久方ぶりのエッチなお話。タイトルのプチデビルは小悪魔的な意味合いです。
元々このシリーズはイチャラブ重視で書いていたお話なのに、最近書いているメアリスケルターのカップリングものにイチャラブ度で負けている気がする今日この頃。その気になれば全年齢やR15でもR18に負けないイチャラブを演出できるのだということに気がつきました。三十話以上書いてそこに気がつくなんて遅すぎるよ……。
『士道くーん、悪いけど今夜の四糸乃とのエッチ、お預けにしてくれないー?』
「……え?」
始業式明けの夜、四糸乃が部屋を訪ねてきたと思ったら『よしのん』の口から衝撃的な言葉が投げかけられた。
正確には『よしのん』の口から出たわけではないがそんなことはどうでもいい。士道は首筋に刃物でも当てられたかの如き恐怖に固まるので精一杯だった。
『何か四糸乃ちょっと体調悪いみたいでさー。心配だからできれば今夜は遠慮してもらいたいなーって思って』
「あ、何だそういうことか。無茶苦茶驚いたぜ……」
てっきり士道に抱かれることがもう嫌になったのではないかと危惧したのでほっと胸を撫で下ろす。しかし安堵したのも束の間、四糸乃の体調が悪いということを理解して先刻に劣らぬほどの不安と恐怖を覚えてしまった。
「た、体調悪いのか、四糸乃? 大丈夫なのか?」
「は、はい、少し……でも、士道さんがどうしてもって言うなら……」
「いいから、体調悪いなら無理するなって。今夜はゆっくり休んでくれ、四糸乃」
「……すみません」
無理をしてでも夜の相手を務めようとして、更には謝罪までしてくる。相変わらずその胸の中は行き過ぎなくらい愛情に満ちているらしい。できれば今は自分の身だけを心配して欲しい所だ。
『んー、さすがは優しい士道くん。でもさー、四糸乃とヤれないからって他の子とヤりにいっちゃダメだよー?』
「あ、あの……私は気にしませんから、士道さんの好きなように、してください……」
おまけに『よしのん』の注意に対しても真逆の対応。自分が相手をしてあげられないから他の女の子のところへ行って構わないという意味の言葉を口にしている。それも酷く申し訳無さそうな表情を微笑みの裏に隠して。
「……大丈夫だ、四糸乃。お前の代わりに誰かに手を出すなんてことは絶対しないからな?」
「士道さん……」
どこまでも優しく愛らしい少女をぎゅっと抱きしめ、優しく頭を撫でる。たったそれだけで四糸乃はうっとりと幸せそうな声を上げ、無防備に身を預けてきてしまう。こんないたいけな四糸乃の愛情に甘えて他の少女の所へ行くなどありえない。
辛くても今夜は絶対我慢。そう心に決めた士道は、代わりに四糸乃の温もりと愛情で心の中を満たしていった。
『でも四糸乃と七罪ちゃんが辛いの我慢してる時は代わりに琴里ちゃんとベッドとかソファーとかで燃え上がってたんでしょー? そこ考えるとあんまり説得力無いなー』
「あ、あれは仕方ないだろ。あれは……」
性欲が猛烈に亢進されたままの士道にとって、欲求を何日も抑え込むことはあまりにも危険だ。抑え込むこと自体は不可能ではないものの、それでは何かのきっかけですぐに爆発する危険極まる状態になってしまう。
積極的に誘惑を行ってくる一部の精霊たちがいて、それに答える許可を琴里に出されていない以上そんなリスクは犯せないのだ。
「でも今夜はお前のために絶対我慢するから安心してくれ、四糸乃。だからゆっくり休んで早く元気になってくれよ?」
「は、はい……ごめんなさい、士道さん……本当に、ごめんなさい……」
別に怒っているわけではないというのに、腕の中で四糸乃は何度も何度も謝罪の言葉を口にしていた。士道の相手をしてあげられないことに対しての罪悪感だとしても、少し過剰だと思うくらいに。
しかしそこは慈愛に満ち溢れた四糸乃。七罪や琴里ならまた違っただろうが、四糸乃ならそこまで気に病んでも何もおかしなことはない。
なのでこの時、士道は謝罪の裏に秘められた想いに気付いていなかった。
「――て、ください。士道さん……起きてください……!」
「ん……んんっ……?」
可愛らしくもどこか緊張の滲んだ声音で紡がれる自らの名前。それを何度も耳元に届けられ、夢の世界から無理やり引きずり上げられる。
しかも感覚的にはまだ真夜中のようだ。せっかく満たされない欲求を根性で抑え込んで頑張って眠りについたというのに、一体誰が起して台無しにしたのか。
そんな不届き者の姿を確認するため重い目蓋を開けた瞬間、瞳に映った声の主の姿に眠気が半分吹き飛ぶくらいに驚いた。
「……四糸乃? こんな時間にどうし――って、何で手錠かけられてんだよ俺!?」
そして動かそうと思った腕がチェーン付きの手錠でベッドに拘束されていたため、残りの眠気も吹き飛んでしまう。
