インフィニット・ストラトス ~世界改編でやりたい放題・寝取りハーレム~ 作:雨ざらしの鷲
珍しく性的描写がないです。
黒い無人機の目が光り、俺と俺に抱かれた本音に襲い掛かる。
(て、停止!停止!)
俺はとにかく急いで時間を止める。とっさの状況下ではそうするほかない。
「………」
「と、止まった……」
なんとか攻撃を受ける前に時間を止めることに成功した。鈴との戦いのときに似た状況に出くわしてなかったら殺されていたかもしれない。保険は掛けてあるとはいえ、さすがに痛い目に合いたくはない。それに、何よりも……
「いくら、時間を巻き戻せるとはいえ、本音まで巻き込むなんて……!」
俺の腕の中には目を見開いたまま停止した本音が無事に収まっていた。ひとまずそれを見てホッとする。
「雌のくせに俺に刃向っただけでも許せないのに、俺の本音に怖い思いさせやがって……」
女である以上、俺のことを絶対と思っているはずの束が何で俺を殺そうとしたのかはわからないが、とにかくあいつはエロかわいい本音を傷つけようとしたわけだ。
「さっきのセシリアへの態度と言い、俺の所有物を傷つけるゴミ女には罰を与えないとなぁ」
だが、まずは本音を安全な場所へと移動しなくては。俺は本音を抱きかかえて爆心地から逃げ出した。
「安全な場所……、やっぱり千冬の傍か」
束にとって千冬は大切な存在らしいのでその横にいれば安心だろう。もちろん、一夏に本音を預けるなんて選択肢は最初っからない。あんな汚い奴に本音を近づけたくもない。穢れる。
本音を千冬の横まで運び、他の皆も安全な場所にいることを確認してから、停止したままの無人機たちを一瞥する。
「……普段ならかっこいい戦い方とか、演出を考えるんだろうが、今回はさっさとチートで消させてもらおうか」
俺は改変能力を使い、目に移る束の無人機どもに『吹き飛べ』と念じて時間を動かす。
…………ジ……ジジジ……ブゥゥン……
世界がゆっくりと時間を取り戻していき、エネルギーを溜めていた無人機たちは動きを取り戻すと同時に不愉快なノイズを立てて再度停止し、吹き飛んだ。
ドォォォォン!!
「うわっ!!」
「きゃあ!?」
「何だいったい!?」
さっきまで時間が止まっていた一同は何が起きたのかさえ認識できず、急に目の前で起きた爆発に顔を覆った。
爆発の衝撃が収まり、すべての無人機が行動をやめたことを確認してから俺はゆっくりと篠ノ之束に向かって歩いて行った。
「……凄い!凄い!やっぱり凄いよ!まさくんは!さっすが束さんが崇めるだけはあるね!」
こっちの怒りを知ってか知らずか、束はこちらの神経を逆なでするかのように、さっき俺を殺そうとしたとは思えない喜びを露わにしてはしゃいでいる。
(そもそもさっきから何だよ『まさくん』って!?お前にその呼び方をされると不愉快だ!)
目の前のこの女は態度やこれまでの行動などすべてが気に食わないが、さっきから使っている呼び方が何よりも不愉快だ。
「何のつもりだ、おい?」
色々思うことはあるが、全部まとめて一言にするならこれだ。
「えへへ~♪ それは、もっちろん!この世で最高の存在のはずの束さんより優れているまさくんを殺してあげることで、私が一生独占してあげようと!」
「……は?」
目の前の元凶は頭のネジというネジが本気でぶっ飛んでいるらしい。意味不明なことをのたまいだした。
「束さんは選ばれた存在なんだよ♪ 今まで誰も束さんより優れた人間はいなかったし、束さんの計画はなんでも思い通りになった。でも!まさか!束さんよりもすっごい男の人が現れるなんて思わなかった!アイデンティティーの崩壊だったよ~」
「……」
目の前の女は殺そうとした相手である俺のことをウットリと見つめ、理解できないことをのたまい続ける。どうやら改変自体は効いているらしい。……ただ、効いた結果の行動が常人とまるで違うイカレ具合だ。
「だ・か・ら♪ 束さんがまさくんをお星さまにしてあげれば、まさくんは一生、束さんの心の中で最高のまま生き続けてくれる!やったね!ブイ!」
