※この作品はR-18です。

士道クリミナル   作:サイエンティスト

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 今回は非エロの話。
 タイトルから分かる通りの内容です。
 都合上前編と後編に分かれます。理由は……まぁ、読めば分かると思います。
 ちなみにタイトルの候補の中に「バスタイム」がありましたがこれは何度か原作の方で使われているのでNGでした。
 後編のタイトルどうしよう……。




○四糸乃バスルーム

 

『こんばんはー、琴里ちゃーん! 士道くんと四糸乃たちが熱く愛し合う姿に辛抱たまらなくなって、いつも一人でエッチなことしてたって本当ー?』

「は、はぁっ!? な、な、何言ってるのよ、よしのん!」

 

 琴里と共に背徳極まる朝を迎えてから半日後。

 久しぶりに琴里と二人きりだった夕食を終えて罵倒やら今後の指示やら罵声やらを浴びせられていると、士道の元へ四糸乃が訪れてきた。

 四糸乃に罪は無いが、『よしのん』のセクハラ極まる言葉を引っさげて。 

 

「私がそんなことするはずないでしょう!? 四六時中盛ってる士道じゃないんだから!」

「とか言いつつ、お前もだいぶ盛ってた気が――っ!」

 

 言い草に少し腹が立った士道が口を滑らせると、妙に顔を赤くした琴里に足の小指をピンポイントで踏みつけられた。

 これが照れ隠しだと思うと、実に可愛らしい反応に微笑みが零れそうになる。

 まぁ実際はタンスの角にぶつけた時と同等の痛みに声も出せず悶えるしかなく、微笑みを零す余裕はなかったが。

 

『だよねー。琴里ちゃんともあろう人が、そんなことするはずないもんねー? 士道くんとヤッたのもテクニックを見極めるために必要だったからで、下心はこれっぽっちもなかったんだよねー?』

「と、当然でしょう? 一体どんな下心があるっていうのかしら。私が士道なんかに劣情を抱いてたとでも思ってるの?」

『さっすが琴里ちゃん! よしのん、てっきり琴里ちゃんが四糸乃たちにやきもち焼いて士道くんとヤっちゃったのかと思ってたよー。あはははー!』

 

 琴里は平静を装って自分の気持ちを隠しているものの、残念ながら誤魔化す意味は無い。

 知らぬ間の辱めの仕返しに、四糸乃たちには琴里の本音や反応やらを洗いざらい喋ってあるからだ。

 にも関わらずわざわざ尋ねて無意味な誤魔化しを引き出そうとする辺り、心底楽しそうに笑いを零す『よしのん』もなかなかのSである。

 もちろん心のオアシスである四糸乃は笑ったりはせず、情事を覗かれていた事実を二人の会話から思い出させられて顔を赤くしているところだ。

 照れ隠しに暴力を振るう黒琴里とは異なる純真無垢な反応に、痛みに悶えていた士道はたちまち心を癒されて復活した。

 

「それで、今日はどうしたんだ四糸乃? こんな中途半端な時間に訪ねてくるなんてずいぶん珍しいな」

「そういえばそうね。七罪ならともかく、あなたが夕食の後に訪ねてくるなんて。何か士道に頼みたいことでもあるんじゃない?」

「は、はい……」

 

 ふと気付いたように琴里も軽い驚きを示す。

 基本的に四糸乃は七罪ほど頻繁に士道の元を訪れることは無い。

 大抵は休日の夕食前に訪ねてきて食事を共にし、しばらく一緒に過ごす程度だ。

 だからこそ平日、それも夕食後に訪れてくるのは非常に珍しい。

 四糸乃は琴里の質問に微かに頬を染めて頷くと、僅かに躊躇ってから口を開いた。

 

「あの、士道さん……良かったら、一緒にお風呂に入りませんか……?」

 

 緊張気味に少し意外なお願いを口にした四糸乃は、士道の瞳を不安気に覗きこんで答えを待っている。

 そのあまりの可愛らしさに危険を覚え、士道は四糸乃から目をそらしておいた。

 襲いたい衝動が湧き上がってくるわけではないのだが、かわりに呼吸を妨げるほどに胸が苦しくなるのが困りものだ。

 

「一緒にお風呂? えーと、それは……」

『んー? 士道くんったらどうして迷っちゃうのー? 水に濡れた四糸乃のエロい姿が見られるんだよー?』

「いや、迷うっていうか、その……」

 

 心情的には望むところなので迷い無く頷きたいものの、現実はそれほど簡単にはいかない。

 たぶん理由の半分以上が独占欲からのものであるが、きたるべき時がくるまでは関係を秘匿しておくこと、と琴里に念を押されているのだ。

 二人で一緒に入浴というのは、万が一誰かに見られたら少々危険に過ぎる。

 助けを求めて視線を向けると、琴里はしばし考える素振りを見せた後興味なさげに頷いた。

 