何が何やら分からず混乱していると、俯き気味の四糸乃の左手で『よしのん』が不気味に笑った。
『ふっふっふ、目が覚めたようだね士道くん。さてさて、自分の置かれた状況は飲み込めてるかなー?』
「飲み込めるわけねぇだろ!? どういうことだよ、これ!?」
夜の相手を務められないほど体調が悪いはずの四糸乃が真夜中に部屋を訪れていること。目が覚めたら手錠でベッドに腕を拘束されていたこと。状況自体は理解できているが意味が分からない。
しかし何よりも理解できないのは手錠で拘束されている士道を目にしながら、申し訳なさそうな顔をしている四糸乃の姿だ。部屋に訪れた時に士道がベッドに拘束されているという異常事態に遭遇すれば、せめて気遣いや心配の色を見せて当然だというのに。これではまるで異常事態に遭遇したわけではなく、四糸乃本人が――
「――っ!? ま、まさか、お前の仕業なのか!? 四糸乃!?」
そこまで考えた時、士道はその結論に到達した。
もちろん四糸乃がこんなことをするはずはないと考えた。やりかねないのは『よしのん』の方だ。だが実際に行動を起すには身体を持つ四糸乃の協力が必要不可欠。つまり実行犯は間違いなく四糸乃なのだ。
にわかには信じられないどころか信じたくもない結論だったが、残念なことに『よしのん』は短いお手々で拍手を上げた。
『だいせいかーい! ちなみに今回よしのんは四糸乃をそそのかしたりはしてないよー。何せ今回の主犯は四糸乃だからね!」
「う、嘘だろ!? 四糸乃が主犯!?」
おまけに更に信じがたい事実を伝えられ、驚愕に開いた口が塞がらなくなる。
『よしのん』によってそそのかされたわけではないのなら、士道を拘束したのは四糸乃の意思。無限の愛情を胸に秘めた慈愛の女神たる四糸乃が、士道の自由を奪い縛り付けている。そんなのは性質の悪い冗談だ。
「は、はい……! 今回は、よしのんに乗せられたりそそのかされたりしたわけじゃ、ありません……全部、私の意志です!」
「なっ……!?」
しかし信じないわけにはいかなかった。何せ四糸乃本人が自分の意思だと力強く断言したからだ。それも妙に決意漲る表情で。
見た限りでは本当にそそのかされているわけではないようだし、体調が悪いと言っていたはずなのに全くその様子も無い。これも信じがたいことだが恐らく四糸乃は体調が悪いと嘘をついたのだろう。士道を一人で眠らせ、寝込みを襲って手錠で拘束するために。
「い、一体何のためにこんなことしたんだ、四糸乃!? お前が嘘ついたり、俺に手錠かけたりするなんて……!」
「それは……お仕置き、するためです。士道さんは、何人もの女の人とエッチなことをしてる、悪い人ですから……」
「お、お仕置き……?」
その言葉を聞いた途端、Mでもないのに胸が高鳴る。
まさか四糸乃の口からお仕置きするなどというらしくない言葉が零れるとは思ってもいなかったからだ。そして四糸乃自身が恥じらいに頬を染めながらもベッドに上がり、士道の身体を押し倒してきたから。
「はい……悪い子の士道さんが更正するように、いっぱい……いっぱい、お仕置きしてあげます……んっ――」
四糸乃に手錠で拘束され押し倒されるという夢にも思わない状況の中、困惑で頭が埋め尽くされた士道の唇が四糸乃によって奪われる。
「っ……は、ぁ……ん、っ……」
元々四糸乃は激しいキスとは縁が無く、自分から行う場合は唇を触れ合わせたままか軽く啄ばむ程度の可愛らしいキスを行うタイプ。だが今士道の身体に覆い被さり唇を奪う四糸乃のキスはもったいぶるような口付けだった。
それは一瞬唇を触れ合わせ、すぐに距離を取るという焦らすためのキス。そしてキスする素振りを見せながら、吐息を吹きかけて更に物足りなさを煽っていくという非常に意地の悪いキスだ。四糸乃らしくない真似に対して更に困惑が深まる反面、否が応にも興奮を覚えさせられてしまう。
「よ、四糸乃……頼むから、もっとたっぷりキスしてくれ……」
困惑よりも興奮が勝ったため、ひとまず疑問を脇に置いてお願いする。
四糸乃は士道のお願いや命令なら何でも受け入れてくれる。それは誇張ではなく文字通り何でもであり、見られる危険性自体は少なかったとはいえ不特定多数の人間が集う映画館の劇場内で身体を許してくれたほど。だからこの程度のお願いなら二つ返事で頷いてくれると信じていた。
だが四糸乃は人差し指を士道の唇に正面から添えると――
「駄目、です。今日は士道さんのお願いは、聞いてあげません……」
「っ……!?」
――きっぱりと拒否して、押し戻すように軽く力を込めてきた。