そう言って天災は場に似合わないVサインを作って満面の笑みを浮かべる。
(まさか、ここまでイカレてるとは予想外だった……)
とはいえ、わちゃわちゃ言い訳を聞いたが、結局のところやることは決まっている。お仕置きだ。
「しかし、ISを装備する前の生身を集中攻撃すればいけると思ったんだけどなぁ……。まだまだ束さんの考えが甘々すぎちゃったかなっ☆ 次はもっと確実にお星さまにして差し上げるからねっ☆ では、バハハ~イ!」
「!!」
散々、やりたい放題やって束は一瞬で消えた。
すぐさま時間を止めてあたりを見渡すと、どういうからくりを使ったかは知らないが、束は一瞬で移動し、ニンジンに向かっていた。
「……最初のお仕置きだ。なんでも思い通りになると思ってたクソに現実を教えてやるよ」
俺は心の中で強く命じて、あの女の思い通りをへし折っていく。
【俺に危害を加えること禁止】
【助けを呼ぶこと禁止】
【この場から逃げ出すこと禁止】
束が思い通りにならないようルールを設定して時間を戻す。神に等しい能力の前じゃあ、無力ということを教えてやる。
時間を戻すと、束の体は逃げることが禁止されたせいで真下へと落下し、砂浜に落っこちた。
「あ、あれ?おかしいなぁ?」
急に逃げられなくなったことではじめて束の顔から焦りが見える。俺は焦らずに距離を詰め、束を見下ろす。
束の表情が『生まれて初めて追いつめられて見下ろされた』、みたいな顔に変わった。
「あ、あ、あはは……」
「……なあ、お前のわがままに巻き込まれて不幸になった奴のこと、どう思う?」
俺は一度、この女に聞いてみたかった質問を正面から尋ねた。こいつのせいで俺は悲惨な人生を送る羽目になった。それだけでなく、男というだけで虐げられる糞みたいな社会が誕生し、色んな奴が不幸になった。その元凶はどう思っているのか問いただしてやる。
「え?そんなの、考えたこともないよ」
「…………」
返ってきた答えは正直、予想通りだった。
俺は抑えられそうにないムカつきを込めて、握り拳を作って腕を振りかぶった。
「俺はお前が嫌いだ」
バキィ!!
「っ!?あっ……!?」
俺は逃げられない束の頬に思い切り握り拳を叩き込んだ。
「あっ!?えっ…!?ぁ……」
束は無様に砂浜の上を吹っ飛んだあと、その場でばたりと倒れて気を失った。
(……………手が痛い)
ぶん殴って、一つ深呼吸をしてから最初に思ったことがそれだった。
(ISを纏ったり、身体強化を使ったりしないで人を思いっきりぶん殴ると、こっちの手も痛いんだな……)
それにしても、こんな人を殴り慣れていない男のパンチ一発で気を失うなんて。たぶんだが、肉体的ではなく精神的になんかのダメージが入ったんだろう。傲慢そのものみたいなやつだし、思いっきり男に殴られたのがショックで。みたいな感じかもしれない。
(さて、それにしてもこの糞女をどうしてくれようか)
美人を殴るのは少し気が痛んだが、それ以上に俺の恨みを晴らしてぶちまけたかった。あんまりスッキリはしなかったが。
「清野!無事か!?」
俺の元に真っ先に駆けつけたのは紅椿を纏った箒だった。そしてその後ろから他の皆もやってくる。千冬が束の姿を一瞥した後、尋ねてきた。
「束は……、気絶しているのか?」
千冬が恐る恐ると束の様子を窺う。
「た、大変です!織斑先生!」
さて、この後どうするのか、というところで真耶が大慌てでやってきた。
「どうした!?」
「は、はい!アメリカ・イスラエル軍の共同訓練中に開発中のIS、銀の福音が暴走し、こちらに接近中とのことです!」
「なっ……!?」
銀の福音とかいう機体のことは知らないが、真耶の話から察するに、暴走したISがこちらに向かっているらしい。
(なるほど……、前の世界でハチャメチャしていたのはこれか。しかし、このタイミングと言い、間違いなくコイツのしわざか)
砂の上でおねんねしている元凶を見おろし、確信する。
その後、束は千冬に拘束され、訓練は中止。千冬を中心とした緊急の対策本部が設置された。
――――――
