鈴仙たちから一連の話を聞いた霊夢達の空気は徐々に沈み切っていた。
何とか士気を上げようにも言葉が見つからない。
そんな中咲夜が、
「今は何とかすることを考えましょう」咲夜
そう言って皆を見回した。
それに続きレミリアも
「そうだよ、なんせこれだけの人数が相手だよ。熊もこの位の人数相手じゃあ太刀打ちできないわよ」レミリア
彼女も皆を元気にさせようとはするものの、その声に応えようとするものはなかった。
霊夢達は見てしまったんだ、熊がどのようにして人を食べるのか、その光景が今もまだ頭から離れないのだ。
トラやライオンみたいに喉を咬み切ってから食うんじゃなく、生きたまま内臓と皮をはがして食べる姿を、
また鈴仙達からの話では音もなく屋敷に入り込み悲鳴を上げる前に喉を潰して外部に音漏れをさせないようにしたという、
下手すると狼よりも頭がいいとみる。
こんな怪物相手に、とてもやる気など出るはずもない。
ましてや自分たちが食われる餌と見なされればなおさらである。
とそんな中、霊夢は。
「ここで身を潜めてもいずれ餌の順番が回ってくるのを待つだけだわ。今は、戦わないと。」霊夢
そう言って、座っていた腰を浮かし皆の前に立ってから、
「それじゃあこれから、この熊異変を解決させる為の討伐作戦を開始します!」霊夢
皆の前でそう宣言した。
集まったメンバーは、霊夢、魔理沙、アリス、紫、レミリア、咲夜、美鈴、小悪魔は紅魔館の屋敷の図書館でレミリアの妹フランドール・スカーレットと避難している。
いずれはそこも襲撃される可能性がある。
それから、パチュリーと鈴仙と永琳その他の仲間達5名まで含めると。
計15名が揃った。
霊夢はこのメンバーを班ごとに分けて、陸と空から仕掛ける作戦を発表した。
まず空を飛べるものは、霊夢と魔理沙と紫とレミリア。
それ以外の者は、陸から攻めることになった。
まず霊夢と魔理沙が空から魔法の森を捜索して、
咲夜とレミリアは、人間の里で奇襲を仕掛ける。
レミリアはコウモリなので里の屋敷の壁や天井に張り付いて待ち伏せるそうだ。
霊夢の話によると熊が出没したのは空間の歪があった場所から出現した可能性があるとみている。
もうあの時から悪夢は始まっていたのだ。
そこの異変は永遠亭と紅魔館の役10キロ離れた場所にある。洞窟状になっている森であり、そこから熊は魔法の森を根城にしている可能性があるとみた。
アリスは咲夜たちの護衛を担当。
パチュリーと美鈴は鈴仙一行らと一緒に魔法の森で奇襲を仕掛けるためそこで待ち伏せ。
それから紫は、空も飛べれば隙間をも使えるので魔理沙の話では林之助が武器を作る事を話していたことを聞き、
そこを襲撃された時の対処として香霖堂で用心棒をする流れとなった。この作戦が成功すれば林之助が作る武器は必要なくなるのだが。
「以上が今回の討伐作戦の概要よ何か質問はあるかしら」霊夢
霊夢はみんなの前でそれぞれが与えられた役目を言い終えて皆に質問を投げてよこした。
その中で一人の、いや一匹の兎が泣き腫らした目で、
「私は、一緒に過ごしてきた怜奈を食い殺したあの熊が憎い。敵を討ちたい」
そう言って立ち上がって。
「この作戦で私は行きます!」
その士気に皆は心を一つにして、
ついに人食い熊に反撃の狼煙を上げるのだった。