描写でデレさせるのが苦手なので、出すのは難しいなと思う日々。
……あ、でもツン→即堕ちなら書けます。ツンエロですかね?
なーんて、くだらない話をしつつ。話の溶接部である二十夜が始まります。
「…散歩行って来る」
「おう」
膣口からポタポタと精液を垂らしながら巣穴から出ていく金を見送り、大きく息を吐く。
最近は金もこの地にも慣れ、人や竜が基本的にいない深夜に散歩するようになった。
朝の分の餌をとってきたり、楽しそうに帰って来るので別にいいのだが、怪我をしないだろうかと少し不安になる。
最も警戒すべき事態は、
確実に混乱し、録でもない事になる。深夜に金雷を用いた大放電など色々な意味で洒落にならない。
……かといって、動くのもだるいしなぁ。
交尾による疲れが酷い。
時期を鑑みてみると、巣穴の中は外と比べてだいぶ暖かい。
体が冷えないだけいいが、その分金が頭を冷やさないのが問題だ。
時間構わず誘ってくるだけに、そろそろ枯れるかもしれないと危惧するほどだ。
巣穴の中にたまった匂いを外へ流しつつ、最近使ってない寝床を見る。
この頃は金と一緒に寄り添って寝ているから、寝床も使わなくなっていた。
金がいれば暖かいし、抱き着けば毛の肌触りも最高。中毒性抜群だ。
―――この寝床も、そろそろ捨てるべきなのだろうか。
割と使い古していたから心残りもあるが、こういうのはサッパリいった方がいいだろう。
……ま、後ででいいか。
結局、大切な物は捨てられない。
久しぶりに寝床で丸くなると、どこと無く懐かしい匂いがした。
目を瞑ってみれば、居心地も良い。
やはり慣れた場所は良いものだと、そう結論する。
―――そうして金が巣の近くに来るまで、ちょっとした微睡みを楽しんだ。
○○○
金が散歩から帰って来ると同時、どうしてか調子が悪いと言い出し、珍しく巣穴で丸くなっていた。
拾い食いでもしたのかと思ったが、彼女もそこまで馬鹿じゃない。
単純に調子が悪いだけだろうと思い、金のそばに寄り添って寝ようとした。
――――が、どうにも熱い。
「おい金、動くな」
「……ぅ」
毛をかき分け、金の皮膚に触れる。
いつもより少し熱い。それにじっとりと汗で湿っていた。
どうも本格的に体調を崩したらしい。
「…ゆっくり寝てろ」
「ん…」
ここに来て今更ながらに環境の変化に体が変調をきたしたのだろうか。
少なくとも、無理のある行動をしていたとは思えないのだが…
寝て食って交尾しての好き勝手な日々だ。負担になる事と言えば交尾ぐらいである。
……散歩に最近行くようになったのも関係あるのか?
とりあえず熱を冷ます為、尻尾から棘を抜いて金の耳の裏に当てる。
「つめたー…」
「刺さると危ないから動くな動くな」
これは一旦の応急処置であり、ちゃんとした処置の為にまずは巣穴から出た。
その辺に丁度いい凹状の骨があったので、器として水を汲む。
強度面で不安が残るが、巣穴との往復程度なら耐えるだろう。
後は人間の捨てたと思われるボロボロの布に水を浸して棘に巻いて金の耳裏に乗せれば、と。
「…ちゃんと寝てろ」
「体が重い…」
体勢を変えた金に注意する。
無理をしても悪化するだけだ。休む時に休まねば意味が無い。
と、潤んだ瞳があらぬ方を向く。
まるで、俺の後ろに何かがいるような…
「白が二匹いる…?」
どうやら焦点すらあっていないらしい。
解熱薬の調合は…
ドッ
思考に耽りながら巣穴から出ようとして、何かにぶつかった。
チクリとした痛みに顔を顰めて飛び退くが、そこには何もいない。
―――だが、鼻はその存在を嗅ぎ取った。
うっすらと香る、花香石の匂い。
「…久しぶりだねぇ…空」
何も無い場所から声が聞こえる。
全身の血の気が引く感覚。
先程の接触時の攻撃によって毒が回っているせいで、既に体は動かない。
無様にその場に倒れ込み、何も無いその場へ吼えた。
「何の用だ…!」
「相変わらず可愛いなぁ、お前は。分かっているだろう?」
慌てて金の方を向けば、既に意識は無い。
「ババァ…ッ」
「まだ私は何もしてないぞ。ま、これからは分からないけど。んじゃ、またそのうちな」
金が浮いた。
そのまま動けぬこちらの横を通り過ぎ、巣の外へ出ていく。
気が付けば、どこまでも深い紺色の瞳が、こちらを見据えていた。
淡い風に靡く紺色の毛が、月の光を反射する鱗と相まって星月夜のような柄を作り出す。
「グッ…」
「そう歯噛みするなよ。事が済んだらまた会ってやるからさ」
と、尻尾に巻かれた金が、唸り声を漏らした。
紺色の瞳がそちらを一瞥すると、その瞳が光を放つ。
「ん、覚醒されても面倒だから、また後でな」
「待て…!!」
巣穴からゆらりと飛び去る奴に怒りから立ち上がる。
麻痺に軋みを上げる翼刃を広げ、ひたすらに宙を叩き、もはや小さく見える影を追う。
気が付けば月の光は薄く、今日は星空の綺麗な夜だった。
「待て……!!」
尻尾で巻き付けられた金の意識は未だ無いらしく、抵抗する様子はない。
全力で飛んで尚距離を離される相手の速度に絶望を得つつ、必死に追い縋る。
と、前方より高速で飛来する棘が。
「…ッ!ラァッ!!」
こちらの速度と相まって、とんでもない速度に感じるそれらを必死に叩き落していく。
普通の棘なら少しぐらい刺さっても無視するが、今回は“一撃でも食らうと追う事すらできなくなる”。
真空刃を駆使してまで必死になるが、相手との距離は開くばかり。
そして遂に、絶対に回避できないと知っていた、見えぬ棘が刺さる。
「
被弾個所から痺れが生じ、動きの鈍った体に追撃とばかりに尚も棘が刺さっていった。
細い故に痛みは薄いが、動きが止まっているせいで浮遊感を強く感じながら落下していく。
……あんのババァ…!
強い怒りに吼えようとするが、顎がうまく動かない。
そして固い何かに激突し、そこで目の前が暗くなる。
……と、げ…抜、かねぇ、と…
僅かに残る意識は、波の音を最後に流された。
「…馬鹿弟子が」
星月夜を身に纏う竜は翼刃で空気を裂き、金の重さを感じさせない速度で尚も飛行を続ける。
―――気が付けばその姿は曖昧となり、いつしか星空に紛れた。