サンタと良い子の性なる夜(1)
ロマン主催のクリスマスパーティーが終わると参加した面々を見送り、自室の片付けも程ほどに身支度を整えてから寝床へ着く。まだパーティーの余韻はあったが、時計の針は0時を指そうという頃。疲労と眠気には、抗うことはできなかったのだ──睡魔と倦怠感に誘われるまま、柔らかい布団へ潜り込むと瞼を閉じる。
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と、何やら違和感を感じた。
具体的に言うなら、お腹の辺りが苦しい。
それほど嫌な感覚ではなかったので、別に無視を決め込んでも問題はなかったのだと思う。だが、何というか、虫の知らせというか貞操の危機というか、本能が"目を開けろ"と訴えてきた。
重い瞼を開けると、まどろみ霞む視界が何かを捉えた。明かりを消した自室の白い天井の中へ見えるのは黒いシルエット、それが"誰なのか"は、すぐには分からなかった──時間の経過に合わせて徐々に鮮明になっていく視界、霞が晴れた時、ようやく"誰かが仰向けの自分に馬乗りで跨がっている"のだと自覚する。
どこか冷ややかな、それでいて溢れんばかりの覇気が印象的な黄金の瞳が自身を見下ろしていた。白い珠のような頬には僅かな紅潮、美しく艶やかな唇は目麗しい微笑を形作っている──そして、そんな真白の肌を包んでいるであろう衣服は、"黒"。胸元に結ばれた赤と緑に彩られたリボンが、"彼女"の呼吸に合わせて揺れていた。
「む、起きていたのか、トナカイ──」
そう、仰向けになった自分へ跨がっていたのは、サンタオルタだ。先ほどまでパーティーに参加していた一人で、たしか見送った時はジャックと一緒だったと記憶してる──というか、彼女の言葉には語弊というか、盛大な間違いがある。
──寝てたよ。起こされたの。今、キミに。
「ああ、そうか。だが過程はどうあれ、いま貴様は起きている。良い子は、もう眠る時間だ。せっかくプレゼントを持ってきてやったというのに、まだ起きている貴様は……悪い子だな」
ムチャクチャな理論だ、というか理不尽にも程がある。起こされた事実は棚上げしといて、起きてる結果だけで悪い子認定。そのサンタオルタ理論だと、世界中の人々が悪い子認定されてしまう──まぁ、サンタオルタに限らずオルタなサーヴァント達は大体"こう"なのは知ってるから、今さら指摘しないけどね。
それよりも、もっと気になる事実がある。
何故、彼女は再び自室を訪れたのだろうか?
「とはいえ、普段の貴様は良い子なのは知っている、私はサンタクロースだからな」
仰向けの自分に跨がりながら、「ふふんっ」と自慢げなサンタオルタ。ついつい「サンタクロース関係ないよね?」とツッコミを入れそうになったけど、十中八九ヤブ蛇だろうと黙っていた──と、その時。枕元、ベッドの傍らから自分の顔を覗き込んでくる視線に気付く。
「おかあさん、いいこいいこ──」
暗闇なので上手い表現じゃないけど、輝くような笑顔が闇の向こうに見える。猫を思わせる瞳、まだ幼いと言える顔立ちの女の子。短く白い髪の彼女がジャックであることに気付き名を呼んでやると、こちらの頭を撫でてきた──自身の髪を指先で弄ぶ彼女は楽しそうで、嬉しそうで、色々と言いたいのだが声を掛けるのを躊躇ってしまう。
「……だが、今の貴様は悪い子だ……いいや、正確に言うなら……"こっち"に悪い子が居る、な」
自分に跨がるサンタオルタが意味深に嗤うと、ゆっくりと腰を前後に揺らし始める。そちらへ視線をやると、大きく左右へ広げられた彼女の脚の付け根、衣装と同じ黒いパンストが"擦り付けられていた"──緩やかな刺激を受けズボンの下で苦しそうに腫れる、
制止のために上げた手は、サンタオルタの白く長い指に阻まれる。指を絡め取られ自由を失った手は彼女の手の柔らかさ、暖かさを伝えてきて──その間も執拗に、丹念に、勃起した肉棒の形をズボン越しで確かめるように、彼女の秘部が擦られる。
