※この作品はR-18です。

士道クリミナル   作:サイエンティスト

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 久しぶりの七罪メインのお話。なのにシリーズ中で一番シリアスっぽいお話。
 楽しめる要素は皆無なのに書きたかったお話の中でもわりと上位に食い込んでいます。
 このお話のために最初の方から慣れない伏線の仕込みを行ってきましたが、今回はちょっと過剰だったような気がします。加減が難しい……。
 試験? もちろん駄目でした。




〇七罪リリーサー

「はぁっ……! は、あぁ……! はっ……ぁ……!」

 

 全身を駆け巡る快感によってすっかり体力を奪われ、ほとんど崩れ落ちる形でベッドへ横になる七罪。

 そんな七罪の隣へ横になると、愛と快感の余韻に絶え間なく震える身体を優しくかき抱いてくれる士道。

 そして熱い一時を味わったせいで破れそうなほどに激しさを増した心臓の鼓動と、浅く短い乱れた呼吸を何とか落ち着かせようとする七罪の頭を、慈愛に溢れた微笑みを浮かべて優しく撫でてくれる。

 いつも通り嫌な顔一つせず、七罪が完全に落ち着きを取り戻すまでずっと。

 

「ふぅ……全く……最近激しすぎでしょ。もうちょっと優しくしてよ……」

「っ! わ、悪い……! ご、ごめんな、七罪? 今度からは、ちゃんと優しくするからさ……」

 

 やっと鼓動と呼吸が落ち着いたところで、士道の胸板にぴったり頬を寄せてほっと一息ついた。

 ついでにちょっとした不満を零すと、士道は大げさにも罪悪感たっぷりの声音で謝ってくる。

 過剰に反応しすぎな気もするが、士道にとっては決して大げさではない反応だろう。

 何故なら七罪が実際に夜の営みについて不満を漏らしたのはこれが初めてだからだ。

 今までもそれなりに不満を抱いたことはあるものの、あまり士道にそういったことを言いたくないので全て胸の中に隠している。

 ただし今回抱いた不満ばかりは事情が違う。

 

「もういい加減聞き飽きたわよ、その台詞……これで四日連続じゃない……」

「ぐぅ……!」

 

 指摘しながら半目で睨みつけてやると、罪悪感からか士道は眉を寄せて呻く。

 あろうことか士道はここ四日間、相当激しく身体を重ねてくる。それこそ七罪が酸欠と快感に気を失いかけるほどの激しさで。

 元々最初の頃からそれなりに激しい士道だったが、時が経つにつれて日に日に激しさを増している。

 四糸乃だけでなく琴里ともベッドを共にし始めたというのに、何故急激に激しさが増すのか七罪には不思議でならなかった。

 

「わ、悪い。最近何でか我慢できないくらい興奮しちまうんだよ……前は真夜中まで我慢できてたのにな……」

「おかしいでしょ、それ……変な病気なんじゃない?」

 

 しかもこの激しい四日間は真夜中のそれとは別口のものである。

 ただ夜中に部屋で一緒に過ごしているだけで、突然士道が興奮して七罪を求めてくるのだ。

 一応部屋の中でそういうことをしても大丈夫になったらしいので士道のために応えているのだが、あろうことか真夜中にも同じ激しさで七罪を求めてくる。

 ここ四日間の一日目が正にそれだったので、再び七罪の番が回ってきた今夜も同じ激しさが待っているのだろう。一体何故そこまで元気が有り余っているのか。

 

「いや、病気じゃないのは調べてもらったから分かってるんだ。けど絶対おかしいよな、これ……ごめんな。毎晩つき合わせちまって……」

「……良いわよ、謝らなくて。別に怒ってるわけじゃないし……求められるのは嫌いじゃないし……」

 

 未だにちょっと信じがたいことだが、これだけ頻繁に七罪を求めてくるということはそれだけ七罪の身体に魅力を感じてしまっているのだろう。

 こんなほぼ幼児体型のみすぼらしい身体にそこまでの興奮を覚える士道の嗜好が本気で心配になってくるものの、やはり嬉しさを覚えてしまうのは事実だった。

 とはいえ一つだけ不満もあるのだが。

 

「その割には、結構不満そうに見えるぞ……?」

「……だって、たまにはこういうことせずに一緒に過ごしたいのよ。前みたいに、ただ二人で一緒に……」

 

 顔に出ていたのか不満を見抜かれたので、七罪は誤魔化さず正直に口にした。

 贅沢な願いかもしれないが、たまには熱い時間ばかりではなく穏やかな時間も過ごしたいのだ。

 ただ何をするでもなく部屋で一緒に過ごし、士道の背に寄りかかって本を読んだり、肩を寄せ合って他愛の無いお喋りをしたい。

 今では部屋で共に過ごしていると速攻で襲われてしまうので、それらの心穏やかな時間が恋しかった。

 

