これからはオリジナルの方にシフトしていく感じになりますが、この作品は完結させたいので頑張ります。まだ書きたいプレイとかいっぱいあるので……。
「ふぅ、あったまる……」
熱い湯船に首まで浸かり、身体の芯まで届く暖かさに心地よいため息を零す士道。
波乱万丈であった一月も、残すところあと五時間ほど。一つの節目を越えたような気持ちを覚えたせいか、大きな達成感と果てしない疲労感が同時に沸き上がっていた。とはいえこれまでの爛れた関係に、更に美九まで加わったのだから無理もない。
非常にスタイルの良い美九の身体を貪れるようになるのは大変喜ばしい反面、まだそれを実行できないもどかしさはかなりの苦痛であった。しかし美九はつい先日初めてを終えたばかりなので、慣れて来るまでは欲望のままに貪るわけにも行かないのだ。こればかりは仕方のないことだった。
「それにしても、ついに美九で四人目か。七罪一人をこっそり貪ってた頃が懐かしいよなぁ……」
誰かにバレるのではないかとビクビクしながらも、欲望を抑えきれずにこっそり七罪と夜の逢瀬を繰り返していた日々。
アレで十分満足していたはずだというのに、今や四糸乃と琴里の総てを貪っただけでも飽き足らず、美九にも欲望の限りを尽くしたくてたまらなくなっている。七罪のフェロモンで性欲が高まっているせいもあるとはいえ、人間というのは本当に欲深くて罪深い存在である。
「とりあえず、いつか絶対に美九と二人で七罪をペロペロしてやらないとな」
しかし士道は自分が罪深いことなど今更分かり切っているので、最早恥など忘れてしまった。そんなものがあったら美九と二人がかりで七罪をペロペロするという、素敵な夢を抱くことなどできるわけがないのだから。
「……ん?」
そんなわけでいつか行うプレイに対して妄想を深めつつ湯船に浸かっていると、何やら脱衣所の方から物音が聞こえてきた。
見れば擦りガラスの向こうにはゴソゴソと動く人影。一緒に風呂に入ろうと琴里がやってきたのかと思ったものの、琴里にしてはシルエットが縦に長く、部分的にかなりの出っ張りも見受けられた。これはたぶん琴里ではなく――
「――だーりぃーん! 一緒にお風呂に入りましょー!」
バーンと勢い良く戸を開け、風呂に乱入してきたのは美九だった。
それ自体は別に問題ないのだが、純真なニコニコ笑顔を浮かべている割にはタオル一枚身に着けておらず、凶悪としか言いようのない極上のスタイルを全く隠さずフルオープンにしているのだから手に負えない。
もちろん士道の視線は揺れる二つの実りに完全に釘付けであった。美九と身体を重ねた経験が無ければ、大いに慌てふためいたに違いない。
「おいおい、美九。せめてバスタオルくらい巻いて来いよ。琴里だって一応は巻いてくるんだぞ?」
「良いじゃないですかぁ、美九とだーりんの仲なんですからぁ。ところでその言い方だと、もしかして琴里さんもお風呂に乱入してくることがあるんですかぁ?」
「自分で乱入って言うのか……まあ確かに琴里は結構な頻度で入ってくるぞ。たまに四糸乃とか、あと本当にごくたまに七罪も入ってくる時があるし」
話の流れ上ほぼ同列に語ってしまったものの、実際の所は琴里に比べると他二人の回数は微々たるものだ。
特に七罪は片手の指で事足りる程度の回数しか、自分から入ってきてくれたことは無い。四糸乃と比べてもほぼ半分以下であり、最早遭遇率の低いレアなモンスターのような感じだ。本人に言ったらモンスター扱いするなと怒られそうだが。
「良いですねぇー、七罪さんたちとのお風呂ですかぁ……うふふふ……」
何やらいかがわしい妄想を繰り広げているようで、素っ裸のまま嫌らしく身体をくねくねさせる美九。その動きに従って胸元の凶器がぷるんぷるん揺れる。幾ら何でも目の毒過ぎる光景であったため、さすがの士道もさりげなく視線を逸らした。
「……で、お前は何で乱入してきてるんだ?」
「それはもちろん、だーりんと一緒にお風呂に入りたかったからですよー? というわけで、失礼しますねー?」
そして視線を逸らした一瞬の隙に、ざぶーんと湯船に入ってくる。それも真正面に。
当然ながら身体の小さい琴里たちの時とは比較にならないほど大量の湯が、浴槽からざばざばと溢れ出していった。
「いや、別に俺的には構わないんだけどさ……この後どうなるかちゃんと分かってるのか? 一緒にシャワーを浴びたりできない理由はこの前言ったよな?」
「はい、ちゃんと聞いてましたよー? 例え初めてで疲れ切った私が相手でも、だーりんがエッチな狼さんになってしまうから、一緒にシャワーを浴びることはできないんでしたよね?」
「そうだよ。分かってるなら何で――っ!」
