⋇ちょっとした百合的描写あり
ハーレムとは男の夢である。士道も立派な一人の男である以上、憧れたことがないわけではない。そしてその夢が着実に叶いつつある現実に、喜びを全く感じないとは口が裂けても言えない。
ただ実際に体験してみた所、ハーレムとは甘く幸せなだけの楽園では無かった。全ての女の子に気を遣い平等に愛し、女の子の間で不和が起きないように奔走し、なおかつこの爛れた関係が周囲に知られないようにひた隠す事を強いられるのだ。もちろんそれに見合うだけの幸福は得られるものの、果てしなく大変な毎日である。
とはいえ愛する女の子たちはみんな仲が良いため、覚悟していたよりは楽な方だった。特に四糸乃と七罪は若干美九的な勘違いをしそうになるほど仲が良く、そんな二人を眺めていると実に微笑ましい気持ちになるのだが――
「や、やめてください、七罪さん……!」
『そうだよ七罪ちゃん! 危ないからそれを下ろして、まずはよしのんたちと話し合おう!』
「う、うるさい! 私には、こうするしか……こうするしか、他に方法なんて無いのよ!」
「……え?」
その仲良しの二人は、何故か士道の目の前で修羅場を演じていた。
鈍く光るナイフを震える両手で握った七罪に部屋の隅まで追い込まれ、怯えた顔で必死に宥めようとしている四糸乃。入浴を終え、部屋に戻った士道の目に飛び込んできたのがこの光景である。さすがにちょっと衝撃が強すぎて、受け止めるのに少なくない時間を要していた。
「うああぁぁああぁぁっ!!」
「きゃっ……!」
『うあーっ! や、やーらーれーたー……』
そして固まっていた士道の前で、事態は容赦なく進行していく。七罪が力強い叫び声を上げながら、ナイフを四糸乃の腹に突き立てた。途端に赤い液体が迸り、四糸乃はよろよろと後退すると、腹を押さえながらがくりと膝をつく。
「七罪、さん……どうして、こんな……こと、を……」
『………………』
絞り出すようにそれだけ言うと、四糸乃はそのまま支えを失ったように倒れ、動かなくなった。いつもはハイテンションではしゃぎまわっている『よしのん』でさえ沈黙し、ピクリとも動かなくなっている。誰がどう見てもこれはヤバい状況だろう――真相を知らなければ。
幸運な事に、士道はこれが自分を驚かせるための四糸乃の策略だということを知っていたので、衝撃はあれど別に混乱はしていなかった。何せ四糸乃から相談を受け、一緒に悪戯グッズであるナイフを買いに行ったのは、七罪の姿に変身させられていた士道当人なのだから。実は四糸乃は刺されてなどおらず、今も息を殺して死んだふりをしていることも分かっていた。
「わ、私は、士道に捨てられたくない……! でも、私には魅力が無いってことは分かってる……だったら、他の可愛い子が皆いなくなれば、士道はきっと……! きっと、私だけを見てくれる!」
ただ分かっていても固まってしまったのは、七罪の演技が完璧すぎて真に迫っていたからだ。荒く乱した呼吸も、小刻みに震える身体も声も、本当に四糸乃を刺したのではないかと思うくらいに自然な様子を演じていた。
「ねぇ、そうでしょ――士道? みんないなくなれば、士道は私だけを見てくれるわよね……? 私だけを、愛してくれるわよね……!?」
そんな状態で、鬼気迫る雰囲気を漂わせながら貫くような目で見てくる七罪。正真正銘のヤンデレに迫られているような迫力に思わず一歩下がりそうになったのは、七罪の演技力が高すぎるので仕方のない事だろう。
「…………………………」
それはそれとして、士道は悩んだ。ここは四糸乃の策略に乗って、騙された振りをするべきか。それとも心を鬼にして見え見えの罠だと断ずるべきか。
気持ちとしては四糸乃が頑張って演技をしたのだから、あっさり騙されてやりたいところだ。しかしそれでは四糸乃のためにならないだろうし、鋭い『よしのん』には本気で驚いていないことを見抜かれてしまう可能性もある。
つまり本当に四糸乃のためを想い、なおかつ事前に知っていたことを悟られないためには――
『いたた……おっかしーなぁ? 幾ら士道くんでも腰を抜かすもんだと思ってたのに……』
「あ、うぅ……ヒリヒリ、します……」
「何か、私の時だけ手加減無かった気がする……おでこ割れそう……」
ベッドに腰かけた士道の前で、床に正座した二人(と一匹)が涙目で額を押さえている。
真に四糸乃のためを考え心を鬼にした士道は、容赦なく先ほどの修羅場を茶番と断じた。そうして死んだふりをしている四糸乃の額と、ついでに『よしのん』の額にデコピンをかまし、最後に七罪の額にもデコピンを叩き込んでから二人を正座させて反省させているところだ。
断腸の思いで厳しい対応を取ったおかげか、『よしのん』も特に疑ってはいないようだ。尤も思ったほど驚いていないためか、額を撫でながら無い首を傾げていたが。
「……で? 何でこんな悪質な悪戯したんだ、お前らは?」
「いや、それは……」
理由はもちろん知っているが、聞かなければいけないのでできるだけ怒った様子を演じながら尋ねる。お互いに全部知っているため、士道が本当は怒っていない事を七罪も悟っているらしく、特に怯えた様子もなく四糸乃の方に視線を向けていた。
「えっと、その……お、面白そうだと思ったから、です……!」
『そうそう。あっさりバレちゃったみたいだけど、よしのんたちは士道くんの慌てふためく姿を期待してたわけだよー。刀傷沙汰の修羅場に遭遇した士道くんの面白おかしい反応、見てみたかったのになー?』
「は、はい。見てみたかった、です」
もちろん士道が何もかも知っていることなど知らぬ四糸乃は、取ってつけたようなパンチの弱い理由を口にした。ただ口ぶりから察するに、『よしのん』に関しては本気で面白そうだと思っていた節がありそうだ。
「う、うん。まあ、そういうわけってことで……」
そして真実を知っていようと、七罪は四糸乃に賛同せざるを得ない。そのせいか妙に居心地が悪そうな表情をしていた。
しかしこう見ると七罪の立場はなかなか複雑である。何せ四糸乃の悪戯の内容と目的を士道から聞かされ、その事実を四糸乃たちに悟られないように振る舞いつつ、四糸乃と共に士道に秘密の悪戯を仕掛けることになったのだ。まるで中間管理職のような働きと難しさである。
「お前ら、どれだけ悪い事したか分かってるのか? 見た感じ反省もしてないみたいだし」
「は、反省なんて、してません……!」
『子供は悪戯をするのが仕事みたいなところがあるんだよー? だから反省する必要なんて無いし、よしのんたちはこれからもたくさん悪戯をするのさ!』
「う、うん。そういうこと」
力強く断言する四糸乃と、飄々と開き直る『よしのん』。そしてとりあえず同意を示す七罪。
七罪はともかく、四糸乃たちはおしおきをされるのが目的なのだから、この反応も当然だろう。それに今回はほぼ予定調和の茶番であったものの、実際にこんなシャレにならない悪戯をされたら教育的指導もやむなしだ。何だか乗せられているようで非常に癪だが、おしおきをしないわけにはいかない。
「そっか……じゃあ、悪い子にはたっぷりお仕置きしないとな? そういうわけだから二人とも、まずは脱げ」
