羞恥に染まるあの顔。嫌いじゃないです。
……酔っ払いの赤面は、酒気に染まってますが。
ではでは交わりの九夜。始まりです。
柔らかく、背の高い草に背がめり込み、腹を見せるような体勢の金にのしかかった。
今にも当たってしまいそうなほどに顔が近づき、金の息が鼻に当たる。
「…ぁ、うぅ…白……?」
金の不思議がる声が聞こえてくるが、頭には“内容が入って来ない”。
甘く濃く、濃密な雌の匂いに、鼻奥までが染まってしまっている。
反応してしまった肉棒は、収まる気配がない。
「―――お前が、悪い」
「――ひっ…?」
右前脚を押さえつける足底球に、更に力を入れる。
体に力の入らない金が、引き攣ったような声を上げるが、もう我慢なんてできるはずがない。
大きく、だらしなく垂れ下がった肉棒が、金の尻尾の裏を、割れ目の近くを、下腹部をなぞる。
漏れ出たカウパーが、腹に生えた毛を濡らし、尖った亀頭が毛に触れ、くすぐったさに近い快感を脳に伝えてきた。
「……ねぇ、白、その…何してるの……?うぅ、きいて、る…?脚痛いよ…」
金が声を掛けてくるが、頭が働かない。
ただ、不思議な事に、金には怯えを感じなかった。
まったくもって確証など無いが、どこかでこの先を望んでいるような。そんな気がしたのだ。
尖った亀頭の先が、日々の自慰によって肥大していた陰核に当たる。
「クゥ…ッ!?」
身じろぎに近い動きで、身をくねらして反応を示す金。
金はまだ、誰かに体を委ねたことが無かった。
自慰はしていれど、自分のペースではなく、節制の無い快感を未経験な為、他人任せの快楽にあるのは恐れから来る怯えより、どうなってしまうのかが分からない恐怖。
金は、交尾を知識として知っていた。
そしてこれから何をされるかと言うのも、金には本能的に分かっていた。
だけど、どうしてか、白を拒否しようとする気など、一片も無かった。
●●●
「……」
「ガ、ルァ……ッ!?」
白が無言のまま、体を動かした。
私からでは見えないが、感覚は敏感になっている。
ヌプヌプという小さな音と共に、ゆっくりと、ゆっくりと熱い何かが私の一番気持ち良いところに入って来る感覚。
それは痛みを忘れるほどにあまりにも甘美で、今までの自慰が何だったのかと思う程の快感だった。
……もし、こんなのを速く動かされたら…
狂ってしまう。
残り少ない理性も、自我も、私と言う形も、全てが曖昧になってぐちゃぐちゃに。
考える事、感じる事、全部が気持ち良くなっちゃって―――
―――なんて素晴らしいんだろう。
「ル゛ァ、―――――――!?」
「ガ…!?」
尻尾の付け根を跳ね上げるようにして、熱い白のソレを奥まで一気に飲み込んだ。
白にとっても予想外だったのか、身を震わせたのが甲殻越しでも分かる。
だがそんなことより、奥の一番気持ち良い所を強く圧迫刺激されたことのほうが、思考の優先度的に高かった。
チカチカとする視界。頭が真っ白になり、声すら出ない。
今まで触れたことのない、一匹では触れることの出来なかった箇所だ。
―――本当に頭が快感で溶けてしまう。
ここで余韻に浸っていたのが悪かったのか、白が腰を動かし始めた。
ヌジュ…ヌジュ…と粘質な音と共に、体を快感が貫く。
あまりの快感に体の自由が利かない。
………!
考えることが出来ない。
頭を占めるのは、快感と、更にそれを求めようとする何か。
「ァガ、ギャウ!!」
抜かれるたびに、膣内が引っ掻かれる快感。
突かれるたびに、膣奥が圧迫される快感。
いつしか粘質な音は、大きく、激しい音へと変わっていた。
止まらない快感の波。
喉が引き攣り、獣のような声が漏れる。
―――理性なんていらない。
ただ快楽を求めて腰を振る。
「ルォ゛ッ!ォオ゛!!」
ずっとずっと欲しかった、誰かの温もり。
白と体を密着させている部分全てが気持ちよくなって。
寂しかった反動を、愛液と一緒に零していく。
たとえどんなに歪んだ温もりでも、二度と離さないように。
揺れ動く視界の中、目に入ってきたのは、複雑なラインを残す白の瞳の赤い残光。
「――――ッ!」
白が体を大きく震わせた。
陰茎が膨らみ、膣内に熱い何かが勢いよく注がれる感覚。
奥の、更に奥まで到達したその何かに―――
ヴァツッ
何かのはじける音と共に、意識が快楽に埋もれた。
○○○
……あ゛ー…。
どくどくと、金の奥へ精液を流し込む悦楽に、恍惚とした吐息を漏らす。
交尾なんて、いつぶりだろうか。
―――ふと我に返ったように、衝動に任せた交尾への嫌悪感に顔を顰める。
周囲に広がる雌の匂いは消えていない。
が、交尾後特有の気怠さと、快楽が終わったことから来る疲労感で、本能より理性の方が表面化していた。
現状は金の上に乗っている状態なので、とりあえず降りる。
圧の緩くなった金の中からずるりと抜けた肉棒が、潤滑液で湿っていた金の腹に精液を零していく。
射精はまだ終わっていないが、別に気にする事でもない。
グプ…と、金の膣から精液の逆流する小さな音が聞こえる。
射精後に脱力した為か、随分と注ぎ込んでしまった。
「……」
今更ながらに辺りを警戒するが、感知できる限り竜や人の気配はない。
あれだけ乱れた後だ。ここ一帯の竜を無駄に刺激していなければいいが…
ヴァヅッ――――
「カ―――!?」
背後から首元へと走った痺れるような痛みに、体の自由が奪われる。
一瞬過ぎて何が起きたのかは分からない。
まさか気配を察知させないほどの格上の襲撃か―――
「~♪」
……!?