「まぁ、良いんじゃない? 流石にお風呂なら裸で抱き合ってても不思議じゃないでしょう? ただしお風呂場だと脱水を起しやすいから、入浴前に水分補給しておきなさい。もちろん水分だけじゃなくて、塩分も忘れずによ」

「何で風呂場で致す前提で話してるんだよ……誰もそんなことするなんて言ってねぇだろ。四糸乃はそういうこと求めてるんじゃなくて、普通に一緒に入りたいだけなんだぞ?」

 

 純真無垢であり、愛と優しさの塊でもある心のオアシス四糸乃だ。

 風呂場でそういった行為に及びたいがために入浴のお誘いなど、天地が引っくり返ってもありえない。

 興味なさそうに振舞っているくせに、実際には士道と同じくらい性欲旺盛のどこかの誰かと一緒にされては困る。

 もちろんまた小指を攻撃されては堪らないので、どこの誰なのかは口が裂けても言えないが。

 

「は、はい……でも、士道さんが望むなら……私は、構いません……」

「そ、そうか……」

 

 伏し目がちに頷く四糸乃に、風呂場での行為を想像してしまい自然と顔が熱くなる。

 四糸乃自身は純粋かつ純真なのだが、士道に対する愛と優しさが強すぎるのが困りものだ。

 この分だと士道のためなら公衆の面前でも受け入れてくれそうな予感さえしてくる。

 

『そーそー。七罪ちゃんの時みたいにご馳走になっちゃって良いんだよー? どうせ士道くんは我慢できないだろうからさー』 

「そ、そんなことないって。俺だって四糸乃のためなら辛抱することくらい――」

「いえ、無理ね」

『無理だと思うなー』

「えっと、あの………………はい……」

「嘘だろ、四糸乃!? お前まで……!?」

 

 脊髄反射としか思えない反応の速さで頷く琴里と『よしのん』。

 そしてかなり長い間躊躇い、最終的には頷いた四糸乃。

 せめて四糸乃には味方でいて欲しかったが、今まで七罪や四糸乃に働いた悪事(四糸乃の場合はベッド上に限る)を考えると流石に虫が良すぎたかもしれない。

 とはいえ信じていた四糸乃に裏切られたショックは甚大なもので、心を打ち砕かれた士道はちょっと涙が出そうになった。

 

「当然でしょう? あなたの薄っぺらい辞書に辛抱や我慢なんて言葉はないわ。だけど本当に辛抱できる自信があるなら賭けをしても良いわよ。平穏無事にお風呂から上がってこれたなら、もう一つあなたの命令を何でも聞いてあげるわ。その代わり辛抱できなかったなら、あなたが私の命令を聞きなさい」

「命令聞きなさい、って……お前いつも命令してるだろ。そんな無意味な賭けしねぇからな」

 

 明らかに何か含みのある怪しい笑みを浮かべた琴里に、士道は疑惑の視線を向けた。

 どうせその命令とやらは、士道が持つ琴里への命令権を剥奪することだろう。

 もちろん士道が勝てば良いだけの話なのだが、今回は絶対に勝てるという自信は無かった。

 不思議なことに七罪とは違い、四糸乃とは二人きりで過ごしていても抑えられないほどの性的な欲求が突然沸いてくることはない。

 しかしそれはあくまでも日常的な場面での話。

 密室に裸で二人きりなどというシチュエーションは、日常的な場面に当てはまるとは言い難い。

 なので士道は体の良い理由をつけて拒否しておいた。

 

「あら、やっぱり自信がないの? つまり四糸乃のためでも自分の欲望には打ち勝てないってことなのかしら。女の願いより自分の欲望が優先だなんて最低な男ね。本当に私たちを愛してるの?」

「あ、あの、士道さん……私は士道さんがどっちを選んでも、私たちのことを愛してくれてる気持ちを、疑ったりしませんから……」

 

 だが琴里は拒否した士道へと挑発的な笑みを向けて煽ってくる。

 今回は絶対に負けないと思っているのか、その表情は眩しいほどの自身に満ち溢れていた。

 悲しいことに琴里の予想は正しいので尻尾を巻いて逃げ出したかったが、四人(『よしのん』含む。含まないと拗ねる)への愛を疑われては後には引けない。

 

「ぐっ……わ、分かった。その賭け、のってやろうじゃねぇか……」

「なら決まりね。あなたの私たちへの愛がどれほどのものか、見せてもらおうじゃない」

 

 すでに勝負が決したかのように、勝利に酔った笑みを浮かべる琴里。

 男として生まれ持った欲望は捨てられないが、士道には四糸乃に対する溢れんばかりの愛がある。

 その愛情を以って立ち向かえば、いかがわしい気持ちを耐え忍ぶことも可能なはずだ。

 

「ああ、見せてやるよ。俺がどれだけ四糸乃を愛してるかをな!」

 