「……悪い。今度からはちゃんと我慢できるように頑張るからさ……」

 

 謝罪を示すように七罪の額へ軽く口付けて、身体をぎゅっと抱きしめてくる士道。

 罪の意識を滲ませたその誠実な言葉と愛情を感じる温もりだけで、もう全てを許してやりたい気分になる。

 

「ん、ありがと……でもそれも聞き飽きた……」

「……すまん」

 

 しかしその言葉もすでに四度目なので、本当に心からの言葉なのかはちょっと疑わしく思えてくる。

 まぁ幾ら心を強く持とうと性的な興奮に負けてしまうのは仕方ないし、許してやるべきだろう。

 士道がその興奮に負けてしまったからこそ、七罪はこんなにも愛を感じさせてもらえるようになったのだから。

 

「謝らなくて良いから他のこと言ってよ。その、ほら……愛してる、って……」

「……ああ。愛してる、七罪。愛してる……」

 

 恥じらいを抑えつつ控えめにねだると、微笑みながら応えてくれる士道。

 

「ん……私も……愛してる……」

 

 甘く囁かれる愛の言葉を耳にしながら、七罪は幸せな気分で少しの間眠りについた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ私、一旦部屋に戻るから。また、後で……」

 

 少しの間仮眠を取って体力を取り戻した七罪は、脱ぎ散らかした(正確には脱がされた)衣服を身に着けて帰り支度を始めた。

もちろんあまりの幸せに我を忘れていた頃の言動やら行動やらを思い出し、たっぷり恥ずかしさに悶絶してからである。幸せから一転して死ぬほど恥ずかしくなってしまうのは何とかならないだろうか。

 一度部屋に戻るのはずっとこの場に留まりたくは無いからだ。

 真夜中まであと三時間ほどだがたっぷり汗をかいてしまったからシャワーを浴びたいし、自分の部屋ならネグリジェなどのもっと可愛らしい服装で士道を待てる。

 その方が士道も喜ぶだろうし、何より可愛いと言ってもらえるのでそっちの方が七罪としても嬉しい。

 

「っ――」

 

 なので部屋に戻るため、七罪は士道に一旦お別れのキスをした。

 先ほどもっと凄いことをしたばかりでも、軽く唇を触れ合わせただけで心地よさが胸をきゅっと締め付けてくる。

 未だにちょっと恥ずかしいものの、士道が七罪の愛情表現を受け入れてくれることを知ってからは毎回これを行ってから部屋に戻ることにしている。

 そうでもしないとベッドに入って隣に士道がいないことが寂しくて上手く寝付けないからだ。

 ちなみにリハビリが必要なほど士道に依存していることは一応七罪も自覚している。

 

「……なぁ七罪。何度でも言うけど別に断っても良いんだからな? お前は琴里と違ってそういうのが大好きってわけじゃないんだし、もうさっきので十分なんだろ?」

「それはそうだけど……でも、士道がしたがってるんだし……それに、私なんかを愛してくれるんだし……」

 

 改めて想いを口にしてみると、途端に羞恥と喜びで顔が熱くなって頬が緩んでしまう。

 士道が七罪を求めてくるということは、それだけ士道にとって七罪が魅力的に映っているということだ。

 誤魔化しのきかない本能による正直な気持ちは、本当の七罪を認めてくれているに他ならない。

 それだけでも十分嬉しいと言うのに、行為を通して七罪に対して間違いなく愛情を抱いていることを感じさせてくれるのだ。

 休みを挟んでも連戦は相当キツいが、拒否する理由はどこにもない。

 

「まぁ、お前が良いって言うなら良いんだけどさ。いくら嬉しくてもあんまり無理するなよ? それで身体壊したら元も子もないんだからな」

「分かってるわよ、それくらい。ていうか実際に私の身体壊そうとしてるのは士道だと思うんだけど……」

「う……言うようになったな、お前……」

 

 図星を指された士道が悔しげに眉を歪めた。

 気遣いが全く締まらなかったのはとても情けない姿だ。

 

「ぷっ……あ、何でもない。じゃ、じゃあ、そういうことで」

 

 その様子に思わず吹き出してしまった七罪は、不機嫌そうに睨みを利かせてきた士道から逃れるように部屋を出た。

 当然のことだが士道との心の距離も近くなってきたようで、最近では良く士道を笑うことすらある。

 ただ心が近づいた分だけ、七罪の士道に対する依存度合いもかなり増してしまっていた。

 段々と深みにはまってきているように思えて仕方ないが、七罪にはどうすることもできないので極力考えないようにしている。

 

「あら、七罪。今日もずいぶん長い間士道と一緒にいたわね。何か楽しすぎて時間を忘れるようなことでもしていたのかしら?」

 

