やっぱり七罪の時と違ってやってることが少し違います。
あと微妙に3Pっぽくなりました。
どっちも9割方『よしのん』のせい。
何かちょっとおかしな仕上がりになってしまったので、あまり期待せずにどうぞ。
でも書いてて楽しかった……。
もともと士道はそこまで性欲旺盛というわけではなかった。
しかし七罪との一夜を経験してからというもの、妙に興奮することが多くなった。
今では週に四回で二日おき、七罪と四糸乃を順番にというハイペースでなければ抑えられない。
かといって自分の性欲を満たすことだけが理由ではないので、独りよがりなことはしない。
七罪や四糸乃も気持ち良くなるよう、喜んでくれるよう、愛情を以って接している。
だからこそ二人も、毎回恥じらいこそすれ嫌がりはしない。
だがそれでも、夜中になると抑えられなくなってくることがままある。
その時はちょうど七罪が士道の部屋を訪れているため、意外に鋭い七罪は事情を察して頼まなくともその夜遅くには何とかしてくれる。
具体的には、七罪が奉仕してくれるのだ。
今夜も七罪が対処してくれるので、付き合わせてしまう罪悪感に悩みつつも、士道は七罪の部屋へ向かっていた。
ちなみに身体を重ねない行為なら自室でもできるかと考えたので、一度して貰おうとしたことがあるのだが、その直前に琴里が宿題をやって欲しいという一段階上のお願いをしつつ入ってきたので、もう二度とやらないことにした。
部屋の前に辿りつき、習慣で周りの様子を確かめてから扉を静かに開ける。
鍵がかかっていないのは、だいぶ前から真夜中には鍵を開けてもらっているからだ。
わざわざ出迎えて貰って一緒に寝室まで歩くのは居心地悪いことこの上なく、七罪の精神衛生上よろしくない。
だから七罪は寝室に待機していて、出迎えはしない。
そのはずだったのだが、玄関には人影があった。
『やー、こんばんはー士道くーん! 七罪ちゃんじゃなくてびっくりしたー?』
「こ、こんばんは……士道、さん……」
予想外にも、四糸乃と『よしのん』の姿が。
「えっ……あれ? ここ七罪の部屋……だよな?」
部屋を間違えたかと考える士道だが、すぐにそれはないと頭を振った。
そもそも二人の部屋は階も違うし位置も違う。
よほどぼーっとしていない限り間違える方が難しい。
『そーそー、七罪ちゃんの部屋で間違いないよー。でも今夜はお部屋を代わって貰ったんだよねー、士道くんを驚かせたくてさー』
「驚かせる? いや、確かに驚いたは驚いたけど……」
玄関に見知った人影があった程度なのだから、『よしのん』が期待するほど驚きはしない。
というよりも精々疑問に思った程度で、驚きに達するかは微妙なところだ。
まぁもし待ち構えていたのが琴里なら、死ぬほど驚いて腰を抜かす可能性もあっただろうが。
『驚くのはこれからだよー? 今夜は七罪ちゃんに代わって、四糸乃とよしのんがたーっぷりご奉仕してあげるんだからさー』
「は、はい……」
「四糸乃……たち、が?」
流石にこれには士道も目を丸くした。
四糸乃が奉仕してくれるというのも然ることながら、そこに『よしのん』が加わっていることも驚きだ。
そもそも『よしのん』はどうやって奉仕する気なのだろうか。
パペットが汚れるようなことをさせるのは、正直気分が悪いのでやらせたくない。
「それは確かに驚いたし、正直嬉しいんだけどさ。その……止めた方が良いんじゃないか? よしのんもそうだけど、四糸乃にもちょっとできそうにないぞ?」
心のオアシスである純真無垢な四糸乃に、そんなことができるようには思えない。
とはいえ七罪の名誉のために補足すると、できるからといって穢れているわけではない。
『あーん? 士道くんったらよしのんたちを見くびってるー?』
「い、いや、そういうわけじゃ……」
ガンをつけるように身を乗り出す『よしのん』。
見くびってもいないし馬鹿にしているわけでもないのだ。
