八幡転生 作:スティーヴン
しかし……先ずは注意勧告をしておきます。
この作品はストーリー的には真女神転生if&カーンが基本ベースにし、更にDDS内で書かれていた表現を使う予定です。
つまり 学校内に残った者に未来はありません。
物語が先に進めば キャラクターの死亡 嬲り物にされる シーンが出てきます。
ヒロインが好きな方 他のキャラクターが好きな方はブラウザーバックないし そっ閉じ推奨です。
最後に 感想欄にこの作品に対する批判やアンチ意見などはいりません、合わないのなら読まない方がお互いにいいです。
こう "前書きに書きましたから" 此を見た、読んだものとして読み手さん方を僕は見ます。
高校二年になり、自身が書いた作文の内容が巫山戯ていると国語教師に言われ、何だかんだと因縁を付けられた挙げ句に無理矢理奉仕部とか言う部に入れられた……それでいざ部活動をする機会が出来たと思えば部の理念を悉く無視した依頼と言う名の無茶苦茶な頼み事を何度も押し付けられ、それでも受けてしまえば依頼者の手前やるしかない そんな最中、同じ部の部員は当然ながら依頼を解決出来ず……このままではコイツらに依頼をこなせなかったことによる批判が向いてしまう。そう思い俺は俺なりのやり方で依頼を解消すれば……コイツらはやり方が〜と言いながら、ある時には批判され、ある時には否定される……そんな日々を過ごし、挙げ句――
「あなたのやり方嫌いだわ」
「もっと人の気持ちも考えてよ!」
こう来たもんだ。
雪ノ下、お前はアナタのこと理解したと言い俺に任せると言ったな?なのに俺がやれば 俺のやり方は嫌いだわ……か、俺のやり方を否定するのはいいが……別な案も出さず本来部の理念から外れているこの依頼は受けるべきじゃなかったはずだ。なのに流されて受け挙げ句解決方法も見出だせぬまま最後には俺に任せ……俺を否定か。
嘗ての高潔なお前は何処にいった?姉に依存していたお前がそれを止めたと思ったら次は由比ヶ浜に、か。
由比ヶ浜、お前はあのグループにいながらその依頼が上手く行くはずもない事を理解せず、強引に受けたな 挙げ句依頼の解決方法を一切提示せずに俺がやれば 人の気持ちも考えろだと?巫山戯るなよ……!お前はあんな手をやる俺の気持ちを考えたのか!?
お前は嘗て空気を読んでいると言ったな?どこがだ?お前が読んでいるのはただただ、自分に危害が来ないかだけだろ。
…………もういい
修学旅行での依頼後に直ぐ様来た次の依頼は生徒がどうにか出来るとか言う以前の問題だった。なのに"あの無責任な教師"はこの依頼をやれと言う……馬鹿なのか?いや、それ以上か。前から思っていたがこんな奴が結婚出来るわけないだろ、大体煙草もカッコつけで吸っているとか言ったな? アンタ馬鹿過ぎだろう。どこの世界に障害を持った子を欲しがるやつがいるんだよ……何処にもいねえよ。女は男を見て本能的に大丈夫な相手か見ると言うが……あれ、男も同じだからな?今時ラノベでももう少し正面なキャラクターがヒロインだわ。
そんな事を考えながらも何とかこの依頼を解決し、一時の平穏な日が来たかと思えば季節は冬色になり、急激に寒くなる日々の中 俺の元に再び一色が現れ今度は他校とのクリスマスイベントの会合が上手く行かず、「このままでは失敗してしまうので助けてください!」との事。依頼解決の為とは言え一色を上手く乗せて生徒会長にした手前、協力をしないわけにも行かず手伝いに行ったのだが……そこには意識高い系が何人もいて、ひたすら仕事をしている気になりながら"理想だけ"を話し続けていた。
当然こんな事を続けていてはあと数日もしないうちに間に合わなくなってしまう。だから俺は俺のやり方を再び通した……
結果はわかりやすい程の敵意の視線。 はん……その程度の敵意も視線もうちの学校と比べたら温すぎるわ。 何にしても俺の発言により何時までも停滞していた会合は進み、その結果各校の出し物は其々別れてやることとなり……結果、総武側は大成功を納め 海浜側は大失敗を晒した。
クリスマスイベントの結果が出て一色は一年ながら生徒会長として見事過ぎるくらいな結果を出し、地元地域から、学校の生徒や先生方、及び周りから多大な評価をされ誉められていた。……後日生徒会室で一色から聞いた話だが、一色を嵌めようとした同じクラスの女子達一同が苦々しい顔をしていたとか、それを見て一色も嗤いが止まらなかったとか、な。無論ソイツらの目の前で嗤ったわけじゃなくてその場では我慢をして生徒会室に移動してから嗤ったらしいが……まあそれを聞いて俺も思ったがな、ザマァねえな、ってな。 クックック…………