 頭を振って考えを追い出しつつリビングを通りかかったところで、明らかに何らかの含みがある声をかけられ足を止めるしかない七罪。

 リビングの中に視線を向ければ、予想通りニヤニヤと意味ありげな笑みを浮かべた琴里の姿が目に入る。

 これを無視して帰ることができればどんなに幸せか。

 

「言いたいことがあるならはっきり言ってよ……遠まわしに言われると余計に恥ずかしいのよ……」

「ふぅん……今日もめいいっぱい士道とセックスに励んでたのね。士道のペニスに時間を忘れるくらい何度もイかされたの?」

「ごめん。やっぱり遠まわしにして。ていうかもう何も言わないで」

 

 恥ずかしげもなくこれ以上ないほどはっきりと言われ、羞恥だけでなく頭痛すら覚えてしまう。

 琴里も同じ目に合っているはずだというのに、何故ここまで恥ずかしげもなく言えるのか。

 

「わがままねぇ……ま、おふざけはこの辺で終わりにしましょう。七罪、ちょっとそこに座りなさい。大事な話があるわ」

「な、何よ……そんな、真剣な顔して……」

 

 今まで明らかにふざけていた琴里が、突如として気圧されてしまうほど真剣な顔を見せた。

 少し怖いが無視するわけにはいかず、素直にソファに腰を降ろす七罪。

 

「あなた、何か隠してることがあるんじゃない? 士道との関係に関わる重要なこと。何か隠してるなら正直に話しなさい。絶対に怒ったりはしないわ」

 

 そんな真剣さで切り出されたのは、全く身に覚えの無い話。

 探るような疑いの目を向けてくる琴里に、七罪はすぐさま首を振って答えた。

 

「な、何にも隠してないわよ……どうしてそんなに怖い顔してるわけ……?」

 

 琴里が信じてくれるかどうかは分からないが、本当に何も隠していない。

 以前は士道との関係を隠していたものの、それが知られた時点でもう隠し事など何も無いのだ。

 大体あったとしても琴里が気付かないはずがないだろう。

 

「そう……隠してないのね……」

 

 信じると口にしてはいないが、七罪の言葉を信じてくれたことははっきりと分かった。

 何故なら琴里はまるで隠し事があって欲しかったとでもいうような反応を見せたからだ。

 最早哀れみに近い同情の瞳と、胸が痛くなるほどに悲しげな声音を。

 

「怖がらせるようなことを言って悪かったわね。だけどどうしても確かめたかったのよ。できれば……意図的なものであって欲しかったから」

「意図的って、何が……?」

 

 先ほどとは打って変わって、気遣いを声音に滲ませて語りかけてくる琴里。

 

「七罪、あなたも疑問に思ったことがあるでしょう? どうして士道が毎晩のように襲ってくるのか、どうして士道があんなに性欲旺盛になってきてるのか」

「え……あ、うん。確かにアレはおかしいわよね。何であんなに元気なのかしら……」

 

 どうやらそこに気付いていたのは七罪だけではなかったようだ。

 まぁ頻繁に部屋で一緒に過ごす七罪でさえ四日連続で襲われているのだから、琴里たちは七罪の想像も及ばないほど凄いことをされているのだろう。

 

「それにはちょっと複雑な事情があるのよ。そしてその原因は七罪、あなたにあるわ」

「……え? 私?」

 

 まさかの断言に七罪は目を丸くした。

 士道の性欲が異常に強まってきていることの原因が七罪にあるなどありえない。

 士道の症状から一番考えられそうな原因は、誰かに怪しげな薬を盛られて性欲を亢進させられているということくらいだ。

 しかし当然七罪はそんなことをしていない。やりそうな人物には二人ほど(目の前の人物含む)心当たりがあるが。

 

「や、私そんな原因になるようなことしてないし……そもそも何で原因が私って断定してるわけ?」

「日常的に襲われてるのがあなただけだからよ。私と四糸乃は一緒に過ごしている程度で襲われたりはしないわ。ある程度状況には左右されるけど」

「……え? 私だけ? 琴里たちは襲われないの?」

「ええ、あなただけよ。日常的な場面で私たちが襲われるのは四糸乃が一緒に入浴した時や、私が士道を誘惑……いえ、馬鹿にしてからかってみた時くらいだわ」

 

 完全に予想外の事実に間抜けにもあんぐり口を開けて尋ねてしまう七罪。

 しかしそれほどに衝撃的な事実だった。

 

「な、何で? どうして私ばっかり襲われてるのよ? 襲うなら普通琴里たちでしょ? そりゃあ士道の好みがアレなのは知ってるけど……私よりも琴里たちの方が綺麗だし、可愛いし、面倒くさくないし……どう考えたって私を襲うより満足できるじゃない。琴里はともかく四糸乃はきっと断らないだろうから、私で満足する意味無いのに……」

