各提督の矢矧のイメージと異なる可能性が大いにあるので、注意してお読みください。
特に重い内容もなく、いちゃいちゃしています。
連合艦隊司令長官である三笠元帥に見出され、横須賀に劣らない規模を誇る呉を任せられる。
同朋たちの期待に応え続け、若くして少将の座を与えられた傑物。
無辜の人々を愛し、彼等に託された希望と護国の願いを背負い、戦い続けるヒト。
そんな、英雄と持て囃されたりもする人が――私たちの提督だった。
「はい、おしまい」
その人に髪を梳いてもらう私は結構な不届き者じゃないだろうか? と思ったりもする。
しかも彼の寝室、更にいえば煎餅蒲団の上で、この後に致すコトは口に出せない。
折角やってもらったのに無意味にさせてしまうのが申し訳なかった。
矢矧は何とも言えない微妙な顔で両肩を縮ませる。
櫛を箱に収めた提督は目を細めて笑った。
「私が好きでしているんだからね、矢矧」
「それは知ってるわ。貴方って自分が偉い存在だって自覚ある?」
「あんまりないかな、うん。出来る限り対等な立場でいたいし、出来ることは何でもしてあげたい。どんなに些細な事でも役立てるなら喜んでしますとも」
「……ねえ訊きたいんだけど。そういう甘言、提督になる前から言ってたりするのかしら」
「流石に人は選ぶよ? 関わりがない相手にはしない。近しい者の貴女達だからこそだ」
ああ、くすぐったい――心がこそばゆくなる言葉を真っ直ぐ言わないで。
嬉しくて変人みたいに笑いそうになるから。
提督が髪を結び直すと、背中から八つ当たりするかのようにぶつかった。
難なく受け止めた彼の両手が前に回ってきて、あたたかく包み込んでくれる。
「もう……ふふふ」
人の幸せはこんなにも穏やかで優しい。
万人が求める幸福とは無縁な人生を送るだろうと諦観していたのに。
体験できて嬉しさ半分、厄介さ半分といったところ。
万が一にも選ばれた時はどうにかなってしまいそうで怖くもある。
「髪梳くの上手よね。手慣れてる」
艦娘になりたての頃、長髪なんて戦闘の邪魔になるだけだから切ろうとしたが、止めておいて良かったと今では思う。切らなかった理由は忘れてしまった。完膚なきまでに覚えていない。
凛々しい貴女によく似合ってる、とは後ろの青年の評価。
……思い出すのも恥ずかしい。
「髪の毛は女の人の命と言っても過言じゃないんだ。大切にしないと駄目だよ」
「洗髪に手間が懸かるだけの気もするけど?」
本気でそう感じてるならとっくの昔に切ってる。
矢矧の性格は百も承知の彼は「切らないで」と微苦笑しながらいった。
艦娘の容姿は成った瞬間から完成しているようなもので。
無論、変化するのは大切だ。永遠に変わらない事物などは存在し得ない。
だが提督は今のままで在って欲しいと願う。
純然たるお願い、理のない我が儘。
それを聞き出した矢矧は上機嫌に肩を揺らす。
「提督に梳かれるのは悪い気しないものね。いいわ、もう暫くはこのままでいてあげる」
「安心した。この髪を切ってしまうなんて勿体無い」
後ろで束ねた黒髪に口付けをされる。
じゃあ、と腕の中にいたまま身体を動かして。
海の底に沈んだって鮮明に思い出せるだろう――愛する人が目の前に。
人々の為、護国の為に造られた艦娘が恋愛に現を抜かすのは御法度なのだが。
真心から好きになった人には甘えたくもなる。
強いとか、カッコいいとか、神通なみとか。
何やかや言われる私だって一人の女の子なんだから。
短い逢瀬の時ぐらいは不届き者になったっていいじゃない。
軽く顔を上げて見つめ合うこと数秒、初めに口付けをしてきたのは提督。
「……ふぅん、ぁ、ん、ちゅく……」
強張りが僅かながらも残る矢矧の背中を摩り、触れるだけのキスを続けながら解いていく。
呼吸が苦しくならない頻度で緩やかに求める。
ときおり離れて、笑い合ったり、額をくっ付けたり、互いの手を握ったりした。
それで得られる性的な刺激はなくても想い合う心が知れる。