どちらかといえば心配している。
『女の子は愛する人のためなら何だってできるんだよー? 士道くんだってそうでしょー?』
「は、はい……士道さんの、ためなら……!」
「俺は女じゃないからな、よしのん……?」
誰でも愛する人のためなら何でもできるし、何でもしてあげたいと思うだろう。
性別はともかく、それは士道も同じだ。
愛する人のためなら、例え自分の苦手なことでもしてあげたい。
それは一種の愛情表現なのだから。
『だから今夜はよしのんたちを信じて、身を任せてごらんよー? とびっきりの夢の世界に導いてあげるからさー』
「……ああ、分かった。でもできそうにないなら、途中で止めても良いからな?」
「は、はい……」
流石に愛情表現を断るほど野暮ではない。
少々心配だが、士道は四糸乃の愛情表現を受け入れることにした。
「……じゃあ、頼むな。四糸乃?」
士道と四糸乃は寝室に場所を移した。
ベッドに腰かけ、四糸乃の装いを眺める。
『よしのん』がいるので相当妖しい格好になるかと思いきや、意外にも普通の格好。
ローブのようにゆったりとしたピンク色のネグリジェだ。
裾は膝下まで、袖は手首まであり、幾つものリボンによって正面で留められている。
生地は滑らかだが透明ではなく、うっすらと透けているわけでもない。
どこからどう見ても純粋な可愛らしさを提供する衣装だ。
当然劣情を刺激するような妖しい色香を漂わせはしない。
これが四糸乃の妖しさを演出するための『よしのん』の采配であるなら、はっきり言って拍子抜けだ。
だが四糸乃には可愛らしい格好が似合うので、その点を引き立てるのには成功している。
きっと『よしのん』は妖しさではなく可愛らしさを優先したのだろう。
「は、はい……あの……が、頑張ります……」
暗い部屋でもはっきり分かるほど赤い顔で頷き、四糸乃は士道に身を寄せてきた。
緊張を映した瞳で、息がかかるほど近くから顔を覗き込んでくる。
煌く美しい蒼の瞳を見ていると、美しさに吸い寄せられていく感覚を覚える。
だが今回は四糸乃自らこちらとの距離を詰め――
「――っ」
――小さな唇を触れさせてきた。
瑞々しさに唇が何度も包みこまれ、柔らかく解される。
溢れる瑞々しさは唇の間を通り抜け、胸の奥にまで熱く溜まっていく。
「はっ……ん……ちゅ……っ」
士道は身体の力を抜き、全てを四糸乃に預けた。
七罪の時同様、自分の全てを相手に任せるのは悪くない気分だ。
されるがまま、唇の間から遠慮がちに挿し込まれた舌先も受け入れ――
「――っ!? ん、んんぅ!?」
――経験したことのない激しく情熱的な動きに目を見開いた。
その動きは最早舌を絡めるという言葉では足りない。
互いの舌が溶け合い、混ざり合っていると錯覚するほど激しい絡め方。
最早卑猥に思えるほど官能的な動き。
混乱を覚えて反射的に離れようとするも、四糸乃の熱い口付けからは逃れられない。
四糸乃と『よしのん』が二人で士道の首に腕を回し、拘束しているせいで。
「むぐ、ぅ……っ……!」
そのまま四糸乃に押し倒される形で後ろに倒れこんでしまう。
それでも壮絶な口付けは止まず、むしろより激しさを増していく。
口の中から唾液と共に意識まで吸い上げられている感覚。
身体から全ての力が失われ、頭の中が真っ白に染まっていく。
熱に浮かされた頭では抵抗するという選択肢がもう出てこない。
最早流し込まれる情熱に胸を焼き焦がされるしかなかった。
「――ふぁ……し……士道、さん……士道、さん……?」
「……あ……ああ、四糸乃……」
完全に虜となっていた士道は、四糸乃がキスを終えてもしばらく反応できなかった。
何度か呼びかけられてようやく我に返る。
不思議なことに上から見つめてくる四糸乃も、瞳に浮かぶ意思の光は不明瞭だ。
壮絶な口付けを行った張本人だというのに、士道と同じ反応を示している。