そうして…………高校一年の時とは比べるべくもない程"濃すぎた"高校二年生の日々を過ごし、後数日もしたら冬休みと迫ったある日の事 何時もより眠気が強く六限目の途中から完全に眠ってしまった。軈て周りのざわつき具合により眠りから覚め始めた瞬間のこと、突然の巨大な揺れに襲われ目覚めた直後に落下物から身を守る為、机の下に潜り込む。揺れは大きく長く、この分では場所によっては津波もあるだろうと思いながらひたすらに机の下に身を隠す。奏功しているうちに天井の蛍光灯が外れ、落ちてきて下にいた者にぶつかり割れる……受けた者は軽く呻いていた 教室の床を見れば落ちてきた蛍光灯は一本や二本ではない事は蛍光灯の破片が物語っていた。激しい揺れは更に落下物を招き、今度はその激しい揺れから天井のパネルが外れそれに固定されていた蛍光器具がパネルごと落ちてきて下にいた男子生徒の頭に直撃し、受けた男子生徒は頭から血を吹き出しながら倒れた。男子生徒の周りにいた女生徒は男子生徒の頭から吹き出した血を浴びて悲鳴を上げ続けまさに大惨事だ
った……そして暫くすると
揺れが弱まり……、さらに漸くして揺れが止まり、状況を確認すべく机の下から出て立ち上がり教室の中を見渡しながら視線を外が見える筈の窓の方に向け外を見ると…………
「何だよ……これは……」
そこには"あるはずの青空も無く、況してや町並みも見えない"ただただ真っ暗な中に星のような小さな光が瞬くだけの暗闇の空間が広がっていた………………。
俺は慌ててスマホを出し小町に電話を掛けようとするが、画面に表示されている電波状況は"圏外"……クソッ! 取り敢えず何を置いても学校を出て小町のもとに帰らないと。そう思い俺は怪我人が溢れ、騒ぎ、混乱している教室を後にした。
† † † † †
……外に出るべく俺は歩き回った、が…………他の教室も何処も自分のいた教室と同じく落下物で怪我をした者や騒ぐだけの馬鹿共で溢れていた。中には外に出るべく俺を抜いて廊下を走り、階段を駆け下りていき……そうして少し間をおいて、遠くの遠くの方から悲鳴が上がった。何が起こったか、大凡の事は予想がつく。伊達に本を読みゲームをしているわけじゃない……俺は外に出る為の準備をすべく目的の物を求め再び歩き出した。
俺の目的地……それは運動部の部室&緊急の警報器の設置されたとある場所。それは他の廊下とかにあるサイレンだけのやつと違い日本でも早々見ることはない物が警報器と一緒に設置されている、"アレ"があれば運動部の部室で手にはいる物よりかなり役に立つはずだ。辺りの気配を探り、物音を探りながら進むと目的の物があるケースの下にたどり着いた。それは緊急時に障害物を壊し脱出したりする為の"斧"だった。俺はケースの硝子を上履きで割、斧を取り出すとそれは手にズシリとした重みを伝えて来た……。試しに振ってみる……想像より振れるが、目標から外せば"隙だらけ"だな……まぁ、学校で手にはいるとしたらこれ以上の物は手に入らないだろうから使いこなすしかないな。
「次は部室だな」
一人そう呟きながら運動部の部室がある方向に歩き出す……。
運動部の部室が並ぶその棟に着き辺りを見回すと扉は開けっ放しだが、人の気配はない……耳を欹ててみるが話し声も聞こえない。開け放たれた部室内を見ると荷物が崩れ、辺り一面乱雑にされている。ひょっとしたらさっきの揺れで部室内の荷物が崩れそれでこうなっているのかもな……取り敢えず……使えそうな物を物色し続け全部の部室を虱潰しに回る、結果 アメフトのショルダーパット、アメフトのヘルメット、ホッケー部からはバックパッド、野球部からは金属バット……更に何部かわからない部室からローラーブレードを見つけ 其々を身に付け始める。
臭いが気になったりするが”背に腹はかえられない”。生き残る事が優先だ、どんなことをしても小町の元に帰らなければならない。全てを身に付けると見た目ほど重くもない。更に漁っている時に見付けた肘や膝の保護用のパーツがあったのでそれも身に付ける……今現在の俺の姿は中々に厳ついだろう。
さて、学校がこんな有り様ではまともに"外に出る"事ができそうな場所を俺は一つしか思い当たらない……俺の他に思い付いたやつがいるかはわからないが万が一混雑するのは避けたい……そう思いながらも先を急ぎはするがもう一度スマホを確認する……が、相変わらず圏外だ。俺は他に見付けた物を探している時に見付けた頭陀袋に入れて背負い次なる目的地までローラーブレードを使い歩行とは違う速度で移動を開始した。
