「蘇芳様、花子というのは・・・・・・恥ずかしいです。和田と呼んで戴ければ・・・・・・」
「何で? 女の子らしい良い名前じゃないのよ。これから先輩は花子。そう呼びますから。異議は受け付けません。これは決定事項です。返事は? 」
「はい、承知いたしました。分を弁えない口を聞いてしまい申し開きの余地もございません。蘇芳様に名前で呼んで戴けるのは身に余る光栄です」
「本当に? なら従って頂戴。ほら、話を続けるのよ」
「申し訳ありません。あのね貴女も知ってると思うけど、蘇芳様の恋人だった会長と葉子さんのカミングアウト。その事の裏に私の妹と根本さんが関わっていてね・・・・・・」
先輩の話は、想像以上に重くキツい話だった。沙沙貴さん風に言えば正にエグいだ。八代先輩の家族を人質にしてノーと言えない状況に追い込み強引に手に入れる。法律的にもがっちりとだ。そこまでは私も知ってはいた。それだけでもあり得ないぐらいの悲劇。
しかも八代先輩を言葉巧みに連れ出し、気絶させ縛りあげて寝取りをしかけて性奴の様にして更に貶める。その指南をしたのが関本さんと根本さんで止めなかったのが和田先輩。その経緯を蘇芳さんは八代先輩の口から聞かされ、その印を付けられた奴隷落ちした身体を見せられる。そして最初で最後のセックスをしてそれを最後に恋人から他人の関係に・・・・・・。
その事で蘇芳さんがこうなってしまったのも少しは判る気がしてきた。でも、床で土下座の姿を崩さない二人のクラスメート。縛られたまま床に正座し、私に涙を流して蘇芳さんとのことを説明する和田先輩の姿はあまりに悲惨。蘇芳さんの残酷な仕打ちはやはり常軌を逸している。
これはただのリンチだ。なんとしても止めさせて三人を救い出さないと。私の背後の蘇芳さんは土下座の二人の背に座ったり、洗濯バサミで身体中を挟んだり、ルレットを背中に走らせて傷を付ける。そうかと思うと性器を愛撫したりといいように弄んでいる。しかもわざと私達に聞こえるように、何をして今どうなっているかを呟き続けている。
「立花さんこの子達ね、気持ち良くなっちゃって大変なの。本気汁でベトベトになってるのよ。見てこの白く粘るドロドロのヨーグルトみたいなの。立花さんはこれ見ればこの子達の今の気持ち判るよね? 何よ、無視して・・・・・・感じ悪いわ」
「仕方ないわね。立花さんが私達を理解出来る様に、もっと真実を見て貰うわ。この子達のマスク外して口枷外して口を使えるようにするから・・・・・。ゆかりも小夜花も全身全霊をかけて立花さんにお願いを、しなさいね。ほら、シャンとしなさい」
鞭の音共に二人がのたうち回る音がする。後ろからの蘇芳さんの挑発、そして二人の喘ぎ声と調教の嘆願をひたすら無視して和田先輩との会話に集中する。
「花菱さん。最後に・・・・・・お願いですけど、蘇芳様を嫌いにならないで下さい。私達は今この様な事になっていますけれど納得して甘受してますから・・・・・・。このまま蘇芳様の奴隷となって償いを・・・・・・そして花菱さん、蘇芳様の言う事を聞いて下さい。私達を調教してください。お願いします」
和田先輩はそう結び、後手に縛られたまま、身体を前にべったりと倒し土下座のような姿になる。
「えっ、だって・・・・・・。和田先輩、頭を上げて下さい。蘇芳さんは私が何とかするから、もう正気に戻って。蘇芳さんに弱みを握られたからって、こんなことはもう終わりにしましょう、和田先輩。蘇芳さん、これはあまりに勝手な・・・・・・ただの私刑です。やっぱり私は受け入れられません。蘇芳さん今すぐ三人を解放してあげて。もう十分に気が済んだでしょう? これ以上こんな酷い事は止めて。もう我慢出来ない! 先輩、今縄を解くから待ってて」