 自分を奮い立たせるために、士道はあえて決め台詞風に言葉を紡いだ。

 琴里は一見引き気味だが、ヤキモチからかどことなくムッとしているようにも見える。

 四糸乃は顔を赤くして俯いているものの、満更でも無さそうに口元を緩めている。

 そして『よしのん』は――

 

『ていうかさー、愛してるからこそいっぱいエッチなことしたくなってくるんじゃないかなー?』

「……よしのん。そういう大切なことはできればもうちょっと早く言ってくれ」

『おっと、ごめんねー士道くん』

 

 ――何気ないことのように、これ以上無いほど真理に溢れた言葉を口にした。

 悲しいことにその真理に気付かされた時には、もう賭けを降りることはできなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ俺が先に入るから、四糸乃は少し待っててくれるか? それなら俺に脱ぐ所見られなくて済むしな」

「あ……は、はい……お願いします……」

 

 士道は覚悟を決めて洗面所へと場所を移した。

 若干の緊張はあれど、七罪の時ほど心を揺さぶられはしていない。

 もっと凄いことをしまくっているのだから、この程度のことでは動じない程度には心が鍛えられている。

 とはいえ花も恥らう女の子である四糸乃は、男である士道とは違い簡単に割り切れはしないはずなので、気遣いを忘れてはいけない。

 

『えー? 士道くんがどうしても見たいっていうなら、四糸乃のストリップショー始めちゃっても良いよー? 何ならもーっと凄いことさせよっかー? 例えば士道くんの目の前で四糸乃に一人でエッチなこと――』

「やめろ、よしのん! 俺の四糸乃に変なことさせないでくれ!」

「士道さん、の……えへへ……」

 

 それなりの上級プレイを口走りかけた『よしのん』の声を、士道は全力で遮った。

 所有物宣言されたことが嬉しいのか照れ笑いを漏らす四糸乃の傍ら、『よしのん』はケラケラと笑いを返す。

 

『またまたー、本当は興味あるんでしょー? 正直に言っちゃいなよー、士道くーん? イっちゃいなよー?』

「何か最後ニュアンスが違くないか!? 前から思ってたけどお前相当エロいだろ、よしのん!」

『んー、否定はしないけどさー、三人も小さな女の子をご馳走になってる士道くんに言われたくないかなー』

「……ああ、うん。ごもっとも。すまん。俺が悪かった、よしのん」

 

 冷静に考えると『よしのん』を責める権利はなかった。

 むしろ面白半分で口にしているだけの『よしのん』と比べ、行動が伴っている分士道の方が性質が悪い。

 士道は素直に頭を下げ、非礼を詫びた。

 

『分かってくれれば良いんだよー。仲間として親睦を深めるために、今度一緒にエロトークでもしちゃうー? 議題は士道くんの好きにして良いよー。よしのんはオールラウンダーだからねー』

「……いや、それは四糸乃も付き合わせることになっちまうからさ……」

 

 なかなか魅力的な提案だが、仲間でない四糸乃を引きずり込んでまでしたくはない。

 それではエロに関するトークではなく四糸乃に対しての羞恥プレイと化してしまう。

 琴里相手なら羞恥プレイだろうが何だろうが泣いて許しを乞うまで容赦なくしてやれる(今度本当にやってやる予定)ものの、四糸乃に対しては想像するだけで心が痛んでしまうので絶対に無理だろう。

 

「さてと。じゃあそろそろ脱ぐか」

『……あれー? 四糸乃ー、後ろ向いちゃもったいないよー。せっかく士道くんがストリップしてるんだからさー。ほらほらー』

「よ、よしのん……っ!」

 

 後ろが少し騒がしいので上着を脱ぎ捨ててから振り返って見ると、そこでは四糸乃が自発的にこちらへ背中を向けていた。

 そして四糸乃の頬をぐいぐい押して、無理やり士道の方に顔を向けさせようとしている『よしのん』の姿も目に入る。

 嬉々としてやっているあたり、どうも『よしのん』は羞恥プレイがお好きなようだ。

 全く実に良い趣味をしている。

 

「……ほら。もう脱ぎ終わったから止めてやれよ、よしのん。四糸乃が困ってるだろ?」

『あー、ちょっと遅かったかー……脱いでる途中が一番エロイのにねー……』

「今日は絶好調だな、よしのん……」

 

 責める権利はないので代わりに呆れの溜息を漏らし、士道はタオルを腰に巻いてから風呂場へと足を踏み入れた。

 風呂場は若干湯気が立ち込めていて湿っぽいものの、やはり身体の要所を隠してくれそうな都合の良いタイプの湯気ではない。

 湯船も透明なので四糸乃が入浴した場合、例えバスタオルを巻いていようと視覚的な刺激は相当なものだろう。

 湯を濁らせるために入浴剤を取りに戻ろうかと一瞬考えるも、四糸乃が服を脱ぎ始めているかもしれないのでそれは得策ではない。

 相変わらず危険極まりない状況だが、七罪の時とは違い今の士道には経験があった。

 四糸乃の一糸纏わぬ姿を眺めたことは一度や二度ではない。

 むしろ眺めるどころかそれ以上にとんでもないことをしている。

 だから一緒にお風呂に入るくらいは大丈夫だ。

 そう自分に誤魔化し――もとい言い聞かせ、士道は湯船へ静かに身体を沈めた。

 