† † † † †
ローラーブレードで軽快に廊下を移動していると進行方向の前方、三つ先の教室の扉が突如として勢いよく吹き飛び、中からは人がよろよろと出てきた。よく見ればその出てきた人物は明らかに血塗れでその上足を怪我したのか最早まともに動けそうに無かった……と思うの束の間、そんなやつの上に教室内から飛び出して来た小型の生き物が覆い被さりその恐怖からかそいつは半狂乱した様に呻き声と悲鳴を上げていた 物語である展開だな、どうせもう助からない……それより何故"あの生き物"に襲われているんだろう?さて、どうしたものか……あの小型の生き物は覆い被さっている相手を喰っているらしく今は隙だらけだが、別の道から向かうかべきか――
思案に耽ってみたがどうせここにいるなら他にもいるだろう……
――だったら
"殺さなきゃな"
俺は斧を掲げ上げ、ローラーブレードで出来るだけ音をたてずに目標に近付く。どうやら標的は此処での"初の食事"に夢中な為かこちらが近付いても反応してこない、そうしてこちらの攻撃の間合いに入ってもなお。なら後は振り下ろすだけだ……俺は目標に向けて全力で斧を振り下ろした 斧は見事に小型の生き物の頭部に深々と減り込み次の瞬間には大量の体液が吹き出し始め、俺は少なくない量の返り血を浴びて身に付けた防具が赤黒く染まる。
よくわからない叫び声を僅かに洩らしながら小型の生き物は絶命したようだった。気付かれず殺れたのは実に幸運だった……斧を頭部から引き抜き、倒れている小型の生き物に向けて斧を再び振り上げ止めをさすべく小型の生き物の首に目掛けて振り下ろす。"念には念を"入れる為に首を切断した 切断した生き物を改めて見ると……
「コイツ……餓鬼とか言うのに似ているな」
ゲームをよくやる俺からすれば見たことがある姿形だった。コイツが餓鬼だとして……なら俺達の学校は地獄にでも落ちたのか?餓鬼は確か地獄にいるはずだ。まぁ、何処だろうと俺は帰らなくてはならない……何故なら妹を、小町を、守るのが俺にとって当たり前の事だからだ。俺は血塗れになった斧を持ち上げ担ぎ、再び目的地に向かう為に移動を開始した。
廊下を進み続けると前方に何やら見慣れた姿を見付け、距離を置きながら様子を窺う。正直普段でも厄介な人物でありこと此処に至っては一番出会いたくはなかった人物、奉仕部顧問。コイツに対して俺は初めから信頼などしてはいない。自分の考えが正しくそれに合わない者を強制的に従わせ、挙げ句大した行動も取らない…………なら、"アレ"の存在価値は? 無いな。結論は出たが、そのアレと一緒の人物も面倒な人だ……何を考えているかわからないし、そのスペックは他の追随を許さず……しかし彼女は持ち前の人身掌握を使い常に人の輪の中心、トップカーストに収まっている。俺はあの人が正直苦手だ……さっきも思ったが何を考えているかわからない部分が多すぎる……ただあの人だけが俺のとった行動を否定せずに認めてくれた。だから苦手だし面倒だが会えば挨拶を交わすくらいはする。
ん?どうやら此方には気付いた様だが積極的に近付いて来ようとはしていないな……さて、どうするか…………。現状を考えようとしたら国語教師が拳を構えながら此方に少しずつ近付いて来た。防具の間を狙えばいけるとでも思ったのか?軈て一定距離まで近付くと接近を止め声を掛けてきた。
「あ……き、君は誰かね?が、学年と名前を言いなさい」
顔が青ざめている。そりゃそうか今の俺は返り血を浴びて血塗れだ、顔もアメフトのヘルメットのアイシールドでわからない。改めて思うがよく近付く気になったな……俺なら無理だ。はっきり言ってそれは勇気ある行動ではなく蛮勇でしかない。事ここに至っても自分なら勝てるとでも思っているのか?だとしたら馬鹿の極みだ。
「聞いているのかね?学年と名前…」
再び同じ質問をしようとした時に上の階から激しい足音が響き、急いで下りてくる人物を目にした。一人は長い黒髪の女生徒、もう一人は髪でお団子を作っている女生徒だ。二人共俺が知ってはいた"人物"いや、そう思っていた奴等だ。
「先生!」
「姉さん!?なんで学校にいるのよ」
「雪乃ちゃん、あ、うん……ちょっと用事があってね。あれ?二人だけ?比企谷くんは?」
「あ……あの、その……」
「あの男と一緒にはいないわ」
「比企谷は一緒ではないのか、では何処に行った?」
「わからないです……ヒッキー、揺れが止まったと思ったら直ぐに教室を出ていきましたから……」
「全くあの男は……協調性が無いのかしら。ああ、無かったわね」