私は和田先輩を抱き、身体を起こして縄を解きにかかる。しかし結び目は固く締まり私の指の力では中々緩んでくれない。
「和田先輩、後もう少しお時間を。もう少し待ってて・・・・・・」
歯を使い何とか緩める事が出来た。一旦緩むとその先は造作無い。ただ性器にのめり込んでいた瘤の部分だけは別で、半ば乾いた愛液を糊にラビアにしぶとく絡みついている。それを剥がしてる間、和田先輩は喘ぎ声を上げ続け、新たなる愛液が脈打ち出てきていた・・・・・・。あえてその事には触れずに先輩の身体を抱きしめた。こんな身体にされてしまっているのね・・・・・・。蘇芳さんに怒りの視線を向けようとするとクラスメートの二人が居るだけでそこには居なかった。
「花菱さんは・・・・・・。お優しいのね。でも、それは・・・・・・命取りよ。蘇芳様は意志は絶対なの。貴女も堕ちてみましょう。そうすれば貴女にも神が見えるから・・・・・・」
「なっ,何を。何するんですか。和田先輩・・・・・・離して下さい。く、苦しい・・・・・・です」
「立花さんは、私の事理解してくれると思っていたのに、残念。ゆかり、小夜花。貴女達もこっちに来て。立花さんにもお仲間に成って貰いましょう」
床に女の子座りで着座している私。正面から和田先輩にがっちりと抱き留められて動けない私の耳元で、蘇芳さんが囁く。そして二人が来て私は脚を無理やり強引に伸ばされてそしてがっちり抑えられた。和田先輩が私から離れ後ろに回り制服を襟の所から左右にはさみで裁断していく。ジャキジャキ・・・・・・その音に戦慄した。抵抗したら無事では済まない。そんな気にさせる音だった。
蘇芳さんは私の正面に回り、和田先輩からはさみを手渡されスカートの方から上に向かって裁断を始める。怖い。尖った先が、私の顔に向かって迫ってくる。不気味な生地の裂ける音と共に・・・・・・。蘇芳さんの顔は笑みを浮かべて楽しそうに見える・・・・・・。この状況を愉しんでいるの?・・・・・・。
「お願いもう止めて・・・・・・。殺さないで・・・・・・。怖い・・・・・・蘇芳さん、正気に戻ってよ・・・・・・」
「ごめんなさいね、立花さん。怖がらすつもりは無かったのよ。だって怖がると立花さんは必ずお漏らししてしまうでしょ? まあそれは冗談。立花さんには恨みも無いしあまり手荒な事にはしたくなかったけど、言う事聞いてくれないからよ。制服は新しいデザインのが届いたら弁償するね。さてと裁断は終わったわ。皆で立花さんを床に腹這いにして頂戴。大の字にして。言うこと素直に聞いてね、立花さん。なるべく乱暴はしたくないのよ」
蘇芳さんと先輩が、破かれて服の態をなしていない布地を私の腕から外していき、私は下着姿になり四人に床にのされた。そしてブラのホックを外され身体の下から抜き取られ、ショーツの左右をはさみで切られ靴下だけの姿にされてしまう。そして腰の下に畳まれたタオルケットをかまされて持ち上げられてしまった。皆が見ている前で私の性器やお尻の穴が晒される。ここに来てからの出来事を見、体験して性器からは愛液が滴る様を皆に見られてしまった。身体をよじって抵抗するもびくともしない。
「いやー。酷い。乱暴しないって言ったじゃない」
「ごめんね。"したくない"とは言ったつもりだけど"しない"とは言ってないわよ? 立花さん勘違いしちゃったの? それにしても酷い濡らし方。級長さんがこれではね。示しが付かないんじゃなくって? お尻の穴もヒクヒクしてるし。あーあ、言ってる側から恥ずかしいお汁がどんどん出てくる出てくる。はしたないの人ね立花さんは。花子、ワセリンとニトリルの手袋を下さいな」
「はい、蘇芳様。今用意します」