そう尋ねようとした瞬間――むにゅりと胸に広がる魅惑の柔らかさ。驚きに士道は思わず言葉を切る。
視線を正面に戻してみれば、目と鼻の先に美九の端正な面差しが広がっていた。何のことは無い、美九が身体が触れ合うほど近くまで寄ってきているだけだった。どこか面白がるような、非常に悩ましい表情を浮かべながら。
「でも、今の私は疲れてなんていない万全の状態ですよー? なので安心してだーりんと一緒にお風呂に入れます。もちろんこの後だーりんに襲われてしまっても、何も問題ありませんよー?」
「……お前、受け身なのか積極的なのか分かんないな」
「ふふっ。大丈夫です、だーりん。美九はどっちでもイけます!」
「なるほど、そういうことか。女の子も好きだしな」
力いっぱい断言する美九に、ようやく納得が行く。
美九は女の子が大好きで、同時に士道のことも大好きなのだ。つまりはどっちもイけるタイプ。琴里ほど両方に振り切っているわけではないが、SもMもいける口なのだろう。
「もーっ、違いますよー。だーりんと女の子が好きなんですぅ」
「俺だけ特別枠なのが嬉しいような、女装を求められてるようで悲しいような……それはともかく。良いんだな、美九?」
「はい、構いませんよー? というかだーりんが襲ってくるから一緒にお風呂に入れないって言うなら、ずっと一緒に入れないじゃないですかぁ! 美九はそんなの嫌ですよぉ……!」
「別にずっとってわけじゃないんだけどな。お互いに色々慣れてきたら多少は大丈夫だろうし……」
悲し気に表情を歪めつつ、ぎゅっと抱き着いてくる美九。
当然ながらそんなことをされれば、その胸にあるとんでもない大きさの膨らみが更にむにゅりと押し付けられる。夢のような柔らかさに加え、圧倒的な質量までも深く感じられるほどに。
さすがにここまでされれば、士道の方は限界だ。そのため絶対に逃げられないように、こちらも美九の背中に腕を回して固く抱きしめるのであった。
「まあ、せっかく美味しい獲物が自分から飛び込んできてくれたんだ。今更逃がす気はないけどな?」
「ふふっ、逃げたりなんかしませんよー。ですから、いっぱい愛してくださいね? だーりん?」
湯船の中で抱き合ったまま、士道は美九としばしの間見つめ合う。
幸せそうに微笑む美九の頬は、恥じらいからか湯船の熱さからか赤く染まっていて、実に色っぽい様相と化していた。それこそ食べてしまいたくなるほどに。
「んっ――」
辛抱堪らなくなり、その唇を一息に奪う。静かに優しくではなく、激しく情熱的に。
先日は美九が初めてだったこともあり、色々と控えめにしていたり抑え気味にしていた。しかし今回は二回目のため、士道はそこそこ激しくいくつもりである。というかもう我慢が利きそうになかった。美九のそれはもう豊かな膨らみが持つ、魔性の魅力が強すぎて。
「んっ……ちゅ……ふぁ……あぁ……!」
悩ましい喘ぎと卑猥な水音を唇の隙間から零しつつ、口付けに応えてくる美九。
しかしさすがにディープなキスの経験は無いのか、応える動きにはどこかぎこちなさと戸惑いが感じられた。尤も士道の基準が今や完全に慣れてきた七罪や琴里、そして絶世の舌技を持つ四糸乃なので、まだそれほど経験が無いのならこれくらいが妥当なのかもしれない。
なので士道は久しぶりに初心な女の子(男に対しては)を相手にできる喜びを胸に、浴槽の湯が波立ち零れていくほど情熱的に美九を抱きしめながら、濃厚な口づけを繰り出していった。
「ふぁ……だーりん、何だかとっても……激しいですぅ……!」
満足するまで口付けを行い、いつまでも触れ合っていた唇を離した頃。唇の端からとろりと唾液を零しながら、うっとりと悩ましい表情を見せてくる美九。
口付けの興奮と完全に出来上がったその表情に、士道の方も準備万端であった。
「そりゃ初めての時は美九のことを考えて抑えてたからな。けど今回は自分から俺のところに飛び込んできたんだし、多少激しくいかせてもらうぜ?」
「ふふっ。良いですよぉ? だーりんの好きなように、美九の身体を弄んじゃってください……」
そこそこ鬼畜な発言を口にしたにも拘わらず、美九は嫌がる様子など一切見せない。むしろ色っぽく微笑みながら、その瞳に期待と慈愛を浮かべていた。何だかんだで美九も性欲は強めのようだ。尤もどこかの義妹に比べれば、七罪たちとの差などあってないようなものに違いない。
「良いんだな? それじゃあ遠慮無くいかせてもらうぜ?」
「だーりん、初めての時も遠慮は無かった気がしますぅ……」
合意を得た士道は欲望の限りを尽くすため、何やら呟く美九を抱え上げた状態で湯船から立ち上がる。そうしてお互いの身体から大量の雫を滴らせながら浴槽から出ると、その縁へ美九を座らせた。
「おぉっ……」
