板垣家に拉致されてもう何日も立つ。
脱出方法もわからないままただただ考えては時間が過ぎていくだけだった。
この日の夜大和は決断した。
「深夜しかチャンスが無い。」
そう思い深夜を待つのだった。
ーその数時間前ー
「そろそろ寝るよ!」
「へーい。」
「大和君、一緒に寝よー♡」
「うわっぷ!き、今日は1人で寝るよ!辰子さん!」
「そんなこと言わないでよー。」
いいバストが大和の顔を包み込んだ。
どんだけ気に入られてるのか自分でも何だかわからなくなってきた。
「おい、大和。いい加減に俺の隣で寝ろよ。辰姉よりはいいと思うぞ。」
「それだったらこっちの方がマシです。」
「竜ちゃん、大和君を困らせない。」
どす黒いオーラを出す辰子。
「けっ!先に寝るわ!」
「ほんじゃ、おやすみ。」
と丁度10:00に消灯した。
ーーーー
時間が経つのが長かったが、現在深夜2:00。
皆んなはもうぐっすり寝てる。
『ここがチャンスだな…。』
と布団から出ようとしたが当然辰子が抱きしめて寝てる。
中々脱出が出来ない。
「くっ…!1人で寝たいと言ったのに…!」
「うう〜ん…。」
辰子の腕を何とか解こうとし、出ようと思ったその時だった。
「どこ行くの…?」
「あっ!」
辰子は大和が離れたことを察知し、すぐに起きてしまった。
「と、トイレに行こうとしたんだよ。」
「うそ…。ここから出ようとしたんでしょ?」
「うっ…。」
すると辰子の顔から涙が…。
「嫌だよ…!どこにもいかないで…!」
「でも、俺には帰るところがあるんだ。悪いけどここにはいる権利は無いよ。」
「何で?私、大和君のこと好きだよ?私じゃ嫌だ…?」
その言葉に大和は躊躇いの顔をする。
大和は一回姉さんに告白をしたが、フラれた。
その思いがかき消えることなく1人でおちこんでいた。
まぁ、京は何とかして俺を励まそうとしている。
京だけじゃない。
周りのみんなからも励ましてくれる人がいた。
けど…この人はどうなんだろう。
一回会っただけで一目惚れされて、拉致されたときも優しくしてくれたし、正直に言ってこの人のことはよくわからない。
けど、こんな人は中々いない。
一度会っただけで優しくしてくれる人なんて滅多にない。
姉さんや京、それに他のみんなだって子供の時に友達になってから色々と人のことを知るようになった。
辰子さんは…。
最近会ってたばかりだったから…。
俺はこの人のことどう思ってたんだろう…?
「辰子さん。」
「え…?」
「俺は…辰子さんのことどう思ってるのかはわからない。ここに拉致されてた時もずっと優しくしてくれて竜兵からも守ってくれて、その時は凄く嬉しかったけど…やっぱり俺は好きかどうかなんてまだわからないんだ…。」
「…。私だって大和君のことはまだよくわからないけど、でも好きなのは本当だから…。ぐすっ…。だから大和君のこともっともっと知りたい。
弟だとも思わないで恋人として…!」
そう言って大和に抱きつく。
「大和君だったら何でも教えてあげたい…!」
「辰子さん…。」
その後2人はキスをし終わってから眠りについてしまった。
ーーーー
「はい、大和君どうぞ〜♡」
「ありがとう。辰子さん。」
「おい!大和だけなんで量多いんだよ!」
「ウチの少ねえじゃん!」
すると辰子は怖い顔をし2人を一喝した。
「黙って食べなよ。」
「「うっ…!」」
また時間の長い一日が始まるが大和は昨日のことを思い出していた。
もっとこの人を知りたいと。
そう思い辰子の朝食を、残さず食べ終わった大和だった。
「美味しかったよ。辰子さん。あ、皿洗うね。」
「ありがとう〜♡大和君♡」
以前より近くなっていた2人だった。