※この作品はR-18です。

金雷公は白疾風と幸せになるそうです   作:指ホチキス

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正常位って、いいですよね。
描写的にも他の体位に移しやすいですし、優秀です。

……まぁ、外伝を除いて体位なんて無意味なのですが。
ではでは三章、11夜の始まりです。


三章 孤島<濡>
十一夜 白の帰路【前編】


半月より少し満ちた月の下。

浜辺で向かい合う二匹の竜がいた。

言葉面だけ見ると縄張り争いか、と思うだろう。

だが、実状は違った。

細かく、比喩も含めて描写するならば、金雷公が人間で言う正座をして、倒れ込んで顔を上げた白疾風に睨まれているのだ。

―――尚、金雷公の瞳には気まずさがにじみ出ていた。

 

 

「さて、夜になった訳だが…なぁ金」

 

 

白疾風が忌々しげにつぶやく言葉に、金雷公は目線を逸らした。

ゆらゆらと首を動かす白疾風の動きに合わせて、瞳の青白い光が尾を引き、金雷公の角を照らす。

 

 

「言いたいことは、あるか?」

 

 

それは、押し殺すような声。

呟かれたその言葉には、重みがあった。

遂に金雷公は半泣きになりながら、腹を見せる。

 

 

「ごめんなさぃいいいい……!!」

「それで済むか馬鹿金がぁあぁああ―――ッ!!」

 

 

二匹の、怒号と悲痛の咆哮が、空に木霊した。

こうなるまで、少し過去にさかのぼる。

 

 

   ●●●

 

 

薄暗い森の中、浜辺から離れた私たちは、昨晩とは別の方向に歩を進めていた。

追い風によって浜辺から追い出されるような気分になるが、私にとってはそれが昔から解放されるようで丁度いい。

根深い過去の記憶を忘れ去りたいと思ったことも、もう何度目か。

 

……んぁー…ひんやりしてたなぁ。

 

暗い思考を切り替えるように、先程の事を思い出す。

腹で感じた白の体温を思い出すと、少し気恥ずかしい。

それにしても前を歩く白が体を小刻みに揺らすという不可解な動きをしているが、何をしているのだろうか。

まぁ、気にするほどでもない。気にするほど、でも…

 

……ダメだ。異常に気になる。

 

ゆらゆらと揺れる尻尾が、どうも目の先をちらついてくるのだ。

 

 

「白」

 

 

呼び掛けると、ゆっくりとした動きで振り返ってくれた。

そして同時に動きが止める。

 

 

「あん?」

「何か凄い目に障るんだけど」

「…何を言ってるんだ?」

「動きが凄い気になる」

「?歩くなってことか?」

「そうじゃなくてさぁ…」

 

 

しらばっくれるつもりか、無意識なのか。どうも会話がかみ合わない。

分からせるために前足で白の尻尾を軽く叩k

 

 

「痛ッ!?」

「何してんだお前」

 

 

足の裏に鋭い痛みが走り、反射的に手を引く。

 

 

「尻尾を叩くな。鋭い毛が多いから刺さるぞ」

「早く言ってよ!」

 

 

白の遅すぎる警告に吠えた。

しかもかなり深く刺さったのか、結構痛い。

 

 

「…そういや爪、大丈夫なのか?」

 

 

そんなことはどうでもいいとばかりに白が話題を変えてきた。

しかし声音がかなり心配そうなだけに、怒る事も無視する事も出来ない。

自分の前足、応急処置として塗られたキノコの乾いた跡を見て、ありのままを言う。

 

 

「うーん…血は出てないけど、結構気持ち悪い見た目してる」

「痛くないのかってのを聞いたんだが」

「パンチとかすると痛いかも」

「…そうか」

 

 

それっきり会話が途切れ、また歩き出す。

―――今気づいたのだが、ここ一帯には小さな竜がいないのだろうか?

聞き慣れたあの騒がしい鳴き声が一切聞こえない。

 

 

「ねぇ白」

「今度はなんだ」

「ここって静かだね」

「…そうだな。―――大方巣の頭がやらかしたんだろう」

 

 

……?

 

何の話かは分からないが、白の言葉は私の疑問の答えな気がする。

と、白が足を止めた。

森に入って少し、海の匂いが微かに感じられるような距離。

何をするのかと思えば、その場に丸まって座り込んだ。

 

 

「んぁ、後はごろごろしてようぜ」

「?何か厄介なのから逃げるとかじゃなかったっけ」

「あー違う違う。逃げるんじゃなくて刺激しないだけ。別に騒ぎ過ぎなきゃいい」

「じゃあ…?」

「時間が来るまでここでゆっくりするだけだ」

 

 

……へぇ、それなら。

 

別に逃げ回るのではないのならば、時間が来るまで気楽でいられる。

白の横まで近寄ると、身を寄せ合って座り込んだ。

 