そうして真正面から美九の生まれたままの姿を眺め、美しさに思わず息を呑んでしまう。美九と愛し合った経験がまだ一回しかなく、メリハリのある女性の身体を抱いた経験が少ないことを差し引いても、その魅力には抗えないものがあった。
上気して僅かに朱色に染まった肌、瑞々しさを表すように肌を滴る湯の雫。息を呑んで見つめる士道を、愛しそうに見つめ返してくる堪らない表情。全てが士道の欲望を刺激して堪らない。
中でも一番目を惹かれるのは、やはりその胸元のとんでもなく凶悪な膨らみで――
「あんっ!」
辛抱堪らなくなった士道は、両手を伸ばしてその魅惑の膨らみを鷲掴みにした。果てしない柔らかさと艶めかしい嬌声に、すでに滾っている下半身のモノが更に反応してしまう。
「おおっ……これは、すげぇな……」
あまりの素晴らしさに童貞臭い感嘆を零しながら、何度も何度も膨らみを揉みしだいていく。
片手では包み切れず、指の間から零れるほどの大きさ。弾力と柔らかさの均整がとれた理想の感触。肌は白く滑らかで、膨らみの天辺も綺麗なピンク色。男の夢と理想が詰まった完璧なバストが、今正に士道の手の中にあった。
もちろん豊かに過ぎる膨らみを弄ぶのはこれが初めてではない。この前もしっかり触らせてもらったし、七罪お姉さんのもたっぷり弄り倒した経験がある。ただこの前は初めての美九を気遣っていたため欲望のままに貪れなかったし、七罪お姉さんに関してはどうしても一番好きな本当の姿がちらついて、違和感や微かな罪悪感を覚えてしまうのだ。
しかし、今回は違う。美九自身が欲望のままに貪ることを許してくれたし、七罪と違って美九のスタイルは天然もの。変身させたりしてもらっているわけでもないので、罪悪感など欠片も無い。士道の胸の内にあるのは、素晴らしい感触を存分に味わえる喜びと興奮だけであった。
「んっ……や……あ、んっ……!」
正面から鷲掴みにして揉むだけでは欲求を満たせず、次々と揉み方を変えて膨らみの感触を堪能していく。円を描きながらパン生地の如くこねて揉みしだき、両の膨らみを左右から押し付け合い、下から持ち上げて重さも楽しむ。
感触も然ることながら、触れれば触れるだけ形を変える柔らかい光景もなかなかに刺激的だった。
「んっ……だーりん、手つきも何だか荒っぽいですぅ……」
「わ、悪い。痛かったか、美九?」
ちょっと独りよがりに弄りすぎたかと思い、反省して手を離す士道。しかし美九の豊満な膨らみはその動きにさえ反応してゆさゆさと揺れるのだから堪らない。最早視覚の暴力である。
「いいえー、これくらい大丈夫ですよー? だから、だーりんの好きなようにしてください。だーりんは、触るだけで満足なんですかぁ?」
そう言って浴槽の縁に両手を付き、胸を張るようにして膨らみを強調してくる美九。まるでモデルが取りそうなセクシーポーズなのはもちろんのこと、表情も挑発気味なかなり色っぽい感じだ。
これはさすがにどう考えても誘っているとしか思えない。というか黒琴里が誘ってくる様子にそっくりである。つまりここで欲望に従ってしまえば、主導権は向こうに握られてしまう。ドSの士道としてはできれば避けたい展開だ。
「やんっ!」
しかし、揺れる瑞々しい果実の誘惑には勝てなかった。元来男とはそういう生き物。気付けば士道はほとんど反射に近い速さで、膨らみの天辺にあるピンクの色付きに齧り付いていた。
「んっ……ふふっ。だーりん、本当におっきなおっぱいが大好きだったんですねぇ? いいですよー。心行くまで、思うがままに、味わっちゃってください……」
そんな獣欲まっしぐらな行動をしたにも拘わらず、美九はむしろ嬉しそうに呟く。
しかも自らの胸元に齧り付いている士道の頭を優しくかき抱き、更に顔を埋めさせるという非常に慈愛溢れる真似をして。四糸乃たちも同じことをしてくれるとはいえ、いかんせん四糸乃たちには無いものがあるため、破壊力は美九の方が格段に上であった。
「はぁ……美九……っ……!」
「だーりん、まるで赤ちゃんみたいですぅ……ふふっ。美九がいーっぱい、気持ち良くしてあげますからねー?」
そう口にしたかと思えば、美九は士道の頭を抱えたまま腰を上げ、バスマットの上へと腰を下ろす。その動きに逆らわず、というか魅惑の膨らみを味わうのに忙しい士道は、自然とバスマットの上に仰向けになる形で横たわっており、美九の膝枕を堪能しながら魅惑の果実を貪っていた。
当然その体勢では、下半身でいきり立っているモノがこれでもかと曝け出されており――
「きゃっ! だーりんのここ、すっごくお熱がありますよぉ?」
「く、うっ……!」
美九はそれに躊躇いなく手を伸ばし、優しく握り込んできた。血流が集中しているためにその手の感触を酷く冷たく感じたものの、むしろ非常に気持ちの良い感覚であった。