しかしあれほど熱い口付けを行えば無理も無い。
「よ、四糸乃……キス、上手いんだな……しばらく意識が飛ぶくらい……」
「あ……い、いえ……その……」
正直な感想を口にすると、何故か四糸乃は決まり悪そうに口元を押さえた。
そして視線を左手の『よしのん』に注ぎ、何度か士道との間で行き来させる。
まるで誉められるべきは自分ではなく、『よしのん』だとでも言うように。
そんな四糸乃の様子を目にして、士道は一つの可能性にいきついた。
「……まさか、今の……よしのん、なのか……?」
「は、はい……」
四糸乃は羨望の眼差しを『よしのん』に向けて頷く。
『よしのん』はいわば四糸乃の別人格。
喋る時は『よしのん』が四糸乃の口を使って腹話術で喋っている。
当然ながらその時複雑に舌を動かしているのは『よしのん』だ。
もしもキスの最中に腹話術の要領で舌を動かしたらどうなるか。
本人の技量にもよるだろうが、あれほど高度なキスも不可能ではない。
『あはははー、士道くんったらよしのんのテクニックにずいぶん感じちゃってたねー。そんなに気持ちよかったー?』
「あ、ああ。凄かったぞ、よしのん……正直、ちょっと嫉妬したな……」
『んふふー。やきもち焼かなくたって、すぐに士道くんもできるようになるよー。今からたっぷり身体に教えてあげるんだからさー?』
『よしのん』がいやらしい笑みを形作ると共に、四糸乃が再び顔を寄せてきた。
今度は唇ではなく、耳たぶに口付けられる。
「くっ……ぅ……ぁ!」
思いのほか敏感な部分を甘噛みされる、何とも言えぬむず痒さに覚える興奮。
耳元を襲う微かな喘ぎと卑猥な水音に、口からおかしな声が漏れてしまう。
むず痒さから逃れるように顔をそらすも、それは逆効果。
動きにつられて揺れる四糸乃の髪から、甘い香りが襲ってくる。
余計に興奮を煽られるだけで、抵抗は無意味だった。
やがて口付けの位置が首筋へと移り、刺激は更に広がっていく。
「んっ……ふぅ……は……ちゅ……」
潤んだ唇で肌を啄ばむ四糸乃。
そして四糸乃の舌先を動かし、絶妙にくすぐる『よしのん』。
不慣れでぎこちない四糸乃の動きを、妙に卓越した動きで『よしのん』がサポートしている。
無垢で純真な四糸乃には荷が重いかと危惧していたが、そのおかげで十分形になっていた。
「ふぁ……し、士道さん……えっ、と……あの……」
だがそれも最初の内のみ。
襟元から覗く鎖骨の間を責めていた四糸乃が、徐に羞恥と困惑に満ちた顔を上げた。
羞恥と緊張からくる混乱のせいか、次に取るべき行動が分からないようだ。
その初々しさにあろうことか興奮が塗りつぶされ、微笑ましい気持ちが胸に広がる。
自然と頬が緩み、士道はつい笑いを零してしまった。
「ははっ、やっぱり四糸乃にはちょっと早かったんじゃないか? 気持ちは嬉しいけど、また今度にしような?」
「あ……ぅ……」
やはり純真無垢な四糸乃には無理があった。
こんな最初の段階でつまずくようでは、最後まで到達できはしないだろう。
士道は身体の上で縮こまる四糸乃の頭を撫で、身を起そうとした。
『ちょーっと、待ったー!』
だがその途中で『よしのん』に突き飛ばされ、再び仰向けに倒された。
「よ、よしのん?」
『士道くんも決め付けるのは少し早いんじゃないかなー。四糸乃には士道くんが喜んで気持ちよくなれること、よしのんがたーっぷり仕込んでおいたんだよー? 的確な指示を出せばちゃーんと四糸乃にだってできるさー。よしのんも協力するしねー』
「た、たっぷり仕込んだって……一体何を吹き込んだんだよ?」
『んふふー、それはこれから身を以って味わわせてあげるよー。四糸乃ー、まずは士道くんの服を脱がせようねー』
「う、うん……し、失礼します……士道、さん……」
『よしのん』の指示に四糸乃は身体を起し、士道のシャツのボタンを外しにかかった。
馬乗りになられているので士道はその様子を下から見上げている。
