八幡「はあ。城廻先輩ほどの器量があれば、たいていの男ならイチコロですって。今やってる人気投票の途中結果もダントツの1位なんでしょ?もはやこの学校のクイーンじゃないですか。」
めぐり「あー。やっているのは知ってるよー。一色さん頑張ってるみたいだね!でも、へー。1位なんだー。知らなかったよー。」
八幡(はあ。本当にわかっているのだろうか。この人は。この学校の頂点の意味を。)
八幡「ふう。で?」
めぐり「何がー?」
めぐりは首をかしげる。
八幡(ぐっ。いちいち可愛い。)
八幡「俺が呼ばれた理由ですよ。用事があったんでしょ?」
めぐり「あー。実はちょっとお願いがあるんだー。お手伝いして頂きたいのですがー。ダメ?」
八幡「はあ。なんなりと。」
めぐり「比企谷くんは優しいね!ありがとう。」
八幡「はいはい。で?」
めぐり「実はある本を探しているんだ。だけど全く見つからなくってー。一緒に探してもらえないかなー?お礼は今度ランチ奢るからー。」
八幡「はいはい。じゃあ探しましょう。なんて題名なんですか?」
めぐり「わかんない。」
八幡「ん?じゃー著者名は?」
めぐり「わかんない。」
八幡「えっ?」
めぐり「えっ?」キョトン
八幡「えっと・・・。」
めぐり「あっ。ごめん。唯一の手がかりがこのセリフなんだよねー。」
めぐりはノートを開きそのセリフが書かれた一文を見せた。
八幡「はい?この一文だけで本を探せと?」
めぐり「だっ。大丈夫!この図書室にあるのは間違いないから!」
八幡「えっと・・・。」
めぐり「実は以前借りて読んだ事がある本なんだよねー。で、久々にすごく読みたくなっちゃったんだ。だけどタイトルも著者も忘れちゃって。」あはは
八幡(まったく。この人はどこか抜けてるんだよな。だけど憎めない。)
八幡「・・・ふう。わかりました。探しましょう。」
めぐり「ありがとー!さすが比企谷くん!」
八幡「はいはい。じゃあちょっとやってみます。」
八幡はスマホを取り出す。
めぐり「んー?」
八幡「あー。有名な本ならセリフを検索するだけで見つかるかもしれません。だから・・・。」
めぐり「えー?まさかー?」
めぐりは信じない。
だがおかまいなしに八幡はスマホでセリフを検索する。
八幡「よっと。わかりました。」
めぐり「えっ!?えっ!?嘘でしょー?」
八幡「タイトルは『郷愁のラベンダー畑』。著者はベンジャミン・ワトソン。ですね。」
めぐり「えっ!?タッ。タイトルそんなだった気がしてきたー!すごいっ!すごいよー比企谷くーん!」
めぐりは嬉しそうにはしゃぐ。
キャッキャッ
その様子はまるで幼女のようだった。
八幡(あーほんわかするー。家に持って帰って愛でたいなー。)
八幡「なのでー。」
八幡は立ち上がり本棚を探す。
その後をひょこひょことめぐりが追いて回る。
めぐりはまるで宝探しをしている幼女さながらキラキラと目を輝かせていた。
八幡はある本棚の前で立ち止まり、
八幡「この本棚のどこかですね。んー。」
めぐり「あっ!あれだー!」
めぐりは本棚の1番上の段を指差す。
八幡「あー。あれですね。ちょっと脚立借りてきます。」
めぐり「本当に見つかったー!すごーい!」
めぐりははしゃぐ。
八幡「よっと。」
借りてきた脚立を立てる八幡。
めぐり「ありがとー!ちょっと支えといてもらえるかなー?」
八幡「えっ?いや。俺が取りますよ。」
めぐり「いいよー。ありがとう!支えといてもらえればー。」
八幡「いや。あの。先輩スカートじゃないですか。」
めぐり「え?そうだけど。ダメ?」
八幡「いや。・・・パンツ見えちゃいますよ?」
めぐり「あ・・・。」
八幡(この人は本気で警戒心がなさすぎる。危なっかしいな。)
八幡はササっと脚立を登り本を手に取った。
八幡「はい。これであってますか?中身確認してください。ちょっと脚立返してきます。」
八幡はテキパキと脚立を片付ける。
めぐり「あっ。ありがとー。」
めぐりは少し顔が赤い。
八幡「どうでした?合ってました?」
2人は先ほどまで座っていた長机に戻ってきた。
めぐり「うん!合ってる!本当にありがとー!」
めぐりはまだ少し顔が赤い。
八幡「良かった。思っていたよりも早く見つかって。・・・あれ?」
めぐり「どっ。どうかした?」
八幡「いや城廻先輩なんだか顔が赤くないですか?風邪ひいてたりしません?」
めぐり「いや。これは。その。違うくて。」
八幡「ん?」
八幡(先輩テンパってる?)
めぐり「さっきはありがとう。」
八幡「え?」
めぐり「脚立・・・。」
八幡「え?ああ。はい。」
めぐり「私・・・。そのへん疎くてさ・・・。」
八幡「はい?」