というかさすがの士道も豊かな膨らみにむしゃぶりつきながら、手で下の方を扱かれるというのは初めての体験である。尤も最高の気分なので問題は何一つ存在しなかったが。
「んっ……それじゃあ、美九がお熱を冷ましてあげますからねー? 赤ちゃんのだーりんは、そのままおっぱいをしゃぶっていて良いですよー?」
「………………」
不意に『赤ちゃんプレイ』という言葉が頭を過ぎり、思わず固まってしまう士道。
確かに女の子の膝枕を楽しみながら胸の膨らみをしゃぶり、なおかつ優しく手で奉仕されている現状を考えると、そういうプレイだと言われても否定できない状況だ。というか間違いなくそういうプレイだ。
しかしそれに一体何の問題があるというのか。公共の場で隠れて四糸乃を抱き、ラブホテルで七罪を拘束して玩具攻めし、琴里とほぼ一日中まぐわった経験すらある士道だ。多少罪深い性癖やプレイが一つ増えた程度で恥じらいを感じるような純粋さなど、当の昔に失っていた。
「んっ、あぁ……! もうっ、そんなにがっついちゃうなんて……ミルクが欲しくて堪らないんですねー? よしよし」
そんなわけで固まったのは一瞬。すぐに何もかも忘れて目の前の大きな果物にむしゃぶりつき、空いているもう片方をひたすらに揉み回す。
もちろん美九は男としてのプライドを捨て去った士道に対して、ただただ慈愛と快楽を与えてくれた。初めての時はやたら受け身だったかと思えば、今度はまだ二度目にも拘わらずこの圧倒的な余裕と母性。やはり普段から愛情表現に躊躇いが無いのが理由なのだろうか。
「ふふっ。だーりんのここ、何だかとってもびくびくしてきましたよー?」
そのうえ片手で士道のモノを扱きながら、悪戯っぽく微笑んでくるのだから堪らない。
大切なモノ以外に主導権も握られてしまっている気もするが、気分は極楽なので問題は何一つ存在しなかった。むしろすぐに快感を堪えきれなくなった士道は、最高の気分のまま達するために一段と強く美九の膨らみにしゃぶりついた。
「ひゃんっ!」
その味わいと感触をたっぷり堪能しながら、生じた快感と至福を欲望のままに解き放つ。
迸った白いものが扱いていた手だけでなく肩などにまでかかったせいか、さしもの美九も驚きの声を上げていた。
「ん、ふふっ……いっぱい出せましたね、だーりん? 気持ち良くなれましたかぁ?」
「……ああ、うん……まあ、な……」
しかし驚きは一瞬ですぐに微笑みかけてきた美九に対し、士道は微妙な答えを返す。
確かに非常に気持ち良くなれたものの、冷静になった頭で考えてみるとかなり恥ずかしいことをしていたのだ。素直に頷くにはあまりにも抵抗がある状態で、複雑な気分であることは否めなかった。冷静になった頭でも、また味わいたいと思っているから更に余計に。
そんな士道の反応を否定的に受け取ってしまったのか、美九は笑みを曇らせどこか申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「だーりん、何だか不服そうですぅ……気持ち良くありませんでしたかぁ……?」
「い、いや、そんなことはないぜ? ただ、その……何て言うか、ちょっと恥ずかしくてな……」
「なーんだ、そうだったんですかぁ。ふふっ、確かにだーりんったら一心不乱にちゅうちゅう吸い付いてきましたからねー?」
「ううっ……! 本当に何で俺、あんなに……!」
正直に答えると美九の曇り顔は晴れたものの、士道が余計に羞恥を味わう羽目になってしまった。だいぶ爛れた性生活を送っている身としては極めて久しぶりの感覚であり、思わず両手で熱い顔を覆ってしまうほどであった。
こんな童貞臭い反応をしているところを見られれば、まず間違いなく琴里は腹を抱えて笑うに違いない。というか今まさに覗いて笑い転げている可能性も大いにありそうで、余計に恥ずかしくなってきてしまう。
「良いじゃないですかぁ、恥ずかしがるだーりんはとっても可愛いですし。お互いに恥ずかしいところをいーっぱい見せあって、いーっぱい気持ち良くなりましょー?」
「あっ!? み、美九!?」
顔を覆っていた手を取ってきたかと思えば、膝枕も止めて士道を立たせる美九。一体何をするのかと思いきや、今度はこちらが浴槽の縁に座らされる番であった。
下半身の現在の状態の都合上、士道は大きく足を開いた状態で腰かけている。美九はその開かれた足の間に膝をつくと――
「ふふふ、どうですかぁ? おっきなおっぱいが大好きなだーりんは、こういうのも大好きなんですよねー?」
「お、おおっ……!」
その豊満極まる胸の膨らみで以て、滾った下半身を包み込んできた。魅惑の柔らかさに全方位から圧迫される堪らない感覚に、士道は思わず恍惚の吐息を零してしまう。