否、格上の竜などではない。
攻撃を加えたのは“金”だった。
いつの間に音もたてずに身を起こしたのか分からない。
首を動かせば、倒れたこちらを見定めするように細められた獣瞳と目が合う。
まだ終わってないよね?
そう言いたげな、目の光。
霞龍に割られたはずの爪はもう完全に血が止まっており、痛む素振りすら見せない。
興奮状態にあるのか背中の甲殻が開き、金色の雷が漏れ出している。
……雷に刺激されて碌でもないのが襲撃とか洒落にならんぞ…!
ここ周辺に禁忌の龍がいなかったか、思考を張り巡らせる。
と、金に体をひっくり返された。
腹を晒すような格好に、抵抗を感じる。
「ぉぃ…バカ……!?」
しかしそんな声すらも彼女の耳には届いていないらしい。
ゆっくりと、上にのしかかって来た。
そこそこ重量のある巨体に、軽く息が詰まる。
射精も終わり、硬さも元に戻りかけていた陰茎が、ぬるりと滑り込むようにうねる金の膣内へと滑り込んだ。
思わず身を震わせるような快感が身を貫く。
再度肉棒が硬くなったのを知覚してか、金がゆっくりと上下運動をし始めた。
先程注いだ精液と愛液が少し冷えたのか、ぬるま湯のような温度となった潤滑液によって形容し難い粘質な音が耳に入って来る。
「ガゥル……」
恍惚とした表情でゆっくりと動く金。
しかし先程の射精からたいして時間も経っていないため、その動きだけでも敏感になった肉棒は既に限界に近い。
ねっとりと絡みつくような潤滑液が、肉棒を伝って根元を濡らす。
「――――」
「ギッ!?」
金が音にならない遠吠えを上げた。
それと同時に一気に収縮する膣内。
搾取しようとする域を超え、千切り取られるのではないかと言うような圧迫感に、思わず呻き声を上げた。
しかしそれすら構わずにピストンを続ける金。
敏感になった肉棒で、固く閉じた膣壁をかき分けていく快感に、我慢できる筈もなく。
あっけなく、二度目の限界を迎えた。
「ル゛、ァ゛……」
「グフゥ―――」
虚無感に似た感覚に襲われ、ただでさえ麻痺していた体から力が抜ける。
それに対して金は、満足したような息を吐き、こちらに身を預けて来た。
甲殻を伝って体温が伝わってくる。
……あっついな。
自分よりも高い体温に、真っ先に出てきた言葉はそれだった。
子宮の容量を超えた精液が結合部から溢れて来るが、こんな体勢では引き抜くことも出来ない。
諦めたように、溜め息を一つ。
囁くように、小さく呼びかけた。
「…金」
五つ数えるほど時間が経過しても、返事は無い。
「おいコラ」
少し語気を荒げるが、相も変わらず返答は無し。
何のつもりかと思えば、耳に入って来たのは安定した呼吸音。
「…寝てんのかコイツ!?」
こちらにのしかかる形で、その体勢のまま寝ていた。
雷がこちらの顔横を通る音が聞こえ、冷や汗が流れる。
……頼むから大放電なんざ辞めてくれよ…?
麻痺が治ってくれれば金を退かすことが出来るのだが、今じゃどうすることも出来ない。
金の膣で射精を続けながら、生い茂る葉の隙間から覗く空を見上げた。
空も、いつの間にか黒から紺へと色を変えている。
……明日からどうしたものかな。
関係も浅いまま、交わった竜。
これからの関係がどう捻じれるものか…
……後ででいいか。
前向きに考えれば、金も積極的になっていた。
拒絶などの悪い感情は抱いていないだろう。
…目が覚めた瞬間に首を千切られるようなことが無ければいいが。
―――遠くの方で飛竜の声が聞こえ始めた。
白金の月は、もう見えない。
白の性器はモチーフのピューマからネコ科に近く、
金の性器はモチーフの狼からイヌ科に近いです。