「雪乃ちゃん、いくら親しくしているからと言って陰口をたたいていいわけではないのよ?」
「姉さん何を言っているのかしら?あの男は少し前の依頼でも勝手な事ばかりしたのよ。挙げ句最低の方法をとって……全く文化祭の時から変わってないわ」
「そう」
雪ノ下の俺に対する事を聞いた陽乃さんの目付き……いや、雰囲気が少しだけ変わった気がした。声色も表情も変わってないが明らかに纏う空気は変わった風に感じる……なんでだろう?今までこんなことわからなかった筈なのに。そんなやり取りをする四人だがあとから来た奉仕部の二人は俺を見て悲鳴を上げた。それで再び気付いた国語教師が此方に三度質問をしてくるがそれを遮り――
「あれ…………ねえ貴方、ひょっとして比企谷くんじゃない?」
俺を見て(正しくは血濡れの防具を纏った人物)初めは顔を青くしていた陽乃さんだが何処から読み取ったのか俺だと認識して聞いてきた。ここまで来たのなら答えてもいいか……。
「……こんにちは雪ノ下さん、運がないですねこんな日に此処に来るなんて」
この俺の言葉に奉仕部二人は目を見開き、国語教師は再び拳を脇だめに構え突っ掛かってきた。
「比企谷!何で私の問い掛けに答えなかった!?返答次第で」
俺は国語教師が言い終わる前に斧を構えた。
「何のつもりだ比企谷!」
此方を見る四人だが其々が見せている表情は全然違った。
「ねえ、比企谷くん」
「……何です雪ノ下さん」
「……今までに何があったの」
この陽乃さんの問いに俺はこの質問に答える事を少しだけ逡巡してから……今までの事を答えた。文化祭の出来事から修学旅行、生徒会長の選挙の件、クリスマスイベント。そう、表側での依頼内容と裏側からの本当の依頼がどうだったか、何があったのかを……。
俺の口から依頼の本当の真実を聞き目を見開く奉仕部二人。
「そう……そんな事がね……」
そう言いながら陽乃さんはその場にいる一人一人の顔をゆっくりと見ていった。見られた三人の表情は変わっていく。
「それで比企谷くんは奉仕部をどうするの?」
「……どうでもいいですね、ソイツ等の事も。俺が希望を持ちすぎた、ただそれだけ……甘かったんですよ。あれだけ今まで地獄を味わいながらもコイツらなら、と…………」
「比企」「あんたはもう喋らなくていいですよ。ね、無責任さん」
「誰が無責」「アナタですよ。監督すべき立場にありながら文化祭では相模が無茶苦茶にした文実の軌道修正もやらず挙げ句、最後にいいことを言ったみたいな気になっているみたいだが……その実、何もしてないからな。本当、奉仕部に入れるとか言われた時に行動すべきだった」
「行動って?」
「告発ですよ。学校側が隠蔽しても証拠とし役に立つ物も持っていますからね」
それを聞き青ざめる国語教師。今更だな?まあいいや……
「ふーん、静ちゃんも馬鹿だね。それで他の二人には話したい事、本当に何もないの?学校がこんなだもん 多分顔を合わせるのも話せるのも最後だよ?」
陽乃さんにそう言われて初めは黙っているつもりだったが気が変わり、自分の中にある考えをそのまま吐き出すことにした。
「じゃあ先ずはビッチからだな、お前は自分が空気を読んでいるとか言うがそれって要は自分に害がないようにだろ?害がない、或いは何もしてこない相手にはいくらでも好き放題に言うしな」
「ち、ちが」
「違いやしねえよ。トップカーストのお前に俺からお前がどう見えるかをわかりやすく例えてやるよ……そうだな、有名なやつで例えるか……お前は"スネ夫"だ、偉そうな顔をした奴等の腰巾着だ、そしてそんなお前は俺をのび太としていたぶるのは楽しかったか?」
「……っ……違う……!」
「違いやしない。……ああ、ついでだ最後に幾つか質問に答えろよビッチ」
「……ッチじゃないもん!」
俺が話し始めると、泣きながら言い返してくるビッチ。だが心底どうでもいい……これから俺が言うこの質問にお前がどう答えるかはすでにわかっているからな。
「お前はどうしょうもない恋愛脳で、頭お花畑だが……あの変態擬きとチャラ男が本気で上手くいくと本当に思っていたのか?」
「それは……」
「あのな、どう見たって無理だろうが……はっきり言って住む世界が違う、価値観も違う。外野にいた俺にわかるのに本気でお前はわからなかったのか?」
「だって……!」
「応援すれば或いはか?……ハァ。じゃあ例え話で聞くな?今からがお前に対する最後の質問だ。お前が所属するトップカーストで何時ものようにダベっていたら遊びにいくことになり全員で出掛けたわけだ。で……出掛け先でやけにトップカースト内の男をお前にグイグイと女の子達が進めてくる。んで皆と遊び終わり、帰る時に皆と別れて歩いているとその男がお前を追い掛けてきて、目の前で止まり 告白してきた。お前はどう答える」