しかしそれも仕方ないくらいに新鮮で気持ちのいい感覚であった。それはそれで趣があるので問題ないが、四糸乃たちではここまで完璧に包み込むことはできないからだ。もちろん七罪お姉さんなら可能だし、何ならやって貰ったこともあるものの、どうしても本当の姿がちらつき微かな罪悪感を覚えて心の底からは楽しめないのだ。
「あんっ……胸の中で、だーりんのがびくびくしてますぅ……」
だが美九は七罪と違って変身しているわけではないため、楽しむことに何の憂いも無い。自ら豊かな膨らみを持ち上げ、どこか嬉しそうに奉仕する美九の姿を堪能しても、何の罪悪感も湧き出さない。
湧き出すのは抑えがたい性的な興奮と、それによって先走る液体のみであった。
「うふふー。だーりんが気持ち良さそうで、美九も嬉しいですぅ。それじゃあ、もっと気持ち良くしてあげますからねー? んっ、ちゅっ……」
膨らみから僅かに顔を覗かせる赤肉に対して、美九は愛しそうに口付ける。その間も自らの乳房で以て丹念に扱いてくれているのだから堪らない。
まるで初めての奉仕とは思えないほどの手管に、士道は今にも快感に負けてしまいそうなほどであった。
「んっ……ふ、あっ……ちゅっ……」
「う、あっ……み、美九っ!」
更に美九は口付けだけではなく、伸ばした舌先で優しく撫でてきた。そこから口でパクリと咥え、吸い上げながら舌で弄ってくる。
ねっとりと嫌らしい愛撫を敏感な箇所に受け、すでに膨らみで扱かれ高まっていた士道は瞬く間に達してしまった。
「むっ、う……! ん、く……ん、ちゅ……!」
咥内で迸った快感の白濁を、美九は何も言わずとも全て受け止めてくれた。舌の上に広がっているであろう苦みに僅かに眉を顰めながらも、少しずつ喉を動かし飲み込んでいく。
まだ愛し合うのは今回で二回目、それも奉仕は今回が初めてにも拘わらず、愛に溢れた百点満点の奉仕である。士道もまた美九が途方もなく愛しくなり、自然と美九の頭を優しく撫でた。
「ぷはっ……どうでしたかぁ、だーりん? いーっぱい、気持ち良くなってくれましたかぁ?」
「……ああ、最高だった。さすがは美九だな」
顔を上げて慈愛溢れる微笑みで尋ねてきた美九に対して、心からの賞賛を贈る。実際文句など何一つ存在しない、完璧な奉仕であった。
しかし美九はこの賞賛がお気に召さなかったらしい。微かに頬を膨らませ、ご機嫌斜めな感じの視線を向けてきた。
「うーん、何だか褒められてる気がしません。すっごくエッチな子だって思われてる気がしますぅ」
「いや、実際そうだろ? 普段からそうだし、それにもうこんなに濡らしてるじゃねぇか?」
「やんっ!」
答えつつ美九の股の間に手を伸ばすと、指先が触れた途端に艶めかしい声が上がる。
もちろん指先に纏わりつくのはお湯とも汗とも異なる、粘性のある暖かな液体だ。どうやら美九は美九で奉仕しながら楽しんでいたらしい。
「これでも自分をエッチじゃないって言うなら、そんな嘘つきにはお仕置きしないといけないよなぁ?」
「あーん、だーりんにSのスイッチが入っちゃいましたぁ。これじゃあ攻守交替ですぅ……」
指先を濡らす液体を見せつけながらニヤリと笑いかけると、美九はどこか残念そうな声を零した。
しかし残念そうに聞こえるのは口調だけ。頬はしっかり赤みを帯びているし、瞳には明らかに期待が浮かんでいる。やはり攻めも受けもいける美九としては、攻守交替しようが愛し合えれば何でも構わないらしい。
「じゃあまずは俺が汚しちまった所を綺麗にしてやらないとな。丁寧に、念入りにな?」
「あっ! んっ、あ、あぁぁ……!」
同意は得られたようなものなので、士道は遠慮なく攻めに回ることにした。美九を背後から抱き上げ膝に乗せ、その身体をたっぷり洗ってあげることで。
七罪たちと比べて色んな意味で大きい美九は、膝に乗せるとさすがにはっきりと重さを感じられた。しかしあくまでも体重を感じるだけであり、重いと感じるほどのものではない。むしろびっくりするほど軽い七罪たちに比べてはっきりとした重量がある分、女の子を膝に乗せているという夢のような感覚に現実味があり、否が応にも興奮を掻き立てられていた。
そんなわけで士道は興奮の赴くまま、手の平にたっぷりと出したボディソープを美九の身体に塗り付け泡立てていった。特にその豊満な胸の膨らみと、下腹部の魅惑の箇所を重点的に。
「ん、んんっ……! だーりん、やっぱり手つきがとってもエッチですぅ……!」
「そう言う美九も、身体を洗われてるだけなのに凄くエロい顔してるぜ? このスケベめ」
やはりSのスイッチが入ってしまったのか、妙に乗ってきた気分のまま美九の身体を弄っていく。きゅっと美九の胸の膨らみの先端を摘まみ、喘ぎ嬌声を上げるその痴態を耳元で指摘してやりながら。