困惑こそ消えたが表情は羞恥と焦りで埋め尽くされていて、相変わらず初々しいことこの上ない。
『よしのん』には悪いが、四糸乃本人にそんな高度な技術が実践できるとは思えなかった。
『さーて、士道くんは四糸乃のテクを疑ってるみたいだし、ちょーっと早いけど下の方に移させて貰おうかなー。最初はよしのん手を出さないから、教えた通りにやってみるんだよー?』
士道のシャツをはだけさせると、『よしのん』が新たな指示を出した。
四糸乃は頬を赤らめながら無言で頷くと、士道の下半身を見下ろす位置へと身体を動かす。
七罪の時の反省からベルトはしていないので、ズボンは容易く脱がされた。
やはり下着を下ろすのには抵抗があるらしく、四糸乃は指をかけたまま逡巡する。
やがて意を決したように思い切りよく、士道の下着を下ろした。
「……っ!」
露になった刺激の強い光景に、途端に四糸乃は目を丸くして俯いてしまう。
『おんやー? 士道くんったら四糸乃のこと疑ってたわりに、ずいぶん興奮しちゃってるねー?』
「そ、それは仕方ないだろ……あんなキスされれば当然だって」
反面、品定めするように顎に手を当て視線を注ぐ『よしのん』。
表面上はパペットの瞳を向けられているだけで、実際に見えているわけではない。
だが動きに生気がありすぎるため、そう簡単に割り切ることができなかった。
『まー、それもそっかー。よしのんが上手すぎるのがいけないんだよねー。じゃー四糸乃、頑張ってー?』
「う……うん……っ……!」
四糸乃は消え入りそうな頷きを返すと、耳まで赤く染まった顔を上げる。
その目と鼻の先にあるものは、さしずめ天を突くように伸びた大木。
主に『よしのん』に過剰な養分を与えられたおかげで、そんな表現が妥当な結果になっている。
健気にも四糸乃はそれを真っ直ぐと見据え、小さな右手を静かに伸ばす。
「っ……!」
「っ……よ、四糸乃……」
そして握るのではなく指先を滑らせる。
幹の状態を確かめるような繊細な動作で、上から下へ何度も緩慢に摩る。
本当に微かに触れるのみで、明確に触れようとはしない。
その焦らすような触れ方には、筆先でくすぐられるのに似たむず痒さを覚えた。
『そーそー、その調子。強さは士道くんの表情を見て判断すると良いよー?』
「……っ」
視線を外し、士道の表情を窺う四糸乃。
士道は予想外の刺激による呻きを抑えているのだから、表情は間違いなく快感に歪められている。
撫でる強さは問題ないと判断したらしく、すぐに視線を戻した。
そして今度は樹皮から下へ指を滑らせ、根に連なる実を撫でてくる。
やはり微かな触れ方で、曲線に沿ってなぞる。
それが悪いとは言わないが、いきなり握ってきた七罪とは大違いだった。
『四糸乃ー、そろそろ次行って良いよー?』
「し、士道さん……下手、だったら……言って、下さい……っ」
「っ!」
四糸乃はそう断ると、緊張に震えながら幹へと口付けてきた。
更には根やその下に繋がる実にも同様に口付けを行い、全体を満遍なく愛でていく。
瑞々しい唇が触れるたび、先刻を倍する刺激に見舞われる。
喘ぎを抑えるのが難しく、表情は自然と歪んでしまう。
その様子に多少安堵を覚えたらしい四糸乃は、ついに舌先を使い始めた。
「うぁっ! よ、四糸乃……っ!」
口付けの合間に舌先で微かに突付かれる。
生じる快感の鋭さと強さは、舌ではなく針で突付かれるのに近い。
おずおずと触れる怯えを孕んだその動きは、四糸乃本人の舌の動きである証明。
正確にはまだ舐められてもいない上、握られてもいない。
にも関わらず、最早快感は峠を迎える寸前にまで追い込まれていた。
『おーっと、ストーップ四糸乃……どうかな、士道くん? 納得してくれたかなー?』
「ぁ……あ、ああ……疑って悪かった……」
表情から昂ぶりを読み取ったらしい『よしのん』が制止する。