お願いを断られただけでなく、拒絶さえされた衝撃。あの何でも受け入れてくれた四糸乃がキス一つしてくれないとは信じられなかった。しかも微かに楽しそうな微笑みを浮かべていることがまた信じられない。
「ひ、酷いぞ、四糸乃……まるで琴里みたいに意地悪じゃねぇか……」
『ふっふっふ。その通り! 今夜の四糸乃は意地悪なんだよ! 士道くんのお願いなんてこれっぽっちも耳を貸さないよ!』
「はい……士道さんが何を言っても、私は絶対に従いません……!」
「そ、そんな馬鹿な……!」
意地悪な四糸乃など『よしのん』の冗談かと思いきや、本人が躊躇いを見せずに頷いた。しかも確固たる強い意志を感じさせる凛々しい表情で。
そんな表情もまた可愛らしいと思う反面、四糸乃が反抗期にでも陥ってしまったのかと戦慄する士道だった。一体あの慈愛の女神たる四糸乃に何があったのか。
「動かないでくださいね、士道さん……」
「あ、ああ、良かった。やっぱりちゃんとキスしてくれる――っ!?」
再び唇を寄せてきたのでやはり変わっていなかったと安堵した途端、あっさり裏切られてしまう。四糸乃は顔を寄せてキスをしてくれたが、それは舌先で士道の唇を突付くという非常に切なく意地の悪い口付けだった。
辛抱溜まらずこちらから唇を奪おうとするも四糸乃の右手に口元を押さえられて重ねられず、舌先を伸ばして味わおうにも四糸乃が舌を引っ込めてしまうので絡めることができない。唇に触れさせることはできるものの掠める程度にしか触れ合えないため、余計に切なさが溜まっていく。
「よ、四糸乃ぉ……頼むから……」
信じられないほどの切なさに胸が痛み、自分でも情けなく思える声で願う。
そんな士道の心からの願いを、あろうことか四糸乃はさもおかしそうに笑った。
「ふふっ。士道さん、何だか別人みたいに可愛いです……」
「そう言うお前の方こそ別人みたいじゃねぇか……って、ちょっと待て。まさか本当は琴里が化けてるとかじゃないよな!?」
そこでついに腑に落ちる答えが浮かぶ。
そう、四糸乃がこんな意地悪なことをしてくるはずがない。士道の心のオアシスで慈愛の女神がこんな小悪魔に堕ちたりしない。となれば目の前の四糸乃は四糸乃ではない。完璧な三段論法だ。
「えっ……!? ち、違います……ちゃんと、本物の私です……!」
「嘘付け! 琴里や七罪ならともかく、四糸乃がそんな笑いながらこんなことしてくるわけねぇだろ! 正体現しやがれ!」
「し、士道さん……」
狼狽した様子を見せる見た目だけは四糸乃な人物を睨みつけ、糾弾する士道。わざとらしくもその人物は四糸乃の顔で悲しみさえ見せてくる。どんな表情をされようと偽物であることに気付いた以上、もう騙されたりしない。
『ほほーう。士道くんはこの四糸乃が偽物だって言うんだね? 本物の四糸乃ならこんなに意地の悪い真似はしないって言いたいんだね?』
「当たり前だろ! 四糸乃は可愛くて心優しい純真無垢で清楚可憐な俺の心のオアシスだぞ! そんな四糸乃が俺にこんな酷いことするわけねぇ!」
『あー、これはマズイなー。何かもう愛情っていうか信仰みたいな感じになっちゃってるよ。四糸乃の愛と優しさで士道くんを魅了しすぎちゃったかなー……』
短い手を額に当ててがっくりとうなだれる『よしのん』。
確かに少々盲目的な気がしないでもないが、四糸乃相手なら当然のことだろう。士道の心労をほんの少しでも癒してあげられるように、士道のお願いは文字通り何でも受け入れてくれるほどに愛してくれているのだ。こんな行き過ぎた優しさを自分に向けてくれる女神に対して信仰心を抱くななど無茶な話である。
「よ、よしのん、どうすれば士道さんは私が本物だって信じてくれるの……?」
『……四糸乃、士道くんのパンツ降ろしてくれるかなー? 四糸乃が本物の四糸乃だってこと、士道くんの身体によしのんがたっぷり教えてあげるよ。ぬふふふー……』
「う、うん……」
不適に笑う『よしのん』に従い、わざとらしくも恥じらいながら士道のズボンを下ろしていく外見は四糸乃の人物。
ほぼ確実に琴里なのだろうが大穴で七罪という線もある。どちらにせよ変身能力が必要なので少なくともグルなのは確実。とりあえず七罪には後でおしおき決定だ。
「くっ……こんなことする四糸乃が本物なんて、絶対信じねぇぞ!」
両手をベッドの柵に拘束された状態で下着まで下ろされ、無様にも下半身を晒すしかない悔しさに歯噛みしながら睨みつける。
もっとも悔しいのは下半身を露にされたことそのものではなく、勿体ぶるような意地の悪いキスだけで硬くいきり立ってしまっていることだ。こんな四糸乃もどきに、キスだけで。
『ふっふっふ、その強がりがいつまで続くかなー? よしのんの本気、とくと味わわせてあげるよー! 四糸乃、パクっといっちゃって!』