「あぁん! だーりいいぃぃぃん……!」
「……っ!」
ついでにそのまま耳を軽く噛んでやると、嬌声を越えて切ない声が上がる。どうやら愛撫程度ではもう我慢できないらしい。もちろん士道も同じ気持ちであり、今すぐにでも繋がりたかった。
「ひゃっ――あっ、ああぁぁあぁぁんっ!!」
なので美九の身体を軽く抱え上げてこちらを向かせ、向かい合った状態で滾った半身の上に座らせる。たっぷりと濡れそぼった秘密の花園は士道を容易く受け入れ、根元まで深く咥え込んだ。
同時に美九は非常に艶めかしい表情で喘ぎ身体を震わせ、その動きが泡に塗れた豊満な胸の膨らみをぷるんと震わせる。おまけにその直後、下腹部の中で脈動する熱さを堪えるように抱き着いてきたのだから堪らない。それはもう豊かで滑らかな胸肉が、今正に士道の胸にむにゅむにゅと押し付けられていた。
「やっ、あっ! ふあっ、ああぁぁっ!」
当然そんな状態で冷静さを保てるわけなどなく、両手で美九のお尻をがっちりと掴み、その身体を抱え上げるようにして抜き差しを繰り返す。卑猥な水音が鳴り響くのはお互いの身体の間で泡立つボディソープか、はたまた繋がりあっている個所か。
いずれにしろその水音もまた興奮を煽る要素であり、士道は熱に浮かされたような気分で美九を突き上げ続けた。
「はぁっ、あっ! だ、だーりんっ! わ、私っ、私っ……!」
「っ……ああっ、俺もだ!」
美九の身体が一段と激しく震え、半身を襲う締め付けが強まってきたことから、絶頂が近いことを察する士道。もちろんこんな素晴らしい女体を貪っている士道も、すでに限界が近かった。昂る興奮のまま、更に激しく美九の身体を突き上げ――
「あっあっ――ああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
渾身の一突きと共に、弾けた興奮を容赦なくその腹の中へ注ぎ込んだ。途端に美九は弾かれたように身体をのけ反らせ、ぞっとするほど艶めかしい嬌声を上げた。
「あっ、あ……ふあ、あぁぁ……!」
美九自身もしっかり気持ち良くなってくれたようで、蕩けた表情を浮かべて身体を痙攣させている。その表情がまた堪らなくエロく、そして胸に押し付けられている柔らかな感触に後押しされ、士道は即座に元気を取り戻していた。
もちろん気分としてはこのまま二回、三回と続けていきたいところだが、さしもの士道もそこまで愚かではない。このまま欲望に身を任せて突き進めば、待っているのは脱水症状による頭痛コース。すでに何度かやらかしているのだから、懲りずに同じ失敗を繰り返す気は無かった。
「はぁ……はぁ……だーりぃん……?」
美九を優しく浴槽の縁に座らせると、その身体に纏わりつく白い泡をシャワーでさっと洗い流す。
勿論その下から現れたのは、美九のむしゃぶりつきたくなるような豊満な肢体。綺麗に洗われたことで白い肌が光沢を帯びていて、実に美しい芸術的なものになっていた。特にシャワーを浴びて水滴が弾け、胸の膨らみを伝い落ちていく光景が堪らない。
「美九、ちょっと胸を寄せててくれるか?」
「あーっ……だーりん、何だかとってもイケナイことを考えちゃってますね? もうっ、エッチなんですからぁ……」
艶めかしい微笑を浮かべた美九は、言われるがままに自らの両手で胸を寄せる。ただでさえ大きな胸の膨らみは寄せて上げられたことで大変暴力的な有様になっており、その破壊力は計り知れない。士道としても今すぐ齧り付きたくなるほどだ。
しかし今美九に胸を寄せさせたのは齧り付くためではない。故に士道は欲望を堪えつつ、シャワーを美九に上から浴びせた。
「んっ……」
自らの身体を打つ暖かい雨の心地よさを楽しむように、美九は瞼を閉じて微笑する。
士道はこれまでずっと考えていた。お風呂場で致しても脱水症状に襲われない方法を。飲み物持参という、雰囲気を壊しかねない方法以外で。
そしていつしか閃いたのだ。そもそも脱水症状に陥るのは、水分を取っていないせい。ならば水分を取ればいい話に過ぎない。何せ水分なら風呂場にはたくさんあるのだから。
「……ふふっ、見てくださいだーりん。ここにエッチな水溜りができちゃってますよぉ? 飲んでみますかぁ?」
そうして士道が辿り着いた結論こそ、今正に目の前にある光景そのもの。女の子の柔らかな胸の谷間に作られた水溜り、要はそこから水分を摂取すれば良いのだ。
もちろんそれでは塩分を補給できないが、そこは肌にうっすらと浮かぶ汗をペロペロすれば解決する。これで問題解決とまでは行かなくとも、脱水症状で寝込み頭痛に呻く事だけは避けられるだろう。
「それじゃ、遠慮なく」