「ふぅー……」

 

 身体に染み入ってくる熱さに、思わず恍惚の吐息(変な意味ではない)を漏らす士道。

 琴里のせいで酷使した体の疲労が湯の中に溶け出していくような感覚に、全身の力を抜いて身を委ねる。

 しかし予想に反してさほど疲労は溜まっていなかった。

 理由としては元から毎晩のように爛れた営みを繰り広げていて、良い加減慣れが出てきたということが考えられるだろう。

 本来は七罪たちとは二晩に一度の取り決め(本人たちの希望ではない)であるが、何故か士道は毎晩のように予定外の興奮を抱いてしまうので、献身的に尽くしてくれる七罪たちのおかげで毎晩と化している。

 

「……やっぱ、どう考えてもおかしいよな……」

 

 何故そこまで突発的な興奮を覚えるのか、そして何故過剰なまでに性欲が強まっているのか、士道は最近そのことを不思議に思っていた。

 相手にする人数が増えたなら一人あたりに対して抱く劣情は減ってもおかしくないというのに、四糸乃が加わってからむしろ増しているのだ。

 確かに四糸乃はありえない程に魅力的なので劣情を催しても仕方ないと言えるが、おつりがくるほどに催してしまうというのは幾ら何でも尋常ではない。

 琴里が関係に加わった今、更に性欲が強まるようなことがあれば流石に不安になってくる。

 具体的には毎日の食事に興奮剤でも混入されているのではないかと疑いたくなってしまう。

 自分でも被害妄想も甚だしいと笑い飛ばしたいが、それをやりそうな人物に心当たりがあるので正直笑えない。 

 

『士道くーん、バスタオルはどうするー? 無い方が良い? それともある方が良い? よしのん的にはある方がおすすめかなー。ただ肌を見せちゃうより、濡れて身体に張りつくエロさがあるしねー』

 

 若干ぼーっとして最近の性生活について思いを巡らせていた士道は、すりガラスの向こうで声を上げる『よしのん』によって現実へ引き戻された。

 

「あー……それは、四糸乃の好きなようにしてくれ。俺はその、どっちでも構わないからさ」

「は、はい……」

 

 緊張気味のの四糸乃の頷きが耳に届き、微笑ましさと共にムラムラとした気持ちが湧き上がってくる。

 まぁ性欲が増している理由はどうあれ、その分は今度からは琴里にぶつけてやれば良いだけの話だ。

 士道に負けず劣らず盛っている琴里なら喜んで受け止めてくれるだろうし、一緒に育ってきたからこそ下手な遠慮を抱くことは無い。

 それにもしかすると異物混入の犯人は琴里ということも十分考えられる。

 なので士道は今から抱くであろう劣情を後で琴里に叩き込むことにして、四糸乃に平穏なお風呂の時間を過ごさせてやることを心に硬く誓った。

 

『士道くん見て見てー。四糸乃のバスタオル姿のお披露目だよー?』

「……っ」

 

 そして風呂場に足を踏み入れてきた四糸乃の姿に、早くも決意が揺らぎ始めた。

 髪が湯船に広がらないようにか長い綺麗な髪を纏め上げ、白い首筋を露にした悩ましい姿だ。

 普段の四糸乃が漂わす清純な雰囲気とは異なり、そこはかとなく色っぽさを感じてしまう。

 バスタオルの裾からチラチラと覗く白い太股もまた、エロさに良い感じのアクセントを効かせている。

 見れば見るほど自分を追い詰めることになるのだが、分かっていても視線を逸らせない。

 男というのは本当に難儀な生き物である。

 

「し、失礼します、士道さん……」

「あ、ああ……」

 

 士道の心情も知らず、無防備に歩み寄ってくる四糸乃。 

 湯船に細い足先を入れると、そのまま少しずつ身体も沈めていく。

 一刻も早く背を向けるべきなのだろうが、やはり目が離せなかった。

 なかなかに肉付きの良い身体に巻かれたままのバスタオルが水を吸い、ラインを浮かび上がらせるように張り付いていくのがばっちりと目に映る。

 『よしのん』の言う通り、ただ素肌を晒すよりもエロイかもしれない。

 

『やー、良いお湯だねー。あんまり気持ち良くてよしのんイっちゃいそうだよー』

「よしのん……」

 

 やたら下ネタを連発する『よしのん』に、最早士道はただただ呆れ果てるしかない。

 まぁ本当に呆れたい対象は『よしのん』ではなく、自分の身体である。

 ただ湯船の中で向き合っているだけだというのに、もう身体は元気になってきている。

 もちろん元気というのは体力的な意味合いではなく、そっち系の意味だ。

 