「え……いきなり何を……?」
「いいから答えろよ」
「あ、っと……断るかな……」
「ほーん、断るのか」
「あ、当たり前じゃん!好きでもなっ……あ…………」
「自分なら断るのか、ほーん……まあいいや。状況は理解したようだしな」
「お前がやった事はそう言うことだ。好きでもない奴を進められるって言う気持ちがお前にわかるか?」
俯き、涙を廊下に落とし続ける奉仕部の一人。
「さて、最後に雪ノ下さんの紛い物、お前だ。お前は部の理想を俺にあれだけ偉そうに高説として説明をしておきながら自分はと言えばその理念を無視ばかり……文化祭の時然り、修学旅行の時然り、止めに生徒会長選挙の件でもしてたな。そして、その時には自分の為にばかり動いていたな……お前達二人は…………いや、三人は奉仕部に相応しくないばかりか……依頼者の気持ちも、依頼の事も碌に考えもせず、挙げ句受けるべき依頼か否かの判断を全然下せず、私情に流され……受けたとしてその依頼の本当の真意すら理解していない」
「…………っ……黙りなさい!……アナタまで私を姉さんより劣っていると言うの……!!」
「黙るのはお前の方だ、自尊心ばかり肥大化しただけの紛い物、修学旅行の依頼が他の依頼と比べるもなく 明らかに魚の捕り方を教えるではなく……魚そのものだと理解していながら部の理想より初めて出来た友達とやらを失いたくないが為だけに受けやがって……! そんなに一人が嫌で依存したいか?嘗ては雪ノ下さん……その次はビッチに依存か……つくづく救えないなお前は。結局お前は奉仕部……そして俺が利用された事にも気付いてないだろ」
「なんですって……!」
「さっきの雪ノ下さんにした説明でお前はわからなかったのか?お前達にはもっと事細かく説明しなきゃ理解出来ないのか?……雪ノ下さんは理解したみたいだぞ?」
「姉さんが……?」
「あれだけ聞いてわからないなんて……愚妹は友達になる相手……ううん、親しくなるべき相手を間違ったね」
「何を言っているの姉さん!例えあなたでも由比ヶ浜さんを侮辱するなんて許さないわよ!」
「だってわかりやすい説明だったよ?"文化祭"でヒロインは兎も角、ヒーローになったのは? そして比企谷くんの本当に切羽詰まった時の行動を目にしている者は誰かな?修学旅行でも一番の重要な場面にいるじゃない」
「え……まさか」
「はいはい、ガハマちゃん正解〜♪ そ、私の嘗ての愛しい妹であり今はただの愚妹、アナタが小学生の時に苛められて助けを求めた相手だけど、その相手に助けてもらえる処かその相手が原因で更に酷く苛められる様になった、その原因そのものが再びやらかしただけだよ」
「……!!」
「ま、そう言うこった。俺達はまんまとアイツに嵌められたんだよ……特に俺がな」
「そ、そんな……どうして……みんなに優しい筈なのに」
「皆……ねぇ、まあ……その中に俺は含まれていないんだろうさ」
「そんなこと……!」
「あるんだな、此が」
「何々比企谷くん?」
「実はですねアイツ千葉村で寝る前に戸部が好きな人を発表しよう会でイニシャル"Y"って言ったんですよ」
「えー……馬鹿なの?あの子」
「まぁ……俺にしたらどうとも思っていないんですが、俺がその"Y"に?信頼?されているのが嫌だった?からか修学旅行での戸部の依頼を利用して奉仕部の仲を叩き壊したかったんでしょう」
「あっははは!馬鹿じゃないの!女の子が助けを求めている時に助けないで、なのに?今さら好き?だから他の男が近付くのは嫌?……ぷっくくっ!!あっははは!! ダメ!お腹痛すぎ!無様〜!」
「姉さ」……馬っ鹿じゃないの」
突然無表情になり、けれども愚妹などと比べられない程の冷気をその場に放った。
「……え?」
「アナタよアナタ……うん、そう。とんでもないほど相手の策にハマり見事に奉仕部は壊れてアナタ達の仲もバラバラになっているし。はー……ここまで救えないほどの愚かな妹の為に私は嫌なことを頑張ってたんだー…………」
「嫌な事……?」
「そりゃあるでしょ?政界財界のお偉いさん方、そのボンボン。どいつもこいつも脂ぎって汚くて穢くて……!アナタにわかる!?毎回毎回下卑た目で私の事を舐め回すように見るあの汚物共が……!!!触れられたくも無いのに手に触れられ、名前を呼ばれ……挙げ句二十歳になったら露骨にヤる目的で誘ってくる。そんな場所に私は物心付いた時から出ているのよ……!!何故だと思う?」