そんなわけで、士道は心を鬼にしておしおきする事を決めるのであった。何だか頬が緩んでしまうが、決して本意ではない。決して。
「あ……は、はい……」
「どうせお仕置きにかこつけてエロいことしたいだけでしょ、あんた……」
『んふふー。さあ、士道くんによるエッチなお仕置きの始まりだね!』
もちろん3Pすら受け入れてくれる四糸乃たちが拒絶することなど無く、顔を赤くしながらも指示に従って大人しく衣服を脱ぎ始めた。『よしのん』がはしゃいでいるのは言わずもがなである。そもそも四糸乃も七罪も、こんな展開になるのは承知の上で悪戯を仕掛けてきたのは間違いない。
というわけでしばしの間、士道は目の前で繰り広げられる幼女二人のストリップを眺め大いに悦に浸るのであった。
「ぬ、脱ぎましたよ……?」
「視線が滅茶苦茶嫌らしい……」
そうしてしばらくすると、目の前に現れたのは生まれたままの姿の幼女が二人。恥ずかしそうにもじもじしつつも、身体の要所は隠さず曝け出したままの四糸乃。嫌そうなジト目と恥じらいの混じった表情を浮かべ、身体の要所を両手で隠している七罪。
二人のタイプが違うこともあって、実にそそる光景である。それに何より、これは悪戯をした二人に対するお仕置きだ。免罪符があるおかげで、これから二人の幼女を同時に貪ることに対する罪悪感はほんの僅かしか湧いてこなかった。
『さーて、士道くんは悪い子たちに一体どんなお仕置きをするつもりなのかなー?』
「そうだな。結構シャレにならない悪戯をされたわけだし、今回ばかりは厳しく行くぜ? 色んな道具を使ってな?」
「うわっ……」
「あ、ぅ……」
ニヤリと笑いながら『よしのん』に答えると、七罪と四糸乃はびくりと身体を震わせる。
普段二人を相手にするのに道具を使うことはほぼ無いが、こういった機会なら話は別だ。むしろ二人に罰を与えるためにも、積極的に使っていくべきだろう。幸いと言って良いのか、性癖が悲劇的に歪んでいる義妹を攻め立てるために、その手の玩具はこっそり日頃から集めている。というか他ならぬ義妹本人も集めている。
何にせよ、二人を相手に大人の玩具を扱う腕を磨く絶好のチャンスだ。言い方は悪いが、じっくりと二人を練習台にさせてもらおう。そう心に決める、ドSな士道であった。
「これは、また……ヤバい光景だな……」
自分が作り出した光景のかつてないほどの犯罪臭に、士道は冷や汗をかきながら扉と窓がしっかり閉まっているかを何度も確かめた。
しかしそれも仕方のないことだった。仮にこの場面を誰かに見られれば、問答無用で豚箱にぶち込まれかねないほど危険な光景なのだから。というかむしろその場で処断されてもおかしくないほどである。
そのヤバすぎる光景とは――
「し、士道さん……どこ、ですか……?」
「ううっ……変態っ……!」
一糸纏わぬ姿の四糸乃と七罪が首輪と手錠で自由を奪われ、更には目隠しで視覚を封じられている姿。自分でやっておいて何だが、これは間違いなく犯罪だと確信する士道であった。
しかしそれはそれとして、大いに興奮を煽る光景なのだから始末に負えない。必死に音で士道を探そうとする裸の四糸乃も、両脚や膝で身体を隠しながら周囲を必死に警戒する全裸の七罪も、ドSの士道の心を大いにくすぐる素晴らしい光景なのだから。
『キャー! 士道くんのド変態ー! いよいよ自重が無くなって来たねー!』
創り出された状況のヤバさに、『よしのん』もかなりご機嫌で踊っている。
ちなみに『よしのん』は特に拘束する必要が見当たらないので、『よしのん』本体の腕も四糸乃の左腕も手錠で戒めてはいない。四糸乃の右手は首輪に繋げる形で戒めているため、完全に『よしのん』はフリーである。もちろん七罪の場合は遠慮なく後ろ手に拘束させてもらっているが。
「悪い事をしたお仕置きだし、これくらいは当然だよな? さーて、それじゃあたっぷり楽しませてもらうぜ?」
「あっ……!」
「ひゃっ!?」
お仕置きという大義名分を得ているため罪悪感も少ない士道は、躊躇いなくベッドへと上がり、二人の身体を抱き寄せた。それだけだというのに、途端にビクリと身体を震わせ小さく喘ぐ四糸乃と七罪。
やはりと言うべきか、自由を奪われ視覚を閉ざされた状態だと感覚がかなり過敏になるようだ。ソースはホテルで散々苛めた七罪である。
「んっ……ぅ……!」
「あっ、やあぁ……!」
左手で四糸乃の身体を抱きながら唇を奪い、右手で七罪の控えめな胸元を弄る。ねだるように、あるいは探る様に口付けに応えてくる四糸乃の咥内を味わいながら、七罪のうっすらとした胸の膨らみを抓むようにして楽しむ。
正に両手に花の素晴らしい状況。二人の唇から零れ出る喘ぎも実に愛らしく、士道が抱えていた僅かな罪悪感は一瞬で欲望に塗りつぶされてしまった。もっと二人を味わい、たっぷり鳴かせたいという邪な欲望に。
「ふあっ、ああっ……!」
「ぁ……む、うぅ……!」
今度は四糸乃の胸元を揉み回しながら、七罪の唇を奪い舌先を交わらせる。明確に存在する膨らみに指先が沈む度、下半身から興奮が身体を突き抜けていく。怯えた様に縮こまる舌先を絡め締め付ける度、痺れるような快楽が頭に広がっていく。
何より素晴らしいのは二人がほとんど嫌がっていないこと。七罪はまだ素直になっていない感じだが、両手を戒め目隠しをした状態で二人同時に弄んでいるというのに、それを受け入れてくれているのだ。二人の溢れんばかりの愛情にいっそ涙が出そうなほどである。尤も若干白く濁っていそうな涙なのはご愛敬だ。
「二人とも、凄く可愛いぜ? このまま食べちまいたいくらいにな」
「あっ……!」
「ひゃうっ……!?」
欲望と征服感に突き動かされるまま、二人の首筋に舌を這わせて舐め上げる。
視覚を奪われ感覚が鋭敏になった二人は、それだけでビクンと身体を震わせ艶めかしい喘ぎを零す。その反応がますます興奮を煽るのだから堪らない。
「は、はい……士道さんの、好きに……して、ください……」
「もう……好きに、しなさいよぉ……!」
『ほらほら、二人が許可を出したよー! さあ士道くん、ガッツリと召し上がれ!』
従順で健気な四糸乃と、半ば諦めの境地に達している七罪、そしてテンション爆上がりの『よしのん』。
もちろん士道は好きにするつもりだ。男なら理性を捨て去って貪り食らうこと間違い無しの最高の状況。ここで欲望に身を任せないなどありえないだろう。
「もちろん、たっぷりと食べさせてもらうぜ。けどその前に、二人にはお仕置きをしないといけないからな?」
だが今回はイケナイことをした愛しい幼女二人にお仕置きをしている、という背徳的なプレイの最中だ。ただのしかかって犬のように腰を振るだけなどあまりにも勿体ない。そもそもの話、この二人なら頼めばいつでも3Pくらいはさせてくれそうなので、ここでただの3Pをする必要性は無い。
「あっ……これ、は……?」
『おおっと、何にも聞こえないねー? 視覚だけじゃなくて聴覚まで奪うなんて、士道くんったら次は一体何を奪うつもりー?』
なのでお仕置きをするために、四糸乃の耳にイヤーマフ型の耳栓を装着した。これは外部の音を完全に遮断する優れものであり、装着すれば聞こえるのは自分の出した声くらいである。
