※この作品はR-18です。

Non title   作:杏呑

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辰子さん、誕生日おめでとう。


青と海

8月上旬。

 

「あー…。暑い。ヤドカリ達大丈夫?」

 

大和はヤドカリ飼育をしている。

ヤドカリは暑さで弱っていた。

水場に人差し指で入れる。水はもうぬるま湯になっていた。

 

「マジか!早く水変えなきゃ!」

 

大和は早く水槽の水を変えた。

 

「ヤドン、カリン、大丈夫か〜?」

 

心配そうにヤドカリを見ていると部屋の襖が開く。

 

「大和ちゃん。失礼するよ。」

 

「麗子さん。どうしたの?」

 

すると麗子さんがある券を差し出す。

旅行券だった。

 

「何々…?日本のリゾート宿泊?」

 

「そうなんだよ、商店街で金が当たったんだよ。大和ちゃん、最近家に居てばかりだから気分転換にどうかなと思ってね。」

 

「うーん。まぁ悪くはないけど…。」

 

大和はヤドカリ達を見て言う。

 

「大丈夫だよ、ヤドカリは私が面倒見るから、誰かと行っておいで。」

 

「ありがとう。麗子さん。」

 

ーーーー

 

「貰ったのはいいけど誰と行こうか…。」

 

寮の皆んなは実家に帰っていたり、友達と宿泊に行っていた。そのため一緒に行く人がいない。

 

「燕さんも確か京都に帰っているんだっけなぁ…。弁慶は…あ、お仕事で忙しかったっけ。姉さんは…やめておこう。」

 

結局大和は1日中誰と行くかを考えてしまった。

 

夜。

 

「大和ちゃん。悪いけど味噌と卵買ってきてくれないかい?切らしてしまって。」

 

「わかったよ。行ってきます。」

 

大和は近くのスーパーに向かった。

スーパーは夕方セールをやっていたので少し混んでいた。

 

「えーと卵はここか。」

 

卵に手を出そうとした時だった。

 

「あー。大和君だー。」

 

「た、辰子さん!」

 

買い物カゴを持った辰子さんとあった。

 

「スーパーで会うなんて初めてだね〜。」

 

「辰子さんもお買い物?」

 

「うん。一応ご飯作るのは私だからね。スーパーのチラシとかよく目をつけるんだよ?」

 

「そっか。主婦みたいだね。」

 

「大和君が旦那様だったらいいな〜。」

 

その時大和はハッと思い出した。

そうだ、辰子さんを旅行へ誘ってみようかと。

 

「そうだ!辰子さんこれ。」

 

「ん〜?何それ?」

 

「もしよかったらさ、旅行行かない?2人きりで。」

 

2人きりの言葉に辰子は嬉しそうな顔をする。

 

「わーい!行く行く!大和君と一緒なら何処でも行くよ〜!」

 

「わあっ!ちょっ!見られてるって!」

 

こうして辰子と一緒に行くことになった。

 

ーーーー

 

一週間後。

大和と辰子はリゾート地へと向かった。

4時間のフライトで沖縄に着いた。

日本のリゾートは沖縄のとある諸島の五つ星リゾートだった。

 

バスから飛行機、船の乗り継ぎで疲れるが、綺麗すぎる海を見るとその疲れが忘れてしまう。

 

「ほら海が綺麗だよ、辰子さん。」

 

「ん…。むにゃ。」

 

「ま、まだ寝てるし…。」

 

辰子はバスに乗ってからずっと寝ていた。が、大和の腕を組んでいて、ひっつきっぱなしだった。

乗り継ぎの時は辰子をおぶり、荷物を持って行った。

 

「ん〜。あれ、もう着いたの?」

 

「とっくに着いたよ。もうホテルの中。」

 

「あ、本当だ。うわー!素敵な海♡」

 

「泳ごっか?」

 

「そうするー!」

 

ーーーー

 

リゾートのビーチは観光客で賑わっていた。

きゃいきゃいと楽しそうな声が響く。

 

「やっぱ五つ星だけであって、外国人もいるな。」

 

「大和くーん!」

 

「あ、辰子さん…!」

 

辰子の水着を見て声をつっかえる大和。

とっても綺麗だった。

男達も辰子の水着姿に釘付けだった。

 

「すげー…。グラドルよりも可愛くね?」

 

「本当本当。声かけちゃう?」

 

「あの女、胸でかっ!」

 

と男達が興奮していた。

だけど辰子は大和のモノだ。

 

「ど、どうかな…?似合ってる?」

 

「き、綺麗だよ…。凄く可愛い…。」

 

「本当?ありがと♡」

 

辰子がそう言うと大和を抱いた。

 

「大和君もかっこいい体してるね♡」

 

耳元でそう言われると顔が真っ赤になる。

ラブラブな雰囲気に

 

「くそっ!あの男羨ましい…!」

 

「何だよ、男連れかよっ!」

 

「俺の方がすげぇかっこいいのに‼︎」

 

と、大和に沢山の野次が飛んでいる。

大和は辰子の手をとり

 

「と、とりあえず泳ごっか!」

 

「や、大和君!」

 

冷たい海へと飛び込んだ。

 

「きゃっ!冷たいね〜。気持ちいい♡」

 

「それっ!」

 

大和が辰子に水をかける。

 

「あー!ひどーい!お返し!」

 

と互いに水遊びをした。

楽しそうな辰子を見るととっても可愛かったのだった。

 

夕方。

 

「はぁー。楽しかった〜。」

 

「あっという間だったね…。」

 

「大和君。」

 

「ん?どうしたの?」

 

「また2人でここに行こうね♡」

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