口元に手を当ておかしそうに口元を歪める『よしのん』が四糸乃に指示を出す。
若干の恐怖と共に士道は自分が何をされるのか理解した。『よしのん』は誰にも真似できない舌技の絶技によって、切っても切れない関係である四糸乃が本物だと証明する気なのだ。士道の下腹部に本気のテクニックで以って叩き込んで。
自分が偽物だと疑われて傷ついたのか、それとも本物だと信じて欲しいのだろうか。意外にも偽四糸乃は躊躇いを見せず決意を蒼い瞳に映し、その小さな口を精いっぱい開けてくわえ込んできた。
「――っ!!?」
そして四糸乃の咥内の暖かさを感じた瞬間、絡みつく湿った柔らかさに未曾有の快感を覚えさせられる。
舌で舐められしゃぶられているどころか、最早軽く電流を流され刺激されているような鋭い快感。剥き出しの肉と皮の僅かな隙間に容赦なく抉りこまれ舌先で弄くり回される感覚は、最早神経を直接刺激されているのではないかと錯覚するほど刺激的。それでいて全体を余す所無く舐め上げる動きは、塗された唾液全てがスライムのように動き扱き上げているかの如く官能的な動き。これら全てが舌一本で為されている動きとは到底信じがたかった。最早これは舌というより触手の動きだろう。
「ん……ちゅ……う、ぅ……!」
舌という名の触手攻めに声も出せずに悶絶しながら、激しい快感の片隅でとりあえず理解した。吐き気を堪えるようにぎゅっと瞳を閉じて涙を浮かべながらも、士道の下腹部に顔を埋めている女の子は間違いなく四糸乃であるということを。そして今までの意地の悪い真似を行ったのが、本物の四糸乃であるということも。
『……いやー、活きが良かった。さて士道くん、ここにいるのは誰だか言ってみなー?』
「……ああ、うん。四糸乃だ。間違いなく、四糸乃だ。疑って悪かった。すまん」
昂ぶった状態で寸止めされてしまい、下半身で荒れ狂うやり場の無い興奮にもがきながら謝罪する。
偽物ではないと分かってもらえて安心したのだろう。四糸乃はほっと胸を撫で下ろしていた。
『全くもー。愛する女が本物かどうか疑うなんて士道くんったら酷いよねー、四糸乃ー? これはおしおきが必要だよねー?』
「う、うん……いっぱい、おしおきしないと……!」
「め、目を覚ませ四糸乃! お前はよしのんに操られてるだけだ!」
何故か意気込みを見せる四糸乃に対して必死に説得を試みる。
偽物ではなく本物の四糸乃がこんな真似をするなど、確実に誰かに良いように操られているとしか思えない。そして裏で糸を引いている人物といえば『よしのん』か琴里くらいだ。
大穴で七罪という線もあるが、面白がってやりそうな他二人に比べると動機が無いので恐らく違う。
「あ、操られてなんて、いません……! これは全部、私の意志、です……!」
「な……!?」
士道の説得に対し、四糸乃はあろうことか確固たる信念すら感じるほど真剣な表情で答えてきた。
認めたくは無いが、恐らく四糸乃は『よしのん』たちに乗せられたり流されたりしているわけではない。意図は不明だが自らの意思でこんな意地の悪い真似をしているのだ。
その証拠に四糸乃は恥じらいに固く目蓋を閉じながらも自らネグリジェのリボンを緩め、真っ白な肌を持つ仄かな膨らみを曝け出した。
「うあっ……! ちょ、四糸乃……っ……!」
そして膨らみと右手で士道のいきり立った半身が挟み込まれ、嫌らしく扱かれていく。胸骨と手の平で圧迫され、膨らみの柔らかさに挟まれて。
「んっ……ふ、ぁ……ちゅ……!」
更には舌も使って剥き出しの頭の部分までもを攻めてくる。
普段の奉仕でも同じことをしてくれるものの、やはり今回はどこかおかしい。『よしのん』ほどでないとはいえ舌の動きは熱い口付けを交わしているかの如く激しく、胸を擦り付ける動きも情熱的だ。その癖士道の快感が昂ぶってきたのを敏感に察し、動きを止めて寸止めさえしてくる。
四糸乃が一体何故ここまで積極的かつ意地悪になっているのか全く理解できず、士道はただただ満たされない快感を堪えるので精いっぱいだった。
『うへへへ、士道くんが四糸乃に寸止めされて喘いでるよー? 四糸乃みたいなちっちゃな女の子にこんな目に合わされて恥ずかしくないのー?』
「くっ……! よ、四糸乃……頼むから意地悪止めてちゃんとしてくれ……」
「ん……嫌、です……今日は士道さんの言うこと、聞いてあげません……」
「う、嘘だろ……!?」
情けない懇願を四糸乃にばっさり切り捨てられ、衝撃に打ち震える士道。
一体今夜の四糸乃はどうしたというのだろうか。いつからこんなに聞き分けの無い悪い子になってしまったのだろうか。
『んふふふ、良い表情してるねー士道くん。だけど今までのは準備運動でこれからが本番だよー? 今夜の四糸乃はどこまでもワルだからね!』