もちろん用途は完全にその手のプレイ用のもの。主に琴里に対して使用したり逆にされたりしており、これを使えばドMな琴里は大興奮だ。
「あ、うぅ……し、士道、さん……」
「ちょ、ちょっと、何? 何してんの? 何で四糸乃はそんな切ない声出してんの?」
とはいえ琴里のようなヤバい性癖を持っていない四糸乃は、見えず聞こえずの状態に若干怯えた声を出していた。
そして目隠しだけをされている七罪はその声が聞こえど状況が掴めず、自分も相当ヤバい状態だというのに四糸乃の事を気にしている。実に友達想いの優しい奴だ。感動した士道は七罪の目隠しを取り、今の四糸乃の姿を見せてあげた。
「うっわ……」
手錠に首輪、目隠しに耳栓というヤバすぎる状態の四糸乃を目にした途端、七罪は短く声を上げる。そのたった一言にどれだけの感情が集約されているのかは不明だが、軽蔑するような冷たい目をこちらに向けてきている辺り、間違いなく士道に対しての負の感情だろう。
「ド変態の屑野郎……」
「冷め切った声で言うのはやめてくれよ。さすがにちょっと傷つくぞ……」
そして迫真のガチトーンで罵倒され、さすがの士道も若干心にグサっときた。琴里と違ってドM属性は持っていないため、罵倒されて興奮するほど常軌を逸してはいないのだ。
「だって本当にド変態の屑じゃない。何よこれ? あんた四糸乃に何するつもりなの?」
「まあちょっと考えがあってさ。四糸乃にもお前にもお仕置きしないといけないし、せっかくなら同時に済ませた方が良いだろ?」
「同時に、って……ちょっと、本当になにするつもりなわけ……?」
七罪の両腕を戒める手錠を外しつつ答えると、酷く胡乱気な視線が返ってくる。せっかく拘束を解いてやったというのに、全く以て感謝の気持ちも反省の様子も無い。やはりこれはお仕置きをしなければならないだろう。
四糸乃の計画を予め知っていた士道と七罪にとっては、今回お仕置きをすることになったのは大体予定の範疇だ。しかしそれはそれとして四糸乃に協力したのは事実なのだから、七罪にもお仕置きをしなければならない。
そして四糸乃はともかく、七罪に対して最も効果的なお仕置きとは一体何か。それを思いついたからこそ、士道はこうして七罪の拘束を解いたのだ。何故なら七罪を拘束していては決してできないことだから。
そんなわけで、士道は自由になった七罪の手にとある物を握らせ――
「七罪、お前がこれを使って四糸乃を気持ち良くしてやれ。それがお前へのお仕置きだ」
「……へ?」
――ニヤリと笑いかけながら、四糸乃の方を視線で示した。
当の七罪は事案間違いなしの四糸乃の姿に目をやってから、自らの手元に視線を落とす。そこにあったのは士道が握らせた、こけしのような形の物体。円筒形の持ち手の先端に、卵型の物体がついたいかがわしい形状。みんな大好き大人の玩具。要するに激しい振動で以て、女性を快感に導くバイブであった。
七罪は四糸乃を信仰しているというか、妙に崇めている節がある。そんな七罪が自らの手で四糸乃に激しい快楽を与えるというのは、素晴らしい――ではなく、凄まじい罰となるだろう。実際お仕置きの内容を理解したらしい七罪は、見る見るうちに顔を赤くしていった。
「そ、そんなことできるわけないでしょ!? 私がこれを使って四糸乃を攻め立てるとか、そんなの神を冒涜するようなもんじゃない! 何てこと考えんのよっ、このサディストの変態野郎! 背教者!」
「嫌がる事しないとお仕置きにならないだろ? それに四糸乃は気持ち良くなるだけで、別に痛くも苦しくも無いんだから良いじゃねぇか?」
「だ、だからってそんな……!」
やはり相当な衝撃だったようで、七罪はバイブを握りしめたまま呆然としていた。どうも自分が素っ裸であることも完全に忘れているらしく、特に肌を隠す様子も見られなかった。もちろんこれ幸いと、士道はバッチリ視姦した。
「……どうしてもやりたくないって言うなら、それでも良いぜ。ただし、その時は後でまた四糸乃に同じお仕置きをするぞ? 今度は美九を誘って、な」
「なっ……!?」
どうしても気乗りしないようなので、そう脅すように言い放つ。効果はてきめんであり、七罪は顔を青くして手からバイブをポトリと落とした。
その反応も当然と言えば当然だ。何せ美九はペロペロしたいくらい女の子が大好きなのだ。そんな美九が、手錠で戒められた上に目隠しで視覚を、イヤーマフで聴覚を封じられたあられもない四糸乃の姿を目撃する。そうなれば美九の理性は一発で蒸発するに違いない。きっとバイブなど必要ないほど、それはもう熱烈で過激な行為にひた走るのは明白であった。
「どうする、七罪? ここでお前が罪悪感を堪えて、四糸乃をできる限り優しく気持ち良くさせてやるか? それともお前が罪悪感から解放される代わりに、四糸乃を美九の生贄にするか? こんな状態の四糸乃を見たら、美九は一体何をするだろうなぁ?」
「………………っ!」
どうやら七罪も士道と同じ想像に至ったらしく、真っ青になっていた顔は途端に赤く色付いていく。やはり美九はそっち方面に絶大な信用がある女の子だ。
そして士道は七罪のことも信用している。自己犠牲精神と信仰心に溢れた七罪が、玉体である女神四糸乃の身体を悪魔に売り渡すことなどあり得るだろうか? いや、そんなことはあり得ない。悪魔に穢されるくらいなら、七罪は自ら罪を被ることを選ぶだろう。それでこそ士道の愛する女だ。
「……わ、分かった……私が、やる。美九にやらせるわけには、いかないわ……」
予想通り、七罪は瞳に決意と覚悟を滲ませた。尤もそんなキリっとした顔をしておきながら、その手で拾い握りしめたのは大人の玩具なのだが。
何にせよ七罪がその気になってくれたので、士道としても大助かりだ。これで士道は特に何もせずとも、四糸乃と七罪の両方に罰を与えられる。もちろん何もせずに見ているだけでいられるほど、士道の性欲は大人しくないが。
「そうこなくちゃな。よし、そうと決まれば早速始めようぜ。さすがに四糸乃もずっと目隠しと耳栓をされてたら怖くて堪らないはず――」
『んー、なかなか始まらないねー? 焦らしプレイかなー? 一体何をされるのか楽しみだね、四糸乃ー?』
「う、うん……でも、ちょっとだけ、怖いかも……」
『大丈夫大丈夫! そんなのどうでもよくなるくらい、士道くんが感じさせてくれるからさ!』
「……耳栓してるのに会話してるぞ。凄いな、四糸乃」
「忘れがちだけど、よしのんが喋ってるのは腹話術なのよね……」
あろうことか四糸乃は聴覚をほぼ完全に遮断されているにも拘わらず、『よしのん』と会話を行っていた。
確かに耳を塞いでいても自分の声は聞こえるし、『よしのん』の喋りは正確には四糸乃による腹話術なので、厳密にはどちらも四糸乃の声だ。『よしのん』は聴覚も四糸乃と共有しているので、この状態でも会話が成り立つのだろう。
冷静に考えれば納得できることであるが、いかんせん普段の『よしのん』の言動や動きが腹話術にパペットと思えないほど生気に溢れているため、ちょっと驚いた士道と七罪であった。
「……よし。ともかく始めるか。その前に――四糸乃、ちょっと良いか?」
「ふぁ……は、はい、何ですか?」
四糸乃のイヤーマフを片耳だけ外し、耳元で囁く。突如として耳を触られ音が飛び込んできたせいか四糸乃は多少驚いていたものの、士道の囁き声に若干緊張を緩めていた。