「おかあさん、わるいこなの?」
背中を昇ってくる快感で徐々に昂っていくなか、いつの間にか顔を寄せてきていたジャックが不安げに呟いた。眉根を寄せ、こちらを覗き込んでくる彼女が小首を傾げると──少しだけ息を乱し、艶やかな吐息を吐くサンタオルタの言葉が遠くで聞こえた。
「……っ……ん、ぅ……ふ、ぅ……いや、いま"悪い子"は……私っ、が……相手をしてやっている。お前はマスターの苦痛を……んッ……和らげてやるが、いい……」
「……? よく、わからないけど……わかった……んっ……」
サンタオルタの言葉に頭上へ?マークを浮かべていたジャックだが、そう呟くとベッドの傍らへ上半身だけを載せて、顔を近付けてくる。そして、そのまま鼻先へ花にも似た香りが漂ってきたかと思うと同時、彼女の唇で口を塞がれた。
分かってなくて無自覚にしているのか、分かっててしているのかはジャック以外に知る術はない。確かなのは、今まさに、唇同士が密着しているというコト──最初は優しい、触れ合うだけの口付け。しかし、優しかったのは数秒だけ。
「……ん、ぅ……ちゅっ、ぅ……んんっ……ぷぁ、ぁ……ぇ、ぁ……」
密着していたジャックの唇が、器用に口を押し開けてくる。甘く噛み付き、時には自ら首を曲げ貪るように。あまりにも自然な形で、いいように誘導されるまま、流されるままに半開きとなってしまった口──開け放たれた唇を縫って彼女の舌が侵入してくるのを阻むことは、できなかった。
呼吸に合わせて直にジャックの吐息を鼻先へ感じながら、口内へ侵入してきた舌に翻弄される。彼女の舌がこちらの舌腹を這っていくだけで甘い痺れが脳を焼いた。短い舌が器用に舌へ巻き付いてくるだけで、背中が跳ね上がった。流し込まれてきた蜜、唾液が喉を通過していく度に体が熱くなっていった。
「……ん、んっ……ぢゅっ、んっ……えぁ、はっ……れろっ……っ……ぷぁ、はっ……んぅ、っ……おかあさん、いたくない……?」
眠気とは違う眩暈に明滅する視界いっぱいに、ジャックの顔が映る。その頬は紅潮し、口端からは唾液を流し、僅かに覗く舌には切れたばかりの唾液の糸が見て取れた。痛みなど、感じるわけがない。むしろサンタオルタが与えてくる緩やかな刺激とは別種の快感、幼い容姿の彼女が貪るようなキスをしてくるという意外性、背徳感に襲われる。
「……んっ……はぁ……ほう、
ジャックとのキスに夢中だったので気付かなかったが、いつの間にかサンタオルタは体を離していた。とはいえ、いまだ彼女は自分に跨がったまま。そんな体勢では望まぬとも見えてしまう、ベッドへ両膝を突いた彼女の股間、先ほどまで摩擦を繰り返していた秘所──明らかな水気、恐らくは彼女が秘所から漏らした愛液によって滲む股間とズボンを繋ぐ糸を。
口元をジャックの唾液に汚され、ズボンをサンタオルタに汚され、昂ってしまった意識と体は、もはや収めることができない、止められるワケがない──嬉しげに衣服を脱ぎ始めたジャックと、股間の部分が愛液で黒く滲んだパンストを脱ぎ始めるサンタオルタ。二人が脱ぎ始めたのを、呆とした頭のまま、仰向けのまま、黙って眺めていた。
これから行われるであろう行為に、期待しながら。
◆ ◆ ◆
「……ん、ぁ……れろっ……ぁ……ふふっ、すごいニオイだぞトナカイ……獣のニオイだ……」
「……ちゅっ……ん、ぁむ……じゅる、っ……ん、んっ……ぷぁっ……おかあさんの、ここ……かたくて、あつぃ……びくん、びくん、って……」
生まれたままの姿になったジャックと、自らの愛液で濡れた下着を脱ぎ捨てたサンタオルタ、二人の声が自身の股間の方から聞こえる。視線を落とすと、ものすごい光景──天井へ向かって大きく反り返った肉棒へ舌を、唇を這わせる二人の姿。左右から唾液を纏った二人の舌が、肉棒をご馳走だと言わんばかりに味わう様が広がっていた。
