叛逆の騎士モードレッド編、スタートなう。
(1)なので、相変わらずエロ描写少な目でつ(土下座)
お年頃な叛逆の騎士(1)
夕方、カルデアへ帰還したモードレッドは一人、エントランスでソファーへ寝転がりボーッと天井を眺めながら思考に耽っていた。考えているのは、自分の感情、自分でも良く分からない"引っ掛かり"について。
(クソッ、父上が変なコト言うから、こんなことに──)
先日、モードレッドは父であるアルトリアから、マスターに負けたという話を聞いた。その時はカッとなって、マスターを倒す、なんて先走ったものの──実は、その言葉の真意は別にあった、というのを先ほど知ってしまう。
『私は夜の床で、主に女として抱いて頂いた。敬愛する主に、全てを捧げたいと思ったが故にな──我が心は奪われた、つまりは主に敗れたということに他ならん』
──そう、アルトリアから聞いてしまった
あまりにも衝撃的な事実に、モードレッドは以降の話を聞くこともなく逃げてきた。聞きたくなかった、と言った方が正しいかもしれない。たしかに彼女は
(父上が誰に惚れようが、オレの知ったことじゃねぇ──なのに、何なんだよ、この胸の奥がモヤモヤした感覚は。あー、クソッ、イライラする)
乱暴に頭を掻きむしり、モードレッドは身を起こす。心中にある霧のような感覚は、彼女の心を乱していく。何も考えず暴れたい、走り出して叫びたい、と思うほどに。しかし、それは叶わない、故に彼女は苦悩する。
浮かぶのは、
そして、マスターのこと。
(何で、マスターのことなんか考えてんだよオレ。アイツこそ関係ない、父上が惚れた相手ってだけだろ──この胸の奥のモヤモヤも、何のことかサッパリだ)
自身の胸へと手を当て、モードレッドは歯噛みする。色々な思考の糸は彼女の頭の中で絡み合い、ぐちゃぐちゃだ。だが同時に、"らしくない"と自嘲した。彼女は自分でも考えるという行為は苦手だと思っているし、実際その通りだったりする。
「あれ、モードレッドさんじゃないですか」
と、そこで誰かが声を掛けてきた。
まったく気配に気付かなかったモードレッドは顔を上げ声を掛けてきた誰かへ視線を向ける、そこに居たのは自分と同じクラス、セイバーの一人。真名は、沖田総司。
「──は、母上?」
「いやいや、その母上ってのは止めて下さいって言ってるじゃないですか──それよりも、どうかしましたか、胸が痛むとか?」
言われてモードレッドは、自分が胸を押さえていたことを思い出した。手を下ろす途中、「いや」と呟いた直後、ふと思った。もしかしたら沖田なら、自分の胸の奥にあるモヤモヤしたものの正体が分かるかもしれない、と。
どうせ一人で考えていても答えは出ないのだ、聞いてみて分かれば儲けもの。アルトリアの痴態を晒すようで心苦しいとも思ったが、あえて気付かなかったフリをした。
「あ、あのさ母上、実は──」
「────はい?」
それから十数分をかけて、モードレッドはアルトリアから聞いたことと、今の自分の状態を包み隠さず沖田へ伝えた。何故かイライラする、胸の奥のモヤモヤの原因、それが何なのか分からない、と。
それを聞いた直後の沖田は、「あはは」と愛想笑い。実を言えば沖田も、すでにマスターと肉体関係を持っていたからだ。アルトリアのことは初耳だったが、バツが悪いというか何というか、複雑な心境である。
「──でさ、母上、何か分かる?」
申し訳なさそうに眉根を寄せ見上げてくるモードレッド、その問いかけに対して沖田は、わざとらしく腕を組み唸る。余談だが沖田がモードレッドへ抱く印象は、父が大好きすぎて、つい反抗してしまう、いわばお年頃な直情型の元気娘。
たぶんアルトリアへの反抗心やらマスターへの想いやらで、うまく思考がまとまらないのだろう。そう予測した沖田だったが、ここで無責任なことを言うのも、後が怖い。悩んだ末に沖田は──
「──それはそうと、モードレッドさんは、どうしたいんですか?」
「────え、オレ?」
モードレッドの意思を、聞いてみた。
言われたモードレッドはといえば、心の中では即答していた。アルトリアに勝ちたい、認められたいと。そこまで思い至って、モードレッドはハッとする。何を悩んでいたのか、と自嘲の笑みを浮かべてしまった。
そう、考えるだけ無駄だったのだ。理由も、御託も、矜持も要らない。
同時に、勝負のためにはマスターへ抱かれる必要があるということにも気付く。そして、それがモードレッド自身も嫌ではないということにも。それが恋心である、という自覚が無いのは実に彼女らしい。
「──ん、ありがとな母上。オレ、行ってくるッ!!」
「ふぇ? あ、はい──」
踵を返し走り去って行くモードレッドを見送る沖田は、ポカンとした表情。だが彼女は去り際に見たモードレッドの笑顔を思い出したのか、誰へともなく苦笑した。何とも騒がしいことだ、もし自分に子供が居たらこんな心境なのかな、とは心の中だけで呟く。
それにしても、と溜め息を吐き出した沖田が「むむむっ」と困り顔で腕を組んだ。おそらくマスターの元へ向かったであろうモードレッド、そして、そこで起こるであろうコトを予測してしまったが故に。
(──もしかして私、新しいライバル作っちゃいましたかね?)