「いいか、四糸乃? 今からお前の身体を仰向けにして足を開くけど、何があっても足を閉じちゃ駄目だぞ? 分かったな?」
「は、はい……分かりました……」
そして士道がそう命じると、頬を赤く染めながら頷く。目隠しをしているのでどんな目をしているのかは分からないが、四糸乃の事なので軽蔑の類の目つきは絶対にしていないだろう。
『キャー! 士道くんったらいたいけな四糸乃に何する気なのー!?』
「ハハハ、もちろんお仕置きに決まってるだろ。ほら、始めるぞ?」
テンションが荒ぶっている『よしのん』にそう返し、士道は四糸乃の耳にイヤーマフを戻す。これで四糸乃は再び聴覚も遮断された状態だ。視覚も封じられ右手も自由を奪われているため、普通は怖がって縮こまっても当たり前の状態である(なお、琴里はこれより更にハードに拘束しても大興奮であった)。
「ど、どうぞ……士道さんの、好きに……して、ください……」
しかし士道への愛と優しさに溢れ、更に士道との距離をもっと縮めたいと願っている四糸乃は違った。恐る恐るだが何も見えない中で自ら仰向けに横たわり、その両足を開いてまっさらな丘陵を露わにしてきた。
とはいえ決して怯えていないわけではなく、身体は僅かに震えている。しかしそれでも士道のため、目も耳も封じられた状態でありながら恥ずかしいポーズを取っているのだ。七罪が信仰するのも分かる、正に慈愛の女神と言える心根だった。
「うわっ、エッロ……」
なお、七罪はそんな四糸乃の姿を見て明らかに劣情を催していそうな呟きを零していた。どうやら七罪の信仰では玉体に劣情を催すのはセーフらしい。とはいえ士道も大いに興奮を催していたのでツッコミを入れることはできなかった。
「さあ、七罪。やることは分かってるよな?」
何にせよ、本気で嫌がっているわけではないのなら問題ない。なので士道は七罪の裸の肩を抱くようにして、二人で四糸乃の元へと身体を寄せた。そして七罪だけを四糸乃の開かれた両脚の間へと誘い、士道は二人をじっくりと観察できるように横へと移動する。
「うぅ……ごめん、四糸乃……本当にごめん……!」
泣き言なのか懺悔なのか分からない呟きを零しつつも、七罪はバイブのスイッチを入れた。『ヴヴヴヴヴ』と若干低い音を響かせている辺り、振動の強さは三段階で一番低いものにしているらしい。
もちろん耳を塞がれている四糸乃は駆動音に気付くはずも無く、ゆっくりと近付けられるバイブの前に無防備に股の間を晒していた。興奮と罪悪感とその他諸々の感情がごちゃごちゃになった表情をした七罪が、意を決したように歯を食いしばって右手を突き出したその瞬間――
「――あっ、ああぁああぁぁっ!?」
『うわーっ!? 四糸乃の大事な所がもの凄い振動で苛められちゃってるぅー!?』
バイブの先端が四糸乃の真っ白な雪原を容赦なく踏み荒らし、脳髄が蕩けそうになるほどの甘い喘ぎ声が上がった。視覚と聴覚を封じられ感覚が鋭敏になっている状態で、いきなり敏感な場所に強い振動を受けたのだから当然の成り行きであった。
「おっと。足を閉じちゃ駄目だぞ、四糸乃? これはお仕置きなんだし、しっかり味わってくれよな?」
「んっ、くぅ……あ、ふああぁぁっ……!」
反射的に閉ざされた脚を士道が両手で押さえると、四糸乃は言われたことを思い出したらしい。喘ぎ悶えながらも自分から両脚を広げ、一生懸命にそのまま保持しようとしていた。
しかしやはり強烈な快感を堪えることは難しいようで、幾度も快感に身体を痙攣させ、その度に両脚を閉じそうになって必死に唇を噛んで耐え忍んでいた。その様子がまた健気で艶めかしく猛烈に興奮を煽られる士道であったが、隣に自分よりも感情が昂っている少女がいたので我を忘れて襲いかかったりはしなかった。
「うああぁぁっ……! 四糸乃が滅茶苦茶エロくて頭がおかしくなるぅ……! でも四糸乃を拘束して攻め立ててる罪悪感で吐きそう……!」
「お前、色々な意味で大丈夫か……?」
バイブを使って四糸乃を攻め立てている七罪は、過剰なまでの罪の意識と性的な興奮に襲われているらしい。非常に申し訳なさそうな顔をしつつもその息は荒く、罪悪感からか涙が滲む瞳は四糸乃の痴態を網膜に焼き付けるが如く、視線は決して正面から外れない。
イケナイことだと理解しながらも明らかに興奮している七罪の姿に、若干冷静さを取り戻して心配になってしまう士道だった。この様子だと罪の意識に胸が痛みつつも、同時に興奮に胸が高鳴っていることだろう。心臓も感情もだいぶ忙しそうで混乱の極みにありそうな感じだ。
「まあ罪悪感があるっていうなら――お前にもお仕置きしてやればいいだけの話だよな?」
そんな七罪を楽にしてやるためには、七罪にたっぷりお仕置きして罪の意識を洗い流してやればいい。そう都合よく考えた士道は、四糸乃の股の間をバイブで攻め続ける七罪の身体を、背後から優しく抱きしめた。
「もう、好きにしなさいよぉ……! 何したって構わないから、この胸が張り裂けそうな罪悪感を何とかしてよぉ……!」
「分かった。それじゃあ遠慮なく……」
七罪もむしろお仕置きされたがっているようなので、大義名分を得た士道は遠慮なくやりたいことをやらせてもらうことにした。そうして七罪の身体を抱くように背後から覆い被さり、若干ボサついた緑の髪から覗く白い耳へ甘く歯を立てる。
「ひゃうっ!?」
「ん、あっ!? ふああぁあぁぁっ!!」
その行為にびっくりしたのか七罪がおかしな声を出して震え、その震えが手元を狂わせ四糸乃に更なる甘い声を上げさせる。
何だか四糸乃と七罪の感覚が連動しているように思えてしまい、楽しくなった士道は更に七罪の身体を嫌らしく攻め立てて行く。
「ふあっ、あっ……ちょ、あぁ……!?」
「あっ、あっ、ああぁぁぁぁっ……!」
指先で七罪の身体のラインをするりと撫で擦りながら、耳の穴の中へと舌先を滑り込ませる。
そんな愛撫に当然七罪の身体はビクンと痙攣し、優しく押し当てていたはずのバイブが手元が狂った事で強く押し付けられ、四糸乃も身体を痙攣させる。正に二人は一蓮托生。そして士道はサディストのクソ野郎。しかしもうそれで良かった。爛れた欲望に支配された士道にとっては、そんな蔑称は些細な問題だった。
「ははっ、もうすっかり硬くなってるな。そんなに四糸乃を喘がせて興奮したのか?」
「うぅーっ……! わざわざ言うんじゃないわよ、このサド野郎ぉ……!」
七罪のうっすらとした膨らみに手を這わせると、確かな硬さが興奮を主張していた。そのまま硬みを帯びた先端部を苛め抜きながら尋ねると、呂律の回らない口調で蔑称が返ってくる。
愛しているはずの士道に何とも酷い罵声を浴びせるものだ。そんな悪い言葉は使わないよう、これはきっちり教育しなければならないだろう。
「七罪は悪い子だな? そんな奴には、お仕置きだぞ?」
「ひあっ!?」
「あっ、ああぁあぁぁっ!!」
なので、身体を起こすと七罪のお尻を軽く叩いた。パァンという小気味良い音が鳴り、その衝撃に七罪は飛び上がり、抉る様に動いたバイブに四糸乃が嬌声を上げる。
「……ヤバいな。これ超楽しい」
「やっぱドSね、あんた! ひああぁっ!」
