「はい。お電話代わりました。千葉です。あのーどちら様でしょうか? 」
努めて平静に電話に出た私。しかし聞こえてきたのは・・・・・・。
「千葉か? 私だ、養護の槙だ。少し時間をくれ。怪我の事で聞きたいことが有る」
「その前に貴女様の本人確認をしたいのですけど。失礼ですが姓だけじゃなくお名前も頂けませんが? できればフルネームで。それとお誕生日を」
「千葉。お前大概失礼だぞ。声を聞いて私が誰か判ってるくせして・・・・・・真面目に答えろ」
「そうですか。では貴女様とお話することは何もありません。失礼します」
そう言って受話器を戻した。用心するにこしたことは無い。先生なら直ぐに掛かってくる。病院の事務の人に目配せをして待つ事数秒、再びベルが鳴った。番号表示を確認し私が出る。
「千葉か? 判ったよ呑む。槙=キャロライン=千尋、十一月十九日生まれだ。これで良いだろ・・・・・・」
「了承しました。私は千葉緑、在校者番号は104-672・・・・・・」
「判ったよもういい。その面倒くさい性格は間違いなくお前本人だ。本題に入る前に確認するが名前のことは他言無用。いいな? それでだ、・・・・・・話を戻すぞ。沙沙貴はこっちの手の中に有る。偽証は不可能だ。それを踏まえて答えてくれ」
「全く、仕方ありませんね。先生は負けが無いことを確認してから、挑んでこられる・・・・・・ィャらしい人」
先生から、聞かれたことに言葉を選びながら慎重に答えていく私。バスキア教諭と昵懇の中の先生は相当に混乱しているようだ。同じ質問が繰り返されたり、違う方向に露骨に誘導してきたり、怒鳴ってきたり、すすり泣きをしたり・・・・・・。こちらの怪我の状況を詳細に説明できるようになったのは、だいぶ経ってからだった。病院の人に長電話を詫びて、事務室を後にする。
「お姉、もうバレたよ。あの双子が養護教諭にとっ捕まって自白してしまったわ。まあゴリ先相手に黙秘は無理だからなぁ。先生は経緯から何から全てを把握してる。私達には何も言わない事、被害届を出さない事を条件に、最大限の手を尽くすと確約を貰った。それから、労災を降りるようにするってさ。事務の人には話をしてあるとの言質を取ったわ」
お姉の腕を見ながら、電話の内容を説明する。そして先生は未だに二人が姿を消していることが仄めかした。私なりに詮索をしたことを話すと、先生は何度か言葉につまるところがあった。否定も肯定もしなかったけど、概ね正鵠を付いているように感じた。
「それで、緑はどうするの? タクシーで学校に戻る? それとも予定通り泊まって明日一緒に帰る? 」
「今日はここに泊まる。お姉と一緒に寝るから・・・・・・。いいでしょ? 小さいときみたいにね」
「ねえ、そろそろ夕食に行きましょう。ここで食べてもいいけど、食堂で食べるのが筋だもの。範を示さないといけない立場だし」
そう最近、食堂で食事を取る人数が減ってきている。絶対に食堂で食べなくてはいけないわけじゃないのだけれど、がらんとした中で食べるのは淋しい限り。作る方も張り合いがないと思う。異論も有るだろうけど、僕的には食事はわいわいにぎやかに食べたい。しかし・・・・・・私達の様な爛れた関係をしている者が範を垂れるというのは・・・・・・主に嗤わらても仕方ないと思う・・・・・・。
イグニスにて二人でまぐわった後、寮に戻り、仮設置されているシャワーを浴びた。冷水が御禊をした様な気分になった。そして今は寮の自室。葉子が僕の髪を梳いて片側に大きく編み込んでいく。若奥様的なアレンジだ。葉子はアレンジがとても上手。なんでも授業中暇を見ては、僕の髪のアレンジ案をノートの隅にしたためていたのだという。
「終わったわ。ユズ、私の髪を同じ様にして頂戴」