もう疑う気持ちは微塵も無い。
『よしのん』の技術もさることながら、それを伝授された四糸乃の技術も本物だ。
『分かってくれれば良いんだよー。それじゃーここからはもーっと気持ちよくしてあげるからねー? 四糸乃ー、ここからは二人で頑張ろうねー?』
「う、うん……」
勝ち誇るような声を上げ、『よしのん』が続きを促す。
四糸乃は小さく頷くと、再び奉仕に移った。
今度はその右手で幹を優しく包み込み、穏やかに揺らしていく。
それと同時に樹上を唇で食み、そちらを『よしのん』に任せる。
「う……くぅ……!」
樹木全体が燃え上がっているような尋常ならざる快感。
それと同時にどうしようもなく湧き上がる背徳感。
下半身に顔を埋め、懸命に奉仕する姿は四糸乃一人のもの。
だが手と舌の動きは別人のものだからこそ、目を閉じればもう一人そこにいるよう感じられる。
その錯覚による背徳感は肉体だけでなく、心の奥の暗い欲望すら満たしていく。
「っ……よ、四糸乃……っ!」
「っ、ぅ!!」
すでに昂ぶっていた士道は堪えきれず、身体と心の奥から快感を迸らせた。
直前に樹上をくわえ込んでいた四糸乃は、口内を苦い樹液に蹂躙され喉の奥から呻きを上げる。
反射的に硬く閉じた瞳の端には、吐き気を催したのか涙さえ滲んでいた。
「よ、四糸乃……無理、しなくて良い……っ!」
「む……ぅ……ぅく……」
それでも躊躇い無く受け入れ、喉の奥へ懸命に流し込んでいく。
同時に『よしのん』が得意の舌先の動きによる樹の手入れを行う。
樹から拭い取られた汚れを、再び四糸乃が受け入れる。
嫌悪感に耐えながらも、士道の全てを受け入れ奉仕する姿。
自分に対する深い愛情を改めて認識させられ、堪らなく四糸乃が愛しくなってくる。
「ふぁ……へ、平気、です……士道さんの、ため……ですから……」
瞳に涙を溜めながら、気丈にも微笑んで答える四糸乃。
徐々に自らも興奮を覚えてきたのか、緊張の薄い魅惑的な微笑みだった。
『はー……四糸乃、次はアレだよー。でもその前に、まずは服を脱がないとねー?』
「う……うん……」
『よしのん』の言葉に頷くと、膝立ちとなって右手でネグリジェのリボンを上から解き始める。
焦らすように少しずつ、時間をかけて。
一つリボンが抜き取られるたび、その下の光景を目にすることができる期待に血が騒いでいく。
それを何度も味わわせるのが目的なのだろう。
四糸乃は恥じらいながら徐々に肌を露にしていった。
赤く色付いた鎖骨の間、うっすらとできた胸の谷間、小さな窪みのある腹部。
幾度も興奮を煽られた士道は、最早呼吸も忘れるほどに深く見入っていた。
全てのリボンを外し終えた四糸乃は、ショーツは脱がずに手を止める。
そしてネグリジェも脱ぎはせず、二の腕まで着崩すに留めた。
上には下着をつけておらず、白い膨らみは惜しげもなく晒されている。
脱ぎかけの可愛らしい衣装と、その下で露になる艶かしい肢体。
そのアンバランスさが醸し出す魅力は、裸よりも堪らない悩ましさに溢れていた。
魅力に目を釘付けにされる中、四糸乃は士道の下半身へ身体を触れさせる。
自由な右手で樹木を下から押さえ、膨らみを上から押し当てる形で。
『士道くんこれが好きなんだよねー? 小さい子にして貰うのが好きだなんて、随分とマニアックな趣味だよねー』
「な、何でそんなこと知って……っ!」
『そんなの七罪ちゃんに聞いたからに決まってるじゃなーい。一緒にいると胸ばっかり触られるって言ってたよー?』
「あいつ、何でそんな話してんだよ……ぅ!」
『よしのん』の軽口に答える最中、四糸乃は胸を擦り付けるようにして奉仕する。
右手と自身の柔らかな膨らみで樹木を挟み、身体全体を動かして扱く。
両手で押さえられないハンデを補ってあまりある強い圧迫感。
反面横から包み込む乳房は、僅かな隙間を埋めてしまうほどに柔らかい。
「ちゅ……ふぁ……ぅ……」