「ふあっ、ああぁぁっ!?」
涙目で睨みつけてきた七罪のお尻をもう一度――パァン! 七罪が甘い声を上げながら身体をビクンと跳ねさせ、それに連動して四糸乃も甘く喘ぎながら腰を跳ねさせる。
普段ならこの二人にここまで非道な真似をする事は躊躇われるが、やはり状況も相まってか不思議と楽しさしか沸いて来なかった。むしろ興奮と嗜虐心を大いに煽られ、そのまま士道は何度も七罪のお尻を叩いて二人をたっぷりと喘がせていった。
「――ふうっ、楽しかった。もう手を止めて良いぞ、七罪」
太鼓か何かのように七罪のお尻を叩く事しばらく。満足した士道は良い感じに流れた汗を腕で拭いつつ、四糸乃へのバイブ攻めを終わらせる許可を出した。
「うぅ……この鬼畜野郎ぉ……!」
「あ、うぅぅ……」
右も左もお尻を赤くした七罪が四糸乃の隣にうつ伏せで倒れ込み、敏感な場所を嬲る振動が途切れたせいで四糸乃が切ない吐息を零す。
すでに二人とも息も絶え絶えであるが、まだまだ前戯は終わっていない。むしろここから更に楽しくなる所である。本当はもうすぐさま突っ込んで腰を振りたいくらい興奮しているものの、せっかくの美味しい状況でそんな発情期の猿のような真似をするわけにはいかなかった。
『さーて、次はどんなエッチなお仕置きをするつもりなのかなー?』
「……よし。七罪、四糸乃に覆い被され」
「はぁ……こ、こう……?」
期待のこもった『よしのん』の呟きにしばし考え、七罪にそう指示を出す。
先ほどまで散々罵倒してきたものの、拒む気自体は無いらしい。七罪は素直に四糸乃の身体に覆い被さった。まるで正面から抱き合うように、お互いの腹と胸を重ねる形で。
ただ四糸乃が後ろ手に縛られた状態で仰向けになっているため、どちらかと言えば七罪が四糸乃を押し倒して無理やり……という絵面に見えなくもない。とはいえ万が一にも七罪がそんな凶行に及ぶとは考え辛かった。もちろんこれが美九だった場合は言わずもがなである。
「いや、逆だ。こっちの方を向いた状態で覆い被さってくれ」
ただし、七罪の行動は士道の考えとは真逆であった。何故なら七罪が向いている方向が違うから。士道は七罪に四糸乃の足側を向いて覆い被されと命じたのだから。
「え……それって……」
「アレだよ、ほら。俗に言うシックスナインって奴だ。それで、今度は舐めて四糸乃の事を気持ち良くしてやれ」
「え……い、いやいや、それ私なんかが四糸乃にやっちゃ駄目なやつ……!」
ただでさえ赤かった七罪の顔が耳まで真っ赤に染まり、混乱したようにぶんぶんと首を横に振りまくる。今まで散々士道とエロい事をしまった割には、また随分と初心な反応である。だからこそやらせる甲斐があるというものだ。
「もっと凄い事もやってるだろ? いいからほら、早くやれって」
「あっ、ちょっ……!? あぁ……ごめん、四糸乃ぉ……ごめん……!」
「ふあ……な、七罪、さん……?」
自分から動きそうには無いので、七罪の身体を抱え上げて強引にシックスナインの体勢へと移行させる。
七罪の僅かに湿り気を帯びた股下が四糸乃の鼻先を撫で、四糸乃のぐっしょりと濡れそぼったクレバスに七罪の唇が触れる。美九なら狂喜乱舞して間に突撃しそうなくらい素晴らしい光景に、士道もごくりと息を呑む。
『ふむふむ、この体勢は……なるほどねー? 四糸乃と七罪ちゃんにお互いの大事な所を舐めさせ合おうってわけだね! この変態めー! だから好きだよ、士道くん!』
「さすがよしのん、理解力高いな……」
四糸乃の肌に触れる七罪の肌と、部位の位置関係から『よしのん』は体勢を察したらしい。そしてすぐさま士道がやらせようとしていることを見抜いてきた。本当にびっくりするくらい理解力と エロ知識のある『よしのん』だ。
せっかくなので士道は『よしのん』の手に、そっとバイブを握らせてやった。きっと『よしのん』なら有効活用してくれるだろうし、自分だけはやし立てて踊っているだけではつまらないだろう。
「というわけで、早速始めてくれ。七罪」
「い、いや、ちょっと待って? さすがにその、心の準備が――ひゃあんっ!?」
そうして士道がお願いすると、七罪は躊躇いがちに視線を逸らしたかと思えば、唐突に甘い喘ぎを上げた。その理由はとても単純。
「んっ……ちゅ……は……」
「あ、や……よ、四糸乃ぉ……それ、駄目ぇ……!」
四糸乃が七罪の敏感な所に優しく口付け、舌で丹念に愛撫し始めたからだ。恐らく鼻先に香った七罪の快楽の匂いと、『よしのん』の台詞から自分がやるべき事を察したのだろう。位置関係的に仕方ない事かもしれないが、自ら七罪の股下に顔を埋め積極的に動いていた。
「ははは。良い表情してるな、七罪? ほら、お前も舐めてお返ししてやれよ?」
「や……ぁ……ちょ、むりぃ……!」
士道の言葉に対し、七罪は蕩け切った声を返してくる。
四糸乃の顔に跨るような状態から必死に抜け出そうとしているものの、四糸乃の神がかり的な舌使いによって腰砕けにされており、全く逃れる事ができていない。むしろ四糸乃の口元に更に押し付ける形で身体が脱力しており、そのせいで余計に濃密な愛撫を受けて喘いでいた。
「おいおい、これはお前へのお仕置きでもあるんだぞ? やらないなら、もっとキツイお仕置きをしてやらないとな?」
ニヤリと笑った後、士道は四糸乃の顔が股下に来る位置へと動いた。つまりそれは正面にうつ伏せでビクビクしている七罪の身体が来るという事。
濃厚かつ濃密な少女同士の絡みにいい加減士道は暴発しかねなかったので、お仕置きと称してそろそろ気持ち良くさせてもらう事にした。なので七罪の小ぶりなお尻を掴むと、四糸乃に激しい口付けをされまくって尋常でないくらいに濡れている下の唇へ、自らの脈動する半身を宛がい――
「ひぇ!? や、待って!? い、今入れられたら――うあああぁぁぁぁぁっ!!」
動けない身体で逃げ出そうとした所に、ズブリと突き入れた。やはり想像以上に濡れていたようでほとんど抵抗なく一気に内部へと沈み込み、同時に七罪は嬌声を上げて身体を痙攣させた。どうやら挿入だけで容易く絶頂を迎えたらしい。
「あ……士道さんの、匂いが……します……」
『なるほどねー。四糸乃と七罪ちゃんにお互いの大事なところを舐めさせながら、その上で突っ込んでズッコンバッコンするつもりなんだねー。士道くんったら良い趣味してるぅー?』
視覚を封じられているからか、四糸乃と『よしのん』は興奮した士道が垂れ流す雄の臭いで何となく状況を理解したらしい。それでも特に拒絶を見せない辺りはさすがの包容力と言うべきか。
「もうイったのか? 四糸乃に舐められて気持ち良くなったんだな、七罪?」
「い、言うなぁ、馬鹿ぁ……! んっ、ふうぅぅっ……!」
七罪は絶頂の余韻に身体を震わせていたものの、特に気にせずその柔らかいお尻を掴んで腰を振っていく。ついでに言葉でも嬲ってやると、呂律の回らない声と噛み締めた喘ぎが返ってくる。
どうやら一度絶頂を迎えてしまうほどに濡れそぼっているおかげで、士道が突けば突くほど感じてしまっているようだ。もちろん士道自身もしっかりと濡れた七罪の中は大変気持ちが良く、3Pの最中という事も相まって大いに興奮を煽られていた。