 

 最早士道の正気さえ疑ってしまう。

 七罪に比べると琴里や四糸乃と一緒に過ごす機会は少ないだろうが、それはその分会えない寂しさが募り、触れ合いたい気持ちが強まるという結果に繋がる。

 七罪は寂しくても温もりや愛情を感じられればそれで十分だが、士道は男なのだから性的な触れ合いに直結するはずだ。

 にも関わらず琴里たちを襲わず、毎日のように顔を合わせている七罪を襲うなど全く理解できなかった。

 

「……あ、分かった! それたぶん頻繁に構ってやらないと私の精神が乱れそうだからじゃない? だから士道は私ばっかり襲ってるのよ」

 

 一つだけ思いついた予想はこれ以上ないほど完璧な予想だった。

 士道曰くそんなことはないとのことだが、四糸乃たちに比べれば間違いなく扱いが面倒でウザイ七罪だ。

 士道の性欲が異常に増してきていることを除けば、誰もが納得できる完璧な理由である。

 

「いえ、そういう訳ではないのよ。残念なことだけど……」

 

 しかし琴里は首を振って完璧に否定する。

 しかも先ほどと同じく、そうであって欲しかったとでも言うような悲しげな瞳で。

 

「な、何でそんなこと分かるのよ……もしかして理由知ってるの……?」

「っ………………」

 

 七罪の質問に琴里はあろうことか押し黙り、瞳を逸らしてしまった。

 肯定も否定もしなかったが、七罪にはその反応と今までの様子で十分に意味が分かった。

 間違いなく理由を知っているが、それを話したがっていない。

 恐らくは七罪のためにならない、穏やかでない話だから。

 しばらく琴里は目をそらしていたものの、やがて心を決めたように七罪の瞳を真っ直ぐに見つめてきた。

 

「……知りたいなら令音のところに行きなさい。だけど私としては、このまま何も聞かなかったことにして欲しいと思ってるわ。あなたにとっては少し酷な話になるかもしれないから。だけど……それでも知りたいなら、これだけは覚えておきなさい。七罪、士道は間違いなくあなたを愛しているわ。あなたがどう思おうと、間違いなく本当のあなた自身を」

 

 士道を髣髴とさせる優しげな声音で、真摯に語りかけてくる琴里。

 身に覚えがないというのに琴里のその優しさに、七罪は罪悪感にも似た得体の知れない胸の痛みを覚えていた。

 まるで自分では気付けない心の奥底に、何か思い当たる節があるとでも言うように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何も聞かなかったことにして欲しいと、琴里は間違いなく言っていた。

 その話を無視していつも通りに過ごそうと、何も問題はないのだろう。

 七罪もそんな得体の知れない恐怖を覚える話など聞きたくない。

 それに話を聞くためには七罪の、そして四糸乃の幸せな一時を琴里と共に覗いていたらしい令音の元を訪れなければならないのだ。

 正直恥ずかしさや気まずさやらで顔を合わせるのは抵抗がある。

 だからいつも通り士道と一緒に安心して過ごし、度々やらしいことをされつつも、愛情と幸せを感じながら過ごしたいと心の底から思った。

 

「……来たね、七罪。最後にもう一度だけ確認するが、君は本当に知りたいのかい?」

 

 だが七罪は話を聞くために<フラクシナス>で待つ令音のもとを訪れた。

 質問の答えはもちろん、絶対に知りたくない、だ。

 傍から見れば行動と心情が矛盾しているように思えるだろうが、それは表面上しか見ていないからそう思えるだけだ。

 実際には何一つ矛盾などしていない。

 

「……知りたいわけ、ないでしょ……でも、知らないと駄目じゃない……知らないと、士道と安心して過ごせないんだから……」

 

 知りたいのではなく、知らなければいけないのだ。

 琴里の口振りからすると、七罪は知らず知らずの内に何らかの形で士道に悪影響を及ぼしてしまっている。

 七罪ばかり襲うことと、性欲が異常に増進していることがその結果なのだろう。

 その問題を解消しなければ、士道と一緒に過ごしていようと安心感も幸福感も得られない。

 得られるのは自分が士道に悪影響を及ぼしているという罪の意識による胸の痛み。

 士道と顔を合わせても、触れ合っても、愛を囁かれても、そんな考えたくも無いものしか得られない。

 正直怖いし不安で堪らないが、酷な話だろうと何だろうと乗り越えなければ幸せになどなれないのだ。

 

「……分かった。できる限り気を強く持って聞いて欲しい」

「……努力する」

 

 七罪の決心を見抜いたのか二度は確認せず、心の準備だけを促してくる令音。

 過度の緊張から渇いた喉を唾を飲み込んで潤し、七罪は心を強く持てるよう努力することにした。

 