「ご主人様・・・・・・。あまり上手に出来ないのですが・・・・・・」
「あら、首輪を付けていない時はそう呼ばなくてもよろしくてよ、ユズ。葉子でいいわ。上手に出来ないなんて嘘おっしゃい。ユズは何をしても上手じゃない。不得意なのは料理くらいなモノでしょう。でもそれももう克服してきたものね。本当にユズは隙が無いわ」
私は話を聞きながら懸命に手を動かす。必死の僕を余所に葉子はとても上機嫌にしている。
「まだ合唱部に料理部を続けるの?もう潮時だし辞めたら? これから先、今までみたいに自由な時間はないわよ。会長辞めたって私の補佐として貴女の仕事は増えることは有っても、減ることは無いから。まあサッカー部は仕方ないけど。新戦力も加わったしね」
「その話だけど・・・・・・。あんまり露骨な手は・・・・・・。学院丸抱えで補強に回るのはどうかと思う。確かに今まで人数が足りなくてソサイチとしてやってたけど・・・・・・」
「あら不満なの? 折角いろいろなコネを使って経験者とスポーツの達人を連れてきたのに。スカウト担当は特待生崩れって言い方してるけど。三年生は引退するし、蘇芳さんも辞めるんだから。もっと連れてきても良かった位じゃなくって? 」
「人数的にはそうだけど、ここの校風的には・・・・・・合わない子が居るんじゃないか」
「ユズ。ここはこれから変わらないといけないの。伝統も歴史も大事だけど、学校としても態を成さないと淘汰されてしまう。私塾ならまだしも・・・・・・ね。だからユズも私に従って頂戴。皆のこれからが掛かってるのだから・・・・・・。未来のお姉ちゃんの言うことには黙って従いなさい」
葉子が普段は控えている言葉を切り札の様に繰り出してきた。そう、十六に成った段階で僕は白木の家に養子に入ることになっている。それが父を救い、弟の将来のために善かれと選んだことなのだ。
「判かりました。出すぎた口を聞いて申し訳ありません。粉骨砕身してご主人様に尽くします」
「だから。今は葉子でいいって。さすがに何やらせても上手ねユズは」
葉子は仕上がった髪を手でいじりながら鏡を見る。そしてキスをしてきた。あくまでも儀礼的な感じで。スイッチは既に切り替わっているのだ。友達の様に普通に手を取って食事に向かった。
「マユリを見なかった? 」
「見てないわよ。花菱さん、どうかしたの?」
寮でクラスの皆にマユリの姿を見なかったかを問う私。もうすぐ夕食だというのに校内の何処にも居ない。そして沙沙貴さん達、孝崎さん八重垣さんも見当たらない。
「花菱さん、今ちょっと時間貰えるかしら? 」
あまりなじみのない声が私を呼び止めた。振り向くとそこに居たの白木葉子先輩と八代先輩だった。すわ、蘇芳さんの事かと硬直するも、意外なことを私に切り出した。
「今度、収穫祭が有るわよね。その日に花菱さんのクラスに転入生が入るから宜しくお願いしたいの。突然な話で不満も有るだろうけど、その子達の面倒を見てあげてくださらないかしら? 」
「えっ。うちのクラスにですか。バスキア教諭からは何も伺っていないのですけれど・・・・・・」
初耳も初耳。耳を疑った。私達のクラスは何人かが夏を前に辞め、代わりというかその穴埋めといった感じで転入生が来た。もしかして・・・・・・。
「先輩、それってクラスの子がまた幾人か辞めてしまうという事なのですか? 」
「ううん、そうじゃないわ。純増よ。予定通りなら四人になります。うち二人はもうここに着て寮に居ますよ。もうすぐしたらここに顔を見せると思うわ。セッティングするから顔見せに一緒に食事をしましょう」
「そうですね。同席させていただきます。他にそう匂坂、風紀の萩野、保健の関本辺りの何れかを同席させて会わせたいのですけど、宜しいでしょうか? 」