「っはぁ……ちゅ……んふふ。純朴な顔してコッチも上手よね、ほんと」
間違いなく私達が原因だけど。
波に流されるように導かれるのは悪い気分じゃなかった。
キスをする度、お呪いでもかけられたかのように身体が軽くなる。心臓は早鐘を打っているのに苦しくなくて水面に浮いている心地になってきた。
「……ん、っん……ぷちゅ……んく……っは……ぁ?」
提督は矢矧が慣れてきたのを見計らうと顎の下の辺りを両手で支える。
熱に浮かれた吐息を漏らし、少女は自分から舌を伸ばして彼の唇をつつく。
両手は胸板に短く伸ばされていて、その可憐な五指は喜悦に少しだけ震えており、次第に送られてくる唾液を飲み込めなくなってしまうが気にせず、濃密に舌を交じ合わせながら身体を熱く火照らせる。
「はぁ……はぅ……んん……」
鼻にかかった甘く艶めかしい声が耳朶を揺らす。
やがて昂りに耐えきれなくなったのか、襦袢が肩先の下まで、やや乱暴に下げられた。まろび出る乳房には薄っすらと汗が浮き上がっている。置行燈の光で光っているようにも見えた。
息も荒く、首筋に顔を押し付けて「触って」と乞う少女の艶々しさは毒と変わりない。
黒髪の清らかな芳香を匂い、暴れ出そうとする獣欲を抑制し、細い背中を片手で支えながら残った方で触れる。着物の上からでも豊満さが窺える胸は片手では余りあった。充血してきていた乳首を手の平が覆い、その刺激に矢矧の肩が跳ね、小さくも喉を鳴らす。
大丈夫?――とは確認しなかった。息の乱れが鎮まるのを待って指を沈ませていく。
感じる場所と加減を知り尽くした彼に弄られ、瑞々しい果実はみるみるうちに熟す。蕾はぷっくりと膨らみ、掠るだけでも快楽の電流が走るようになってしまう。
「提督の指……熱い……」
囁き声は心地よさげで見上げる眼は潤み切っている。
愛する人に委ねた肢体がさらに誘惑しようと色香を漂わせる。
軽巡矢矧の在り様を知る者がいれば我が目を疑いかねない有様。既知の一人である青年は想い堪らず、顔を引き寄せて唇を奪い、咥内に舌を蜘蛛のように巡らす。
「んぅぅ……ちゅる、んむ、ちゅむ、んくぁ……はぁぅっ……んんぅっ……!」
離れたかと思ったら、ほんの少しの間も置かずにもう一度。
乳房を揉む指にも力が入り、頭頂部を摘ままれる刺激は悲鳴を漏らしてしまいそうなほどだった。
それでも制止はしない。そう思う意思すら湧かない。視線と舌を絡み合わせながら続ける。
崩した脚の太腿を伝う液体の感触、正体を二人はそれぞれ考え、劣情を燃え立だせた。
矢矧は猛烈な羞恥心を堪え、快楽を求める本能に従って股に手を伸ばす。ショーツに隠されていない女陰は熱い汁をしたたらせ、予想していたよりもずっと早く受け入れる準備を終えていた。
今すぐにも押し倒して飲み込んでしまいたい――雌としての激しい欲求に駆られ、それを抑えようと中に指を突っ込む。グチャグチャと掻き回して、少しでも発散させようとした。
その間にも上の愛撫は続行されており、矢矧の痴態を目にした提督は尚のこと高まり、浴衣の下の逸物を隆起させる。垣間見た矢矧は呼吸の仕方を一瞬だけ忘れた。
心臓を握られたような圧迫感に耐えきれず、人差し指を限界まで突き刺してしまう。
「っ~~~~…………‼」
予期していなかった行為に頭は白く染まりかけ、縋りつくように身を彼に寄せた。
あふれ出る愛液を意識しないよう必死に努める。
だがもう、軽く達しただけで満たされるような状態ではなかった。
忙しない呼吸を繰り返し、臍から下を晒し出す。
秘所から、垂れる粘液が糸を引きながら布団に落ちた。童貞のように注視してしまって目を逸らす提督。矢矧はそんな彼の逸物を取り出した。しっかりと握った五指は愛液まみれである。それを塗りたくりつつ、先端や胴回りを撫でまわす。腺液が出るのに時間は然程かからなかった。
「提督……欲しいの……貴方のコレ、私のナカに……」
言いよどみ、赤面した顔を微笑ませて目前に寄せる。
殊勝に――けれども――貪欲な色欲に染まった瞳で見詰める。
「挿れてもいい?
