8月上旬。
「あー…。暑い。ヤドカリ達大丈夫?」
大和はヤドカリ飼育をしている。
ヤドカリは暑さで弱っていた。
水場に人差し指で入れる。水はもうぬるま湯になっていた。
「マジか!早く水変えなきゃ!」
大和は早く水槽の水を変えた。
「ヤドン、カリン、大丈夫か〜?」
心配そうにヤドカリを見ていると部屋の襖が開く。
「大和ちゃん。失礼するよ。」
「麗子さん。どうしたの?」
すると麗子さんがある券を差し出す。
旅行券だった。
「何々…?日本のリゾート宿泊?」
「そうなんだよ、商店街で金が当たったんだよ。大和ちゃん、最近家に居てばかりだから気分転換にどうかなと思ってね。」
「うーん。まぁ悪くはないけど…。」
大和はヤドカリ達を見て言う。
「大丈夫だよ、ヤドカリは私が面倒見るから、誰かと行っておいで。」
「ありがとう。麗子さん。」
ーーーー
「貰ったのはいいけど誰と行こうか…。」
寮の皆んなは実家に帰っていたり、友達と宿泊に行っていた。そのため一緒に行く人がいない。
「燕さんも確か京都に帰っているんだっけなぁ…。弁慶は…あ、お仕事で忙しかったっけ。姉さんは…やめておこう。」
結局大和は1日中誰と行くかを考えてしまった。
夜。
「大和ちゃん。悪いけど味噌と卵買ってきてくれないかい?切らしてしまって。」
「わかったよ。行ってきます。」
大和は近くのスーパーに向かった。
スーパーは夕方セールをやっていたので少し混んでいた。
「えーと卵はここか。」
卵に手を出そうとした時だった。
「あー。大和君だー。」
「た、辰子さん!」
買い物カゴを持った辰子さんとあった。
「スーパーで会うなんて初めてだね〜。」
「辰子さんもお買い物?」
「うん。一応ご飯作るのは私だからね。スーパーのチラシとかよく目をつけるんだよ?」
「そっか。主婦みたいだね。」
「大和君が旦那様だったらいいな〜。」
その時大和はハッと思い出した。
そうだ、辰子さんを旅行へ誘ってみようかと。
「そうだ!辰子さんこれ。」
「ん〜?何それ?」
「もしよかったらさ、旅行行かない?2人きりで。」
2人きりの言葉に辰子は嬉しそうな顔をする。
「わーい!行く行く!大和君と一緒なら何処でも行くよ〜!」
「わあっ!ちょっ!見られてるって!」
こうして辰子と一緒に行くことになった。
ーーーー
一週間後。
大和と辰子はリゾート地へと向かった。
4時間のフライトで沖縄に着いた。
日本のリゾートは沖縄のとある諸島の五つ星リゾートだった。
バスから飛行機、船の乗り継ぎで疲れるが、綺麗すぎる海を見るとその疲れが忘れてしまう。
「ほら海が綺麗だよ、辰子さん。」
「ん…。むにゃ。」
「ま、まだ寝てるし…。」
辰子はバスに乗ってからずっと寝ていた。が、大和の腕を組んでいて、ひっつきっぱなしだった。
乗り継ぎの時は辰子をおぶり、荷物を持って行った。
「ん〜。あれ、もう着いたの?」
「とっくに着いたよ。もうホテルの中。」
「あ、本当だ。うわー!素敵な海♡」
「泳ごっか?」
「そうするー!」
ーーーー
リゾートのビーチは観光客で賑わっていた。
きゃいきゃいと楽しそうな声が響く。
「やっぱ五つ星だけであって、外国人もいるな。」
「大和くーん!」
「あ、辰子さん…!」
辰子の水着を見て声をつっかえる大和。
とっても綺麗だった。
男達も辰子の水着姿に釘付けだった。
「すげー…。グラドルよりも可愛くね?」
「本当本当。声かけちゃう?」
「あの女、胸でかっ!」
と男達が興奮していた。
だけど辰子は大和のモノだ。
「ど、どうかな…?似合ってる?」
「き、綺麗だよ…。凄く可愛い…。」
「本当?ありがと♡」
辰子がそう言うと大和を抱いた。
「大和君もかっこいい体してるね♡」
耳元でそう言われると顔が真っ赤になる。
ラブラブな雰囲気に
「くそっ!あの男羨ましい…!」
「何だよ、男連れかよっ!」
「俺の方がすげぇかっこいいのに‼︎」
と、大和に沢山の野次が飛んでいる。
大和は辰子の手をとり
「と、とりあえず泳ごっか!」
「や、大和君!」
冷たい海へと飛び込んだ。
「きゃっ!冷たいね〜。気持ちいい♡」
「それっ!」
大和が辰子に水をかける。
「あー!ひどーい!お返し!」
と互いに水遊びをした。
楽しそうな辰子を見るととっても可愛かったのだった。
夕方。
「はぁー。楽しかった〜。」
「あっという間だったね…。」
「大和君。」
「ん?どうしたの?」
「また2人でここに行こうね♡」