「立花さん、私ねマユリさんと貴女の仲を裂こうなんてこれっぽっちも思っていないの。でもね、浮気はして欲しいのね。立花さんがマユリさんに操を立てたって、彼女どうせ向こうで金髪ブルーアイの子といい仲になるわよ? マユリさんは今でも美術部の先輩とかともしてるでしょ? 立花さんだって、マユリさんに改まっては聞けなかったけど、知ってはいたよね? 身体見ればわかるもの・・・・・・。あらどうして泣くの? 図星を突かれて悔しいのかしら? 」
「いつ、何時から知っていたのよ・・・・・・蘇芳さん」
「そうね、部費が免除になった辺りかしらね。悔しいなら浮気の仕返しをすればいいじゃない。立花さんはあの子にもう私のモノだからって軽く見られてるのよ。だから今度だって、一人で行ってしまうでしょ? イギリスに」
「蘇芳様、準備できました」
「ありがとう。花子。ゆかりももこっちに来て。小夜花、一人で悪いけど立花さんの身体の上に乗って抑えて頂戴。そう前向いて馬乗りに。それで、お下げ緩めてメガネを外してあげて。マユリさんは、メガネの立花さんが好きみたいだけど、私は素の立花さんの方が好きなの。ずっとずっと魅力的」
好き? 確かに、マユリはメガネにお下げの私が好きみたいだったわ。コンタクト買うのにあまりいい顔しなかったし・・・・・・。そんな事を考えていると私の上に根本さんが跨がってきた。でも根本さんは優しい。体重を全部は載せてこない。そしてお下げを解いていく。メガネを外してそれを私の手に握らせた。優しさ故と思うけど、これで片手が塞がってしまった。
「花子、ゆかり、貴女達も手袋して。いつも腸を綺麗にしている貴女達と違って、立花さんのお腹の中は便が詰まってるかもしれないからね。貴女達のテクニックを見せて頂戴。立花さん、安心して。この子達はお尻の穴のベテランなのよ。丁寧にA感覚開発のトレーニングしてくれるからね。それじゃニトリルの手袋をしましょう」
蘇芳さんはそう言い、右脚を抑える側に回った。左足は関本さんが跨がっていて動かせない。三人、六つの目が私のお尻の穴を凝視している。今は自分でも愛液が出ている様が判る。これからの行為に期待をしてしまっている私がその主因。恥ずかしさで気を失いそうだ。小夜花さんは手で私の髪を撫で続け、時折耳をいじって私が感じる様を愉しんでいるようだ。そしてそれは私を現実に戻す。
「ゆかり、立花さんのここを見ての感想は? 」
「とても濡れていて、キラキラしていて綺麗です。色は、ピンク色で羨ましい。形はまだ未発達だと思います。ラビアも小さいし。でもクリトリスは大きいですね。そしてお尻の穴はしわも整っていて美しいです。そしてヒクヒクしているのが・・・・・・イヤらしいです」
「花子はどう思う? 」
「はい、おまんこは年相応の発達具合と思います。前つきですね。あとゆかりの言う通り、クリトリスが大きいですね。これは将来、いろいろと出来るので良いと思います。お尻の穴は、すごく魅力的だと思います。綺麗だしこの動き方は拡張にも耐えられそうです」
「か、拡張? 」
和田先輩の言葉に耳を疑う。発した声が裏返ってしまった。蘇芳さんもその言葉に反応した
「花子、詳しく話しなさい。私も興味があるから」
「あら、蘇芳様も? 立花さんのお尻の穴すごく柔軟です。普段からこれというのは素質と今までの"おいた"の経験量を感じます。ワセリンを潤滑材にこれから指を使って肛門マッサージします。先ずは外から、周りを揉みます。そして十分に解れてきたところで、指を挿入します。もちろんたっぷりとワセリンを塗布してください。そして円運動を基本に肛門を広げていきます。この時、決して焦ってはいけません。まだ今の段階はマッサージの意識でしてください。立花さん、どう? 痛くないでしょう? 」