「待ってるから。呼んでらっしゃい」
関本さんはお姉さんと出掛けたの事で寮に居なかった。萩野さんはちょっと前に会ったから良いのだけど、マユリが見当たらない。ロビーに下げられている名札は寮に入る事になっているのだけど・・・・・・。
まず萩野さんの部屋に行き事情を説明する。彼女は私の言う事を最初は信じようとはしなかった。私だってそう。何度も何人も中途で転入してくるなんて不思議すぎる。でも有言実行の白木先輩が言うのだから事実なのだろう。訝しげな萩野さんを促し食堂に行くと・・・・・・。
「立花。こっち、こっち。遅いよ。料理が冷めてしまう」
「マユリ! 一体今まで何処に・・・・・・。そちらの方々が・・・・・・。初めまして。私、一年の級長をしております、花菱立花です。こちらが風紀委員の萩野久美子さんです。よろしくお願いします」
「彼女たちが一年の級長と、風紀委員の方。さあ、貴女達も自己紹介して。匂坂さんは既に自己紹介済みよ」
先輩に促されて二人の女生徒が椅子を引いて立ち上がった。背が高い・・・・・・百七十後半に見える。座ってる時は私達と同じぐらいだと思っていたのに・・・・・・。脚が長いという事・・・・・・。しかもお胸も凄い。孝崎さんよりも一回りは・・・・・・。
「私はマリア=加藤=マーチ、宜しくお願いします。父が日本人で母がアイリッシュです。」
「私は、ファビアナ=イザベラ=ナカガワ=オリベイラ。ファビアナと呼んで下さい。日系ブラジル三世でおじいさんが日本人です」
名乗った後、握手をしてきた。大きく温かい手だった。スタイルがいいと思ったら、ハーフにスリークォーター? とのことで納得した。マリアさんは赤毛のウエーブヘアに透き通る様な白い肌。鼻が高くてメタルフレームのメガネがその彫りの深い顔にマッチしている。。ファビアナさんは薄めの褐色の肌にブルネットのショートの髪、そして肌の色のせいか歯の白さが際立っている。そしてどことなく亡くなった黒沼さんに似ている。二人の圧倒的な迫力に何だか圧倒されてしまった。それは萩野さんも同じ様だった。
「四人揃った段階で、クラスに出向いてもらうから。その時は花菱さん宜しくお願いしますね。そのうちにバスキア教諭からもお話があると思いますから」
「はい。わかりました。マリアさんもファビアナさんも判らないこととか有ったら遠慮なく言って下さいね」
陽気なファビアナさんに引っ張られる形で、寡黙に見えたマリアさんも会話に積極的に混じってくる。気押されるもこういう子がここに居てもいいかなと思った。マユリは物怖じする事無く、会話に積極的に混じり外国のことを聞いている。マユリはこの子たちと入れ代わりで、イギリスに行ってしまうのだ。そして向こうで・・・・・・。
「先生。一体どうなさったのですか? 顔色が・・・・・・。それに・・・・・・」
「小御門・・・・・・。いや何、大したことじゃないんだ。ちょっと混み入った事情があってな・・・・・・」
「それって緑さんの関係ですか? 」
「お前、何故そのことを知ってる? 」
「知ってるも何も・・・・・・。寮監からメモを貰いましたから・・・・・・。それで冷子さんの容態はどうなんですか? 」
先生に丸められてグシャグシャになったメモを見せた。食い入る様にそれを見る先生。そしてため息をつく。
「お前は・・・・・・。言える事と言えない事がある。怪我はそんなでも無いらしい。今回の事では少し縫合をするくらいらしい。まあ正確には診断書を見ないと何とも言えないが・・・・・・。どうしてそんな事になったかは言えない。この事を誰かに話したか? 」
「話してはいないけど、メモを私に渡したのは譲葉・・・・・・。いえ八代さんですから、彼女は知ってるはずです。今何処に居るかは存じあげませんが・・・・・・」