「あの、士道さん……もう少し、そっちに行っても良いですか?」

 

 頬を朱色に染めた四糸乃が、窺うような視線を向けてくる。

 頬が染まっているのは湯船の熱さに上気しているからであって、恥じらいを滲ませているのではないと思いたい。

 これが可愛らしい恥じらいによるものなら、自身を抑え込む精神力がそのあまりの愛らしさにごっそり持っていかれる。

 

「……ああ、良いぞ」

『良いってさ、四糸乃ー。ほらほら、士道くんの膝の上に座っちゃいなよー』

「いや待てよしのん。それはマズイ」

 

 寄り添うまでは構わないが膝の上はちょっとお勧めできなかった。

 理由としては四糸乃の身体の柔らかさを自分の身体でたっぷり味わってしまうと、その時点でエンディングの種類が確定してしまう点が挙げられる。

 というかそもそも士道の膝の上は現在座るのに適した形状をしていない。

 

『あー、そっかー……士道くんの膝の上にはすでに別の人が座ってたもんねー。でもその人、今は元気よく立ち上がっちゃってるんじゃないのかなー?』

「分かってるならわざわざ口に出さないでくれよ……四糸乃が恥ずかしがるだろ……」

「……っ!」

 

 全てを悟っている『よしのん』の言葉の意味を理解したらしい四糸乃が、更に頬を赤く染める。

 流石にこれは誤魔化しのしようがなく恥じらいによるものなので、容赦なく精神力を削られた。

 そして決してそういう意図はないのだろうが、恥じらいを見せつつ畳み掛けるように身体を寄せてくる四糸乃。

 士道の膝の上は変なものが占領していて座れないので、身体の横に寄り添ってきた。

 丸い肩を士道の二の腕にくっつけて、コツンと頭をもたれかけてくる。

 完全に士道を信頼しきり、限りなく深い愛情を抱いていることを表す所作。

 長年連れ添った相手のような雰囲気を漂わす四糸乃が堪らなく愛しくて、全力で愛でたい衝動に残りの精神力がガリガリと削られていく。

 

「士道、さん……」

「な、何だ、四糸乃?」

「すみません……ただ、呼んでみたかっただけです……」

「そ、そっか……」

 

 士道の名前を口にして、嬉しそうに微笑む四糸乃。

 その可愛らしい反応が自分を悲惨な目に合わせる可能性があると、ほんの少しで良いから理解して欲しいものだった。

 

『おーっと、士道くん何だか反応がぎこちないねー。これはもう危険信号かもしれないよー、四糸乃ー。いつ押し倒されちゃっても良いように、心の準備しておいたほうが良いよー?』

「……大丈夫です、士道さん……私はいつでも、構いませんから……」

「……っ!」

 

 『よしのん』のからかいを穏やかな口調で受け流し、士道の二の腕にそっと手を添えてくる。

 肌を滑る滑らかな指先の感触と胸の膨らみがむにゅっと押し当てられる感覚に、息が詰まるほどの興奮が湧き上がってしまう。

 バスタオルに包まれているせいで多少損なわれているものの、胸の膨らみは途轍もなく柔らかい。

 何故女の子の胸というのはかくも男を狂わせるのだろうか。

 そんな罪深いものには罰を与えなければならないだろう。

 士道は四糸乃が寄り添っているのとは反対側の手を、四糸乃の胸元へと伸ばし――

 

「――さ、さてと! 四糸乃、良かったら背中流してくれるか!?」

『……逃げたね、士道くん』

 

 ――すんでのところで揉みしだきたい衝動に全力で抗い、湯船から上がり四糸乃の腕から逃れた。

 まだ一緒に入浴して五分も経っていないが、そろそろ限界が近い。

 やはり性欲は以前よりも確実に強まっているような気がする。

 これは後で琴里にでも相談した方が良いかもしれない。

 もちろんその前に琴里で発散させてもらうが、目下最大の問題はこの危機をどう乗り越えるかということである。

 

「は、はい……その後は、士道さんもしてくれますか……?」

「ああ、順番にやろうな!? 順番に!」

「はい……!」

 

 嫌がるように離れてしまったことがショックだったのか、傷ついた表情をしていた四糸乃が士道の言葉に眩しい笑みを浮かべる。

 もうどうしてそんなに愛くるしいのか一昼夜問い詰めてやりたい。

 具体的にはその小柄でありつつもイケナイ身体にめいいっぱい聞いてやりたい気分だ。

 もう頭の中は『よしのん』と良い勝負の煩悩塗れである。

 

「じゃ、じゃあ頼むな、四糸乃? あ、良かったら頭もやってくれ」

「はい、分かりました。あの……片手ですみません……」

 