「……さて、何から話せば良いのか……」

「さ、散々前振りしといて何から話すのか決めてないの……?」

「……すまない。やはり琴里に話させた方が良かったかもしれないね」

「今更言われても遅いし……とにかく、どこからでも良いから話してよ」

 

 貧弱なメンタルで備えたというのにいきなり出鼻を挫かれる。

 しかし張り詰めた緊張が予想外の事態によって若干和らいだので、七罪としては多少救われた気分だった。

 それに琴里と違って士道との関係をからかったりはしてこないので、琴里から話を聞くよりはこちらの方が幾分か精神に良いかもしれない。

 

「……分かった。とりあえず何故君が傍にいるだけでシンが発情して交尾を求めてくるのか、その理由から教えよう」

「こ、交尾って……もっと他に言い方ない?」

「……すまない。しかしこれが一番正しい表現なんだ。何故ならシンは君のフェロモンの影響を受けて、本当に発情してしまっているのだからね」

「フェ、フェロモン?」

 

 令音の口から出てきた真実は、全く予想外のものだった。

 それこそ今さっき出てきた表現への恥じらいも忘れ、呆気に取られてしまうほどに。

 

「……ああ。フェロモンは異性に少なからず生理的な影響を与える物質で、相性によっては強い性的な興奮を生じさせることもある。シンが君と一緒に過ごしていると何の前触れもなく発情してしまうのは君のフェロモンが原因だ」

「え、や、ちょ、ちょっと待って。それが本当だとしたら士道はずっと前から私を襲ってたはずでしょ? 前は……色々変なことされたけど……夜まで待てないくらい興奮はしてなかったわよ?」

 

 女性のフェロモン――というより異性のフェロモンで性的な興奮が引き起こされることがあるのは七罪だって知っている。

 しかし本当に七罪のフェロモンで理性を失うほど興奮するとしたら、以前から同じ反応を示していなければおかしい。

 肉体関係を結んだ頃は普通に一緒に過ごすことができていたし、精々胸を触るくらいの性的なイタズラをする程度の反応しか示さなかった。

 そもそも本当に過剰な興奮を覚えてしまうのなら、出会った時点で襲われてもおかしくないだろう。

 

「……ああ、確かにその通りだ。普通は考えられないことだが君のフェロモンによるシンの興奮の度合いはある時期を境に唐突に強まり、現在の状態へと至っているんだ。その時期は今まで三回あったんだが……君も思い当たる節があるだろう?」

「もしかして……士道が私たちと、その……初めて、アレを……した時……?」

 

 思い当たるのはそれくらいだった。

 七罪や四糸乃、そして琴里。

 士道が新たに肉体関係を結ぶ前か結んだ後、何故か士道は性的なイタズラの頻度や深さを増していたのだ。

 てっきり自分を愛してくれなくなるのではないかと不安に思っていた七罪を安心させるための、変わらずお前を愛しているという士道なりの愛情表現だと思っていたのだが本当は違ったのだろうか。

 自信の無さと恥じらいによって途切れ途切れに答えると、一応正解だったらしく令音は静かに頷いた。

 

「……正解だ。そこを境にシンの興奮の強さは急激に増している。あたかも変化した性関係に適応するかのようにね」

「適応力高いわね、士道……でも、それならやっぱり私のフェロモンとか関係なくない? どっちかっていうと士道自身に問題があるんじゃないの?」

 

 肉体関係を新たに結ぶのはあくまでも士道自身であって、本質的には七罪にはあまり関係のないことだ。

 まぁ一度士道のためにそれに近いことを四糸乃としたような気がしないでもないが、あれは士道が理性を無くして好き放題したせいで四糸乃と間接的にディープなキスをすることになっただけで、四糸乃はもちろん七罪にもやましい気持ちは一切無かった。ただ士道とキスする時と同じような胸の高鳴りを抱いてしまったことは否定できないのだが。

 しかし今思うとあの時の士道の様子も少々おかしかった。

 四糸乃を心のオアシスとして慈しみ愛でている士道が、『よしのん』に乗せられたとはいえ七罪だけではなく四糸乃まで心底意地悪く苛めたのだ。

 原因がフェロモンなのかどうかはともかく、もしかするとあれも七罪がいたせいなのだろうか。

 

「……いや、君のフェロモンが原因なのは確実だ。琴里が身体を張って実験してくれたからね」

「……実験?」

「……ああ、これを見てくれ」

 