『ほーら、四糸乃ー。士道くんの士道くんと、七罪ちゃんの七罪ちゃんをたっぷり舐めてあげると良いよー? そうすれば二人とも気持ち良くなってくれるからさー?』
「ぁ……ちゅ……は、っ……」
「ひぃん!?」
「っ……!」
ひたすらに七罪の中へと腰を打ち付ける最中、『よしのん』に煽られた四糸乃が繋がりあう箇所を舌先で刺激してきた。ただでさえたっぷり愛されていた七罪にはかなり刺激が強かったようで、妙な喘ぎを上げて身体をびくりと震わせる。
士道自身も敏感になっている半身を刺激されて呻きかけたが、どちらかと言えば七罪が快楽によがる度に強くなる締め付けの方が気持ち良かった。尤もそれはそれとして、七罪に挿入しながら四糸乃に舌で奉仕されている現状は大いに興奮を煽られていたが。
『更にここでよしのんも参戦! くらえ、七罪ちゃん! よしのんソニックバイブ!』
「~~っ!!」
そして、ここで『よしのん』に渡していたバイブが猛威を振るう。あろうことか『よしのん』は高い駆動音を響かせ高速で振動するバイブを、七罪の下腹部へと無理やりに当て始めた。
ただでさえ士道に突き犯され、四糸乃に優しく舌で愛撫されている状態だというのに、ここで更に強烈な振動で刺激を与えられる三重苦。最早声も上げられないようで、七罪は身体をびくびくと痙攣させながら必死に逃れるような動きを取ろうとしていた。
「おっと。逃がさないぞ、七罪? たっぷり気持ち良くしてやるからな?」
『ぐりぐり~。ほーら、これが気持ち良いんでしょー? 正直になっちゃいなよー、七罪ちゃーん?』
「ちゅ……っ……ぁ……」
当然士道も『よしのん』も逃がす気など無く、士道がガッチリと七罪の腰を押さえつけるとより抉り込むようにバイブを当てていた。七罪の薄い腹越しに強い振動が伝わってくるので士道も大変気持ち良く、この快楽を手放せるわけがなかった。
「くっ……出すぞ、七罪っ!」
『はーい! ここで突き刺すようにぐいっと!』
溢れそうになる快楽に腰の動きを速めた事で、その動きに『よしのん』も士道の絶頂が近い事を察したらしい。強烈に振動するバイブの先端を、まるで士道の脈動するモノ目掛けて抉るように押し付けてきた。
もちろんそれは七罪の薄い腹越しに行われた行為であるが、その効果は絶大であり――
「あっ、あっ――やあああぁあぁぁぁぁああぁぁっ!!」
「う、くっ……ぁ……!」
士道が容赦なく中に注ぎ込んだ熱さと、下腹部に深く押し付けられた振動するバイブにより、七罪が身体を痙攣させて淫靡な悲鳴を上げた。
元々非常に気持ち良くなれる七罪の身体、それも今回は3Pで四糸乃に舌で奉仕されながら、なおかつ締めにバイブの振動を受けた上で迎えた最高の快楽。故に士道自身ちょっとびっくりするほどの快感と脱力感に襲われ、予想以上の量の白濁が繋がり合った箇所から零れた。
当然零れた白濁は重力に引かれ、そのまま下へと滴り落ちていく。一生懸命に奉仕していた、四糸乃の頬を汚す形で。
「ふあっ……!? こ、この匂い……士道さん、の……」
さすがに目と耳が塞がれていようと、放たれた精が放つ独特な臭気で分かってしまうらしい。四糸乃は驚いたようにそれだけ呟くと、顔を背けるどころかむしろ舌を伸ばして滴り落ちる白い液体を受け止めようとしていた。
実際士道が七罪の中をたっぷり汚していたモノを引き抜くと、どろりと溢れ出た粘性の高い白濁を四糸乃は一生懸命に受け止めてくれた。目隠しをされたまま大きく口を開け、咥内に滴り落ちた鼻をつく臭気の液体を少しずつ飲み干していく。
「ちゅ……はっ……ん、く……」
「あっ……っ……はぁ……!」
それが終われば、未だ快感の余韻に震える七罪の下の唇にも舌を這わせる。そのまま優しく口付けを交わすように、七罪の下腹部も綺麗に舌でお掃除していた。
最高の快楽の余韻に夢心地になっている所でそんな真似をされた七罪は、完全に蕩けた顔をして甘い声を上げていた。しかしあまりにも艶めかしい二人の光景に、士道の下半身は即座に元気を取り戻していく。
「……次は四糸乃の番だぞ? 覚悟しろよ?」
耳栓で聞こえていないが、雰囲気的にそう声をかける。そして七罪の髪を軽く手に取って匂いを楽しみつつ、場所を移動する。四糸乃の開かれた両脚の間、七罪が蕩けた表情を晒す場所へと。
目の前にそれはもう元気にそそり立った士道の一部が現れた事で、夢心地だった七罪の瞳に驚愕が走る。しかし苛烈な快楽攻めによって心がだいぶ素直になっているようで、さほど理性は戻らなかったようだ。士道が腰をゆっくりと前に突き出して行っても、目を背けたり嫌そうな顔をする事は無かった。
『おっと? 四糸乃の大事な所に触れるこの感触は……!』
「あ……んっ――!」
なのでそのまま、四糸乃の大いに濡れそぼった秘境を一気に貫く。びくんと四糸乃の身体が僅かに跳ね、開かれていた両脚が士道の背中に絡むように閉じた。
「ふうっ……ほら、七罪もしっかり舐めてくれよ?」
そして根元までじっくり捻じ込んだ後、士道の腹に顔を埋める形になっている七罪に呼びかける。
つい先ほどまでは畏れ多さと恥じらいで混乱していたのか全くやろうとしなかったが、たっぷりの愛情と快楽で理性を溶かしてやった今は別だ。
「ふあ……っ、ちゅ……」
「ん、やっ……! あ、ふああぁっ……!」
七罪は素直に四糸乃と士道の繋がる箇所に舌を這わせ、愛しそうに舐めてきた。嫌らしい水音が響く度、四糸乃の身体が痙攣するように跳ね回る。加えて士道を暖かく包み込む締め付けがその度に強まり、危うくおかしな声を漏らしそうになるほどだった。
『はいはい、士道くん。これでねちっこくやっちゃってー?』
その上『よしのん』がバイブを士道に差し出してくる。その意味は考えるまでも無い事だろう。普段は四糸乃にここまで酷い事などできないが、興奮やら快感やら幸福やらで理性が半ば吹っ飛んでいる士道は、最早止まることができなかった。
「ははっ。覚悟しろよ、四糸乃? たっぷり気持ち良くしてやるからな? 七罪、良い子だから四糸乃の大事な所、指で大きく開いてやってくれ」
「ううっ……ご、ごめんね……四糸乃ぉ……!」
バイブを受け取り、空いた方の手で七罪の頭を優しく撫でながらそう指示をする。
泣き言なのか懺悔なのか分からない言葉を甘い声音で零しながらも、七罪はその指示に従ってくれた。士道たちが繋がり合っている場所に両手の指を伸ばし、その入り口を左右に割り開く。そこに現れたのは柔肉の奥で小さく縮こまった、四糸乃のとても敏感で愛らしい部位。
士道はそれに向けて強烈に振動するバイブを向けると――
「あああぁああぁぁぁぁぁっ――!!」
グイっと押し付けながら、狂ったように腰を振って行くのだった。四糸乃の悲鳴染みた甘く激しい嬌声にほんの僅かな罪悪感と、それを遥かに上回る絶大な興奮を覚えながら。
「ふうっ……さすがに、ちょっとはしゃぎ過ぎたな」
たっぷりと二人にお仕置きを加え、士道がある程度満足した頃。ベッドに川の字で横になったは良いが、快楽に負けたのか疲労に負けたのか、四糸乃は糸が切れたように意識を失っていた。白い肌に球の汗を浮かべ、呼気が荒いままに気絶してしまったらしい。