―――
「……というわけで、日本に向けて接近している銀の福音を阻止しなくてはならない」
旅館の一室を対策室として専用機持ちが集められ、千冬が状況を説明する。千冬の横では逃げられないよう厳重に縛られた束が気絶中だ。
「で、奴をどう止めるかだが、篠ノ之!いきなりの実戦で悪いが、お前の紅椿の機動力が必要だ」
「わ、私が!?」
千冬からの指名に箒は驚いて自分を指さす。
「ああ。紅椿のスペックなら目標に接近できるし、そこを織斑の白式で一撃必殺を狙う。それに相性的に白式と紅椿はコンビ運用に向いているしな」
「俺と……箒が……」
「織斑、篠ノ之、危険な上に即席な作戦だがお前たちの力が必要だ」
(まあ、ここは俺もお手並み拝見といきますか。一夏が動くということは、俺がいやがらせできるってことでもあるし。それに、あの束の計画とやらを目の前でへし折ってやるのも面白い)
とりあえず、いったん俺は静観することにする。
「ああ!やってやるぜ!」
汚名返上の好機ととらえたのか、一夏はやる気満々だ。
二人は千冬と急いで作戦の打ち合わせをし、部屋を出て出発した。
「……姉さん」
部屋を出る直前、箒は縛られた束の方を見て、小さくつぶやいた。
「あなたが何を考えているのかはわからないが……、私はさっきの行為を許さない……!」
箒はそれだけ言い残して部屋から出て行った。
(千冬や箒が俺のために怒っている。そう思うといい気分だなぁ)
束の出現で、いろいろなことが動き出した。俺は力を持つが故の余裕でどっしりと待ち構えることにした。
――――――
―――
「行くぞ、紅椿」
砂浜で箒はISを展開し、空を見つめる。
「箒、無茶はするなよ。俺がお前を守るから」
一夏は箒を守り、これまでの汚名を返上しようと気合を入れる。
「大丈夫だ。このISは強い。私たちなら勝てる…!」
箒も新しく手にした力を振るうことに高揚感を覚えていた。敵は強いが、自分と一夏のISは相性もいい。必ず勝つ自信もあった。
「……なあ、箒」
「ん?なんだ?」
「いや、その……この戦いが終わったらさ、伝えたいことがあるんだ」
一夏は真剣な顔をして箒を見つめて言った。箒も一夏が真剣な気持ちで自分に向き合っていることを察する。
「……わかった。それなら、この戦いを無事に終わらせないとな」
「あ、ああ!」
二人はISを纏って空を飛び、ここへ迫ってくる暴走したIS・銀の福音の迎撃へと向かった。
(……よし!言えたぞ……!あとは、必ず勝って、箒に告白するだけだ!)
一夏はこの臨海学校で箒との距離を縮めるつもりでいた。この戦いで箒を守り、勝って、その思いを伝えようと気炎を更に高めた。
『篠ノ之、織斑!あと2分で目標と遭遇する。問題はないか?』
「こちらは問題なし。いつでも行けます!」
「俺も同じく!」
千冬からの通信が入り戦いのときが近いことを知るが、一夏の心に動揺はなかった。
『いいか!無茶だけはするな!篠ノ之の速度で撹乱し、織斑の一撃で沈める。冷静に確実に決めることだけを考えろ』
「「了解!」」
二人は気を引き締めて目標に向かっていく。やがて、その名が示すように銀の装甲を纏ったISが待ち構えていたかのように海上で二人を迎え撃った。
「あれか……!」
「来るぞ!」
銀の福音は二人を認めると、全方位へとエネルギー弾をばらまいた。
「なっ!?」
「いきなりこのレベルの攻撃かよ!」
二人は高密度の弾幕をかろうじて回避し、距離を詰めていく。
『二人とも無事か!?』
「篠ノ之、無事です!」
「俺も平気だ!ただ……さっさとケリをつけないとあれはヤバい……!」
「ああ、一夏、短期決戦で行くぞ!」
銀の福音の攻撃を見て長期戦は不利と見て、二人は白式の固有能力での短期決戦を決める。
「私が攪乱をする!一夏は隙を窺って決めろ!」
「箒!無茶はするなよ!」
二人は幼馴染ゆえのコンビネーションで役割を決め、上手く攻撃をしのいでいく。
(流石一夏だ……!前よりも成長して強くなっている……!私の考えもうまく読み取ってくれている!)