「そうか。八代も知ってるんだな。アイツならまあ大丈夫か」
「先生、なんか隠し事していませんか? 」
「おいおい、何を言うんだ? 用件は済んだ。それじゃあな小御門・・・・・・」
どうしたんだろ、絶対何か隠してる・・・・・・。
「榊先輩、すみませんでした。まさかあんな所から見られているなんて思いませんでしたから・・・・・・。先輩まで連帯責任に組み込まれてしまうなんて本当にごめんなさい」
「苺ちゃんも、林檎ちゃんもそんなに落ち込まないで。ただ運が悪かっただけよ。それだけのこと。それより貴女達、叩かれたお尻は平気? 痛くない? 」
「正直言うと痛いです。先生が鬼に見えました。嘘をついたの悪かったけど、こんなに酷く叩かれるなんて思わなかった。昵懇の仲の林檎も叩かれたんだもの、先生・・・・・・気が触れてるよ・・・・・・絶対」
「苺姉、思うんだけど・・・・・・。私達に怒るって感じよりも、何か別の事ですごく苛立っていた様に思うんだ。もしかしてダリア先生の事で八つ当たりじゃないけどそんな感じがしたよ」
「それじゃ、酷いじゃん。とばっちりだよ。でも当たってる気がする。そうじゃなきゃ私達関わった全員を寮のではなく、わざわざ学校の保健室に拘束軟禁したりしないよ。それに・・・・・・」
苺姉が寝ている孝崎ちゃんに視線を動かした。寮の自室で取り乱していた孝崎ちゃんの前に、養護の先生が突然現れ間髪入れずに鎮静剤を注射して強引に落ち着かせて=失神させて今に至ってる。未だ目を覚ます様子は無い。私達は 重要参考人として枷を脚に嵌められてで保健室軟禁されているのだ。
昔、ロシアの潜水艦クルスクが沈没する事故があり、その事故の説明会の時に政府側に激しく抗議する乗組員の家族が居た。その時激高する女性に背後から女医さん? が近づき、口封じに注射を一閃した事が有ったけど、先の光景はそれを彷彿させた。あまりに鮮やかな手口に言葉も無かった。何か言えば次はお前だ・・・・・・そういう目で先生は私を見たから・・・・・・。あり得ない様なこの状況を受け入れざるを得なかった。
「まさか、このままって事は無いよね。目を覚まさないなんてことが有ったら・・・・・・。そんな事無いと思うけど」
「あの時の先生は、悪魔に見えたよ。幾らなんでも生徒に鎮静剤で失神させる? 」
「先生がここに来ないって事は、ガッキーが未だに見つかってない事だろうし、ダリア先生も・・・・・・だよね」
「まさか心中とかはしてないよね・・・・・・」
「不謹慎よ。苺さん。バスキア教諭は立派の聖職者であり、教育者です。私はそんな教諭の姿を知ってます。決して他人を巻き込んでかつ自ら死を選ぶなんて事は絶対にあり得ない」
大人しい先輩が強い口調で苺姉を叱責した。音楽室でのアレをを聞く前までは私もそう思っていた。クラスの子が、悪魔呼ばわりしていても内心は尊敬していた。しかし今は・・・・・・。
「でも先輩、あの音声ファイルをお聞きになってもバスキア教諭を擁護されるんですか? 納得できませんよ。現に一人の女の子が消え、私達はこうして看病の名のもとに拘束軟禁されている・・・・・・この現実をどう考えればいいのですか? 」
苺姉が先輩に問い質す。榊先輩と苺姉は好き合ってる仲だ。手紙を交わしたり交換日記をしてる。諍いはしたくはないだろう。しかしクラスの子が忽然と消えた今、その事の方が重い事実としてのしかかる。
「ごめんなさい。私も混乱してるの。今は八重垣さんの無事を主に祈りましょう。そして孝崎さんが回復する様に、怪我をした千葉冷子さんの容態が重くない事を・・・・・・」
「先生、ここから出してよー。お腹減ったよ・・・・・・」