「は、はい……今日の私は、どこまでも、ワルです……!」
「い、一体どうしたんだ四糸乃……!?」
頭の中を驚愕と快感に埋め尽くされる士道の前で、四糸乃がついに本番へと移る準備を進めていく。その愛らしい面差しに決意を露にして、自らショーツをずり下ろして白く綺麗な秘部を露にする。
これで四糸乃は可愛らしいネグリジェのみを羽織った状態で、仄かな膨らみと肉感的な太股まで白い肌は全て曝け出されている。酷い混乱に見舞われながらもやはりその姿に途方も無い興奮を覚えてしまう士道だった。
「し、失礼します、士道さん……!」
自らをワルと称しながらも丁寧に断りを入れてくる四糸乃。
しかし返事を聞く気はないらしく、すぐにこちらに背を向けて身体へと跨ってきた。腹部に広がる裸のお尻の柔らかい感触が何とも言えぬ心地良さである。
「んっ……! ん、うぅ……!」
しかし感触を楽しむのも束の間。腰を上げた四糸乃が士道の下腹部で屹立するものの上へと身体を動かし、そこへ静かに腰を下ろしていく。無論、自らの身体の内へと挿し込んでいくように。
こちらに背を向けているせいで四糸乃の表情は窺い知れないが、半身に伝わる湿り気の無い感触と絞り尽くすかのごとき締め付けだけで十分に苦痛であることは容易に想像できた。痛みから来る喘ぎも必死に噛み殺しているのだろう。何故そこまでして主導権を握ろうとしているのかはさっぱりだ。
とはいえ両腕をベッドに拘束されている士道にできることは何も無い。できるのはただただ四糸乃にされるがままになることだけだ。
「っ、う……ぁ、はぁ……はぁ……!」
やがて完全に根元まで受け入れた四糸乃が動きを止め、肩で息をして必死に呼吸を整える。そこでようやく最後の一枚である羽織っていたネグリジェも脱ぎ捨て、生まれたままの姿を晒す。
しかし残念なことに士道から見えるのは四糸乃の緩やかな長い髪だけ。その宝石のような輝きを放つ蒼さは美しいが、今眺めたいのは余す所無く晒されているはずの白い肌の方だ。
『うーん、ばっちり奥まで入っちゃったねー。このまま上下に動いたら士道くんはさぞかし気持ち良くなれるんじゃないかなー? どーう、動いて欲しいー?』
「あ、当たり前だろ……ちゃんとしてくれるよな、四糸乃……?」
蒼い髪越しに覗き込むようにこちらへ視線を向けてくる『よしのん』。
いつもの四糸乃ならこんなお願いなどする必要は無い。今夜は四糸乃からしてもらいたい。それだけを初めに伝えれば士道を気持ち良くさせようと一生懸命に奉仕してくれる。暖かく小さな手から柔らかな膨らみ、小さく可愛らしい舌先まで用いて一生懸命に。愛情深くどこまでも健気に。
「い、嫌、です……今夜は、士道さんを気持ち良くなんて、して、あげません……!」
「な、なぁっ……!?」
だがやはり今夜の四糸乃はお願いをあっさり跳ね除けてきた。毅然とした態度で、力強くはっきりと。
「はぁっ……んっ、ぅ……ぁ、あ……!」
そして顔の向きを戻し、身体を揺らして気持ち良さそうに喘ぐ。
ただし身体は上下ではなく前後に揺らし、こちらには中途半端な快感しか与えてくれない。扱かれるのではなく揺らされるだけの刺激ではあまりにも物足りなかった。
「よ、四糸乃……いい加減にしないといくらお前でも怒るぞ?」
さすがにそろそろ堪忍袋の尾が切れそうだった。というか満たされない欲望が爆発寸前だ。
琴里はともかく四糸乃に苛められるのは悪くなさそうと思っていたものの、それはいつもの四糸乃の場合。こんな風に心底意地悪く攻められてしまえばドSの士道としてはあまり愉快ではない。
「し、士道さんは……絶対、私に怒ったりしません。本当に怒れるなら、反撃してみてください……」
『そーそー。できるもんなら反撃でもおしおきでも陵辱でもしてみなよー?』
もどかしく腰を揺らしながら顔だけ振り返ってくる四糸乃。丸い肩に隠れて口元が見えないせいか蒼い瞳はどこか生意気な光を孕んで見える。やれるものならやってみろとでも言うような、四糸乃にあるまじき生意気な意思の光を。
やはりこれは少々お灸を据えてやるべきだろう。本来なら四糸乃に酷いことをするのは気が引けるが今なら話は別。
「……後悔するなよ、四糸乃?」
心を修羅にした士道は伸ばしていた両膝を立てて支えを得ると、上に突き上げる形で腰を突き上げた。正確には下腹部に跨り繋がっている四糸乃の身体を、下から突き上げる形で。
「――っ!?」
突然の衝撃に身を貫かれ、声も出せずに四糸乃は仰け反る。
腰を上げて小柄な身体を持ち上げてやっただけだが、下ろした時には自身の体重で身体の中を突き上げられる形だ。むしろ普段のように士道が上になっている時よりも辛い衝撃に違いない。
