※この作品はR-18です。

東方羆嵐   作:宍戸靱

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第14話

・・

・・・

1906年

まだ日本が大正に入る一歩手前の明治時代。

 

広い夕焼けの空、

季節は秋。

人々は稲作を刈り自分たちの食料である米を栽培していた。

去年はイナゴの来襲を受けて大赤字になりその場に膝をついて悔しがる人々であふれていた。

今年は待ちに待った稲がイナゴにもやられずに育ってくれて人々は大喜び。

その地の人々は、

「山の神が俺たちに恵みを与えたにちげぇねぇ!」

「おうともさ!この調子だとイナゴ共はシカにでも食われちまったんだべ」

「違う違う、俺たちが去年食いつくしちまったんだってばよ」

男の一人がお腹を叩きながら大はしゃぎしていた。

「今晩は美味い酒が飲めるな!」

皆と笑いながらそんな話をしていた。

彼らはアイヌ人。

大自然が広がる北海道の地に存在する種族であり。

仲間とともに苦楽を共にしてきた人々である。

日本人とも交流できる場がこの時は北海道の地だけであった。

そんな彼らの様子を遠くから見ている動物がいた。

動物は3匹いた。

動物たちは人々が見渡せる山の斜めになっている木々から様子をうかがっていた。

動物は親子だった。

内2匹は子供であり幼い。

 

(ママ、あの人達は何やっているの)

(あれは生活するための食料をもって行ってるんだよ)

 

遠巻きに見ていた動物は羆だった。

羆の親子は食料を蓄えて冬眠の準備に取り掛かっている最中の出来事であった。

うち一匹はエゾ羆の赤ちゃん。問いかけたのはそのエゾ羆の方だ。

人と羆が共存する北海道では秋の風が彼らの身体を駆け抜けていった。

 

それから2年後の春の日、

冬眠から出てきた親子熊は北海道の自然を元気よく駆け回った。

よく遊びよく学んでいた。

その日は、春先に出てきたばかりで食料を母親熊は捕まえて子熊に分けるため目の前に丁度目の前に食べ頃のエゾジカがいた。

母親はエゾジカへと近付き、捕まえる前に相手は気付き猛烈なスピードで逃げていった。

その後を追ってシカに追いつきあっという間にとらえてしまった。

捉える時は抱きかかえてシカの動きを封じて抵抗する足を口でもぎ取り牙でお腹を裂き子熊に分け与えていた。

それからお互いに肉を食べて生活を送っていた。

 

それから半年経った頃に親子羆はマタギに追われていた。

母親が子熊を逃がして自分を囮にしてマタギを森の奥深くに誘いこみ襲撃を仕掛けようとしたのだが。

その事はすでにマタギが先を読んでおり母熊は自分が罠にはめられていることに気づかないまま。

ダァァァン!

一発で心臓を撃ち抜かれて子熊2匹を残してこの世を去った。

その様子を遠巻きに2匹の子熊が見ていた。

その日から彼らは人間に対して憎悪の感情を抱くようになった。

 

あれから、1年半4歳になった二匹の羆は共に生き共に暮らしている中で、

鮭などを取りに来てその数分後に川で同じく鮭を取りに来た人を背後から襲っては殺戮を繰り返していた。

一年に必ず人を殺しては冬眠の餌にしていた。

この時は記念すべき最初の人間狩り出会った、この日から人間の味を噛みしめて人間の行動パターンをを学習していったのであるすでにその時には、

人間に対する恐怖心は完璧になくなっていたことであろう。

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