「おい、白羽じゃないか。お前はこれから食事か? 」
「先生。こんばんは。ええ。これから食堂に。それがどうかしましたか? 」
「いや、なんでもない。気にするな・・・・・・」
「先生、かえって気になりますよ。私がどうかしましたか? お酒の話は誰にも話してませんよ? 」
「こんな所でお前・・・・・・誰かに聞かれたら・・・・・・それ絶対に言うなよ。そのうちに飲ましてやるから。じゃな」
変な先生。何時もの様子と全然違う。先生の後ろ姿に言いようの無い違和感を感じ、先生の後を追う事にした。そして廊下の角を曲がり階段に進む先生を追おうとすると・・・・・・。トイレから出てきた小夜花と鉢合わせになった。
「うわっ、蘇芳様。どうなさったんですか? 」
「小夜花。今まで何処に行っていたの? 一緒に食事を、と待っていたのに来ないから一人で食堂に。そうしたら養護の先生にね・・・・・・」
「召天記念日のことで会場に。槙先生も一緒でしたよ。蘇芳様、何か言われましたか? 」
「ううん。何も・・・・・・。言いたそうで、言えない、聞きたい事が有るけど、ヒントを与えて手の内をばらしたくないそんな感じの先生で・・・・・・どうかしたのかな一体? 」
小夜花が何だかさっきの先生みたいな表情に変わった。暫しの沈黙の後、私の袖を引きトイレの個室に二人で入った。私は蓋をした便座に腰掛け、小夜花が私の前に立って口を開く。
「蘇芳様、あのですね。今日、ゆかりと花子さんがが保健室の備品を持ち出して使ってる事で・・・・・・私、先生に問い詰められました。これ以上続けたらしかるべき処置をとると・・・・・・多分その辺り事じゃないかと」
「そうなの。そんな事が。でもあの先生の雰囲気はそんな程度の事では無いわよ。もっとずっと深刻な・・・・・・」
「そう言えば備品の事を聞かれた時、沙沙貴さん達も虚偽の申請をして保健室の備品を使い込んだって聞きました。私がその話を先生から聞いていた時、偶然窓の外を沙沙貴さん達が通り掛かって・・・・・・先生は飛び出して行って、二人を捕まえて何処かに連れて行きました」
「虚偽の申請って? 」
「なんでも沙沙貴さんが腕を切ったと申請して、包帯と塗り薬等をごっそりと持ち出したらしいです。筆跡は当人の物で間違いないって言ってました。それで、持ち出したのは相当な怪我をしていないと使わない量とのことです。先生と私が沙沙貴さん達二人を見た時、何処にも怪我の跡なんて無かったし、元気そうにしてましたから・・・・・・一体何に使ったんですかね? 」
何か胸騒ぎがする。今の話とさっきの先生の態度。どうも関連がありそうだ。尾行は失敗し、先生は既に何処かに消えてしまっている。どうしたものか・・・・・・。
「ねえ蘇芳様。どうしたんですか? そんな深刻な顔しないで。これからは備品でなく実家から送ってもらう様にしますから。叔母が薬局してるんです。蘇芳様、今まで以上に私達を指導して下さい。ゆかり達には私から伝えておきます」
「・・・・・・・・・・・・」
「蘇芳様、私・・・・・・今日は召天記念日の事で色々頑張りました。ずうずうしいと思うんですけど、ご褒美を下さい」
小夜花が何か話をしていたけれど、さっきのことが気になって耳を素通りする。すると小夜花が私の顔を両手で抑えて強引に唇を奪った。突然のことでされるがままの私。唇を、舌を貪る音が個室に響く。そして両手をの力を緩める小夜花。
「蘇芳様、美味しい・・・・・・。黒沼さんともこんな事したんですか。黒沼さんてすごくイケメンだったんですね。今日いろいろな写真を飾ってそう思いました。黒沼さんに報告したいです、後は任せてって・・・・・・」
「アキラのこと・・・・・・言わないで。小夜花如きにあれこれ言われたくない。黙りなさい」