うーん、と本気で思い悩む沖田。モードレッドに自分もマスターと肉体関係にある、というのを明かさなかったとはいえ、自分の言葉が悩んでいた彼女を突き動かしたのは明白である。不本意ではあったがアルトリアもマスターと体を重ねたという事実を知ってしまったことも、沖田の感情を煽る要因の一端。
(まぁ、マスターの正妻は私ですけどね──ッ!!)
ふんすっ、とドヤ顔で胸を張る沖田。その根拠はどこから来るんだ、と気になるがエントランスには彼女一人。ツッコミ不在のまま、高笑いし始めた沖田は有頂天。彼女の高笑いは、信長がエントランスを訪れ「うわっ、一人で馬鹿笑いとか気持ち悪っ」と声を掛けるまで続いたそうな。
◆ ◆ ◆
いきなり部屋を訪れてきたモードレッドは、彼女にしては珍しく覇気のない、どこか浮わついた様子だった。とりあえず、立ち話も何だから椅子にでも座れば、と言おうとした矢先、彼女は足早にベッドへ近付き腰を下ろす。相変わらずの傍若無人ぶりである。
悩み事か何かだろうか、と思って声は掛けなかった。モードレッドと同じくベッドへと腰掛け、彼女が話すのを待った。
「マスター、オレと勝負してくれ──」
あ、そっちデスか。そういえば前にも言われたことがあるな、と思い出した。前は剣を片手に襲ってきたけど、今回は違う。ふと見れば顔を俯かせ、頬を朱に染めるモードレッドの横顔が見えた。おまけに、かすかではあるが、ふるふるっ、と肩を揺らし震えていた。
これは、たぶん、そういうこと、なんだろうな。アルトリアから全部、聞いてしまったんだろう。となればモードレッドが言う勝負ってのは、いわゆる性交と見て間違いない。
「オレは父上に勝ちたい、認めさせたい。だから床の中とはいえ父上に勝ったマスター、お前に"参った"って言わせたい──オレも、その、お前のコト嫌いじゃない、し──"そういうこと"するのに抵抗は、ないから、さ──」
そこで、モードレッドが顔を向けてくる。真っ直ぐな瞳には、ただならぬ決意が見て取れる。この目は、本気だ。その一方で"そういうこと"に抵抗がないと言いつつ、顔を真っ赤にさせ視線を逸らす彼女は──とても、魅力的だった。
つい、モードレッドの頭を撫でてしまう。すると彼女は驚いたのか、びくっ、と肩を揺らす。撫でられたのが気に入らないのか、目線を向けてきて抗議しようと口を開いてくる彼女。しかし、思い直したかのように視線を逸らすと口元を引き結んでしまった。なんとも珍しいことだ。
「じ、じゃあ──する、か──いいか、"参った"って言った方が敗けだからな──ッ!!」
するっ、と頭を撫でていた掌から逃げるように頭を振ったモードレッドが、体を寄せてきた。そのまま彼女は額を胸板へ押し付け、腰へ手を回してくる。ぎこちない動きだが、ぎゅっ、と抱き付いてきた姿は小動物のような可愛らしさがあった。
ぐりぐり、と胸板がモードレッドの額で擦られると、くすぐったくて身を捻ってしまいそう。だが、その衝動に耐え彼女の背中へ腕を回す。細身で小さな背中は、力加減によっては、そのまま折れてしまいそうだ。
「──ん、ぅ──えっと、この後は──どうすりゃ良いんだ──?」
とりあえず抱き付いてみたは良いが、その後のことなど考えていなかったらしい。腕の中でモードレッドが身を捻り、慌てだした。初々しい反応に嗜虐心が刺激され、つい悪戯したくなってしまった。
少し強引に頭をモードレッドの肩へと寄せていき、剥き出しの肩口へ口付けた。いきなり肩口へキスされたことに驚いたのか、腕の中で「ひっ」と息を飲む声が漏れてくる。当たり前だが、これだけでは済まさない。唇で彼女の華奢な肩口を甘噛みし、擦り、舌を這わせた。
「──ひっ──ぅ──く、くすぐった──おまっ──なにし、て──」