七罪も汗だくな上に肩で息をしているが、そこは四糸乃よりも長く士道の激しさに耐えてきた経験の持ち主。多少辛そうだがしっかりと意識を保っていた。そして士道の発言に対して、ジトっとした可愛らしい目を向けてくる。
「ちょっと? アレがちょっとってレベルなの? 四糸乃、気絶してるんだけど?」
『――まーまー、そう士道くんを責めないであげてよー? 士道くんも男の子だし、興奮して我を忘れちゃうのも仕方ないよー』
「うわっ!? え、あ……よ、四糸乃……?」
士道が返事をする前に、『よしのん』がそう擁護しながら意識の無い四糸乃の顔を動かした。七罪は『よしのん』が四糸乃の身体を動かしている光景を初めて見たせいか、光の消え失せた四糸乃の瞳を見て若干腰が引けている。
確かにあの四糸乃の瞳から光が消えている光景は、ある種の恐ろしさを感じさせるものだろう。実際士道も慣れてはきたがまだ少し怖い。
「今は四糸乃の意識が無いから、よしのんが身体を動かしてる状態らしいぞ。時々こうやって四糸乃には聞かせられないような話をよしのんとしてるんだよ」
「そ、そう……何て言うかこう、洗脳されたみたいな目してるわね……いや、意識無いならそんな風になってても仕方ないけど……」
軽く状況説明をすると、七罪は胡乱気な瞳で様々な方向から四糸乃の顔を眺める。そんな七罪の顔の動きを、光の無い瞳で追う四糸乃の身体。
言われてみれば確かに洗脳や闇落ちした目に見えなくもない。尤も四糸乃ならそんな真似をしなくても士道についてきてくれそうな気がしないでも無いが。
『しっかし悔しいなー。まさか士道くんが全然驚いてくれないなんてさー。せっかく四糸乃が色々と考えて、七罪ちゃんに協力もしてもらって仕掛けた悪戯なのにさー?』
「それは……仕方ないだろ。確かにちょっと面食らったけど、コイツが四糸乃を傷つけると思うか?」
「そうね。四糸乃を傷つけるくらいなら首を掻き切って自害するわ」
実は予め知ってましたと答えられるわけもなく、士道は適当に誤魔化してみた。すると七罪が真顔で血生臭い肯定を返してくれたために、非常に説得力のある内容となった。ちょっと七罪の覚悟が決まりすぎている気がしなくもないが、そこは士道の誤魔化しをフォローしてくれているだけだと思いたい。
『うーん、それを言われると弱いなー。人選ミスだったかなー……?』
七罪のフォロー(たぶん)のおかげで、『よしのん』は割と簡単に信じてくれた。四糸乃の首を傾げさせ、『よしのん』本人も無い首を傾げているものの、それは疑っているからではなく人選を振り返り考えているが故の行動なのだろう。
とはいえ七罪以外なら考えられるのは琴里と美九しかおらず、美九に至っては今回の悪戯の作戦を練っている段階では士道たちとの関係に加わっていない。すると琴里しかいないわけだが、白い方は演技力に難がありそうなので駄目そうだ。黒い方なら意外と嵌り役だが、まさか<ラタトスク>司令官ともあろう琴里が精霊を恋敵認定して抹消に走るとも思えない。
結局のところ人選も間違っておらず、すぐに『よしのん』もふるふると首を振って考えるのを止めていた。
『でもでも、士道くんもこれで四糸乃がどれだけ本気かって事は分かってくれたよねー?』
「そりゃ、割とシャレにならない悪戯だったしなぁ……」
つい数時間前に見た芝居を思い浮かべ、思わず苦い顔をしてしまう。
アレは部屋の中で他に誰もいない状態で行ったからこそ悪戯レベルで済んでいるが、ご丁寧に血のりまで使っている事や、七罪の演技力も相まってかなり真に迫った一幕だった。何も知らない人物が実際にあの光景を目の当たりにすれば、確実に傷害事件だと断定する事だろう。
そして何より一番恐ろしいのは、そんな悪趣味な悪戯を主導したのが四糸乃だという事実。過保護な士道から脱却して、真に遠慮のない男女の関係を築きたいと強く願っているのがはっきりと分かってしまう。
それが嬉しくもあり、また同時に寂しくも感じてしまう辺り、やはり士道は本当に四糸乃に対して過保護なのだろう。
『ここらで士道くんもはっきり四糸乃に対するスタンスを変えないと、四糸乃の悪戯はどんどんエスカレートしちゃうよー? もーっとシャレにならない悪戯をして、士道くんを困らせるんじゃないかなー?』
「……何か脅されてる気分だな」
「実際脅されてるんだと思う……」
息がかかる距離まで顔を近付けてきた『よしのん』に脅迫気味にそう言われ、七罪が脅迫である事を肯定する。
要するに『そろそろ本格的に過保護な彼氏を止めなければ、四糸乃は更に度を越した悪戯に走るぞ』という警告染みた脅しなのだろう。実際に数時間前の七罪との一幕を公衆の面前でやられた場合、<ラタトスク>や琴里が、引いては士道が大いに困る事態になるのは間違いない。
『さあ、士道くん。今こそ子離れする時だよー? 無駄に優しく過保護に扱うのはやめて、士道くんのドロッドロの欲望を容赦なくぶつけちゃおうよー。四糸乃もそれを望んでるんだからさー?』
そうして悪魔の誘惑染みた囁きを零す『よしのん』。
士道としては今までも過保護にならないように頑張ってきたつもりだが、四糸乃たちからすればまだ望み通りとは言い難いものだったのだろう。ここは罪の意識も葛藤も捨て去り、むしろ四糸乃を道具のように扱うくらいの気概で接するべきなのかもしれない。
「……だよな。四糸乃だけ過保護に扱ってたら、七罪たちもいい気はしないだろうしな」
「え? いや、私は別に――むぐうっ!?」
『やっと心を決めてくれたんだね、士道くん? よしのんも嬉しいよー。これで四糸乃はもっともっと幸せになれるね!』
否定しようとした七罪の口を四糸乃の手が塞ぎ、『よしのん』が喜びにはしゃぎ躍る。
どうやら七罪としては四糸乃が特別扱いでも一向に構わないようだ。まあ四糸乃を神聖視している七罪からすれば当然の事だろう。とはいえこの場合は七罪が特殊なだけで、琴里辺りはまず間違いなく良い顔をしない。
『ところでー……士道くんはまだまだ満足してないよねー? もっと激しくヤりあって快楽を貪りたいんじゃなーい? ちょうどここに、士道くんになら何をされたって受け入れる覚悟と愛のある女の子がいるよー?』
士道が真に覚悟を決めた所で、『よしのん』がまるで話題を変えるようにそんな事を口にする。とはいえもちろん話題は変わっておらず、しっかり行動に移せと言外に語っていた。ご丁寧に四糸乃の身体を操り、迎え入れるように両手を広げさせている始末。
要するに四糸乃を起こして、士道自身が満足するまで相手をさせろというわけだ。すでに疲労か快感で意識を失ってしまった四糸乃に対して、そんな非道極まる真似を働く。それができれば『よしのん』も納得してくれるということだろう。
「……七罪、お前は部屋に戻ってくれ」
「えっ。マジで四糸乃を起こして続きをするわけ?」
巻き込まないよう退出を促すと、ギョッとした様子で尋ねてくる七罪。
あまり気は進まないがそれしか道は無かった。そこまでやれば、きっと四糸乃も満足して度を越した悪戯をしなくなるはずなのだから。そしてこれで、ついに四糸乃が望む関係を築けるはずなのだから。
「仕方ないだろ。四糸乃はそういう風に遠慮なく接して欲しいって思ってるんだからさ」
「自分の欲望を正当化するための誤魔化しにしか聞こえないけど、本当に四糸乃はそう思ってるから性質悪いわね……」