矢矧は両手を肩に置く。
胸を露出させ、下半身も大部分を露わにし、我ながら破廉恥だと感心する。
欲しがるなら是非もない、と確かに頷いた提督は横になった。
上に乗った矢矧は彼のモノを掴み、物欲しそうに半開いた女陰にあてがう。火傷しそうなまでに熱い亀頭が入り込んだ瞬間、一気に腰を下ろし切った。
「はぁぁぁぁっっ…………んっくぅ……!」
鉄の棒じみた硬さを持つ剛直に貫かれ、期待以上の快感に背中が弓なりに逸れる。
膣を余すところなく満たされる多幸感に視界が白黒した。挿入を待ちわびていた膣内は喜びに打ち震える。また軽くイってしまったらしい。泥濘のようにぬかるんでいながら、万力のように強く締め上げる。
「どうしよう……やっぱりきもちいい……っ」
うわ言のように呟き、耳にした提督は腰を揺らして更に奥を突いた。
「ふぁん、っあ、はぁ……っ……わ、私がするんだから、勝手に動かないでよっ」
豊潤な肉体を肌で直接感じているのだから、言い分はこちらにもあるのだが、涙目でせがまれては聞き届けるしかない。「ごめんね」と謝罪の念を込めた口付けを額に。
撫でられた猫のように目を細め、見せつけるように真っ直ぐ躰を伸ばすと腰を上下に使い始める。思い思いに、好きなように擦り当てる。結合部からは水音と水気を帯びた肉がぶつかり合う、ぱん、ぱん、という小気味いい音とが混ざり合って室内に響き弾けた。
「あっ、ぅう、あぁぁ! やっ、あつ、い。熱くて、すごく硬い……!」
下手をすれば女子に見えかねない提督。なのにモノは不釣合いなまでに立派だった。初めて目にした時は、こんなモノが本当に入るのかと我が目を疑ったぐらいだ。
それが今では――最初もまるで痛くなかったが――自らが望んで上で腰を振るようになった。
提督の瞳に映る自分は何て破廉恥な顔を晒しているんだろう。真っ赤で、色気づいた喘ぎ声と唾液を零して、眉を至極気持ちよさそうに顰めて……恥ずかしいったらない。
そう客観的に考えて思考を保とうとしても、一つになれた悦びが強すぎて止まることができない。理性をかなぐり捨て本能のままに欲しがろうとしている。
「はぁん! あ、う……あっああぁ……! ていとくの……奥まで当たって、当たってっ……」
駄々っ子のように首を振り、膣道を幾度となく犯す肉棒を揉んで精を搾り取ろうとする。延々と滲み出る愛液と腺液のお陰で抵抗はなく、ペースは遅くなるどころか速まる一方であった。
矢矧の腰を支えていた提督は惜しみなく露出した乳房を持ち上げて揉む。柔らかく押し返す果実が指の間からこぼれる。なんて卑猥な光景。
嫌とは言われなかった。
桜色の蕾を痛くならない程度に摘まんで捻ねると、上で舞う少女の声が一段と蕩けてゆく。
乞われた通り動いていないが、逸物に与えられる快感は思っていた以上に激しい。腹の上で無我夢中に求めてくる矢矧の膣はどこまでも飲み込もうとし、決して離そうとしない。腺液が啜り上げられているような感覚すらあった。
そして視覚的にも充分すぎるものがある。豊満な肉体をした矢矧がとろんとした表情で揺れ動き、分け目も振らずに媚態を示しているのだ。普段の彼女とはあまりにもかけ離れている。昂らないワケがなかった。このまま耐え続ける自信はなく、じっともしていられない。
語りかけるような優しい語調で「矢矧」と呼ぶ。
彷徨っていた視線がこちらに注がれる。別人のような熱っぽい瞳に背筋がぞくりとした。
「私からも動いていいかな」
「……私が欲しいの?」
矢矧は美しさと嬉しみが入り混じった微笑みを以って。
