※この作品はR-18です。

密星 -mitsubosh-   作:杉原美衣

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マス屋は 創作和風居酒屋で

夜は居酒屋を営業しているが昼はランチを出している

刺身定食や日替わりランチが美味しいと人気があり

早紀の会社の写真はもちろんのこと

周辺の会社のサラリーマンにも男女問わず大人気である

 

もちろん本業の夜の居酒屋営業もお客の入りはとても多い

 

早紀と美加は昼も夜も常連客になっている

 

「いらっしゃいませー!」

 

店内に入るとすぐに威勢のいい声で出迎えられた

声の主はマス屋の店主

カウンター席の中にある調理場からニコニコ笑っていた

開店してからさほど時間がたっていないというのに、テーブル席は半分近く埋まっていた

 

「ここにしよう!」

 

いつも2人でくる時は2人席かカウンター席に座るが

美加が選んだのは4人席だった

 

「あれ、もしかして他に誰か来るの?」

 

「あぁ、うん!林田も呼んだー!」

 

早紀はさっき自販機の前で林田と話したことを思い出した

 

「林田さん、まだ少し残業ってさっき会っ

 た時は言ってたけど…」

 

「そーなの? さっきメールしたら行くっ

 て一言返ってきたから、きっと早々に

 終わらせてくるでしょ♪」

 

美加はそう言いながら、今日のオススメが書かれたお品書きを楽しそうに眺めている

 

そこへ

 

「美加ちゃん早紀ちゃんいらっしゃい!

 何飲む?」

 

先ほど笑顔で迎えてくれた店主が

おしぼりとお通しを持ってやってきた

 

見かけは坊主で大柄で怖そうな風貌だが

笑うと可愛く人懐っこい愛されキャラだ

 

「とりあえず生ビール2つ♪」

 

美加はお通しをテーブルに並べながら答えた

 

「了解!

 あとこれ…サービスっ。内緒な☆」

 

店主は小声でそういうと小皿をテーブルの中央に置いた

 

「あっ♪マスターの特製ダシ巻き玉子!」

 

美加の目が輝いた

 

「今日のランチのあまりだけど、

 良かったら食べて」

 

そう言うと2人に向かって片目をパチッと閉じてカウンターの中に戻っていった

 

ほどなくしてキンキンに冷えた中ジョッキに入った生ビールが運ばれてきた

 

「かんぱ~い!」

「お疲れさま~!」

 

ジョッキの縁を合わせて一気に飲み干す

 

「あぁー…美味しいー…」

 

早紀は空になったジョッキを置いて

大きく息をついた

 

「なぁに~そんな一気で飲んじゃって~

 もしかして今日ずっとあの謎の質問考え

 てたりしたの?」

地味に当たっているその指摘に動揺する早紀

 

「まぁ確かにあれは考えるよね(笑)

 “好きなの?”の後の“俺も”って何だろ

 “俺も”、“好きなの?”……うーん」

 

美加がダシ巻き玉子を頬張りながら首をかしげた

何気なく聞いていた美加の言葉を

早紀は心の中でつぶやいてみた

 

“好きなの?” “俺も”

“俺も” “好きなの?”

“俺も好き”…

 

何かを自分も好き…

 

…!

 

「あ?もしかして…」

 

早紀は思い至ったことを確かめるため

バッグからスマホを取り出し画面を開いた

 

「このことかも。これ見て」

 

早紀は開いた画面を美加の顔の前に出した

美加が、出されたスマホを受け取ろうとした瞬間

早紀の持つスマホが横にスッと消え、同時に

 

「なに見てんの?

 …おっ!水歌じゃん!」

 

聞き慣れた声が弾んだ

 

見ると、テーブルの横に立ち、

片手で取り上げたスマホの画面を読む見慣

れた顔

 

林田が立っていた

 

 

 

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