「やっ! ふあ、あぁぁぁっ! ああぁぁぁぁっ!?」
そんな衝撃を何度も何度も打ち込み、下から突き上げ攻め立てる。あまりにも四糸乃の身体が軽いため、両膝を支えにしていることも相まって腰を上げるのは全く苦ではない。手錠で腕の自由を奪われていても容赦なく反撃を続けていった。
「あっ、あぁぁぁ! やっ、だ、だめっ、です! ああぁぁぁぁ!」
逃げようと腹の上でもがく四糸乃だが、逃げるためには身体の内から深く挿し込まれた士道の半身を抜き出さなければならない。だが深く深く繋がり合っている上、一突きされるたびに身を捩って悶えている四糸乃が逃げられるはずもない。
執拗な反撃になす術も無く、ついに四糸乃は士道の立てた両膝にしがみついて快感に身を震わせ始めた。ただし快感に身を震わせているのは散々焦らしと寸止めを受けた士道も同じ。
「……たっぷりお仕置きしてやるからな四糸乃っ!」
「あっ、や、あああぁぁ――ああぁぁぁぁぁぁっ!!」
昂ぶった快感を容赦なく弾けさせ、その小柄な身体の中へと熱いお仕置きを叩き込む。
溢れて零れ出るほどのお仕置きに蕩けた悲鳴を上げて膝にしがみついてくる四糸乃。裸の膨らみが膝に押し付けられる感覚がまた心地良い。そして今夜はやたら生意気で意地悪な四糸乃に制裁を与えた事実も。
だがドSで性欲爆発気味の士道はこの程度で許す気はなかった。例え相手が四糸乃でもだ。今夜の四糸乃は悪い子だから。
「はぁっ! はぁっ――っ!?」
快感の余韻と激しさに荒く息を乱していた四糸乃だが、その口から唐突に驚愕の吐息が零れる。
しかしそれも当然のこと。ついさっきまで手錠でベッドに拘束されていたはずの士道が、後ろからその身体を抱え上げたのだから。
「え、ええっ!? 士道さん、ど、どうして……!?」
「さあ、何でだろうな。それより四糸乃、ちゃんと覚悟はできてんだろうな? あんな風に意地悪して良いのは同じように意地悪される覚悟のある奴だけだぜ?」
「やっ……!」
丸い肩越しに向けられる見開かれた瞳にニヤリと笑いかけ、柔らかい耳朶に甘く歯を立てる。左手の指先で仄かな膨らみを、右手の指先で互いに繋がりあう箇所を弄くりながら。
「あっ! やっ、うあぁ……! し、士道さん……ゆ、許して……ください……!」
最早抗う術は無いと悟ったのか、四糸乃は涙目で許しを乞い願ってきた。普段ならその様子と怯えた声音にずきりと胸が痛み、止めるどころか守ってあげたい気持ちになってしまうはずだった。
だが今の四糸乃は散々焦らし寸止めするという責め苦を行ってきた悪い子。悪い子にはお仕置きが必要だ。それに瞳も愛らしい面差しも至福に蕩けていて、本気で嫌がっているわけではないことを示している。
その上拘束から解放された士道はやっと欲望の限りを尽くせる状況になった。そもそもたった一回快感の峠を迎えても火に油を注ぐ結果にしかならず、余計に興奮を煽られただけだ。まだまだこんなものでは物足りない。
ならば許しを乞い願う四糸乃に対して士道が返すべき反応は決まっている。
「いいや、許さねぇ。たっぷりお仕置きしてやるから覚悟しとけよ、四糸乃?」
「ふあ、あああぁぁっ! し、士道さんっ! 許して、くださ――やああぁぁぁぁぁっ!」
許しなど与えず、ひたすらにお仕置きを与えること。
悪い子に罰を与えるため、士道は久々に加減なしで四糸乃の身体を抱くのだった。ただし苦痛は与えないように、じっくりねっとりと快楽のみで攻め立てながら。
「ふぅ……」
数時間後。おしおきとして久々に全力で抱いた結果、一息つく士道の隣にはぴくりとも動かない四糸乃の姿があった。
普段なら幸せそうでいてあどけない寝顔も今は完全に疲労が滲み出ていて、士道の荒ぶる欲望に耐えられなかったことは明白である。というかそもそも耐えられないだろうからいつも加減していたのだ。
しかし今回は酷い悪戯っ子に対する制裁の形なので全くとはいかないまでも不思議と罪悪感はなかった。それにこうでもしなければ四糸乃本人には気付かれずに四糸乃の真意を聞き出すことはできない。
「……よしのん、起きてるよな」
『おんやー? よく分かったね士道くん。せっかく士道くんが眠ったらもっかい縛って第二ラウンド始めようと思ってたのになー。ちぇっ』
呼びかけに応じて『よしのん』が声を上げ、四糸乃が目を開ける。しかし予想通りその瞳に光は無かった。以前四糸乃と琴里、そして『よしのん』を交えた4Pの時と同じように。
「分かるに決まってんだろ。お前がわざわざ手錠の鍵渡して俺を自由にしてくれたんじゃねぇか。こいつめ」
『やーん!』
指で軽く鼻先を小突いてやると変な声を出して身を捩る。