故に士道はあくまでも脱水を避けるための致し方ない方法として、美九の胸の谷間に溜まった非常に美味しそうな水を啜り飲み干して行った。
その味わいは正に至高の甘露とでも言うべきもので、とてもただの水道水とは思えぬ深みがあった。喉の奥へと流し込むほど、全身に活力が漲っていく。正にこれこそ命の水だ。士道は夢中になってそれを貪り、身体に健康と活力を取り戻していった。
「……ふうっ。これでもう、脱水で倒れそうになったりはしないぜ」
「良かったですね、だーりん。それじゃあ――続き、しますかぁ?」
満足いくまで喉を潤した士道の前で、美九は更に自らの胸の膨らみを両腕で寄せて誘惑してくる。鷲掴みにしても余るほどの大きさを持つ膨らみでそれをやられれば、男なら誰でも堕ちてしまうだろう。
まして今はその膨らみや谷間を美味しそうな水滴が流れ落ち、瑞々しく彩っているのだから破壊力は計り知れない。
「ああ、もちろん。満足するまで付き合ってもらうからな、美九?」
「やんっ!」
もちろんすでに元気が滾っている士道がその誘惑に抗えるわけもなく、欲望のままに美九の身体を抱え上げ、バスマットに押し倒していた。その一連の動きで豊満な胸の膨らみが嫌らしく弾み、背中を打ってしまったのか美九の表情が微かに苦し気に歪む。
「……はい。美九の身体をいっぱい味わってくださいね。だーりん?」
しかし次の瞬間には慈愛と嫌らしさ溢れる微笑みを浮かべ、受け入れるように両手を伸ばしてきた。
そんな迸る愛情と色気に勝てるわけもなく、士道は誘われるがままに美九の全てを貪っていった。もちろん脱水症状対策として塩分も補給できるよう、美九の身体を念入りにペロペロしながら。
「……たっぷり怒られちゃいましたねぇ、だーりん?」
「ああ。琴里がまだ風呂に入ってなかったのに、風呂場で色々しちまったからなぁ……」
数時間後、夜もすっかり更けた頃。士道は美九と一緒にベッドの中で自らの行いを省みていた。
水分と塩分を現地調達するというグッドアイデアのおかげで、酷い脱水症状を起こすことは無かった。しかし琴里がまだ入浴を済ませていないのに風呂場を占領してしまったため、満足して風呂を上がった時には琴里にたっぷり絞られてしまったのだ(性的な意味ではない)。
とはいえ琴里も風呂場を占領された時点で後の展開が読めていたらしく、早い段階で精霊用マンションの四糸乃の部屋で風呂を借りたらしい。ずっと入れなかったならともかく、即座に対応しておいてたっぷり説教してくるのは微妙に釈然としなかった。
「でもだーりんはともかく、どうして美九もあんなに怒られたんでしょうかぁ……?」
「それはお前が琴里に……いや、何でもない……」
不思議そうに首を傾げている美九に対し、指摘しかけて何となくやめる。
最初は士道だけが土下座させられ説教されていたのだが、何を思ったのか美九は『それなら琴里さんも一緒にお風呂に入りましょう!』と言って琴里を脱がしにかかったので、最終的に二人揃って土下座させられたわけである。
士道と一線を越えたせいなのか、七罪たちに対しても一線を越えかけている節のある美九であった。
「ふふっ、だーりんっ!」
「おっと……」
納得行かない表情をしていたのも束の間。すぐに気持ちを切り替えたらしい美九は、士道にぎゅっと抱き着いてきた。
もちろんしっかり受け止めて抱き返すものの、胸の辺りに途方もない柔らかさを持つ大質量の塊が押し付けられていたため、ぴくりと下半身が反応してしまったのは仕方のないことだろう。
「七罪さんたちはずるいですねー。いつもこんな風にだーりんに抱き着いて、クンクンスリスリしてたんですからぁ」
「いや、クンクンはしてないぞ。服の匂いを嗅いでた奴はいたけどな」
「七罪さんですね? はー、寂しさにだーりんの服を抱きしめてクンクンしている七罪さん……思い浮かべただけで胸が熱くなってきますぅ!」
そう言って幸せそうに頬を緩めながら、士道の胸に頬ずりしてくる美九。
一見非常に可愛らしいのだが、妄想している光景のせいか緩んだ頬はかなりアレな笑顔になっていた。そして胸に当たっている柔らかな膨らみが、頬ずりされる度にぷるぷると揺れるのを感じて非常によろしくなかった。
「胸と言えば、美九……その、当たってるんだが?」
「良いじゃないですかぁ、これくらい。それにだーりんはさっきまで触って揉んでペロペロして、いっぱいエッチなことしてたじゃないですかぁ?」
「いや、そうなんだけどさ……」
さすがに無視できなくなってきたので指摘したものの、士道が散々弄んだせいか動揺も恥じらいも見えない。そもそも美九の言う通り、男ならやりたいと考えることを幾つもやりまくったので、反論らしい反論もできなかった。