「……ぁ、ぁぁ…………」
「少しは頭が働きはじめたのかしらね……もうわかるよね?アナタの為だったのよ、愚妹ちゃん。アナタではとても上手く躱す事も、流す事も出来ずやがては問題をおこし……そしてその問題を帳消しにする為に汚いエロ親父にアナタは汚される…………そうなる事がわかっていたから守り続けて、守る為に遠ざけて、態と嫌われて……それでもアナタの幸せだけを願い、ただただ正しく成長してくれる事を望んでいたのに……こんな風になるなんて、ね。…………」
「ぁぁ……」
雪ノ下陽乃が告げた真実により今までに思っていた実姉の像が崩れ去った為か紛い物はその場に崩れ落ち、座り込むと魘されているように「嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ嘘よ……」っとひたすらに呟き始めた。……終わったな。
「はい此にて私達姉妹は終わり。でさ、これからどうするの?比企谷くんはさ」
「ん?帰りますよ、小町の元に。妹は唯一俺を理解できる人物であり俺の宝物ですから……学校がこんななら外も全く信用ならないですし、だから出来るだけ急いで妹を守る為にも一刻も早く学校を出ます。ではさようなら」
「待ちたま」
国語教師が言い終わる前に掠るくらいの間合いで斧を振るう、そうすると胴の辺りの白衣があっさりと切り裂かれる。
「……っ!」
「ひっ!」
「鬱陶しいんだよ!! 毎回毎回厄介事ばかり持って来やがって!!」
「もう二度とお前達とは行動を共にしない!何故なら……どうせまた犠牲にされるだけだからな。しかも今度は犠牲にされれば死ぬ……そんな最中、もはやアンタ達と一緒に居るつもりはない!」
「待って比企谷くん。私も一緒に行っていいかな?」
「は、陽乃!?」
「陽乃さん!何を言って……」
「私はこんな所で死ぬなんてごめんだし……それに、もういい加減本当に無理……この子に対しての庇護欲なんてもう無いわ。改めてごめんなさいね、比企谷くん。愚かな妹が迷惑をかけて……君と関わり合って少しは正面に成長したかと思えば、まさか自分達がいいように使われている事にすら気付かないだなんてね……。折角この愚かな妹を理解できて支えてくれるただ一人の男の子がやっと見付かったってのにさ……それを騙されて自分から捨てるなんて……ほーんと、救えなさ過ぎだよ……この愚昧は」
そう自らの妹に向けて言いながら俺に向けて頭を深く下げる陽乃さん……さっきから話す間中に目を見て探ったが、どうやら本気でそう思っているらしくその表情からは普段身に付けている強化外骨格こと仮面は見受けられない。
「……いいですよ、但し飽くまでも俺は小町の下に帰り守る為に行動をするので足手まといになったら見捨てていきますよ。それでも一緒に来ますか?」
「うん…!足手まといになったら見捨てて構わないから、だからお願い、します……」
「……なら行きましょう。グズグズはしていられません、暫くすれば"奴等"が入り込んできますからね……それもたくさん。ってももう入り込んでいますが」
「奴等って?」
「俺の身に付けているプロテクターに赤黒い液体が掛かっているでしょ?」
「うん……それって血なの?」
「血と言えばそうかもですね、これはここに来る前に教室から出てきた人間に覆い被さっていた小型の生き物がいましてね……廊下を通る為に"ソイツ"が人間を食っている隙を突いてローラーブレードで出来るだけ音をたてずに近付いてこいつで脳天に一撃を入れたら血液?体液?が吹き出しましてね。まあ、そんな事はどうでもいいんですよ その小型生き物、名前はわかりませんし何れくらいの生命力かもわかりませんでしたから首を刎ねて"確実な安全"にしたわけですが……その時見たソイツの姿は餓鬼ソノモノだったんですよ。」
「餓鬼って餓鬼道の?」
「餓鬼道を知っているなんて流石ですね……雪ノ下さん。まぁ、その餓鬼ですよ。餓鬼がいるって事はこの学校が正面な場所ではないところに引きずり込まれた……ってとこでしょう。何せ窓から見た外の風景は見慣れた青空もなく、街並みもない。って事で多分この学校は異世界……地獄?にでも転移させられたんだと思います、で。地獄なら餓鬼は其れこそ腐る程居ます」
「成る程。利にかなった説明だね」
「だから早く動きますよ、餓鬼だけでなく地獄なら鬼もいますからね……あんなものに勝てるわけがないですし」
「わかった。行こ――」
彼女が言い終わる前に突如としてそれは起こった。