肩口から感じる刺激から逃れようと、モードレッドが腕の中で身を捻る。だが背中へ回した腕の力を強め身動きを取れなくしてから、今度は肩口へ吸い付いてやった。その感覚に、モードレッドの背中が、ぞわっ、と粟立つ。未体験の刺激、快感には程遠い微弱な刺激だが、彼女には抗う術はない。
ひたすら刺激に耐える、それしか彼女には打つ手がない。
「──んんっ──っ──ふぁ──はぁっ──こ、こんなもん、かよ──た──ただ、くすぐったい──だけ──じゃねぇか──」
ハッ、と鼻で笑うモードレッド。とはいえ、いま行っているのは前戯でさえない。これは、あくまで緊張を解すための行為、これから与えるであろう快感という感覚に備える前準備といったところ。
「余裕、余裕」とモードレッドが腕の中で呟いたのを聞いてから、ベッドへ押し倒してやる。ぼふっ、と背中から仰向けに倒れたモードレッドは、いきなりのことに少し戸惑っているようだ。
「──うわっ──おま──あぶねぇだろ──」
聞く耳を持たず、彼女へのしかかり体を密着させる。ついでに足を絡めて、満足に動けないように固定して準備完了。そのまま肩口から二の腕までを丹念に舐め上げる。唾液を舌へ乗せ塗り付けていくように、ぴちゃっ、ぴちゃっ、と大きな音が出るよう、わざと大きく、激しく舌を動かしてやった。
肩口、二の腕を堪能し終えたら、次は反対側だ。
同じように丹念に、執拗に舌を這わせ、唇を擦り付け、吸い付く。そろそろモードレッドも刺激に慣れてきたのだろう、当初ほど大きく体を跳ねさせることもなくなった。ふと目線を上げて顔を覗き込むと、ふふんっ、とドヤ顔を向けられた。
「──ハッ、この程度かよ──大したことねぇな──」
その余裕がどこまで保つか、楽しみだ。
モードレッドの背中から腕を抜き、代わりに腕を掴み上げさせると、その開いた脇腹へ強引に顔を捩じ込んでやる。すると蒸せたニオイが鼻孔を刺激してくるが、逆に興奮してきた。
「う、ぁ──そこ──やめっ──かお、いれるなぁ──ッ!!」
脇へと顔を捩じ込まれたことに驚いたのか、モードレッドは真っ赤にしてしまう。またもや逃れようとしているが、先に足を固定した上に腕を取って拘束しておいたのが功を奏した。彼女は逃れることができず、せいぜい身動ぎするのが精一杯といったところ。
さらに腕を上げさせ、大きく開かれた彼女の滑らかな脇へ口付ける。吸い付き、舌を這わすと舌先が、ぴりっ、と痺れた。これは、おそらく汗の味。
「う、ぁ──やめ、なめ──っなぁ──そ、こぉ──きたね、ぇ──からぁ──ひっ──やめろっ──てぇ──ッ!!」
びくんっ、びくんっ、とモードレッドの体が跳ねている。くすぐったさ、微弱な刺激に加えて羞恥まで感じ始めた彼女の体は、少しずつではあるが準備が整っていく。だからこそ、ゆっくり、焦らすように昂らせてやる。
脇と脇腹を、つーっ、と舌で舐め回す。彼女が着ている服の剥き出し部分を目掛けて、柔肌を味わい、ねぶり、しゃぶり、微弱な刺激を与え続けてやる。まだまだ核心部分は、あえて刺激しない。肩を、腕を、脇を、腹を、責めて、責めて、責め抜いてやる。
「──う、ああぁ──やめ──なめ、んなぁ──ひ、ぁ──ん、ぅ──ぁ、ぅんっ──ぅ──ううぅっ──こ、の──へんた、い──がぁ──ッ!!」
勝負を持ちかけてきたのは、彼女の方だ。
そう、これはモードレッドが耐え切るか、堕ちるかの勝負。
──どうせ、時間制限はないのだ
──だったら、あえて長い時間をかけて
──彼女の全身を味わって、焦らしてやる
──そして最後に、絶対、"参った"と言わせてやる
いかにして自然にモードレッドをベッドへ誘導し、えっちに持ち込むか凄く悩みますた、その結果、沖田さんに出張ってもらうハメに……(白目)
友達以上恋人未満ってのも興味はあったけど、それだとモードレッド、ぐだ男へ殴る蹴るの抵抗する光景しか浮かばなかったんや……
次回、モードレッドを焦らしに焦らすの巻(ゲス顔)