「嬉しいわ……求めて。私を求めて。貴方の好きなように……愛してる」
前に傾いて呟き、戻ると抽迭を再開した。
もはや衣服の体を成していない襦袢は中途半端に残ったままだ。しかし、それが逆に扇情と背徳感を高めていた。相手の全部が見られる全裸も良いが、こちらにもある種の趣がある。
大胆にも腰を動かす彼女の美麗な髪は乱れ、汗で濡れて光り、鞭のようにしなって揺れる。
「はっ、あっん! ひっ、あっ、あっ! うあ……んんぅ!」
提督も加わることで激しくなり、ざらついた壁を摩擦されて、無意識に矢矧は下腹部に力を込める。受ける快楽がつよくなった肉棒は喜び善がって肥大化し、それを感じた膣が嬉しがるように脈動する。
終わりのない連鎖のような快楽に二人は深く溺れていた。互いの立場も忘却して求め合う姿は、普通の人間の恋人同士と変わらない。だからと云うべきか矢矧は情事が好きだった。ずっと続けていたいとすら思う。恋しているヒトと愛の海に浸っていたかった。
だって――自分が艦娘であることを、彼が提督であることを考えずにいられるから。
「ていとく……提督、提督っ……ていとく、ぅ……!」
もたらされる快感を素直に受け止める。口はうわ言のように彼を呼びつづけ、下手な睦言よりも甘い誘惑となる。応える提督は逞しく力強い。子宮口を一直線で押し潰すように突き、たまらない衝撃に少女が声を高く張り上げる。先程まではリズム良く遣われていた腰も、今となっては鞠のようにトントン短く跳ねるばかりであった。両腕の力が弱まると必然的に段々と倒れていき、彼との距離が縮まる。
提督は迷わず見てくれていた。矢矧と同じように高まってくれていた。
「なかに、きて、きてぇ……!」
指輪を嵌めた左手で握り合い――奥の奥まで繋がる――それが合図になった。
「あ、ぅ……はぁあぁぁぁぁ――――っっんんんあぁ‼」
ひとたびの限界を迎えた男根が余りある精子を子宮内にたたきつける。
悲鳴じみた嬌声を延ばす矢矧は射精が終わるまでの長い間、自分の中を白く染め上げる精液で悦に入っていたが、明滅する視界でも倒れてしまわないよう必死に両腕を伸ばし続けた。
どれだけ続いたか、逸物が落ち着くと矢矧は惚けた表情で腰を揺する。ちゃぷちゃぷとお腹の中で液体が揺れる感覚。たくさん出されたのだから当然だ。孕むことのない艦娘が相手だからって遠慮がない。同時に一滴たりとも逃さないようとする自分にも呆れる。どこに溜め込んでいるのか不思議だった。
でも足りない、と果てなく続けたがっている自分がいた。むしろここからが本番だと。
「まだ……したいわ」
他所の鎮守府はどうしているのだろうか。精も根も搾り取られていないだろうか。
私たちの提督はこの通りなのだけど。
ふと浮かんだ疑念は、朱に染まった頬を掌に撫でられると共に流された。
「あ、あ……はぁ……くんんぅっ……あああっ、ひぅ、あんッ……!」
時計の長針が三度回っても情事は終わりを迎えていない。
体位も騎乗位のまま変わらず矢矧が上で腰を振り続けている。ぎこちなさを感じさせない動きは舞っているかのように滑らかである。大きな逸物を味わうように、熟した膣内を堪能させるように前後左右に回り、二人で続ける意思を示してからというもの、嬌声と抽迭の音はひっきりなしに立つままだ。
「ていとく……あ、あなたの……貴方のなんで、こんなにきもち……いいのよ……っ」
噛み締めた唇で紡がれる声は快楽に酔いしれていた。