 言われるがまま、令音が小さなモニターに映し出した光景を覗き込む七罪。

 映し出されたのは士道と琴里が部屋で一緒に過ごしている何の変哲も無い光景だった。

 かなり薄暗いところを見るに真夜中の一時の直前といったところだろう。

 そのわりには琴里側にも士道側にも緊張や羞恥はあまり見られず、どちらかと言えば軽口を叩き合っているような普段とあまり変わらない様子だ。

 ベッドに腰かけ語り合う琴里は嘲笑にも似た微笑みを浮かべているし、馬鹿にされたのか士道は頬を引きつらせて無理やり笑っている。

 遠慮が無いというか、妙に通じ合っているように思えてちょっとだけ羨ましい。

 二人の様子を憧れにも似た不思議な気持ちで見守っていると、不意に琴里がポケットに手を突っ込んで小瓶のようなものをこっそり取り出した。

 

「……三日前に撮った映像だ。琴里が持っているのは君の汗から抽出したフェロモンを元に合成した、高純度のフェロモン香水だ。まぁ香水といってもフェロモン自体は無臭だがね」

「私の汗から抽出したってそれは一体どこから手に入れたわけ?」

「……ここで琴里がシンに君のフェロモンを吹きかける。本当は香水と同じ使い方をして効き目を抑えるはずだったんだが、琴里も色々思うところがあったんだろう」

 

 真っ先に浮かんだ七罪の疑問を完璧にスルーして補足説明を続ける令音。

 色々言いたいことはあったが今は大事な話の最中なので追及はしないことにした。

 モニターに視線を戻すと、ちょうど琴里が気付かれないように注意しながら士道の横顔めがけて香水を吹きかけたところだった。

 無臭とはいえ肌に何らかの感触を覚えたのか士道が振り返り、神妙な面持ちで結果を待っている琴里の姿を瞳に納めた時――士道は完全にケダモノと化し、驚くほどの俊敏さで以って琴里の身体を投げ捨てるように床へと押し倒した。

 

「うわっ、まるで狼じゃない。こんなに盛りまくってる士道初めて見たかも……わっ!? ちょ、そんないきなり!?」

 

 そしてキスすら行わないばかりか琴里の衣服を乱暴に引きちぎり、露になった胸元へと齧り付き始めた。

 明らかに甘噛みではなく深く歯を立て、優しさなど微塵も無い噛み千切るような激しさで。

 最早強姦に変わりないほどの激しさに流石の琴里も泣きながら抵抗を示していたが、正直二人の様子があまりにも現実味のないものなのでいまいち同情や怯えを感じることはできなかった。

 

「……純度が高いせいか効果が強すぎるようでね。シンは完全に理性を無くして発情してしまったんだ。君のフェロモンはシンにとって強力な興奮剤に近い代物なんだろう」

「はぁ……まぁ、私のフェロモンが原因ってことは今ので納得できたけど……他はどういうことなのよ? 今まではそんなに襲われなかったことと、士道の興奮が強まったりしたことと何か関係があるの?」

 

 モニターの中で繰り広げられる激しい絡みから気まずく視線を逸らしつつ、七罪は新たな疑問を口にした。

 琴里が可愛そうになるほど身体を張って実験してくれたので、七罪のフェロモンとやらが原因なのは認めないわけにはいかない。

 ただしそのフェロモンの作用が度々強まったことと、士道の性欲が増進していることについては別だ。

 

「……七罪、君はシンを愛しているかい? シンと一緒に過ごしていると安らぎを得られるかい?」

「な、何よいきなり……まぁ、その通りだけど……」

 

 七罪の疑問に対して質問で返してくる令音。

 唐突に過ぎる質問に一瞬動揺してしまうも、七罪は正直に答えておいた。

 それに決して伊達や酔狂で尋ねてきたわけではないはずなのだから、誤魔化すべきではない。

 

「……だから君はそれを手放したくない。手放すことを、無くなってしまうことを思うと怖い。君はそう思っているんだろう?」

「あ……当たり前でしょ、そんなの……それが一体何の関係があるっていうのよ……」

 

 自分に向けてくれている愛情を失うことなど、誰だって考えたくも無いほど怖くて堪らないことだ。

 そんなごく普通の感情が士道の話にどう繋がるのかさっぱり分からない。

 

「……恐怖や怯えは精神状態の乱れに繋がる。君の精神状態が乱れてしまえば霊力はシンから君へと逆流する。それはつまり、君が精霊の能力を使えるようになってしまうということだ」

「言われなくてもそんなこと分かってるわよ。だから一体それが士道の話にどう繋がるのよ」

 

 自分のことなのだから今更言われずとも良く分かっている。

 最近は士道のおかげか精神状態は比較的落ち着いているものの、何せ七罪は霊力が逆流すれば勝手に変身してしまうこともあるのだから。

 先ほどからどうも士道の話に繋げようとしない令音に、流石の七罪も若干の苛立ちを覚えてきた。

 

「……君の能力を使えば人の身体を自由に変化させることもできる。無機物へと変化させたり、別の者の外見へ変化させたり、子供を大人の姿に変化させたり……誰かに好かれ、離れがたいほどの魅力を持つ自分へと身体を変化させることもね」