「はっ、はい。和田先輩。とっ、とっても気持ちいいです。かっ、身体が、し、子宮が熱くなって・・・・・・」
「あらあら、痛くないのかって聞いたのに、気持ちいいしか言わないなんて困った人ね。立花さんのおまんこ、マッサージしてから白い本気汁が泡立てているわよ? ゆかりも見てあげて」
「花菱さん、すごいわ。素質有るよ。小夜花も見なよ代わるから」
私の上から、小夜花さんが下りた。でも、あまりの快感に動き出せない。大の字のままただひたすら息を荒くそしてあえぐ私。
「ホント。お固いと思ってた委員長にこんな趣味が有ってうれしい。私は緊縛派だけど、ゆかりと先輩はアナル派なのよ。良かったね、これからもっともっと気持ち良くしてくれるから・・・・・・」
「小夜花ちゃんもA感覚に目覚めてみない? 皆で一緒に愉しみましょう。私のお尻、小夜花ちゃんに苛めてもらいたいな・・・・・・」
「まあ、仲がいいのね。それはいいけど、立花さんをほったらかしてはいけないわ。白目向いてきてるわよ? 」
「そうですね。蘇芳様すみません。で、解れてきて指を入れるんですけど、立花さん・・・・・・便秘みたいで、指に当たって・・・・・・ちょっと無理です。排便して出さないとこの先は・・・・・・」
「立花さん、聞いた? 直腸に便が滞ってるそうよ。どれくらいしていないの? どんな感じなのか私も指を入れてみるわね」
「・・・・・・・・・・・・」
「何よ、逝っちゃってるじゃない。仕方ないわ、ゆかり特製の電子ライターのあれを使って起こしましょう」
ぼんやりとした頭にそんな言葉が聞こえてきた。そして身体を走る静電気のような電気ショック。何度も繰り返し行われた。その衝撃に否が応にも身体が反応し意識が現実に返ってきた。そして性器に直撃のトドメの一発で私は失禁してしまった。
「蘇芳様、やりすぎです。今後始末をしますから、まずはかかってしまったお手をお拭きになって下さい。ゆかり、タオルを・・・・・・」
「ありがとう。床のは拭くのは待ってて。立花さん、この汚した後始末をして下さらないかしら」
蘇芳さんの言葉に従い、身体を起こしタオルを捜しキョロキョロした。刹那、頭を掴まれて水たまりに押しつけられてしまう。
「甘ったれない。自分の舌で舐め取るのよ。四つん這いになって。それがこの部屋のルール。守ってくれないと困るわ。級長なんだもの」
反論しようにも、女王様モードの蘇芳さんにはそんな事を許さない様なオーラというか、威厳が感じられる。本能が従えと言ってくる。意を決して生暖かい液体を舐める。元は血だったと思って懸命にすすり、舌で舐め取った。するとゆかりさんがキスをしてから顔を拭いてくれた。
「で、何日便秘しているの? 言いたくないなら今度は改造スタンガンよ。威力はさっきの比じゃないわ。立花さん答えて」
「今日で・・・・・・一週間になります。これ誰にも言わないで・・・・・・お願いだから・・・・・・」
「秘密にする事でも無いでしょうに。そう、一週間ね。長いじゃないの。苦しかったでしょう? 花子も、ゆかりもお薬やお浣腸に詳しいから、頭を下げてアドバイスしてもらうと良いわよ」
「立花さん、あのね一週間だとお薬よりも・・・・・・」
ゆかりさんが、私に話しかけたとき蘇芳さんがゆかりさんを叩いた。先走らないで。立花さんが頼み込むのが先。そう言って私を見据える蘇芳さん。
「関本さん、ご指導ご鞭撻お願いします」
「ダメよ。花子にもお願いして。そして正確に頼みなさい」
「和田花子先輩、関本ゆかりさん、私に排便の仕方についてご指導ご鞭撻の程を宜しくお願いします。不浄なものをお見せしてしまうと思いますが、見捨てる事無く宜しくお願いします」
