もないわねー。でもお二人が戻って来ないうちは出させてはあげないわよ。でもまあ本当に限界みたいだから・・・・・・。これで気を紛らして」
「痛い! 痛いです・・・・・・。外して、外して・・・・・・」
気を紛らす。そんな屁理屈で 両乳首に洗濯ばさみを付けられてしまった」
「じゃ外してあげる! 」
いきなり洗濯ばさみを引きはがされた。緩めたりもせずに。
「ギャー! 」
あまりの痛みに絶叫した。
「槙です。どうしました? 廊下まで悲鳴が聞こえましたけど」
「いえ。何でもありません」
「それじゃ、主任も先生も全員揃ったんで、尻の栓の空気を抜くわ。皆見ておきなさい、白羽蘇芳の不浄が身体から出るのを! 」
「見ないで! 見ないで・・・・・・。お願い・・・・・・。ダメ、出ちゃう! 嫌・・・・・・」
栓を抜かれた瞬間、爆発する様な勢いで排泄した。おまるなんて間に合わない。槙先生がとっさに反応して掃除用のブリキの深いバケツで受け止める。そのバケツが間欠的にばしゃばしゃと音を立てるのが耳に入る。最初は浣腸液。その後は固形便、続いて軟便。永遠の時間を感じる。止まらない・・・・・・。
「臭いわね。こんなに綺麗な顔をしてこんなのするんだから・・・・・・。出して良いっていったけど、こんなに臭いのを出して良いなんて言ってないわよ。返事をしなさい、白羽蘇芳。腐臭漂うものを出してごめんなさいって」
「ごめんなさい。臭いもの出してすみません・・・・・・。またでちゃう・・・・・・。と、止まらない・・・・・・」
「何よ言ってる側から垂れ流しなの? 」
「すみません。すみません・・・・・・」
「まだで出てるじゃないの! イルリガートルで高圧浣腸して腸内洗浄するから。槙先生、主任、後は単なる処理ですんで、後から来た子もそうですけれど、お友達の方は帰っていただいても・・・・・・」
「そうですね。ではそうします。それじゃお前たちはここを出て帰れ。千葉は後輩を頼む。私は根本を連れて行くから。別館に置いてきたら、白羽の面倒を見るからここにまた戻る。用事が有る時は此処にコールしろ」
「はい・・・・・・。先生・・・・・・。あの子も白羽もよろしくお願いします」
「千葉、お前には色々苦労をかけるなぁ」
「ありがとうございます。先生が気にかけてくれて嬉しいです。召天記念日の演奏、楽しみにして下さい」
「白羽、もう少しの辛抱だ。もう殆ど透明だよ。良く頑張ったな」
「そうよ。あの子は貴女に私怨が有るから。少しやりすぎよね。後で注意しておきます。それにしても白羽さん良く頑張ったわ」
優しい言葉に泣き伏す私。あの後意地悪な看護師さんは、高圧浣腸の用意をして時間切れ。突発の夜勤と言う事で持ち場に帰って行った。
皆が帰り、槙先生がここに戻ってからから、主任さんの手でイルリガートルで私の腸内をお湯で洗腸する事になった。何度も入れては出し、排泄物が無くなるまで、綺麗なお湯がそのまま出てくる様になるまで何度繰り返しただろう。そして荒れた肛門に軟膏を塗り処置をしてくれる。
「肛門の事だけど、暫くは痛いかもしれないから自重して。便秘の固いのだと拙いから・・・・・・。必要な時は随時お薬出すから」
「はい。そうならない様に自重します」
「白羽、お前お腹の中すっからかんだろ。なんか奢ってやるよ。でもお前をぱしりに行かせられないのがなぁ。つまらない怪我しやがって。しゃーない私が買いに行くか。主任さんの分も買ってきますよ。アルコール込みで」
「それって先生が飲みたいだけで、私は単にだしって事じゃないの? 」
私達は病室の床に敷いたシートの上で車座になり、私は先生のおごりでスイーツとジンジャーエールをご馳走になる。大人の二人はスイーツ+ビールにチューハイとつまみ。ほろ酔いでビールを飲む二人とシラフの私。その時主任さんが意外な事を口走った。
「ねえ。白羽さん、私、貴女の事が色々心配なの。でね、今度学院の方に転勤しないかってお話があってね・・・・・・。その話に乗ろうかと思ってるのよ」
「学院に? 此処を辞めて? 」
「そうよ。学院の理事長から正式にお話を頂いてるの。ほらここは白木の傘下じゃない? 引き抜きというよりは転籍ね。条件はここよりも全然良いの。私ここで責任ある立場だから悩んでいたんだけど、今日の貴女を見て貴女に対する気持ちを理解したわ。貴女のお姉さんになって上げる。ううんなりたいの。迷惑かしら? 」
「白羽、私としても学院に有能なスタッフか増えるのは願ったり叶ったりなんだ。生徒にトラブルメーカーが多いから解決出来る、使える人が欲しいし、学院が変わるのには外の血が居る。唯、理事長は白木の父親だ。そっちの意を酌む事も多いやもしれない。お前的にはそれを生理的に受け入れられるか? 譲葉とお前は・・・・・・」
「そうなんですか。私的には主任さんが学院に居てくれるのは望外の事です。反対する理由は無いです。是非いらして下さい。アキラも喜びます。譲葉の事はもう吹っ切れてます。葉子さんとうまく行けば良いと思ってます。唯、私にも学院に居る時にどうしてもやりたい事があります。反対、妨害せずにそれを認めて頂ければ・・・・・・」
「それは何だ? ハーレムでも作るのか? お前が本気出したら草も生えないだろ? 」
「まさか。遺伝子が欲しいんですよ。理想の子供のために。夫も彼氏も要らない。どうせ私はそういう志向です。でも女ですから子供は産みたい・・・・・・。でも現状女だけで子供は出来ませんし、IPS細胞でも未だですよね・・・・・・」
「何を言ってるンだ? 悪酔いしたのか? でも飲ましてはいないし。シラフでそんな話をするとは。聞くだけは聞いてやるよー。学院一生徒に人気の先生に話をしてみなさい、白羽君! 」
「槙先生。もう出来上がっちゃって。私もちょっと聞きたいな。だって私は貴女のお姉さんになるんだものー。あん、ビール取って。サラミも・・・・・・」
「本気で聞く気あります? あるならその先は・・・・・・。私にもお酒飲ませてくれたら話します」
「お前そんな事を・・・・・・。正気か? 酔いが醒めるじゃないか・・・・・・」
「本気なの? 白羽さん? 飲んだ勢いでの作り話じゃないの? 」
「本気です。ですから譲葉は葉子さんと一緒になってもらって結構。私が欲しいのは譲葉が溺愛する弟君の精子です。かつて私を愛した女。私も愛した。そのDNAを持つ子供を産み育てる。そしてファミリーになって・・・・・・。心の寄生木、いや冬虫夏草の様に・・・・・・。実現のための外堀を埋める布石は既に打ってありますから」