「ぅ、くっ……!」
同時に樹上が『よしのん』に舌先でくすぐられる。
胸元を擦り付けながらという難しい状態にも関わらず、その舌技は衰えない。
時に粘膜を静かに突付き回し、時に粘膜を剥ぎ取るかのごとく激しく舐める。
幹を襲う柔らかで穏やかな刺激。
樹上を襲う鋭く強い刺激。
二人がもたらす種類の違う快感は、あまりにも強烈で抑えきれなかった。
「っ、うぅ!」
「ふあっ……!」
飛び散る精が四糸乃の顔を下から汚す。
やはり生理的な嫌悪感を捨てきれないらしく、硬く瞳を閉ざし縮こまっている。
だがすぐに目蓋を開け、自らに放たれた精を四糸乃本人が舌で集め始めた。
頬を伝って零れる白い汚れも、自らの右手に纏わりついた汚れも。
士道の半身や下腹部についた汚れも、子猫がするような舌使いで小さく舐め取っていく。
瞳に涙を溜めるほど辛いというのに、愛する士道のために必死に堪えて。
一瞬の快感で静まった胸の中は、その愛で熱く満たされていった。
「四糸乃……愛してる……」
「私も、愛してます……士道、さん……」
胸の中から自然と零れた愛の言葉に、四糸乃は緊張の消えた艶やかな微笑みを返す。
そして『よしのん』の指示無しに身体を起し、もう一度膝立ちになった。
今度は淡い水色の下着へと右手を下ろし、脱ぐと見せかけ縁のフリルをなぞっていく。
やがて細い指は腰元へと移り、リボン状に結ばれた結び目を弄り更に焦らす。
胸を踊らす扇情的な仕草を演出するその姿は、とても四糸乃のものとは思えなかった。
「よ、四糸乃……た、頼む……」
最早焦らしに耐えられず懇願してしまう。
ここで更に焦らすこともあり得るが、四糸乃は意地悪なわけではない。
愛しさに溢れた微笑みを浮かべると、リボンの端を摘んで静かに緩めていった。
同時に反対側を『よしのん』が緩めていく。
息を呑んでその光景を見つめる中、解かれた結び目が役目を終えた。
薄布が舞い落ち、覆い隠されていたなだらかな雪原の美しさが露となる。
羽織る桃色のネグリジェに華やかな印象を与えられた四糸乃の身体は、溜息が出るほどに美しかった。
『よしのん』が可愛らしい普通の格好に拘ったのは、こういった理由があったのだろう。
「……っ、う! ふ、うぅ……!」
静かに腰を落とし、士道と繋がりを作っていく四糸乃。
自身の下腹部を押し広げられる痛みに、呻きを噛み殺している。
士道も呻きを噛み殺すが、感じているのは痛みとは正反対のもの。
四糸乃は身を捩りながら耐え忍び、根元までも受け入れた。
その状態を維持しながら、士道の頭の両脇に『よしのん』と共に手を突く。
興奮に染まった蒼い瞳を、士道と真っ直ぐ合わせながら。
『士道くん、目を離しちゃもったいないからねー? これから四糸乃のイケナイ顔が見られるんだからさー』
耳の横で『よしのん』がもぞもぞと動いた。
それを合図に、四糸乃は静かに腰を動かし始める。
「あ、う……! は、あぁ……っ! んっ、うぅ……!」
瑞々しい喘ぎを漏らしながら、徐々に動きを早めていく。
動きに合わせて美しい長髪が、風になびくように風情を映して揺れる。
その美しさとは裏腹に、七罪より一回り大きな膨らみが揺れる様はいやらしいことこの上ない。
これが奉仕の最中でなければ、鷲掴みにされ食らいつかれても文句は言えない。
「し、士道さんっ! わ、私っ! か、感じ、ちゃってる! え、エッチな子、です! うぁ、あぁ!」
喘ぎを必死に押さえ込み、『よしのん』に指示されたであろう台詞を口にする四糸乃。
目と鼻の先にある四糸乃の純真な面差しは、生み出される快感にいやらしく乱れている。
瞳孔は完全に開ききり、喘ぎを漏らす口からはだらしなく唾液が零れそうだ。
だがそれは無理もないことだった。
上下に、あるいは前後に揺らす身体の動きの激しさは、士道が行うそれとほとんど大差ないのだから。