 

「……なんだよ」

「白って冷たくて気持ちいいんだよねぇ」

「俺にとってはお前が熱いんだが」

「いいじゃんいいじゃん。我慢できなくなったら離れるからさ」

「グフ―――」

 

 

ため息を吐いたきり、白が顔を背けて押し黙った。

どうやら許してくれたらしい。

 

……ん、ちょっと催してきたけ、ど。

 

下は土だし、白に掛からなければ怒る事も無いだろう。

 

 

「ちょっと失礼」

「ん」

 

 

のそのそと離れ、木の陰で用を足す。

白であっても、隙だらけの瞬間を見せたくない。

―――というのは建前で、本当はただ見られたくないからだったりする。

終わったら軽く土をかけ、白の元へと戻る。

さて、夜まで白のひんやりとした体温を感じながらゆっくり寝るのも悪くない。

 

 

   ○○○

 

 

……ダメだこれ。ホントダメなやつだこれ。

 

鼻を突くような匂いに、興奮してしまっている俺がいた。

においの原因は十中八九隣で船を漕ぐ金。

先程木の陰から帰ってきた直後から、この匂いが鼻に引っ掛かっかるようになったのだ。

 

匂いの正体は尿。それも発情期特有のフェロモン大量分泌verである。

 

当然、身を寄せられているだけに脳がはち切れそうになる。

今朝のように欲望に任せてぐちゃぐちゃにしたい。

しかしこの場所で交尾をすると、刺激したくない“奴”を刺激してしまう可能性がある。

 

……ぐ、ぬぅ、あ。

 

しかし離れろとは言えない。

何故なら匂いに包まれている時点で、本能が金を求めてしまっているから。

近くにいようが、遠くにいようが、彼女を求めてしまうだろう。

 

 

「き、ん」

「―――んぁ。何?」

 

 

最早、声だけで下半身が反応してしまう。

限界を迎えそうな理性を振り絞って、彼女に懇願する。

 

 

「交尾させて」

「うーん…――――はぁ!?」

 

 

金が素っ頓狂な声を上げるが、視界が狭まって来てる辺り、もうヤバい。

恐らく興奮のあまり、瞳が光を帯びて残光を引いているだろう。

 

 

「…ダメか?」

「ダメっていうか…」

「―――――もう無理」

 

 

スッと起き上がり、金の上に被さるようにして思いっきり息を吸った。

鼻を通り、喉奥を通った金の匂いに、どうしようもないぐらいに興奮する。

我慢などできる筈も無し。

 

 

「ねぇって、ちょちょちょ……もう、仕方ないなぁ」

 

 

尻尾を斜め後ろに逸らし、後ろから突けるようにしてくれる金。

なんだかんだで、許してくれるらしい。

―――まぁ、許されなくても半ば無理矢理するつもりだったが。

 

しっかりと固くなった肉棒の尖った先を割れ目にあてがい、ゆっくりと入れる。

金の背中に腹を預けるような形になるが、ふさふさとした毛によって痛くない。

 

 

「グ、ルフゥウウ……」

 

 

恍惚として息を吐き出す金。

発情期だからなのか、膣内はじっとりと湿っていた。

入れるときと同じように、ゆっくりと引き抜けば、絡みつくような粘性の愛液が一緒に零れる。

腰を上下に揺らせば、離すまじと吸いつくように膣壁が肉棒についてきた。

うねり、搾り取るように蠢く熱い膣内に、痺れるような快感が脳に来る。

 

どうやら金は昨晩のように激しくはしないらしい。

蕩け切った表情で、ピストンを楽しんでいる。

 

 

「キャゥ……」

 

 

小さくか細い嬌声が耳に入ってきた。

これぐらいなら、あの面倒な奴を刺激せずに済むだろう。

そんなことを思いながら、腰の動きを激しくする。

―――ほんの一瞬、奥の固い部分に先っぽが当たり、金が身を大きく震わせた。

 

 

「グギャンッ!?」

「ィ――!」

「ガ……ッ!!?」

 

 

一気に収縮する膣内の動きに、一度目の射精。

奥へ放つ悦楽を、恍惚として浸る。

と、下の金が無造作に、体を上下にゆすった。

追随して、ピストンが開始される。

どうやらまだ満足できないらしい。

 

 

「クゥン…」

 

 

切なげな鳴き声が、理性を灰燼と帰した。

ペースや、思いやりなど一切ない種付けの為だけの交尾を。

射精が止まらぬまま、ドチュドチュと音の鳴るほどに激しくピストンを開始する。

先程も当たった奥の固い部分すらも貫かんとばかりの勢いに、金が背を逸らして反応した。

 

 

「ギャッ!?…グ、ケゥ!」

「ルゥウウ……ッ!」

 

 