熱に浮かされるように、言葉が出てきた。これが堕ちてしまったという事なのか・・・・・・。蘇芳さんを見やると満足げな顔をして私を見ている。そして右手の人指し指を私に差しだしている。
「立花さん、良く見て。この爪の所。これね貴女のう・ん・ち。汚いわよねー臭いし。ここまで言ったら次に何をしたらいいか判るよね? 」
私は、あまりの惨めさに泣いた。蘇芳さんが何を私にさせるのかが判る。だからそれだけは止めてとブンブンと首を振り全力で拒否した。しかしそれは・・・・・・蟷螂の斧でしかなかった。蘇芳さんは私の髪を掴み力任せに振り回す。
しかも笑って・・・・・・。怖い・・・・・・。
脳が揺れる。そして鼻を摘ままれて口を開かされた。間髪を入れずに汚物の付着した指を含まされ、気がつくとその指を必死で舌で綺麗にしている私。舌の動きが鈍ると、蘇芳さんは喉深くに細くしなやかな指をぐいっと押し込み私の喉の奥を突く。あまりの苦しみに私は何度も何度もえずいた。
蘇芳さんが満足するまでどれくらい時間が経ったろう。何時しか嘔吐物で汚れた顔を蘇芳さんが丁寧に綺麗にしてくれた。私の名を呼びながら頭を撫でる。その時私が汚いモノ、臭かったモノを晒したことを謝罪すると、蘇芳さんはフレンチキスを・・・・・・。
汚いはずの私の口の中に舌を絡ませてきた。そして、これで一緒ね。もう汚くなんて無いわ。そうでしょ? 立花。蘇芳さんの言葉を反芻しながら蘇芳さんに向かって泣き崩れる。今度は優しく抱いて愛してくれた。真顔で忠誠を求められた時、私は無意識に蘇芳さんを蘇芳様と呼んでいた・・・・・・
「先輩、榊先輩。林檎はまだ居る? 」
「あら今度は苺ちゃんなの? 林檎ちゃんは帰ったわよ。部屋に戻っていないの? 」
「うん。わかった。それじゃ戻ります」
「まって。急ぎの用事じゃないのならゆっくりしていってよ。コーヒーでも淹れるから」
「それは・・・・・・。先輩次第です。先輩、林檎はここで何の相談をしてどんな結論を出して帰って行ったのですか? 」
「内容は秘密よ。言えないの。林檎ちゃんとの女の約束だから。苺ちゃんは知らない方が良いわ。そう、知らない方が・・・・・・」
「どうして教えてくれないのですか。今朝林檎はすごく深刻そうな顔をしてた。そんなことを林檎一人に背負わせたくはないの。覚悟は有りますから教えてください」
部屋で片づけ物をしていると、苺さんが部屋を訪ねてきた。朝別れてから林檎さんの姿を見ないというのだ。ここで動画を見てから何処かに消えてしまったらしい。もし林檎ちゃんに何か有ったら私にも責任の一端が有る。土下座で頼み込む苺ちゃん。応えたくなるけれど、約束は約束。勝手に破るわけにはいかない。考えあぐねた上、ある提案をした。
「ねえ、苺ちゃん。幾つか質問をします。その結果次第では、内容をお話出来るかもしれないわね」
「質問? ですか・・・・・・」
「苺ちゃんは、暴力に対してどう思うのかしら? 」
「いきなり、ですね。反対に決まってます。当たり前です」
「DV、ドメスティックバイオレンスについてはどう? 所謂、家庭内の暴力事件だけど、今回は恋人友達相手の事として是非を聞かして」
「対象が変わろうが、暴力は良くないです・・・・・・」
幾らか歯切れが悪くなってくる、苺ちゃん。
「苺ちゃん、蘇芳さんに酷い事した事あるわよね? 例の脱柵の時に。アレはどうなの? 仕方ないってあなたは思ったかもしれない、でもやられた側はどうかしら? 蘇芳さんはお友達だからって許してくれた様だけど・・・・・・」
「あの時は、仕方なかった。でも今でも悪いことをしたと思ってます」
「私が言いたいのは、苺ちゃんの心の広さ。相手の立場で物を考えられる? それを問うてるのよ? もう少し時間が要りそうね。林檎ちゃんと良く話し合って。 私が思うに、部屋に居なければ図書室辺りに居ると思う。それ以外だとそうね、蘇芳さん以外の書痴のお友達が要るでしょう? そこに居るように思うわ」