 左手が『よしのん』で塞がっているため、右手だけで洗うしかないらしい。

 一応『よしのん』はビニールですっぽり覆われているのでできないこともないように思えるのだが、ビニールが擦れてシャカシャカうるさいどころか破れる可能性があることを考えると四糸乃の判断は賢明だろう。 

 士道の頭に塗りこむ形で、四糸乃は右手だけでシャンプーを泡立てていった。

 

「お……片手なのに上手いな、四糸乃。とっても気持ちいいぞ……」

 

 右手だけというハンデがあるにも関わらず、四糸乃の手つきはとても心地よい。

 洗われているのではなく、慈しみと愛情を以って撫でられているような気分だった。

 邪な欲求の溢れる心が浄化されていくように思える。

 まぁそう思えるだけで実際に浄化されてはくれなかった。

 四糸乃でも浄化できないとは心に渦巻く欲望は相当根深い。

 

「あ、ありがとうございます。七罪さんも、そう言ってくれました……」

「え、いつの間に二人で入ったんだ? 七罪がそんな話してくれた覚えはないんだけどな……」

 

 四糸乃の嬉しそうな返答に、渦巻く欲望の中に軽い驚きが広がった。

 部屋で一緒、それも毎晩のように過ごしていると必然会話も多くなるので、七罪とは互いにその日の出来事を語り合うのがほぼ日課となっている。

 にも関わらずそんな大きな出来事(七罪にとって)を口にしなかったというのは、心底意外なことだった。

 

『忘れて貰っちゃ困るよー、士道くん! 士道くんと七罪ちゃんのイケナイ関係を、よしのんがカッコ良く暴き出した時だよー! 一緒にお風呂に入ろうとして、七罪ちゃんの胸に士道くんのあつーい愛の証が刻まれてたから、よしのんがその証拠と七罪ちゃんの様子の変化を元に完璧な推理を導き出したんじゃなーい!』

「バレた理由それか! ごめん、七罪!」

『あれー? もしかして士道くん知らなかったのー?』

「ああ、七罪が話してくれなかったからな。まぁ、俺のせいだとは言ってたけど……本当に何もかも俺のせいだな……」

 

 思えば昨日の夜も、琴里の胸元に同じ痕をつけまくってしまった。

 あれは琴里が望んだせいなのでノーカウントとしても、七罪に対してのことは弁明できない。

 

『まー、仕方ないよー。男の子は女の子のやわらかーい部分が大好きなんだもんねー。でもあんまりガッツリ食べちゃわないようにねー、士道くん』

「ああ、以後気をつける……」

 

 完全に自分が悪いので士道は潔く反省した。

 何故かは良く分からないのだが、七罪に対してはやたら身体を愛でてやりたくなってしまうのだ。

 これも最近不思議に思っていることなのだが、こちらはもしかすると無意識に七罪のコンプレックスを気遣っているのかもしれない。

 もっともそれが原因で問題を引き起こしていたら世話が無い。 

 

「士道さん、痒い所ありませんか?」

「いや、大丈夫だ……疼く所は、あるけどな……」

 

 思わずボソリと付け足すも、幸い四糸乃には聞こえなかったらしい。

 安心したような吐息を漏らし、頭を洗う手を止める四糸乃。

 

「良かったです……じゃあ、そろそろ流しますね。よしのん、シャワーお願い」

『オッケー。いくよー、士道くん。目を瞑ってねー?』

「ああ、分かっ――たあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 頷き目を瞑った瞬間、身を切るような冷たさに全身を襲われ士道は飛び上がった。

 勢い良くシャワーから噴出してきたのはあったかーいお湯ではなく、死ぬほど冷たい冷水だった。

 おまけに驚きに目を見開いたせいで流れた泡が目に入り、もの凄く目が痛い。

 寒いやら痛いやらで悶絶して大忙しの士道は、しばらく言葉を発することができなかった。

 

「あ……! す、すみません、士道さん……!」

『あー……よしのんは悪くないよー。水出しちゃったのは四糸乃だからねー』

「す、すみません! すみま、せん……!」

 

 どうしようもなく身体が震えてしまう士道の背後で、四糸乃が泣きそうな声で謝っている。

 どうやら本当に『よしのん』のイタズラではなく、四糸乃が失敗してしまったらしい。

 

「い、いや……気にするなよ、四糸乃。頭が冷えてちょうど良かったからさ……」

 

 すぐさまお湯に切り替えて身体を暖めてくれる四糸乃に、努めて声の震えを抑えて答える。

 一瞬心臓が止まりそうになったものの、おかげで抑えがたい興奮も若干引いてくれた。

 むしろ怒るどころか四糸乃に感謝したい気分である。

 もっとも四糸乃に対して怒りを抱くことなど、地球の自転と公転が逆回転するくらい不可能なことだ。

 まぁこれが琴里なら百パーセントやり返したに違いない。

 もちろんただやり返すのではなく倍返しである。

 