絶頂はしており、射精も幾度となくされた。結合部の辺りは溢れ出し、掻き出された愛液と精液であますところなく汚れてしまった。それでも愛欲と性欲は満たされない。いや、満たされてはいるが後から後から注がれて零れているのだ。だから、矢矧は次へ次へと求めてしまう。
提督の肉棒を力いっぱいに締めつけて精液を誘引させてしまう。
「うんんぅ……またく、る……くるぅ……! あっ、ひぅ、あふあぁぁぁぁぁっ――‼」
臀部を赤い跡が残るぐらいに掴まれながら達し、背筋が強く痙攣する。
今回は堪え切れずに崩れて落ちてしまった。提督の逸物はまだ勃起しているのに。
そうなると使命感の衝動に突き動かされて再び起き上がった。
躰も心も蕩け切った為に淫靡な顔になっていたが、美麗さは損なわれていない。
提督も冷めやらない興奮に「後ろを向いてくれる?」と自分から提案した。
彼が言葉に出して求めてくれたことを嬉しがり、殊勝に頷いて従った矢矧は身を任せ、やや鋭い瞳を喜色に輝かせた。背面座位。後ろから支えられているので顔は見えないが、首を少し捻れば思うようにキスできる。愉しみでしかたなかった。いっそ気が狂ってしまいそうですらある。
提督の側頭部や首に両手を遣った。応えて彼も矢矧の乳房に手を滑らせ、形を変えさせる。膨らみの頂点を弄るのも忘れず、幸せそうに喘ぐ少女の膣をゆっくり揺らしはじめる。
「もう何回も出したのにっ……まだこんなに大きく滾ったままでっ。ふぁあん。すごい……提督の本当にすごいのっ。もっとほしい……さっきよりも深く私を愛してっ!」
高らかに言い臀部を押しつける。腰をくねらせる。豊かに実った女性部分を全部使って乞うて願い、提督は少女の首筋に吸い付き、花のように甘い匂いを嗅ぎながら速度を上げていく。
「そうっ、いいっ……! 奥までいれてっ、思いきり突いて!」
乱れに乱れ、あっと言う間に達して悶えても矢矧と提督は互いをより高めようと、無我夢中で動きを合わせる。抜ける寸前まで抜いて一息に突き入れたり、ごく短い間隔で叩きつけ合ったり、深度とリズムを自由自在に変化させていった。そうこうしている内にも時間は刻々と経過していたが当然、まぐわっている二人が気付く筈もなく、
「あはぁんっ! てーとくの、も、もう入らないのに、いっぱい出されて……ナカが溶けてしまいそうッ」
背面座位から、ずっと深く激しく交える後背位に体位を変化させていた。矢矧が快楽のあまり前に倒れてしまったからだが、結果的に性器への刺激は強まり、ただでさえ耐え難かったソレに気をやりそうになってしまう。
「あっ!? あっ――くぅぅぅぅッ‼ ひぃあっ!? あっ! あっ! あっ! んあぁぁ……‼」
括れた腰、形の整った乳白色の臀部、律動と共に大きく揺れる豊乳などを鷲掴んでいた提督は、今一度精液を胎内に放つと両腕をしっかり握って引っ張り上げる。
「っ、くふっ、っぅぅ‼ はふぁ……! ううぅんっ……やっ、あ、ふ、ひううぅッ」
肉棒の先端をこれ以上なく打ち込まれ、受け止めた膣内から湯水のように愛液が湧き出る。
「はぁぁあっ……! あ……あ、貴方っ……底なしに、も……ほどが、あるわよ……!」
艦娘の性欲が並ならぬものであるなら、提督の精力も尋常ならざる領域にあるだろう。
だいたいの男性が一、二回で打ち止めになるところを、十回以上出そうとも萎縮しない。どの艦種と比べても最も完成されていると評価しても良い大和が、朝まで通してやっても腰砕けにできなかったのだ。
「緩めようか」
耳打ちされる。抽迭とは真反対に凪いだ海のように落ち着いていた。