箒は一夏の動きを見て自分たちの相性の良さに嬉しさを覚えた。
銀の福音はちょろちょろと逃げ回る箒を撃墜しようと、再びエネルギーを溜めての広域攻撃を繰り出した。
「一夏!今だ!奴は大技を出して隙だらけだ!」
「おうっ!!あっ!?」
箒は目の前の大技を回避して一夏に連絡を入れる。一夏もそれに応じて一撃を食らわせようとするが急に動きを止めてその場でブレードを振るう。
「な!?一夏!?何をしている!?」
箒は攻撃をやめた一夏の行動に憤慨し、回線を通して叱責をする。せっかくの好機が無駄になったのだ。
「箒!船だ!海の上に船がいる!このままじゃ巻き添えを喰らう!」
一夏の背後には船舶がいた。一夏が攻撃を止めなければあの船は撃墜されていたかもしれない。
『船だと!?この海域は封鎖したはずだ!』
一夏の報告を聞いて千冬が驚きの声を上げる。
「おそらく、非合法の船かと……。一夏!今はこいつを撃退するのが先だ!法を犯した奴を気にして敗れるわけにはいかん!」
「だ、だけど……!」
「っ!?また来るぞ!」
銀の福音は再びエネルギーを溜めて全方位攻撃を行おうとする。
(くそ……!もう一度防ぎ切れるか分からねえ……!でも見捨てるわけには……!)
「一夏!!」
「く……くそぉ!!」
銀の福音はエネルギーを解き放つ。箒はなんとか攻撃を回避するが、一夏は攻撃を受け止めようとして攻撃をまともに喰らった。
「がっ!?」
「一夏!?なぜあんな奴らを守った!?」
箒の悲痛な声に応えることなく、一夏はそのまま海へと落下した。
『織斑!?おい!応答しろ!一夏!』
「いち……か……?」
『くっ!篠ノ之!一度引け!』
「し、しかし一夏が!」
『お前まで失うわけにはいかん!篠ノ之!』
「く……!くそっ!」
箒は海に落ちた一夏を助けたかったが千冬の命令により泣く泣く撤退を余儀なくされた。
(一夏の馬鹿め……!なぜ命令に背いた……!くそっ!)
――――――
―――
「く……!」
一夏が撃墜されたらしく、目の前で千冬が歯を食いしばっていた。
(あ~あ、早すぎだろ一夏くんは。俺が何もしなくても撃墜か)
俺は一夏撃墜を知って心の中でほくそ笑む。
とはいえ、一夏のことだ。ここから奇跡の復活からの逆転勝利もありえる。ここは俺がかっこつけさせてもらおうか。
「俺が行く」
「清野!?ま、待て!危険だ!」
「いいから。千冬はここで束のことを見張ってろ」
動揺して心配そうにしている千冬を押しとどめて俺は訓練機を用意して出撃準備をする。
(一夏のせいで負けた箒を慰めて、俺が一夏の敵わなかった相手を倒す。いい感じで盛り上がってきた)
「清野様!」
「ん?」
頭の中で勝利のファンファーレを鳴らし、勝った後のことを妄想していると、セシリアたちが覚悟を決めた顔で近付き、俺の手を握った。
「わたくしたちも行きますわ!清野様のことは必ずお守りします!」
スベスベの手で俺の手を覆い、ムッチリしたISスーツ姿で迫られるとは悪い気はしない。
(そうだな……。ま、俺のかっこよさを語り継がせるために必要か)
「分かった、一緒に来てくれ!」
「は、はいっ!」
「まかせなさいっ!」
「頑張るね!」
「清野様は私がお守りしよう」
「かんちゃん、まさくんのことお願い~」
「うん……、任せて……!」
俺の打算的な考えを知らずに、俺のハーレムたちは勇んで立ち上がる。
「おい!お前たち!これは訓練ではない!危険なんだぞ!」
「……行かせてあげましょう、織斑先生」
「なっ!?山田先生まで……!?」
「勝くんがいるなら大丈夫です。ね?」
千冬は無謀な出撃を止めようとしたが、真耶がそれを制して俺たちを行かせてくれる。
(改変を使わなくても、俺の考えを察して動いてくれるとは、さすが真耶だなっ)
俺を信じて優しく笑う真耶に俺も笑い返して、額にキスを落としてやる。
「行ってくる」
「はい、お気をつけて」
「お、おいっ!」
真耶と本音に見送られ、俺たちは旅館を出て、ISを展開して出撃した。
(さあ!まずは箒を慰めて、敵をさっさとぶっとばして、そしたら調子に乗ったウサギにお仕置きをしてやらないとなっ!)
「行きましょう、清野様!」
セシリアたちを引き連れて俺たちは飛び立ち、まずは箒との合流を目指した。
前回は誤字脱字が非常に多く、申し訳ありませんでした。
また、前回も書きましたが、投稿が不安定になりそうです。申し訳ありません。