『四糸乃、早く熱湯をかけるんだよー! 今ならまだ間に合うからさー!』

「お前は俺に四糸乃を襲わせたいのか、よしのん……?」

 

 焦りの混じった『よしのん』の声は、そう思わせるのに十分な必死さを伴っていた。

 どうも士道が過ちを犯すことを期待しているようだった。

 果たして『よしのん』は誰の味方なのだろうか。

 

「じゃあ、今度は背中を流しますね……?」

 

 気を取り直した四糸乃が、士道の背中を洗い始める。

 背中を優しく擦る感触は、不思議なことに四糸乃の手の平のものではなかった。

 右手だけで洗うのは少々大変らしく、タオルか何かを使っているらしい。

 しかし先ほど見た限りでは四糸乃はバスタオル一枚を身に着けているだけで、何もそれらしいものは持っていなかった。

 このタオルが一体どこからきたものなのか、士道は努めて考えないようにしておいた。

 

「ふふ……やっぱり、楽しいです。七罪さんと一緒に入った時も、こんな風に賑やかでした……」

「ああ、何となく目に浮かぶよ。七罪がガチガチに緊張してる姿とかもな。ところでよしのん、その時絶対何か変なことやったろ」

『やだなー、士道くん。よしのん、何も変なことしてないよー。ただ七罪ちゃんと水遊びしただけだよー。七罪ちゃんも楽しそうに身を捩って笑ってたしさー』

「そっか。で、何やらかしたんだ?」

 

 先ほどから下ネタとセクハラ発言の嵐を巻き起こしている『よしのん』が、お風呂場というおいしい状況で無邪気に遊ぶだけなわけがない。

 

『だから何にもしてないってばー。イケナイところに、強めのシャワーを浴びせまくったりしちゃったくらいだよー』

「……」

 

 予想以上にぶっ飛んだことをしていた『よしのん』に、呆れ果てるしかない士道。

 しかし七罪がどんな反応をしたのかちょっと気になってしまうあたり、やはり士道も『よしのん』と同じ穴の狢である。

 

『ちなみに七罪ちゃんがどんな声出してたかと言うと、ちょうどこんな感じかなー』

「ひゃうっ!?」

「――っ!」

 

 『よしのん』がそう口にした途端、突然背後で四糸乃が甘い喘ぎを零した。

 

「やっ……ぁ……! よ、よしのん……ぅ……や、めっ……あっ……!」

 

 シャワーの水が叩きつけられるように弾ける音と、断続的に零れる四糸乃の悩ましい喘ぎ。

 完全に不意をつかれる形で届いた四糸乃のエロい声。

 それは全身に鳥肌を立てて心臓の鼓動をこれ以上ないほどに昂ぶらせると共に、ベッドでの四糸乃の淫らな姿をフラッシュバックさせた。

 幸福を写す蕩けた蒼い瞳や、上気して赤く色付いた白い肌を。

 

『あはははー! どーう士道くん? 四糸乃の超エロイ声にもう我慢できなくなったんじゃないかなー?』

「は、ははは……まだまだ詰めが甘いな、よしのん。俺は平気、だぜ……?」

 

 何とか強がってはみたものの、もう我慢の限界だった。

 精神力は四糸乃のエロイ喘ぎと自分のいかがわしい記憶で根こそぎ持っていかれた。

 まだかろうじて残っている理性で欲望を包んで封じ込めているものの、最早泡が作る膜並みに薄い理性である。

 あと何か一押しあれば理性のシャボン玉は確実に弾け飛ぶ。

 純真な四糸乃は士道が欲望に身を任せる瀬戸際に立っていることに気付いていない。

 だが士道も引くほど頭の中がエロスに溢れている『よしのん』が、がけ際でギリギリ踏みとどまっている士道を見て見ぬふりをするはずがなかった。

 そしてもちろん、手を引いて助けてくれるはずもなかった。

 

『……ていっ』

「きゃっ……!」

 

 背後で『よしのん』が軽い掛け声を上げ、四糸乃が小さな悲鳴を上げる。

 一瞬の後、士道の背中に夢のような柔らかさが広がった。

 バスタオルに覆われていない、四糸乃の膨らみの感触が。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、今日は四糸乃も来てる……邪魔しないように帰った方が良いわね。さよなら」

 

 いつものように士道の家を訪れた七罪は、玄関に四糸乃の靴があることに気付いて回れ右した。

 

「あ……」

 

 しかし士道の言葉を思い出し、何とかその場に踏みとどまった。

 四糸乃のためでも自分が苦しむようなことはするな、という言葉だ。

 完全に薬物(士道)中毒に陥っている七罪にとっては、一日会えないだけでもかなりキツイ。

 定期的、かつ頻繁に薬物(士道)を摂取(抱きしめて貰ったりキスして貰ったり)しなければ、禁断症状(寂しさ)で大変なこと(霊力逆流)になってしまう。

 これが苦しみでなければ何だと言うのだろうか。

 幾ら四糸乃のためとはいえ士道の言いつけ通り、七罪は来たばかりですぐに帰るのを止めることにした。

 