カウンセラーじゃない私。知恵を絞り何とか言いくるめて窮地を脱した。私にもう少し力があればいい方向に導けると思うだけど・・・・・・。最近は二人で交わしている交換日記も、少し倦怠感が漂っている。私は苺ちゃんが好きだし、苺ちゃんも私のことを好いてくれている。でも苺ちゃんは私ほどラブではないようで結構辛い。
林檎ちゃんが蘇芳さんにした様には私は出来ない。あんなに全身全霊をかけて口説きには行けない。立場、歳の差、諸々、色々と言い訳のタネは有るけど最大の問題は・・・・・・。
過去の、ここに来る前の学校での出来事。同級生の女の子に出した手紙を皆の前でバラされハブられホームルームでつるし上げられてのカミングアウト・・・・・・。先生すら私を笑い物にした・・・・・・。あれで私は卒業までの間、クラス、いや学校で変態扱いされ孤立し陰に籠もるようになった。それでも休めなくて生き地獄だった。あのトラウマが私をへたれの臆病にさせてしまった。ここでは少なくとも生徒の間では同性愛はタブーではないけれど、学院側では決してそうではないので慎重に成らざるを得ない。前の学校の時は、同性愛の発覚で母親変わりの叔母に大変な迷惑をかけてしまったから・・・・・・。そして顔の利くここに放り込まれ、私は今も叔母の後輩の鈴木先生を通じてここでの暮らしを逐次監視されているのだ。それに、今の私には人に言えない特殊な事情が発生してしまった。
「ねえ、ガッキー、林檎来てない? 」
「苺さんじゃないの、林檎さんは来てないわよ。というか、苺さんは八重ちゃん知らない? 私に飲物取って来させて、少し寄り道してるわずかな間に突然消えちゃったのよ」
「それって変だね。ガッキーはそんなに機敏に動けないのに。それにしても林檎は何処に消えたんだろ? 」
「図書室に一年生は誰も居なかったわ。何カ所か心当たりを見に行ったけど、やみくもに捜しても行き違いになりそうだからここで待つことにしたの。苺さんも部屋で待っていたらどうかしら」
「いや、私はもう少し外を捜してみる。そうだ孝崎ちゃん、内線の電話持ってたじゃん? あれ使えば良いのに」
それを聞き、孝崎ちゃんがテーブルの上を指さす。そこには二台並んだ端末が。
「持って行ってないのよ。八重ちゃんたら。元々は、私が出歩くときに持ち出すのが基本なんで、八重ちゃんが忘れていくことはしょっちゅうなんだけどね・・・・・・」
「そうなんだ。じゃ一台貸してよ。ガッキー見つけたら連絡するよ。で、こっちに苺来たら教えてくれない? 」
「いいけど、電話の存在をあんまり大っぴらにしないでね。妬まれると面倒だから。外になんて繋がらないのに・・・・・・」
「それじゃ借りてくよ。操作はあの時に覚えたから平気。じゃね、孝崎ちゃん」
「バスキア教諭、どういうつもりなんですか? 手紙のことで部屋から拉致するなんて。大体ここは私室でなく、音楽室じゃないですか。孝崎が心配するから、連絡だけでも・・・・・・」
「だって、えりかさんは何時も孝崎さんと一緒だから、拉致したの。話が有るって言ったでしょう? 孝崎さんは私のこと嫌ってるから・・・・・・。えりかさんはそんな孝崎さんの言いなりだし、仕方なかったのよ。話って言うのは・・・・・・」
「ちょっと待って。私は別に孝崎の言いなりじゃありませんよ。それはバスキア教諭の誤解です。それにえりかさんと言うのは止めてくださいませんか? 」
「そうかしら。夜、何があったか私は知っています。孝崎さんにいいように弄ばれたようね。あんなに大きな声を出したら私だって判りますよ」