収縮する膣内すら気にせず、膣壁を押し分けるようにして肉棒を奥へと無理矢理押し込む。

愛液と精液の混ざった粘質な液体によって土に染みが広がっていく。

遂に金の容量が限界を迎えたのか、精液が逆流している気もするが、それすら気にせずピストンを繰り返す。

 

 

「―――!―――ッ!!」

 

 

金の嬌声が、遠吠えに近くなってきた辺りで、収まりかけていた射精感がもう一度湧き上がってきた。

 

 

「フゥゥウウッ!」

「―――ッ!!!」

 

 

奥に強く着いた瞬間に二度目の射精。

衰えていた勢いが、再度復帰する。

ここで腰の動きを固定。

金に抱き着き、彼女の奥で放つ二度目の悦楽をゆっくりと堪能する。

対する金と言えば、嬌声にすらならないのか、口をパクパクさせていた。

根元から先っぽへと、一滴すら残さないとでも言うように搾り取ろうとする膣壁。

 

 

「……カ、フ」

「…よっと」

 

 

ずるんと肉棒を引き抜き、金の背から身を離した。

射精は止まっておらず、土を白く汚すが、まぁいいかと割り切る。

 

……あー…疲れた。

 

自分からやった事だが、終わった後の疲労感は結構辛い。

これ以上は金を運べなくなるので、適当なところでやめにしたのだ。

 

金から少し離れた辺りで倒れ込むと、大きく息を吐いた。

交尾後だと匂いに慣れてしまった所為か、金の匂いが“いい匂い”程度にしか思わなくなる。

周囲に漂う匂いは、こちらを上機嫌にさせてくれるのだ。

 

 

「あ、う…」

「……大丈夫か」

 

 

ぐでっとした金に一応声を掛ける。

ぐぷ…という淫靡な音を立てて精液が逆流する音が聞こえるが、あまりの疲労感に興奮は覚えない。

 

 

「―――昨日は知らず知らずのうちに寝ちゃったけど、結構疲労感が凄いわね…」

「なんか、すまんかったな」

「別に」

 

 

素っ気ない言葉が返ってきたが、真正面でこちらを見る顔には敵意を感じない。

 

 

「…このまま夜まで休んでていいんだよね」

「あぁ。いや、むしろ休め」

「言われなくてもそうするy――――」

 

 

ヴァチッ!!

 

会話を遮って金の角に雷が走った。

二人の間に沈黙が流れる。

 

 

「おい、大放電とかマジでやめろよ?な?」

「私もそうしたいのはやまやまだけど…」

 

 

金の甲殻が微かに開き、背の毛が逆立ち始めている。

―――これはマズイ。

 

 

「ゆっくりと落ち着いて、雷を収めろ」

「…ごめん、無理そう」

「諦めるな。おちついk」

 

 

―――轟音と同時、森に金色の光が満ちた。

 

 

     ●●●

 

 

「金!もういい、そのまま雷を纏え!!」

 

 

白の言葉に思わず聞き返した。

 

 

「なんで!?」

「刺激を与えたから戦闘が避けられないんだ!来るぞ!!」

 

 

―――例えるならば、それはゾッとするような気配。

まともに向かい合ってはいけない。そう思わせるほどの気配に、背筋が凍る。

姿は見えないが、暗い森の奥から聞こえる硬質な何かを叩く様な音は、威嚇だろうか。

濃厚すぎる血の匂いは、どこか悍しい。

 

こちらに接近したことによりやっと見えたその姿は、私の恐怖心を大いに煽った。

 

全身の紫色の甲殻は鋭く尖り、隻眼の瞳は狂気に塗れて歪んでいる。

翼にも尾にも毒が滴り、巨大な嘴をガチガチと鳴らして嗤っていた。

微かに見た事のある近似種とは一線を画した異常性。

なにより恐ろしいのは、だらしなく開いた口。

薄暗い森の中でも判別できる口内の鮮やかな赤の色は、地の色が分からないほどの血染め。

一目で判断できた。あまりにもこの鳥竜は危険すぎる。

 

 

「いいか?手加減なんざ考えるな。食われるぞ」

「勿論。まだ死にたくない」

 

 

白の警告に従い、限界量まで雷光虫を呼び寄せ、雷を限界ギリギリまで引き出した。

金色だった雷はどこか青白さを得て、空気中を走る。

 

 

「ふぅん…なんかすごいな」

「…白の方が凄いよ」

 

 

白はと言えば全身の毛を逆立て、瞳が青い残光を引いていた。

更に言えば、白い毛までもが青白く光っている。

潰れていない左翼刃は白く輝いており、触れただけで切り落とされそうな凄味があった。

 

 

「さて、勝てるか…?」

「さぁね…!?」

「ギ、ギギギギイィィィ!!」

 

 

嘴をガチガチと鳴らしながら、竜が突進してきた。

軽口を叩いている暇は、無さそうだ。




今回登場したのは隻眼イャンガルルガです。
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