先ほど士道が手錠を外して自由になれたのは、さり気なく『よしのん』が手錠の鍵を投げ渡してくれたからだ。四糸乃はこちらに背を向けていたので気付けていなかったが、真相はまさかの裏切りである。もっとも鍵を渡されても後ろ手に自分の手錠を外すのが難しくて多少時間はかかってしまったが。
『あはははっ、そりゃそっかー。まあ四糸乃に分からないように士道くんと話すにはこれしかないかなー、って思って』
「話したいことってやっぱさっきのことだよな。四糸乃はまたお前に乗せられただけなんだろ? そうじゃなきゃ四糸乃があんなことしてくるわけねぇし……」
本人は慈愛の女神だが左手にいるのはかなり腹黒い悪魔なので、純真で士道を愛するが故に唆されて様々なエロ行為を働かされたりする四糸乃だ。頭も下半身も冷静になってから考えてみるとやはり本人の意思ではない気がした。自分の意思だと思い込まされている可能性も無くは無いから。
しかしどうも違うらしく四糸乃と『よしのん』双方に首を振られた。まあ今はどっちも『よしのん』の反応なのだが。
『うーん、その答えは五十点だね。確かにやり方はよしのんがレクチャーしたけど、それは四糸乃がそういうやり方を教えて欲しいってお願いしてきたからだよー。士道くんに意地悪したいがためにね』
「う、嘘だろ? どうして四糸乃が俺に意地悪したがるんだ? もしかして、俺のこと嫌いになったとか……!?」
『逆だよ、逆ー。四糸乃は士道くんのこと世界で一番大好きだから、士道くんともっと遠慮の無い関係になりたいんだよー』
あまりのショックに目の前が真っ暗になりかける士道の不安を払うように、四糸乃の手が目の前でひらひらと振られる。
「遠慮の無い関係……? それと意地悪がどう関係するんだ?」
『士道くんは四糸乃を大切にしすぎなんだよー。琴里ちゃんや七罪ちゃん相手なら悪戯半分に襲い掛かるような状況でも、四糸乃相手だとそんなことしないでしょー? 四糸乃はそれを自分に遠慮して壁を作ってるって感じてるみたいなんだ』
「遠慮して壁を……別にそんなつもり無いぜ? ただ四糸乃に対してはそういう意地悪とか悪戯するのはどうしても抵抗があるっていうか、罪悪感を感じるからしたくないだけで……」
士道が琴里と七罪に悪戯や意地悪をするのは反応がとても楽しめるからだ。具体的には屈辱に塗れた顔をしたり(琴里)、反抗心溢れる睨み顔を向けてきたり(琴里)、涙目で許しを乞おうとしたり(琴里)、顔を真っ赤にして怒ったり(七罪)などの反応。
しかし文字通り何をしても受け入れてくれる四糸乃にはそういった反応は期待できない。というかそもそも慈愛の女神たる四糸乃にそういうことをしてはいけないし、四糸乃はむしろ守ってあげたくなる。お互いに心から愛し合う行為ならともかく、性的な悪戯の対象にするなど以ての外だ。
『……士道くん、これを言ったら傷ついちゃうかもしれないけどよしのんはあえて言うよ。士道くんは四糸乃に対して――過保護なんだよ!』
「か、過保護……だと……!?」
そんな誠実な想いを抱えていたと言うのに、『よしのん』から突きつけられたのはあろうことか必要以上に愛し慈しんでいるという意味の言葉。さすがに過保護と言われるとは夢にも思ってもいなかった。
『そう! もう乱暴な言い方しちゃうと四糸乃は過保護にされ過ぎてうんざりしてるんだよ! もっと世間の荒波っていう名の士道くんの欲望をそのままぶつけて欲しがってるんだよ!』
「お、俺は別に過保護になんて……ただ四糸乃のためを思って……!」
『過保護な親は皆そういうこと言うんだよ! 本当に子供のためを思うなら旅をさせるべきなんだよ! 温室育ちで成長するのは植物だけで、子供はいつまで経っても成長しないんだよー!』
「な、何だって!? 俺が、四糸乃の成長を妨げてたってのか……!?」
鼻先でまくしたてる『よしのん』の言葉に衝撃を受け、開いた口が塞がらなくなる。
悔しいことにこういう時に限って『よしのん』は正論を口にしていた。言われてみると確かに他の子と比べるとちょっと四糸乃を神聖視しすぎているような気もするし、あまりにも大切に扱いすぎている気もする。しかしまさか過保護などと称されるとは。
「くっ……! お、俺は間違ってたのか、よしのん……!?」
『可愛くて純粋で眩しい四糸乃を穢したくない気持ちは良く分かるよ、士道くん。四糸乃は士道くんにとって唯一の心のオアシスだもんね。だけどずっとそのままでいてもらいたいがために四糸乃への接し方を考えたりしちゃ駄目なんだよ。心の赴くままに愛し合って触れ合うことが、士道くんにとっても四糸乃にとっても一番なんじゃないのかなー?』
「よしのん……」
その肉球つきの愛らしい手で慰めるように士道の肩を軽く叩いてくる。