「ごめんなさい。でも私だって・・・・・・」
「言い訳するの? そう。躾けが足りないみたいね。小夜花に、スカートを捲くり上げなさい。そして口に銜えるのよ。手は捕虜のポーズ。早くしなさい」
小夜花は慌てて私の言う通りにする。私の目の前には小夜花の褌姿の下半身が晒されている。キッチリと食い込んだ褌をもっと食い込ませる様に動かすと、小夜花はくぐもった声を漏らす。ひとしきり食い込ませて悦ばしてから手を後ろに回して褌を解くとそれはもうぐっしょりと濡れていた。そして剃り上げてつるつるにしてある性器を視姦する。
「あらあら。恥ずかしいわね。こんなに愛液を垂れ流して・・・・・・。ねえ、こっちにお尻を向けなさい」
私にお尻を向けた小夜花。手を下げさせて外した褌で後手に縛る。そしてその指にスカートを握らせて口を解放した。そしておねだりをさせてみる。
「これから何をされたいのかしら? 言ってみなさい。少しは考慮して上げるわ? 」
「おまんこに指を入れて下さい。それでかっ、かきまわして下さい、蘇芳様」
「じゃ、一本だけ入れて上げるわ」
「蘇芳様、意地悪しないで・・・・・・二本、ううん、三本、指を三本入れて下さい。お願いします・・・・・・」
「小夜花、なんで一本じゃダメなの? 理由を言いなさい」
「私の・・・・・・緩いから・・・・・・おまんこ、ガバガバだからです。オナニーする時イヤらしい物を何度も何度も入れてしまったから緩くなってしまって・・・・・・。蘇芳様酷いです、こんな恥ずかしい事を言わせないで・・・・・・」
「小夜花、良く言えました。じゃ三本入れるわね。それにしても濡れすぎ。ローション使わなくてもにゅるにゅる入っていくわよ。さすがにちょっときついわね。じゃ、動かしますよ。声を出すとばれるからね」
私の指の動きに、膣や子宮がが反応している。愛液は止め処なく滴り、口は小さく喘ぎ声を上げ続ける。仕上げはアヌスへの指のインサート。たっぷりと愛液を付けて左手の人指し指を挿入する。少しかき回しただけで小夜花は逝った。そして崩れる様に私の腿に腰を落す。そして胸を愛撫しながら、挿入していた指をしゃぶらせた。
「小夜花、いい加減休んだでしょう? それじゃ食事に行くわ。手を繋いで上げるから一緒に来なさい」
「はい。蘇芳様。あの、褌は・・・・・・」
「こんなにぐしょぐしょのまた付けるって? 馬鹿は言わないの。小夜花はおまんこをむき出しで食事するのよ。いいわね。これは私が預かります」
「はい。蘇芳様」
食堂に入ると、時間は遅く既に人は疎らだった。メニューによっては品切れもある状態になってる。小夜花を奥の席に座らせる。ここは最近の私達の御用達の席だ。私がオーダーと給仕をする間、テーブルによって出来る死角で、私の言いつけ通りに小夜花はスカートをたくし上げ下半身を曝している。
「ネモちゃんだ。ネモちゃんもこれから食事なの? 」
小夜花の方に向かって問う声がした。振り向くとゆかりや小夜花と一緒に転入してきた子達だ。仲の良くない孝崎さんが論外として、ゆかり、小夜花も同じ転入生同士ということでとても仲が良い。
私と特に親しいゆかりや小夜花はともかく、彼女達は大抵何時もつるんでいる。そんな三人組が小夜花を見つけ声をかける。どうもぼっちに見える小夜花を交えて食事をしたい様に思えた。私の存在にはまだ気が付いていない様だ。彼女達が小夜花の元に直行するのを私はさりげなく阻止する。
「あら、こんにちは。貴女達もこれからなの? 」
「あっ、白羽さん。こ、こんばんは。き、来ていたんですね。はい、これからです。あの、よろしかったら同席してもかまいませんか? 」
「いいわよ。でも私達、あの奥まった涼しい席が好きなんだけど良いかしら? 」