「……うん。少しだけ顔見てから帰ろう」

 

 そして士道の顔を一目見てから、二人の邪魔をしないようにすぐに帰ることにした。

 これが士道の言いつけと四糸乃への想いを両立させた、七罪の妥協の限界ラインである。

 何が何でもこれ以上は譲れない。

 部屋の扉を微かに開けて覗く程度にすることを心に決めた七罪は、足音を立てずに二階の士道の部屋へと向かった。

 そして静かに扉を開けて、中の様子を覗く。

 

「――って、あれ? いない……何で?」

 

 部屋の電気がついていなかったので四糸乃が襲われているのかと一瞬思ったが、そういう音や声は聞こえず、それどころか二人の姿がどこにもなかった。

 片方の姿が見当たらないならトイレにでも行ったと考えるところだが、二人ともいないということは元々部屋にはいなかったと考えるのが妥当だろう。

 きっとリビングにいるはずなので、七罪は再び足音を立てずに階段を降りた。

 

「――って、あれ? ここにもいない……」

 

 不思議なことにリビングを覗いても二人の姿が見当たらない。

 リビングにいたのはソファに腰掛けている琴里だけだった。

 何やら携帯らしきものの画面に落ち着き無く視線を注ぎながら、若干頬を膨らませている。

 靴があるので間違いなく二人とも家の中にいるはずだというのに、二人の姿が見当たらないのは一体どういうことなのだろうか。

 

「ねぇ、琴里。士道たちの姿が見当たらないんだけど……どこにいるか知らない?」

「っ!」

 

 話しかけた途端飛び上がり、落としそうになった携帯をお手玉する琴里。

 どうやら七罪がいたことに気付いていなかったらしい。

 驚かせてしまってもの凄く悪いことをした。

 

「あ、あら、七罪。いつの間にかきてたのね。心臓が止まるかと思ったわ……」

「……ごめん。驚かせる気はなかったのよ……」

 

 たぶん影が薄すぎて気付いて貰えなかったのだろう。

 どのみち七罪が百パーセント悪いので素直に謝ったのだが、少々琴里の反応が大げさに過ぎる気がした。

 まるで何かやましいことをしている最中に突然声をかけられたかのような反応である。

 まぁそれだけ驚くほど七罪の影が薄すぎたということに違いない。

 

「い、いえ、気付かなかった私も悪かったわ……それで、士道たちがどうしたのかしら?」

「うん。部屋にいないみたいなんだけど、どこにいるか知らない? 四糸乃もきてる筈なのに、二人ともいないし……」

 

 全てを知っていた琴里と羞恥を覚えず普通に会話できるようになったのは、士道が琴里にそれなりの仕返しをしてくれたからだ。

 ついでに琴里の反応やら言動やら本心やらも余す所無く士道が教えてくれたので、ちょっとした親近感を覚えていることも理由の一つと言える。

 まぁ今更恥ずかしがっても遅いので、半ば開き直った感も否めなくはない。

 驚きのせいか未だ赤い顔の琴里は時計に目をやると、呆れたような溜息をついて答えた。

 

「ああ、二人ともお風呂場にいるわよ。かれこれ一時間くらい前からね」

「一時間、って……それ、絶対アレよね……」

 

 幾ら誰かと一緒に入っていようと、家のお風呂場で一時間も過ごすのは簡単ではない。

 当然時間のかかるようなこと、あるいは時間を忘れるようなことをしているのだろう。

 

「ええ、アレよ。お風呂場でヤッてるんでしょうね。四糸乃のためなら辛抱できるとか豪語してたけど……七罪、あなたはどう思う?」

「無理でしょ、それ。士道だし」

「そうよね、士道だし。ま、そのおかげで今回の勝負は私の勝ちになったわけだけど」

「何で負け確定って分かってるのにそんな勝負してるのよ、士道……もしかしてマゾなの……?」

 

 七罪は士道の性癖を疑いつつ、心の中で切実に願った。

 士道がお風呂場ならではの変な性癖を目覚めさせて、四糸乃を苛めたり辱めたりしていないことを。

 この時は知る由も無かったが、七罪は後にその願いが通じなかったことを身を以って知ることとなった。

 

 

 




 次回はお風呂場でのプレイ! 良いか、その場にある全てのものを最大限活用するんだ……。
 今までベッド上でのノーマルなプレイだけでしたが、今回からはベッド上じゃなかったり、ちょっとノーマルじゃないことをしたりもします。
 念のため言っておきますと私の性癖はノーマルなので、事前に警告や注意が必要なプレイは出てきません。しかし予定ではちょっと人を選ぶかもしれないものが一つ二つありそうなので、その時は一応警告や注意をします。
 それらのお話を除けば、今までのお話が問題なく受け入れられる範囲の人なら大丈夫だと思います。たぶん。

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