「だ、だからっ! わっ、私に! おしおきっ、してっ、くださいっ! あっ、ふあぁ!」
汚れとは無縁の四糸乃が浮かべる、途方も無い背徳感漂う淫らな表情。
そんな自分を自ら貶める四糸乃の叫び。
それらは四糸乃に対して抱けないはずの、嗜虐心を溢れさせるほどの興奮を覚えさせた。
淫らな声と淫らな姿が快感に掛け合わされ、士道は容易く限界を迎えた。
「くっ、うぅ……よ、四糸乃!」
「あぁっ! うあっ、あぁぁ――ふあああああぁぁぁぁ!!」
限界を超えた分の快感と興奮が注がれ、四糸乃はそのおしおきに強く身を震わせ叫ぶ。
達する直前に浮かんだ蕩けそうな妖しい笑みは、四糸乃に抱く清らかなイメージとはかけ離れたものだった。
「はっ……あ、ぁ……っ、ぁ……はぁっ……!」
身体の震えを抑えられず、腕の支えを崩して倒れこむ四糸乃。
よほど無理をしたのか胸の上で上がる呼吸は、乱れているのではなく過呼吸に近い。
未だ興奮の冷めやらぬ頭でも、その様子を心配する程度の理性はある。
士道は呼吸を補助するように、汗ばんだ背中を優しく撫で摩った。
「……四糸乃、ゆっくり深呼吸だ。無理に喋らなくて良いからな」
「はっ……はっ、ぁ……しっ……しど……っ……!」
それでも名を呼ぼうとする四糸乃。
士道はそれを遮るため、更に身体を抱きしめた。
伝わってくる心臓の鼓動は、発作でも起すのではないかと思えるほど早い。
呼吸と鼓動が平常に戻るまで、士道はひたすらに優しく背中を摩り続けた。
自分のためにここまで無理をした四糸乃の愛に、最早感動に近い喜びを感じながら。
「落ち着いた……みたいだな。ちょっと危なく思うくらいだったから心配したぞ、四糸乃?」
「は、はい……心配かけて、すみません……」
『やー、ごめんねー士道くん。本当は後五、六回続けようと思ってたんだけどさー、四糸乃の体力は計算に入れてなかったよー』
数分後、会話ができる程度には四糸乃も落ち着いた。
お返しにこちらも奉仕しようと思っていたのだが、これ以上四糸乃の身体に負担をかけるべきではない。
数分の間に興奮の波も多少引いたので、今夜の秘め事はこれでお開きとすることにした。
肉体的には中途半端で満足しきれていないものの、心の中は四糸乃の愛で十分すぎるほど満たされている。
『それでー? 四糸乃とよしのんのご奉仕はどうだったのかなー、士道くん?』
「ああ。言った通りの凄いテクニックだった。疑ってごめんな、二人とも?」
正直な感想を述べると共に、腕の中で不安げに眉を寄せていた四糸乃に笑いかける。
安心したらしい四糸乃は、深く溜息をついて額を胸にくっつけてきた。
『だよねー! 四糸乃とよしのんが力を合わせたんだから、当然の結果だよねー!』
「確かにそうだけど、もう四糸乃にはやらせない方が良いかもしれないぞ? 凄く上手かったけど、相当きつかったんだろ?」
「あ、その……そんなこと……ない、です……」
健気にそう答えつつも、嘘をつけない正直な顔を俯いて隠す四糸乃。
やはり四糸乃自身も無理をしたと分かっているのだろう。
嘘をついたおしおきにその頭に少し強めに手を置き、そのまま髪を梳いてやる。
「……俺のために頑張ってやってくれるのは嬉しいけど、辛いのを我慢してまでやらなくて良いんだよ。四糸乃が辛い思いしてるところを見るのは、正直胸が痛い。四糸乃は俺が辛そうにしてるとこ見て、嬉しいか?」
逆の立場での思いを尋ねると、四糸乃は何の迷いも無く首を横に振った。
「嬉しく、ないです……」
「じゃあ、分かってくれるよな? もう辛いの我慢しないって、約束してくれ」
「は、はい……約束、します……」
頷きつつも腑に落ちない表情を浮かべている四糸乃。
そんな子ではないはずだが、念を押しておかなければ約束を破るかもしれない。
「約束破ったらおしおきだからな、四糸乃? その時はまたお尻叩いてやるぞ?」
「っ! は、はい……分かり、ました……」