「だからさっきから一体何が……言い、たい……の……?」

 

 分かりきったことばかり口にする令音に苛立ち混じりの疑問を投げかけようとした時、七罪は不意に言葉を続けられなくなった。

 今まで七罪がやってきたことを、七罪にできることを改めて並べ立てられ、頭の中に一つの恐ろしい仮説が浮かんできてしまったから。

 

「……肉体そのものを他人や無機物にすら変化させることのできる君にとって、身体の内部の構造のみを変化させることは容易いはずだ。それこそ細胞レベルでの変化ですらね」

「……ちょっと……待って……それ……」

 

 その恐ろしい仮説を裏付けるような言葉を、無情にも令音が続けていく。

 七罪にとって自分の外見を魅力的なものに変えるなど、今までずっとやってきたことなのだからお手の物だ。

 今は皆が本当の七罪を見てくれているし、士道が愛してくれているのでそんな誤魔化しはしていない。

 だが、もしも自分の気付かぬ内に誤魔化していたとしたら。

 外見を劇的に変化させるのではなく、中身だけ――体の作りだけを劇的に変化させていたとしたら、その結果一体何が起こるか。

 

「……細胞レベルでの変化を起せば、それに応じて身体の作りやフェロモンを始めとする体内の分泌物にも影響が及ぶことになる。以前シンは君との性交渉が最も強い快感を得られると言っていたね。シンはそれを自分の身体に合わせて君の身体が作り変わってきているのではないかと予想をつけていたが、正にその通りだったんだよ」

「あ、ははは……うそ……ありえないわよ、そんなの……」

 

 性行為によって相手が強い快感を得られる身体を作り、興奮剤の如きフェロモンを撒き散らす身体を作ることなどできるわけがない。

 あまりにも馬鹿馬鹿しくて現実離れしている。

 だから七罪は笑いながら令音の言葉を、自分の仮説を否定した。

 だが喉の奥から零れる笑いは渇ききっていて、頬は引きつって笑みを形作ることができない。

 何故ならゼロから作ることはできずとも、一から作り変えることはできるからだ。

 皮肉なことに、この広い世界で七罪にだけは。

 

「……七罪、君は無意識の怯えと恐怖から無意識的に能力を用いて、自分の身体を作り変えてしまっているんだ。シンが君から離れていかないよう、自分の傍にずっといてくれるよう、シンが強い性的興奮を催すフェロモンを振り撒き、性行為によって誰よりも強い快感を得てくれる身体にね。シンの性欲が亢進したのは君のフェロモンの影響が強すぎた副作用か、あるいはそういった作用を併せ持っているんだろう」

「――っ!」

 

 淡々と絶望的な答えを突きつけられ、七罪はあまりのショックに頭の中が真っ白になった。

 今まで士道が七罪に抱いた突発的な性的興奮。

 それは強制的に覚えさせられていただけの紛い物だったのだ。

 本当の七罪に対して抱いてくれていたと思っていたのに。

 性的な興奮を覚えるほどに、七罪の本当の姿を魅力的に感じてくれたと思っていたのに。

 能力によって誤魔化しを行った偽物の七罪などではない、本物の七罪が認めてもらえたと思っていたのに。

 

「あ……あ……あぁ……!」

 

 だがそれだけならまだ良い。

 もしも士道が七罪に対して抱いている愛情さえも、同じように紛い物だとしたら。

 途轍もない興奮と一番の快感を得られる七罪の身体への依存を、愛情だと錯覚させられているだけなら。

 もしもそうだとしたら、士道は本当の七罪を愛してくれているわけでは――

 

「っ!」

 

 絶望に目の前が真っ暗になりかけたその時、七罪の身体を優しい温もりが包み込んだ。

 暖かさに意識が引き戻された七罪は、そこで初めて自分が令音に抱きしめられていることに気付いた。

 女性特有の柔らかさでそっと抱きしめられ、豊かな胸元に顔を埋めさせられている。

 その温もりと柔らかさは恐怖と絶望に凍りつきつつあった七罪の心を暖めてくれた。

 士道に硬く強く抱きしめられて感じるものとはまた違うものの、同じような安心感さえ覚えるほどに。

 

「……落ち着くんだ、七罪。君が恐れるようなことは何も無い。確かにシンが君に強い性的興奮を覚えてすぐさま性行為を求めてくるのは、君がシンに合わせて作り変えた身体が放つフェロモンのせいかもしれない。だがそれでシンの愛情まで得られるわけではないんだ。シンが君に対して抱いている愛情は、紛れもなく本当の君自身に対するものだ」

「……そんなの……嘘、よ……本当は……その、せいで……」

 