欲望を完全に満たしたいと思っているのも見抜かれているらしく、七罪は困惑と軽蔑が入り混じった表情で睨んでくる。
しかし士道としては欲望と四糸乃への想いの比率は三対七くらいの割合だ。欲望十割ならそもそも七罪を退出などさせず、そのまま二人纏めて頂いている。四糸乃をより喜ばせるために、わざわざ七罪を退出させるのだ。まるで用が済んだら帰らせているように思えて、これはこれで気分が悪いが。
「はあっ、しょうがないわね……」
幸い七罪も理解してくれたらしい。ため息を零しながらもベッドから起き上がると、ごそごそと身支度を始めていた。具体的にはパンツを履いて士道のシャツを羽織り、他の自分の衣服を集めて両手に抱えている。何故士道のシャツを羽織ったのかは謎だが、なかなかエッチな恰好なので文句は一切無かった。
「気を付けて四糸乃を抱きなさいよ? 琴里じゃないんだし、下手すると四糸乃の身体が壊れるわよ?」
「ああ、分かってる。それと、悪いな? 今夜は一緒に寝てやれなくて」
「別に良いわよ。今まで散々一緒に寝てたんだし、こういう時は譲らないと不公平でしょ」
別に良いと七罪は言うものの、少しだけ不満げな顔をしていた。これは後日その分の埋め合わせしてあげないといけないだろう。その可愛らしさに笑いつつ、士道は身体を起こして七罪の身体を引き寄せた。
「ありがとな、七罪。愛してるぞ」
「う、うん。私も、愛してる……んっ――」
愛を囁いた後、軽く口付ける。何だか誤魔化したようで少し罪悪感があったものの、七罪は嬉しそうに頬を緩ませていたので問題ないだろう。
そうして七罪は自らの衣服を抱え、意外にもしっかりした足取りで部屋を出て行った。多少激しい夜になったので少し心配だったのだが、あの様子だと要らぬ心配だったらしい。士道の激しさを少しずつ味わってきたからこその慣れというものなのだろうか。
何にせよ、これで部屋にいるのは二人(と一匹)のみ。士道は一瞬『よしのん』に視線を向けると、こくりと頷きを返されてから行動に移った。
「さて、と……四糸乃? 起きてくれ、四糸乃」
ぺちぺちと四糸乃の頬を優しく叩き、覚醒を促す。疲労困憊で眠っているところを起こすだけでも相当な罪悪感だったが、士道はこれを捻じ伏せて根性で四糸乃を起こそうとした。そもそもこれが琴里なら、起こすどころか寝たまま身体を使わせて貰うのは間違いない(その後、目を覚ました琴里に反撃されて襲われるまでがセット)。
「ぇ……あ……士道、さん……? おはよう、ございます……」
「ああ、おはよう。まだ夜だけどな」
心を痛めながら頬をぺちぺち叩いていると、ついに四糸乃が目を覚ました。ぼうっとした青い瞳が士道の顔を映した瞬間、花開くような微笑みが広がったのがまた胸を抉る。
「……あれ? 七罪さん、は?」
『七罪ちゃんならさっき士道くんがお部屋に運んで行ってあげたよー。四糸乃と同じでエッチが終わるなり疲れて寝ちゃったからねー』
「そう、なんだ……あれ? じゃあ、士道さんはどうして……?」
七罪の姿を探すように部屋の中を見回し、『よしのん』の説明を受けて今度は士道に疑問の目を向けてくる。
恐らく四糸乃としては、わざわざ七罪を部屋に運んで行った事が疑問なのだろう。そもそも士道は四糸乃たちと愛し合ったらいつもそのまま抱き合って寝ているし、それは3Pの後でも変わらない。
にも拘わらず、今回は七罪だけを部屋に運んで行った。四糸乃でなくとも不思議に思うのは当然の事だろう。しかしそれは、四糸乃をより喜ばせるための行動に繋がる布石なのだ。
「――四糸乃も七罪も途中で眠っちまったせいで、俺はまだ満足してないんだ。話を聞いた感じ今回の悪戯の主犯も四糸乃だし、責任取って俺が満足するまで付き合ってもらうぜ?」
「あっ……!」
そこまで口にして、士道は四糸乃を再びベッドに押し倒した。不意打ち染みた凶行に四糸乃は小さな喘ぎを上げ、その綺麗な青い髪が嫌らしく乱れながらベッドに広がる。
「もちろん、嫌って言ってもさせてもらうけどな?」
「っ……!」
『キャーッ! 士道くんったら鬼畜王! このままじゃ四糸乃が壊されちゃーう!』
すでに疲労困憊なのは理解していたが、それでもこれは四糸乃のため。故に士道は手にローターやらバイブやらを持った状態で、なるべく鬼畜っぽい感じの笑みを浮かべて続けた。今からもう一度これらを使って、疲れ切ったお前を攻めまくってやるぞと言外に語りながら。これには『よしのん』も大興奮ではしゃぎ回り、さすがの四糸乃も息を呑んでいた。
幾ら何でもやり過ぎだろうかと一瞬思ったものの、どうやらそれは間違いだったらしい。こんな状況だというのに、四糸乃はそれはもう幸せそうな、それでいて慈愛に溢れた微笑みを浮かべた。
「そんな事、言いません……士道さんの好きに、してください……」
そうして感動に打ち震えたような声音で、あまりにも愛情深い言葉をかけてくる。その青い瞳もまるで念願が叶った嬉しさに涙しそうなほど、潤みを帯びて揺れていた。今から疲労困憊の身体を更に苛め抜いてやろうとしているのに、心の底から嬉しそうな顔をしている。
四糸乃がこんな扱いを切望してしまうようになったのは、間違いなく過保護に扱っていた士道のせいだろう。そのツケを払うためにも、そして四糸乃が望む幸せを叶えてあげるためにも、ここで退くことなどできない。
「ああ、じゃあ遠慮なくやらせてもらうぜ。悪い子の四糸乃はもう俺の心のオアシスじゃないからな。もう今までみたいに優しくはしないから、覚悟しろよ?」
「はい……私は悪い子ですから、いっぱいお仕置きしてください。士道さん……」
こくりと頷き、全てを受け入れる微笑みを湛える四糸乃。
腹を決めた士道は罪悪感を飲み込んで、欲望のままに四糸乃を激しく攻め立てていった。まるで琴里を相手にしているかのように、嫌らしく情け容赦なく。
とはいえやはり無理が祟ったのだろう。全てが終わった途端に四糸乃は糸が切れたように意識を失い、目が覚めた後は身体を動かせない様子で、ほぼ一日中ベッドで安静にする事となった。しかしその表情はとても満足気であり、士道との関係を更に深い物にできた喜びを全身から放っていた。
罪悪感で何度か発狂しそうになったものの、何だかんだで士道自身も殻を破れた気分であり、実に清々しい心地だった。これで四糸乃の望み通りの関係になれたのなら、苦労した甲斐があるというものだ。
ただここまでほぼ九割方が『よしのん』の掌の上だった事を考えると、少々末恐ろしい気持ちになってしまうのだが。
早くデアクラに七罪実装して?
などという願望はさておき、お仕置きは終了です。ついに四糸乃は過保護な扱いから脱却しました。みんなのように士道さんと遠慮も壁も無い触れ合いが出来るはずなので、きっと喜んでいます。
はなしは変わりますが、ハーレム3Pって書くのなかなか難しいですねぇ。やっぱり4Pとかになったらもっと大変なんだろうか。くぎょうになりそうだけどその内書きたいなぁ……。
更新停止期間の執筆状況の進捗はどれくらいの頻度で活動報告に載せるべきか
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