突然、彼女達の後ろの空間に突如として空間の裂け目が現れ、その裂け目から青白い光が辺り一面に立ち込みはじめた……その青白い光の中からゆっくりと浮かび上がった黒い影は軈て人影となり、その人影は純白のマントを身に纏いその頭上にはマントと同じ純白の王冠が被られ……顔には一切の隙間もない作りの真っ白な仮面が被られ表情は見てとれない。だが仮面の目の部分から僅かに見える目だけが俺達にある事柄だけを伝えてきた……即ち、俺達全員を……いや全てのものを見下している、そんな目だ。コイツ……明らかに身に付けている物で自分の姿を隠しているな……それ故にコイツの素性がまるでわからない。素顔を隠すくらいだ、多分そこにコイツが誰なのかを知る手がかりがあるんだろうが……まぁ、そんなことよりもコイツ……明らかに今回の件の黒幕ですと言いたげな登場の仕方だな。
……我が世界へようこそ塵屑諸君。
そう、言いながらそいつは芝居がかったような喋り方と身振り手振りを合わせて語りはじめた。
昨日まで君達塵屑諸君と共に居た私は非常に優れてはいたが、それだけでしかなかった。
だが……今の私は全知全能の力を得て、下いた現実の世界とは違う魔界と言う名の世界をその力で支配して支配者となったのだ。
そんな私の事を魔界の者達は魔神皇(マジンノウ)と呼び、恐れ、敬い、讃えている。
その魔界の支配者たる私の姿を塵屑同然の君達が目にするなど、もう二度と無い程の幸運に恵まれたと言っていいだろう……。
これから先、君たちが"ここ"魔界で生きるも死ぬもその運命は全て私の手の内にあるのだよ。
精々、無様で醜い様で私を楽しませてくれたまえ。
クックック……っはっはっはっはっはっは わーっはっはっはっはっはっは
はーっはっはっは……
そうソイツは現在の状況を説明、垂れ流した後ゆっくりと消えていった。……冗談やラノベを読みながら寝てしまったらこんな夢を見た…………ってならよかったんだが 生憎とこれは現実だ。
「魔界……か」
「魔界って事は悪魔がたくさんいるね……」
「でしょうね、まぁ……小町の下に帰る為に死ぬ気はありませんが。ただ男でよかったです」
「なんで?」
ちょうどいい、餞別として教えてやろう。
「雪ノ下さんは悪魔関係の載っている本、魔術関係の本は読んだことありますか?」
「無いよそんなの。だって現実的じゃないし……今となっては違うけど……」
「まあ……普通は読まないですからね。だとしても悪魔を使った映画も……見てはなさそうですね……」
「うん……それで性別と悪魔でにどんな関係が?」
「一つ話をしましょう。魔女があれだけされた理由の一つに不思議な力を使えたからですがそれは魔女達が悪魔と"契約"を結んだから使えるわけですが……対価として何を差し出したかわかりますか?」
「え……あっ……!」
「ご名答。正解は魔女達自身の体其の物です、……そう力とは悪魔との契約でのみ得られるモノ。魔術と性は切っても切れないもの……俺は昔その辺の物を中二の頃に読み耽りましてねそれで知りましたが、人型であれ違う形であれ人間の女なんて嬲られて壊されて殺されるか喰われるだけの存在なんですよ」
「じゃ、じゃあ……」
「そう、遅かれ早かれ此処に居たら間違いなく"終わり"ですよ。……さて、精々お前らは頑張れよ?今まで散々俺の"やり方を否定"して、"気持ちも否定"したんだ、さぞお利口な頭をもつお前達はこんな状況で悪魔と出会っても"有効的な"考えを思い付くんだろうさ。なら精々その頭で考え付いた手で生き残るんだな。……そこのアンタも散々自分の考え価値観を俺に押し付け断れば、挙げ句の果てには俺を殴ってきたんだ、今度は悪魔を殴って自分に従わせるなりして生き残れよ? 拳が自慢の無責任者」
「じゃ、行きましょうか」
「うん」
「あ……ま、待って!待ってよっヒッキーーー!!!」
後ろから追い縋るような声を聞きつつも前に進む足を止めること無く俺と陽乃さんは歩き続けた。
† † † † †
「それでどうやって出るの?昇降口からは出れないのは確認済みだし……」
「ま、付いて来ればわかります。それより雪ノ下さんのそのかっこうだと……相手が犬でも一噛み、一撃を受けただけで死にますね」
「そりゃあそうだよ……今日日の日本で今の比企谷くんみたいな格好をしていたら忌諱の目で見られるか、通報から捕まるかだよ。でも……確かに心もとない、ね。そう言えば比企谷の背負ってる頭陀袋の中身は何なの?」
そんな風に喋りながら歩いていると愈目的地にたどり着いた。
「質問はこの中で答えますよ、先ずは入って下さい」
「あ、うん……あれ確か此処って…………」