何だかんだ四糸乃にエロい知識を吹き込んだりエロいことをさせようとしたりする『よしのん』だが、やはり四糸乃のことを最優先に考えているのだ。心のオアシスでいてもらいたいがために本当に四糸乃が望んでいる触れ合いをしていなかった士道とは違って。本当はとても愛情深い『よしのん』の心に、士道は胸を打たれて言葉も出なかった。
『それにぶっちゃけ四糸乃は士道くんが中も外も汚しまくったんだから今更じゃん。純粋で眩しい四糸乃を自分色に汚すのはとっても楽しかったでしょー? 正直に言いなよー?』
「滅茶苦茶良いこと言ってたのにいきなりそれかよ!? せっかくお前のこと尊敬しかけてたってのに!」
しかし所詮『よしのん』は『よしのん』だった。尊敬しかけた自分がアホみたいだった。
『あーん、怒んないでよ士道くん。場を和ませるためのジョークだよ、ジョーク』
「ったく……要するに俺は四糸乃を大事にしすぎて、四糸乃の気持ちをないがしろにしてたってことなんだな。最低だな、それ……」
虚空を見上げ、最低な自分を嘲る。
四糸乃を愛し慈しんでいたはずなのに実際には四糸乃の気持ちを無視していたとは。これでは愛していると言って良いのかどうかすら怪しい。
だが『よしのん』は特に気にした様子も無く首を横に振ってくれた。まるで嫌がらせのように四糸乃の首は縦に振らせていたが。
『別に悪いことじゃないよー。すっごく大事にされたい子もいっぱいいるだろうし。ただ四糸乃が本当に望んでいることとは少し違っただけさー』
「そっか……分かった。四糸乃が本当にそれを望んでるならそうしないとな。けど具体的にどう接し方を変えれば良いんだ? 意地悪とか悪戯とかじゃ曖昧過ぎで分かんねぇよ」
『別に悩むこと無いよー。七罪ちゃんや琴里ちゃんにやってることを四糸乃にもやれば良いだけなんだからさ。色んな表情とか反応を見るために怒らせたり困らせたり、欲望に身を任せて恥辱の限りをつくしたりとか……さっき士道くんがヤッたように、快感と疲労で失神するまで激しく攻め立てるとか、ねー? でもこりゃーちょっとやり過ぎかな?』
「……ごめんな、四糸乃。お前は全然悪くなかったのに……」
謝罪のために瞳が死んでいる四糸乃の頭を優しく撫でる。
失神するまで激しく攻め立てた理由は『よしのん』に真意を聞くためだが、もちろん復讐や仕返しの気持ちもあった。四糸乃がちょっと悪い子になったからお仕置きをするために。
しかし実際は変わらず良い子のままでいた上、本当に悪いのはこちらの方。冤罪でここまで酷い仕打ちをしてしまった自分が恥ずかしくて顔から火が出そうな思いだった。
『まぁその辺のさじ加減は士道くんの方で調整してねー。たーだーし、よしのんがバラしちゃったことは秘密にしておいてよー?』
二人してそれぞれの唇に人差し指と短い手を当てる四糸乃と『よしのん』。何やら愛する四糸乃に対する秘密ができてしまい、そこはかとなく罪悪感を覚えてしまった。
「分かった。教えてくれてありがとな、よしのん。おかげでやっと目が覚めたぜ」
『ぬっふっふ。感謝の言葉も嬉しいけど、よしのん的には士道くんと四糸乃と琴里ちゃんと七罪ちゃんを交えた感謝の4Pの方が……』
「よし、話は終わったしさっさと寝るぞ。俺はもう学校始まってるんだし朝は早いからな」
『あーん、士道くんのいけずー! 終わったらすぐ寝るとか最低だよー! せめてよしのんともっとエロトークしようよー!』
感謝の気持ちも失せて横になって目を閉じると、身体をがくがく激しく揺さぶられる。
まあ四糸乃を愛している以上、同一人物と言えなくも無い『よしのん』だってしっかり一応愛している。そんな愛する人と言えるかもしれない相手を放っておいて先に一人で寝たりはしない。
「……しょうがねえなぁ。ちょっとだけだぞ?」
『そうこなくっちゃ! そんじゃあ議題はツンデレっ子とのエッチだよ!』
なので士道は『よしのん』が満足するまで嫌らしいトークに付き合ってやった。別にエロトークをしたかったからではなく、仕方なく。あくまでも仕方なく。
何気に今までのエッチな話の中で女の子側がここまで主導権を握っていたのは初めてかもしれない……いや、書いていないところでは琴里が色々やってるけど……。
しかしお風呂場だったり映画館だったり3Pだったり4Pだったり、何故か四糸乃はやたらおかしな場所や状況でのエッチが多くなってきたような気がします。それでいて七罪は極めてノーマルという謎。これは一体どういうことだ……。
次回もたぶんエッチな話になります。もちろん主役は七罪になるはず……ふふふ……。
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