「えっ、こ、声が漏れていたんですか? それはともかく、孝崎を悪く言わないで下さい。私から"してって"言ったんです。そして応えてくれました。私に孝崎は悦びを教えてくれました。私、バスキア教諭のこと好きですけど、今の私の一番は孝崎です。だから・・・・・・」
「まあ、本人を前に酷いわね。えりかさんっぽい言い方だけど。それは置いておいて、話を戻すわ。えりかさん、だったら下衆の言い方だけどセフレでもいいから私と付き合って頂戴。私はその少女然としたあなたが好きなのよ。やせぎすじゃなく筋肉質でしまっているフラットな胸に綺麗な乳首。そして細い締まった脚。くりくりの天パーの頭。マダムタッソーに頼んで部屋に飾っておきたいくらいに好き」
「それって、全然褒めてないじゃないですか。つーか私、そんな愛され方をされたくないです。蝋人形なんてゴメンですよ。正気に戻って下さい」
「私は本気よ。今のあなたはどんなことをしても手に入れるだけの価値があるから」
バスキア教諭はそう言い、私を抱え車椅子から引き剥がす。抵抗しようにも、落される恐怖から身体が動かせない。そして奥の防音のスタジオに連れ込まれ、ビニール袋に充満したガスを吸わされた。多幸感に包まれる私。そして他にも薬を使われ、バスキア教諭とセックスをした。薬抜きではあり得ないような快感に溺れた。今はまだ心は要らない。でもね何れそれも手にするから。この快感捨てられるかしら? これからも私といい事しましょうね、えりか。麻痺した脳にそんな言葉がぼんやりと聞こえてきた。
「有った。これの事か。今時無印ね・・・・・・」
カメラ使おうにもメモリカードが無いので使えない。榊先輩は手配すると言ったけどおそらく週明け。そんな事を食堂で愚痴ってたら見知らぬ上級生が情報をくれた。学院のピアノの防音スタジオにカメラに使えるかもしれないメモリーカードが何枚も有ると。そして前室の音楽室からこっそり潜り込み家捜しして見つけた。今では小さい容量で見向きもされない小さいサイズのメモリーカード。それでも無いよりましとカメラに入れてフォーマットする。
そんな時、ダリア先生とガッキーが隣の音楽室に現れた。私はドアを音がしないギリギリまで閉めて物陰に隠れた。そして繰り広げられる赤裸々な会話。録画と言うよりカメラを隠して音声だけを録音をした。
そして二人は隣のブースに入り明かりを消した。防音が効いていて中で何をしているかは不明。でも何をしてるかはさっきの会話の続きであることは間違いない。私は時計を見て息をひそめ、ひたすら隣のスタジオが空くのを待つ。そうしていると外が電気で明るくなり出てきたことが判った。静かにドアを開けると、入って来た時と同様にお姫様抱っこでガッキーを抱いている先生が見えた。音楽室に放置してある車椅子にグッタリしてるガッキーを乗せて先生は消えて行った。
ちょっと、何・・・・・・。あれは・・・・・・。あれがダリア先生の裏の顔? 蘇芳さんのアレなんかの比じゃないよ。怖い。身体が震え鳥肌がたつ。腰が抜けて動けない、暫くここに隠れていないと。苺姉が心配するかな? そんな事を思っていると、苺姉が音楽室に入ってきた。声を出して存在をアピールする私。自分でもうわずって変な声になっているのが判る。
「林檎? 林檎なんでしょ? 何処に居るの? 怪我してるの? ねえ、何処なの? 」
「こっちよ。こっち。腰が抜けて動けないんだ。助けて・・・・・・。苺姉! 」
「よかった。無事なのね。本当に良かったよ。でもこんな所で一体何を? 」
「話すからちょっと待ってて。孝崎ちゃんにも伝えないと行けないから・・・・・・」
すると苺姉は得意げに内線電話を持ち出して、孝崎ちゃんにコールした。
「すぐ来るって。ガッキーに何かあったの? 」