小さく舌を出し、舌先を器用に用いて裏スジやカリなどを局所的に刺激してくるジャック。対してサンタオルタは、たっぷりと唾液を乗せた舌でサオや亀頭を大胆に舐め回してくる──強さも、リズムも、全てが違う二人の奉仕。だが、それは絶大な快感となって襲ってくる。ゾクゾクと這い上がってくる寒気で、無意識のままに腰や背中が跳ねてしまうほどに。
「……ぇ、ぁ……れろっ……ん、んーっ……は、ぁ……良い、とても良いぞトナカイ………ああ、我慢できん……あ、んむっ……じゅっ、んっ……じゅるっ、ぢゅっ、んっ、んぅ、んんっ……ッ!!」
二人の奉仕に耐えていた最中、突如としてサンタオルタの蹂躙が始まる。大きく口を開けた彼女は、そのまま反り返った肉棒へ頭からかぶり付いてきたのだ。そして、そのまま、彼女は勢いよく前後に頭を振り始める。サオへ唇を滑らせ、呑み込んだ亀頭、裏スジへ舌を擦り付けるように。
「……ぁ……サンタさん、ずるいぃ……あたし、たちもぉ……」
「……ん、ぅ? んっ、んっ、んんっ……ぷぁっ……すまん、少し冷静を欠いた、許せ」
「……もぉ……つぎは、あたしたちの、ばん……だからね……ぁ、むっ……んぅ……おっ、ひぃ……ッ……ん、ぢゅるっ……んっ、んっ……んんっ、ぢゅっ……ぢゅるっ、んむっ……ッ!!」
ジャックの悲しそうな声で、ようやくサンタオルタは我に返ったらしい。謝罪しつつ、どこか申し訳なさそうに眉根を寄せながら肉棒から口を離した。混ぜ合わされた唾液と先走りで、白く濁った糸を引きながら──入れ代わり、今度は嬉々としてジャックが肉棒へ顔を寄せてきた。
小さい口を開け、ジャックが亀頭へ甘く噛み付いてくる。先のサンタオルタによる暴力的な快感とは違い、彼女の口淫は"的を得た"モノだ。言い方を変えるなら、"敏感な部分を的確に責めてくる"──彼女は亀頭を半分ほど口内へ招えると、舌先で先端を刺激してきた。痛みを感じる寸前、無理に開こうとはせず、尿道口の伸縮に合わせ、ゆっくりと。
たっぷりと唾液の乗ったジャックの舌先が尿道口をほじり、裏スジへ抜け、ザラザラとした舌腹を押し付け、また口内へと帰っていく。漏れ出てくる先走りを唾液ごと吸い、じゅるっ、じゅるっ、と音を立てながら。
「……ん、っ……んっ、じゅるっ、んんっ……ぷはっ……れろっ、ぇうっ……っ……ん、むっ……ぢゅっ、ぢゅるる……っ……ふ、ぅ……ぉ……かぁ、ひゃん……ろぉ……?」
肉棒を口に含みながら、どこか苦しげにジャックが問い掛けてきた。その問い掛けが気持ちいいか、という質問なら答えは決まっている。夢見心地、天にも昇る気分なのは間違いない。それを答えてあげるべきなのだが、答えようとした瞬間……
「……ふんっ、答えなど聞くまでもないな。私達が奉仕してやっているのだ、良いに決まっている……もう我慢できんのだろう、こんなに痙攣させおって……良いぞ、このまま果ててしまえ……」
サンタオルタの言に、阻まれた。彼女の言葉は、まさにその通り。気持ちいいこと、そして、今にも"我慢できそうにない"こと、どちらもだ──こちらの返事など待たず彼女はそう言い放つと、いまだ亀頭を頬張るジャックと頬をぶつけ、少し強引に亀頭へ甘く噛み付いてきた。
サンタオルタの横槍に不満そうにジャックが唸るが、それも一瞬。二人の掌が肉棒の根本へ添えられ、固定されると──彼女達は互いに頬を寄せ合い、擦り付け合い、時おり唇をぶつけながらも、我先にと左右から亀頭をしゃぶり上げてくる。
「……んっ、ぢゅるっ、ぢゅぅっ……っ……は、ぁ……おかあさん、がまん……しないで、いい……よっ……ぁ、むっ……ん、んっ、んん、んっ……ふ、ぁ……ぢゅるるるっ……」
「……ん、ぁ……じゅるっ、んっ……ん、んぅっ、んんっ……ぷ、ぁ……良い、このまま果てろ……っ……私達の、顔に……んっ……貴様の汚ならしい、欲望……ん、れろっ……はぁ……ぶちまけて、しまえ……ッ……じゅる、ん……ちゅっ、んむっ……じゅるっ、じゅるっ、んっ……んんっ……」
