「ちょ、そこ……」
五分刈りの頭を両手で抑えると、ゆずこは「ダメなの?」と子犬のような目で上目遣いに訴えてきた。しばし岡野とゆずこは視線を交わして、結局岡野が「いいよ」と折れた。
ゆずこは心の底からうれしそうな顔で岡野の指に自らの指をからめる。
普通に手をつなぐだけならなんともないのに、ゆずこにされるとそれだけでドキドキしてしまう。これから起きる出来事への心の準備ができてしまうのだ。
細い指がくすぐるように手の甲から指先に流れ、小指から親指までゆっくりと撫でる。手のひらの中心にすぼめた指先を当てて広げられると「くぅんっ」ぞわわっと背中に電流がはしった。
思わず声が漏れてしまいゆずこの様子をうかがってみた。にんまりと笑ってる。絶対聞かれてた。
「岡野さん、かわいい」
(こいつ余裕だな。生意気)
岡野はゆずこの頭をがしっと両手でつかんで力任せに頭をなでる。ふみの家の犬はたしかこれで喜んでたけど……
「ひゃぁ」
ゆずこは一枚上手だった。胸の一番敏感な所の下にキスされたのだ。ゆずこの舌はそのまま乳房の形を確かめるように外側から中心に向かってぐるぐると進む。
その進軍を止めようと頭をつかむのだけど、ゆずこの両手が無防備なわき腹をくすぐってきて力が抜けてしまう。
半泣きになって懇願した。
「ゆずこ、いじめないで」
「いじめるってなに?」
「ちゃんと、して……」
「ちゃんと?」
ゆずこは岡野の乳首に指を立てくるくると回し、つまんで軽く引っ張られた。
「ゃ、ゃぁ、ちゃんと……してよぉっ」
「きちんといってくれなきゃわかんないよ?」
「ちゃんと、ちゃん……とぉ、」
しかし言おうとするたび唇はふさがれ、言葉を乗せた舌先がゆずこの舌でかき乱されてしまうのだ。
岡野は半泣きになってゆずこに抱き付いた。
「ちゃんといかせてっ」
「あ~あ、いわれちゃった」
小憎らしい様子に、けど、もう反撃する余裕がない。
ゆずこの指が太ももから一番大切なところに侵入して、岡野の中をかき回す。
「ふっ、ふっ、ふぅ、は、は、はぅ」
「だいじょうぶ、だいじょうぶだよ」
「ゆ、ゆずこっ。すき、すきぃっ」
結局三回もいかされた。
岡野は先に寝てしまったゆずこに布団をかけ、鉄格子越しの月を眺めた。
「どうしてこんなことになってるんだろうな」
月明かりに照らされるゆずこの頭は無残な五分刈りになっている。その頭がかすかに揺れて寝言が漏れた。
「ゆいちゃ、ゆかりちゃ……」
閉じた目の端からゆっくりと涙がこぼれる。
「ほかの女の名前をよぶなよ」
岡野は涙をぬぐってやると、上から覆いかぶさるようにゆずこを抱きしめた。こうしないと一晩中寝言でうるさいから、しょうがないから。と言い訳しつつ……