 優しく語りかけてくる令音の腕の中で縋り付くようにして白衣の胸元を握り締め、泣きそうになるのを必死に堪える。

 七罪だって本当に士道に愛されているのだと信じたい。

 だが全部偽りのものだったと考えた方が現実的な気がするのだ。

 考えてみれば七罪程度が他の皆を差し置き、士道にあれほどまでに愛してもらえたこと自体がおかしいのだから。

 むしろ最初から全て夢だったとした方が納得できるし、その方が七罪も傷つくことはなかっただろう。

 自分の姿を認めてもらえた事実と愛してもらった事実だけが実は紛い物だったなど、最初から全てが夢だったというよりも残酷に過ぎる。

 

「……どうしても疑いが捨てきれないというのなら、シンのところへ行って確かめてみると良い。君の恐れが杞憂なのだとはっきり分かるはずだ」

「……行ったって……また、襲われるだけじゃない……私の、能力のせいで……」

「……確かにそうなるだろうね。恐らくはシンに対してのみ反応を生じさせるものなのだろうが、度重なる恐れと不安の蓄積で君のフェロモンは性フェロモンの領域にまで達している。恐らくフェロモンそのものも若干変質させているんだろう。幾らシンが理性を強く保てるよう努めても、君のフェロモンに当てられれば耐えられはしない」

「っ……」

 

 令音の予想が正しいものであるということは、ここ数日の士道との触れ合いが証明していた。

 最早二人で穏やかに過ごすことができなくなるほど、七罪は士道に強制的に強い興奮を催させてしまっている。

 これでは今から士道のところへ行っても同じ結果にしかならないのは目に見えていた。

 原因の根本にある怯えを払拭すれば解決するかもしれないが、無意識下の怯えを拭い去るという器用な真似などできるわけがない。

 たった今抱えている士道の愛は本当の自分に向けられているものなのかという、目の前の怯えすらどうにもできない七罪ごときに。

 

「……だからこそ、これを用意しておいた」

「……それ……何……?」

 

 令音が白衣のポケットから取り出したのは、白い錠剤が幾つか入った小さなガラスの小瓶。

 七罪は差し出されるがままその小瓶を受け取る。

 

「……君のフェロモンの生成、分泌を一時的に抑える薬だ。実際に君に服用してもらったことがないから正確な持続時間は分からないが、三時間程度なら完全に押さえ込めるはずだ。後はシャワーを浴びて残りのフェロモンを洗い流し、誤魔化しのない本当の君のままシンへ会いにいけば良い」

 

 随分と都合の良いものが用意されていることに対して驚きを覚えることはなかった。

 悲劇的な事実を聞かせられた七罪がどんな反応を示すか、そしてどう対処すれば良いか、琴里たちなら最初から分かっていたはずなのだから。

 結局のところ琴里たちの予想通り、七罪には士道のもとへ行くという選択肢しかない。

 真実を知るのが怖くともずっと士道を避けて日々を過ごしていくなど不可能だ。

 それに完璧に士道に依存してしまっている七罪には、士道と一緒に過ごすことができなくなるなど耐えられなかった。

 

「本当の……私で……」

 

 興奮剤の如きフェロモンによる影響がなくなるなら、七罪が隣にいようと士道は突然興奮を催したりはしなくなる。

 そうなれば士道は無理やり覚えさせられた欲望に基づく行為ではなく、本当に自分が抱いている気持ちに基づいて七罪に接してくれる。

 本当に七罪を愛してくれているなら、普段と変わりなく。

 だがもしも七罪に対する愛情が、興奮と快感によって抱かせられた偽りの気持ちなら。

 

「っ……!」

 

 その可能性が頭を掠めただけで、歯の根が合わなくなるほどの恐怖に見舞われる。

 怖気に身体はどうしようもなく震え、悲しみに目頭が熱くなり涙が零れそうになる。

 恐ろしい考えを追い出そうと必死に頭を振って否定するが、元来ネガティブ思考の持ち主である七罪にそんなことはできない。

 こんな性格でなければ、ここまで恐怖することはなかったというのに。

 こんな能力を持っていなければ、そもそも起きるはずの無い出来事だったというのに。

 令音の腕に優しく抱かれ僅かな安心感を覚えながらも、七罪は自分の性格と能力を心の底から呪った。

 

 

 

 

 

 




 高校の時好きだった科目は生物と化学。好きなだけで得意だったわけではありませんが。
 次回は……非エロ話かエロ話かは明言しない方向で。とりあえず次のお話でシリアスっぽい展開は終わります。
 好きなキャラには酷い目に合って欲しくありませんが、必要な時は容赦なくやるタイプです。不幸のドン底に突き落とすようなお話が必要な理由は後々。たぶん良く考えれば分かるはず。
 それから感想覧ではネタバレになるのでコメントしませんでしたが、ミスターシャーマンさんの予想は九割方正解でしたね。凄い洞察力だ……。

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