「……あんまり興奮させると、今からもう一回やっちまうからな?」
「あれだけいっぱい色々したのに、まだそんな元気があるんですかぁ!? だーりんったら、凄すぎですぅ……!」
「これでも経験豊富な男だからな。さすがに美九もこれ以上は辛いだろうし、俺の理性が働いてる内に離れた方が良いぞ?」
「ふふっ。良いですよぉ? だーりんがもっとしたいなら、美九は朝までだってお付き合いしちゃいます」
「やめろ! そう言われるとマジでやりたくなるからやめろ!」
何とか離れさせようとするものの、美九の方はどう見てもバッチコーイという感じで始末に負えなかった。それに何より、朝まで美九の身体を貪るのも悪くない、と士道が思ってしまっているのが何よりもダメだった。
「欲望に身を任せちゃっても良いんですよー? だーりんの全て、美九がぜーんぶ受け止めてあげますからぁ?」
「むぐっ!?」
すでに気持ちが揺れ動いている状態だというのに、あろうことか美九の胸元に顔を抱き寄せられてしまった。
夢のような柔らかさに顔が埋まり、温もりと仄かな甘い香りに包まれる。これを好き放題に貪る快感と幸福を味わった身としては、実に離れ難い誘惑であった。これはもう駄目だ。もう朝まで猿のように腰を振るしかない。士道はそう覚悟を決めた。
「どうですかー、だーりん? 興奮しちゃいます?」
「………………?」
しかし不思議なことに、先ほどまで感じていた興奮が鎮まっていくのを感じた。
その上昂っていた心も波が引くように鎮まっていき、徐々に凪の海の如く穏やかな気持ちへと変わっていく。鷲掴みにしても零れるほど大きな乳房に顔を埋めているにも拘わらず、である。いや、どちらかと言えばそれに顔を埋めているからこそ、なのだろう。
「……あれ? だーりん、どうしたんですか?」
「いや……こうしてお前の胸に顔を埋めてると、何だか凄く懐かしい気分になってきてさ……」
これほどの凶器に顔を埋めておきながら、悟りを開いた僧の如き心穏やかな気持ちになった理由。それは母の胸に抱かれる感触と温もりを思い出してしまったからだ。
尤もはっきり覚えているわけではなく、かなりぼんやりとした記憶だ。きっとこんな感じだろう、という想像に近いレベルと言っても差し支えない。だがそれでも、今士道が感じている懐かしさと穏やかな気持ちは本物であった。
「だーりん……」
先ほどまでの誘うような口調とは打って変わって、どこか悲し気な声を零す美九。
そんな同情的な反応を零す辺り、士道が小さい頃に母親に捨てられたことは知っているのだろう。士道自身は話した記憶は無いものの、もしかすると琴里から聞いたのかもしれない。
「……悪い。マザコンみたいでさすがに気持ち悪いよな」
何にせよ、ここは男と女が愛を重ねる場所だ。そんな場所で母親を思い出して、一人物思いに更けるなどあまりにも失礼な行為だ。
だからこそ士道は胸に生じた懐かしさを振り払い、美九の抱擁から逃れようとした。
「~~~~~~♪」
「あ――」
だがその寸前、美九の唇から紡がれた歌が士道の身体を縛った。
とはいえ精霊の能力を使われたわけではない。とても単純な話、美九の歌に聞き惚れて、再び懐かしさが胸に沸き上がってきたからだ。耳に届く綺麗な歌声は、優しい子守歌だったから。
「良いんですよ、だーりん。私をお母さんみたいに思って甘えても。全部、受け止めてあげますから」
「美九……」
顔を上げてみれば、慈愛溢れる微笑みを湛えた美九が優しく士道を見下ろしていた。普段とは違い一切の下心や邪念もなく、純粋に愛と優しさに溢れた瞳で。
「~~~~~~♪」
そして再び優しい子守歌を紡ぎながら、士道の顔をぎゅっと胸に抱き寄せてきた。
母性の象徴に顔を埋めながら、穏やかな眠りに導く歌声を耳にする。恥ずかしい話、涙が滲むほど懐かしくて幸せな気持ちを感じてしまう士道であった。愛する女性の前で見せて良い姿ではないと分かってはいたが、他ならぬ美九に逃がす気が無いのだから仕方がない。
「……ありがとな、美九。愛してる」
「はい、私も愛してますよ。だーりん……」
故に士道は美九の愛に甘え、子供に戻ったような気分のまま眠りにつくのだった。胸に染み入り懐かしい気分に浸らせる、優しい子守歌を聴きながら。
罪深い性癖がまた一つ増えた士道さん。まあ今更一つ二つ増えても誤差の範囲なので問題なし。
なお、飲めるほどの水を胸の谷間に溜めるのは七罪たちには不可能な模様。理由は……うん。まあ、名誉のためにも明言は避けよう……。
更新停止期間の執筆状況の進捗はどれくらいの頻度で活動報告に載せるべきか
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