「はい。ご一緒できるなら、何処でも」
「それじゃ、私は先に行ってるわね」
「遅く来てラッキーだったね。まさか白羽さんが居るなんて・・・・・・今日はついてる! 」
小夜花に手のアクションで、服を整える様に伝えた。食事を運び小夜花の右隣に密着して座る。左手で小夜花の下半身ををいじれる様に・・・・・・。食事を手にした、転入生の三人組が私達の向かいに座る。私をチラチラ見ながら小夜花に話しかける。
「ネモちゃん、白羽さんと仲良くできて羨ましい。ゆかりもまだ白羽さんの部屋に泊まれるんだよね。ずるいな。あたしも保健委員になれば良かった。役得だよー。白羽さんとお近づき出来るんだもの。清掃委員じゃ何も良い事無いよ」
「そうよね。でもゆかりんは適任だと思うわ。あの子やたらと薬や応急処置に詳しいもの。仕方ないから私、部屋で一人が多いけど我慢してる。我慢出来ない程に寂しくなったら隣りに行くし」
そう、この子はゆかりのアミティエ。朝も挨拶したけど、改めてゆかりの事を詫びることにする。
「ごめんなさいね。ゆかりさんを取ってしまって。暫くしたら私が代わりに泊まりに行って上げるから・・・・・・」
「良いんですか。それなら指切りしましょう。約束ですよ、白羽さん。白羽さんと二人っきりで過ごせるなんて夢みたい。むだ毛のお手入れしなきゃ・・・・・・」
私の他愛無い社交辞令を真に受けて、すごくハイテンションになってる。これは拙いと思った反面、とても嬉しく思うのも事実だ。
「ずるいー。白羽さん、うちの部屋にも来て。なんでもするから・・・・・・」
「なんでもして下さるの? いろんな事お願いしちゃうわよ? 」
「はい。白羽さんが望むなら・・・・・・妊娠しても良いですー」
盛り上がりながらの食事。しかし小夜花はあまり会話に参加しないし、食も遅い。何故か? そう私が指で性器をいじり倒していたからだ。良く見れば顔も赤いし、息も荒い。でも皆私の事に気を取られてそれに注視していなかった。この席は冷気で火照りもそんなに目立たない・・・・・・。
小夜花を余所に食事も後のトークも盛り上がった。皆は帰る段になってやっと小夜花が普通でない事に気付く。彼女達の好意に甘えて私達の食器も一緒に運んでもらった。
小夜花を先に部屋に戻す事にして、私は彼女達に付き合い食後の散歩をする。その時、学校の保健室に電気が点いてるのが見えた。私が指摘すると、孝崎さんが体調を崩して寝ているらしいとのこと。でも孝崎さんと一線を引いているこの子達はそれ以上は知らないし興味も無い様だ。見に行きたかったけど、がっちりと籠絡されているのでそれは無理だった。
部屋に戻るとゆかりが帰って来ていた。小夜花と二人が首輪に裸エプロンの格好でアイロンをかけ、ミシンを操りながら制服のお手入れに勤しんでいる。
「蘇芳様、お帰りなさい。アイロンがけ終わりましたよ。ほつれも直しておきました。黒沼さんのお下がりの方は、丈の方も直しておきました」
「ありがとう。ゆかり。小夜花、さっきは悪かったわね。先に帰しちゃって。今度穴埋めするから。それで、召天記念日のこと何だけど、招待状はもう出したの? 」
「とっくに発送済みです。返信も殆ど届いてますよ。ご両親の方、病院関係も確認済みです。資材も納入済みで組み立てを待つのみです。養護の先生が張り切ってるから予算の事は任せっきり何ですけどね・・・・・・」
そう、養護の槇先生はアキラが亡くなった事を非常に悔いている。立ち直りつつある私と裏腹に、未だに引き摺っている。保健室に電気が点いてるって事はまだあそこに居るのだろうか。
「ちょっと先生に会いに行ってくるから、待ってて頂戴、ゆかり、小夜花」
「はい。コーヒーの用意をしておきます、蘇芳様」