岳さんたちは、連れ去られた繭さんを捜索しに森の中を歩いていた。
村人の村長と銃を持った猟師の藤原さん、
それから農業の人を3人、
上杉さんと桐野さん五十嵐さんの計6名で裏山から登っていったのである。
すると先頭の一人岳さんが
「しー、何かいるぞ」
背後で農業の今後の話をしている3人と村長に声をかけた。
岳さんから見て前方100mは離れてるであろう距離の向こうに真っ黒く若干赤茶けた色をした物体がこちらに背を向けている。
更に近ずくと、なんとその存在感にみな呆気にとられた。
その二の腕はたくましく筋肉が盛り上がっていた。
やがてその物体はこちらの存在に気付き、振り合えって岳さんたちの正面を向いた。
その顔は、まるで岩石のように張り付いていてこちらの出方を伺うため立ち上がった。
その立ち上がった姿は、大津波が襲うような錯覚すら覚えた。
遠くからでも分かる、
自分たちと隣接する距離に大体2メートルぐらいの木があるのだが、
熊の隣にもそれ以上の木がある。
立ち上がった熊の身長はそれよりも、大きかったのだ。
約1.5倍以上、
熊の身長は3メートルはあった。
すると猟師の藤原さんが前に出て相手に狙いを定めたら、
「グヴオオオオオオオオオ!!」巨大羆
吠えられて引き金をあさっての方角に引き絞ってしまった。
目と目を合わせた瞬間ビビってしまった、
そうこの熊は相手の心を見透かす術に長けている熊だった。
一睨みでもアウトなのにさらに吠えられれば狙いもあさっての方に行ってしまうのは当然のこと。
そして、震えた手つきで次弾を装填していると、
「き、来やがった!」
!?
「ハッ!ハッ!ハッ!」巨大羆
一踏み一踏みが大地を揺らす雪崩のような迫力に、
岳さんたちは一目散にその場を逃げ出した。
熊は走る速度は50キロ、走って逃げても追いつかれてしまうのだ。
だが熊は下り坂ではその能力を発揮することがなかなか出来ない、
幸いにも岳さんたちは下り坂になっていたため逃げきることが出来たのである。
登りはそれ以上に速い。
遅ればせながら現場に到着した霊夢たち、
だがそのときには熊も村人もいなかった。
霊夢達は辺りを捜索すると、木の下に何やら盛り上がっているものが見当たった。
それを霊夢たちは掘り起こしてみたするとそれは繭さんの手と足だった。
手は左手だけで足は膝下しか残っていなかった。
食いちぎられたところが日差しにテカっていた。
「っうわ、マジかよ、、、」魔理沙
魔理沙は顔を青ざめて、アリスは2、3歩後退して霊夢たちに背を向けて吐いた。
見つかったのは両足と左手。
それ以外は残っていなかった。
「これを人間の里にもって帰りましょう」霊夢
霊夢はそう言い。そうだなと魔理沙も同意した。
3人はそれぞれ繭さんのパーツを一人一つずつ布にくるんで人間の里に持ち帰っていったのである。
やがて日が沈み始める頃、霊夢達は岳さんに布にくるんだ手と足を渡した。
「繭、繭ううう、、。」
彼は繭さんの手を抱きしめると。
「これだけしか、とりかえせませんでした。すいません」霊夢
そう言って頭を下げる霊夢に、
「、、、んのための巫女ですか」
「え」霊夢
霊夢は顔を上げて相手の目を見た、
怒りのこもった眼をして、震え声で。
「あなたは、異変を解決するのが仕事なんですよね?じゃあこのざまは何ですか!一体何のための巫女なんですか!?」
そして彼は、
「今日、例の熊を見ました、危うく食われかけたのですよ!それでもあなたは来なかった、居る価値ないじゃないですか!?」
「おいお前!」魔理沙
「やめて魔理沙」霊夢
霊夢はそう言い、岳さんに掴みかかった魔理沙を制して。
「今夜、2人の通夜をします。どうか気をしっかり持ってください。」霊夢
そう言って再度頭を下げて。
「通夜が終わったら、二度と顔を見せないでください。」
それだけ言って彼は、霊夢たちから去っていったのであった。
「霊夢大丈夫か?」魔理沙
「ええ、大丈夫よ。」霊夢
「気にしないでね」アリス
魔理沙とアリスに励まされて気をしっかり持つ霊夢。
すると空間から
「やばいことになっているじゃ無い霊夢」少女
空間から現れた少女はそう言い、
「紫」霊夢
この少女は八雲紫、
もともと霊夢とは敵対同志だったんだけどひょんなことから仲間になる。
霊夢の幼い頃から知っているんだとか、いろいろ謎なのである。
そんな紫が、
「久々に博麗神社に行ってみたら誰もいなかったからこっち(人間の里)に来たのだけど、」紫
いっぱくおきに
「その様子だとよからぬことがもう起きてしまっているわね」紫
その険しい顔は、人食い妖怪が起こした幻想郷が闇に包まれて消滅する異変の時以来見せる表情をしていた。
そして霊夢たちは、事の成り行きと状況を説明した。
やがて紫は、
「その通夜、私も参加させてもらうわ」紫
そう言うと霊夢たちも同意した、
紫は心の中でこう思っていた。
(なんか、いやな感じがするわ、、、)
霊夢達には気づかれないように。