『んー、それはおしおきじゃないなー……』
四糸乃は赤面して不思議なまでに素直に頷く。
『よしのん』の呟きが指し示すとおり、本当におしおきになるのか怪しい反応だ。
まさかそういうプレイだと勘違いしているのではないだろうか。
もしそうだとしても四糸乃相手にそのプレイは気が乗らない。
仮に無条件で行えるとするなら、相応しい相手は四糸乃ではなく――
『ねーねー士道くん、七罪ちゃんの時とどっちが気持ちよかったー?』
邪な想像をしていると、『よしのん』が再び感想を尋ねてきた。
所詮想像で意味が無かったので、思考は途中で打ち切る。
「それは、まぁ……気持ちよさだけで言うと、四糸乃だよ。七罪はここまで上手くないし。けど一生懸命やってくれるから、別に気にならないんだけどな」
確かに四糸乃に比べると七罪の技術は劣るが、それだけだ。
士道のために一生懸命、愛情と思いやりを以って接してくれる。
その点では七罪も四糸乃に負けていないので、どちらが良いかというのは一概には決められない。
まぁもちろん上手いに越したことはないが。
『あー、やっぱりー? じゃあ後で七罪ちゃんにも仕込んでおいてあげるよー。そうすれば三人で士道くんにご奉仕することができるから、もーっと楽しめるんじゃないかなー?』
「ははっ、俺もう良い死に方できないだろうな……」
『よしのん』の楽しそうな声が頭に響く。
段々とそれが死神の笑い声に聞こえてきたのは、自分が紛れも無い罪人であると自覚しているからだろう。
もっとも今更改めても遅いし、無かったことにできるわけでもない。
冥府魔道を絶賛落下中の士道には、期待に胸を膨らませるという選択肢しか存在しなかった。
『どーう、士道くん? その時のために何かリクエストあるー?』
「……そういう話は、またいつかな? 今はゆっくり休もうぜ。四糸乃が疲れてるからさ」
なかなか興味深い話だが、四糸乃の身体の方が大事だ。
士道のために無理をしすぎたせいで、今にも眠りに落ちそうなほど衰弱しきっているのだから。
すでに意識が落ちかけているのか、先ほどから口数が少なくなっている。
『よしのん』もこの様子では仕方ないと思ったらしく、すぐに頷いた。
『あー、そうみたいだねー……じゃあ最後にこれだけ言っておくよー。四糸乃も七罪ちゃんも、皆でするのはいつでもオーケーだからねー?』
「死んだらどこに行くんだろうな、俺……おやすみ、四糸乃。よしのん」
『よしのん』のとんでもない発言に、死後赴く場所を不安に思う士道。
悪寒を誤魔化すように二人の額に順番に口付け、耳元で甘く囁いた。
「はい……おやすみ……なさい……」
『んー、おやすみ士道くーん』
囁きに微笑みを蕩けさせた四糸乃が、士道の胸に顔を埋めてくる。
その所作一つだけとっても、どうしようもなく愛しさが沸く。
触れあう肌から伝わる温もりに、堪らなく幸せな気持ちを覚える。
この場合は正確には二人に該当するが、たった一人を相手に愛しあうだけでこれなのだ。
二人、もとい三人を相手にしたらどんな愛しさと幸せを覚えるのか。
そもそも汚れの無い愛しさと幸せを覚えられるのか。
堪らなく不安に思いながらも、やはり期待してしまう士道だった。
私は裸が好きですが、それ以上に着エロも大好物です!
特にワイシャツなどを羽織った前開きの状態や、サイハイソックスのみを履いた状態が堪らないね!
でも性器の名称を連呼させたり、怪しげな喘ぎを上げさせるのは好きじゃないので、今回はこんなのになりました。
たぶんこれからもこんな調子で続きます。
次は非エロ話の予定です。
早く色んなプレイが書きたいなぁ……ソフトSMとか、拘束プレイとか……まだ駄目だけど……。
更新停止期間の執筆状況の進捗はどれくらいの頻度で活動報告に載せるべきか
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