そう言いながらも俺の言う通り目的地である場所の中に入って行く陽乃さん。…………さて、俺の考え通りにいけばいいが……。
「あ!やっぱり!此処って用務員室じゃない。こんなとこでどうするの?」
「説明はしますから先ずはこの頭陀袋の中身を身に付けて下さい、そのままじゃいくらアナタが万能でも……先も言った通り直ぐに死んでしまいますからね」
俺はそう言って陽乃さんの前に頭陀袋を置き、正面の入口の鍵をかけてから再び正面の入口を見張り始めた。あの手の化け物が入って来ないとも限らないからな……、後ろからは頭陀袋から中身を取り出している音が聞こえる。俺と略お揃いのプロテクターを見て「用意がいいね……」とか言っている、実際は誰かに身に付けさせる為に持ってきたわけじゃなくて俺用の予備だったんだがな。
「中々サイズ調整とか難しいね……。」
「元々男用ですから身に付けるには大き目かもですが……一応俺が着て問題ないやつを選びましたからサイズ的にぶかぶか過ぎるって事は無いはずですよ」
多少の苦戦をしつつも一つ一つ身に付けていく陽乃さん。俺は只管に入口の方を見ながら警戒していた、軈て……。
「こんなもんかな?着れたけど少し動きづらいね……」
「即死よりはマシですよ。さて、俺は入口を見張っていますから室内にある懐中電灯を取って明かりがつくか確認をお願いします。それと出来るだけ物音は立てないようにしてください」
「わかったわ」
そう言うや二分と掛からず陽乃さんは懐中電灯を見付けて持って来ると一つを自分の肩に掛け、二つ目を俺に渡しながら陽乃さんは「明かりも付くから」と言い、明かりがちゃんとつく事も確認し伝えてきた。更に懐中電灯を持っていない手にはかぎづめ状の物を持っている……どうやら俺の考えがわかったようだ。
「比企谷くんの考えている事はこれでしょ?よく思い付いたね……」
「ええ、まあ……前に一度ここに来ることがあってその時に用務員の方と少し話しましてね……」
「なるほどね」
「ではそれを此方にかしてください。開けますから」
俺は陽乃さんから金属で出来たかぎづめを使いこの用務員室内にある下水道に続くマンホールの蓋を開けた。……中からはカビ臭い臭いとその他の臭いが漂ってきた。俺はマンホールの真上から下水道の中に向かって懐中電灯で照らして中の様子を見ながら物音を拾うべく意識を集中した。
「……特に変わった音はしませんね、じゃあどっちが先におりますか?俺はどちらでもいいんですが」
「じゃあ比企谷くんが先にお願い。っとマンホールの蓋、どうするの?」
「下りる時に出来たら閉めてもらえますか?可能な限りでいいので」
「うん、やってみる」
そんなやり取りの後、俺達は梯子に少し苦戦をしながらも下水道内に下りたった。ちなみにマンホールの蓋も下水道内側からかぎづめを使い見事に陽乃さんが閉めてみせた。
「う……暗いし臭いね…………」
「まぁ、仕方ないですよ。其よりも上にいたら餓鬼共か他の飢えた悪魔に襲われて生きたまま餌になるか……別の悪魔に慰み物として犯されるだけですからね」
「こんな目に遭うのもあの真っ白の所為だよね」
「……そうですね、ただアイツが何者であれ言える事は多分無事では済まないって事だけですよ。俺は今まで色々な本を読んできました。その中にこれに近い設定の物語も当然ありましたが、そう言う作品での展開では……」
「比企谷くん今それを言う?」
そんな風に陽乃さんと話しながらも、少し前なら学校帰りに陽乃さんに捕まり強引に連れていかれた喫茶店にてコーヒーを飲みながら無駄話を繰り広げていた頃を思い出し、内心苦笑いをしていた。つい数日前の事が、
遥か遠い――
下水道内を進み続け軈て段差を超えてその先の方へ行こうとした時に違和感感じ戻ろうとするも、上げた足は下ろすしかなくその先へ――
「クソッ!」
「きゃああぁぁ!!」
足を下ろした瞬間 本来感じる筈のコンクリートの固さを感じずに足は下ろす動きをしつつ身体もそれに引っ張られて動く、慣性の法則に従い前え進みつついつの間にかあった床が消えて俺達は……底の見えない暗闇へ落ちていった…………。
続く。
さて、読み終わった方の中には表現等が足りないと感じた方、説明被ってない?など思った方もいると思いますが 何分僕が未熟者故、その辺は脳内で調節宜しくお願いします。
一度目の説明では、海老名からも依頼があった事
二度目の説明では、実は他の人物から依頼の事について言われたことなど
こんな感じです。
さて、続きの方を書ききるのはかなり先でしょう……短い文ならともかく二万近い長さになると…………
ではまた会えるといいですが……。