腰が、ぶるっ、と震える。サンタオルタが言うように自身が吐き出した欲望が二人を汚す様を想像してしまって、もう抑え付けておくのも限界だ。昂りのまま二人の頭へ手を伸ばすと、肉棒の方へ引き寄せた──その行為は、もう限界であると彼女達へ伝えるサイン。
こちらの状態を察知し、二人の奉仕も激しさを増していく。鼻を突く獣臭を漂わせる、おぞましい肉棒へ顔を押し付けられているというのに、サンタオルタとジャックの表情に嫌悪感はない──むしろ、どこか嬉しそうで、楽しそうで、なんとも扇情的な微笑を浮かべていた。
と、二人の唾液で濡れる玉袋から、欲望が登っていくのを感じる。あっという間に駆け上がってくる欲望は、すでに太くなった肉棒の中を巡り──絶頂を迎える刹那、亀頭の先端から勢いよく噴き出していった。びゅーっ、と噴水のように噴き出した欲望、濁った白濁が彼女達の頬を、口元を、鼻先を叩いていく。
「……んっ、ぁ……なん、ひゃ……れ、たぁ……んぅ、ぁつ、くてぇ……どろどろぉ……っ……れ、もぉ……ぃや、じゃ……ないっ……んっ……れろっ……ちゅるっ……じゅる、んっ……ぇあ、んっ……じゅる、じゅるるっ……んんっ……」
「……ん、っ……はっ、すごい量だな、トナカイ……しかも濃いな、まるでゼリーのようだ。それに、臭いも酷い……ああ、"悪くない"……ん、っ……ちゅるっ、ぢゅるる……ぷぁっ……れろっ、ぇれっ……ッ……んっ……ちゅる、んっ……」
びゅるっ、びゅるっ、と勢いを変えながらも断続的に射出された欲望、精液がジャックとサンタオルタの顔を汚す。頬といわず、髪といわず、口元といわず、鼻といわず、彼女達の整った顔が汚ならしい白濁に染まっていく──突き抜けるような快感、絶頂が訪れてから数秒ほど経過した時、ようやく欲望が噴き出す勢いが徐々に弱まってきた。
そして、とうとう肉棒から白濁の噴出が止まる。
だが、こちらの絶頂、射精が終わっても彼女達の奉仕は止まらない。彼女達は互いの顔中だけに留まらず、下腹部や肉棒に付着した精液を舐め取っていく──僅かではあるが喉が揺れているのを見る辺り、間違いなく飲み込んでいる。生臭い獣臭を漂わせ、粘性を帯びた精液を。
「……ん、くっ……んくっ、んっ……ぷ、ぁっ……けほっ、けほっ……ぁ、なん、でぇ……くさぃ、し……まず、ぃのにい……とまら、にゃぃ……ッ……ん、ぅ……れろっ、ぺろっ……ちゅるっ、ちゅっ……ん、っ……じゅ、るっ……」
「……ん、んんっ………ん、くっ……は、ぁ……喉に絡んで呑み難い……おまけに臭い、不味い、此奴の言う通りだ……貴様のモノでなければ、好んで呑み込もうとは思わんな……っ……ぁ……違っ、違うぞッ……嫌々だ、嫌々だからなッ……私は戦利品は余すことなく頂く主義だから、仕方なくだッ……勘違いするなよトナカイ……ッ!!」
射精の余韻に浸りながら、びくんっ、びくんっ、と痙攣する肉棒を通して彼女達の唇と舌による緩やかな奉仕を堪能していると、ふと、おぼろ気な視界ではあったが彼女達の痴態を見てしまう──糸引く白濁で顔を汚し、目端に涙を浮かべながらも口による"掃除"を止めようとしないジャック。悪態を吐き、こちらを睨みながらも赤面のサンタオルタ。そんな、二人の様を。
だから、仕方ない。射精したばかりだというのに、再び肉棒へ血が通っていくのは、仕方のないことだ。あっという間に固さを取り戻した肉棒に、すぐさま彼女達は気付く──あくまで個人的な主観だが、ジャックもサンタオルタも、どこか嬉しそう。もしかしたら、"これからの行為"に期待しているのかもしれない。
いや、期待していてほしいから、そう見えるのかもしれない。だって、こちらとしては"彼女達が期待していようがいまいが関係ない"のだから。アルトリア達には及ばないが、負けたままでいるのは癪だ。こちらだって、ヤられるばかりではない。
さぁ、次は、こちらの番だ──