言葉よりも素直に躰が反応する。終わらせられるのは絶対に嫌だとでも云うかのように、蜜まみれの膣壁が逸物を吸引して覆いかぶさり責め上げる。強烈な締め上げに提督はこもった吐息を吐き出した。
「まだこれからなんだから、続け、て……くふっ、はぅ、はぁ……はぁ! ああぁぁぁ‼」
嬌声は甘さを増し、抽迭と水音の音を掻き消すように大きくなった。瞳から涙を絶えなく流し、口からは唾液を零す彼女に艦娘としての矜持は失われている。影も形もなく、此処にいるのは雌としか表現できない少女だった。
だが、そうなることを望んだのは本人で、後になって言い訳はしても後悔はしないだろう。
「あはっ! ん、んぅぅ、イってるのにぃ……やあぁぁ……!」
愛するつもりが、ほぼ一方的に愛されることになったのは少しだけ残念ではあったが、好きなヒトに乱暴に犯される快感は、正気で考えてみる時よりも何倍も魅力的で抗えない。
「くううぅぅ! ……ひぁっ……あ? んぷ、ちゅぷ……じゅる……んくぅ……んっんっっ」
前置きなしで抜かれ、どうしたのかと振り返れば口元に逸物を据えられた。嫌がらず喜色満面に含む。そして射精を促すように幹を擦れば、もう何回めかも分からない精液を放出された。喉を動かしてゴクンと嚥下し、途中で出すと胸元に白濁した液体を受け止める。粘性がある精液は中々流れず、矢矧は淫らな微笑みを浮かべて自身の乳房を両腕で挟み、四つん這いでじりじりと近寄る。
「まだ出し足りないでしょう……? 残らず出してちょうだい」
色欲に染まった少女の誘いに、青年の意思とは関係なしに肉棒が反応した。
もしも朝が来なければ、それこそ永延に求め合うのではないかと頭の片隅で思いながら。
二人は引き寄せられるように繋がる。
どこまでも、どこまでも、何回と致そうとも営みを終わらせようとしない。
「――子供ができたら名前はどんな風にする?」
身だしなみを整えて居間に移動したあと。
そこが定位置であるかのように提督のすぐ前に座り、また髪を梳かれている矢矧は問いかけた。何故かワイシャツを勝手に拝借している。曰く、清潔な匂いがするから気に入ったらしい。
別に構わないが、提督としては下着をちゃんと付けて欲しいものである。
上のボタンを外しているので魅惑的な谷間が視界に入ってしまうのだ。自覚してやっているから注意しても聞いてくれず、小悪魔のような目で寄せたりもしてくる。朝方の男の目には毒すぎる。
もう一度自分がケダモノになったらどうしてくれるのか。
一線を超えると途端に耐え難くなるのに。
提督は悶々とし、だが、それよりも深刻な質問に手が止まった。
「子供って。矢矧……もしかして貴女……」
「できたらの話よ。そんなに慌てなくてもいいでしょう? うふふ……なぁに。あんなに中に出しておいて、まさか私との子供は欲しくないって言うのかしら」
「いや――いや、全然そうじゃないっ。叶うなら、授かりたい」
自分が心置きなく……ではなく、妊娠の心配をしていないのは艦娘が孕むことがないからだ。厳密には妖精の協力があれば可能。なければ一〇〇パーセント懐妊しない。妖精たちが公言している事だ。
当然、協力を願う場合は提督の耳に入る事になっており、よもや内密で施す筈がないと信じていた。あまりにも自然体で言ってくるからどもってしまった。
とんでもない悪戯を成功させた少女は絶対『にこにこ』している。
見なくてもわかる。
「貴女の茶目っ気は好きだけど、デリケートな話題なんだから気を遣ってくれないか……」
背中に冷や汗が噴き出そうになったではないか。
「英雄は色を好むものじゃないの」
そう言って、彼が気にしている深海色の瞳を閉じさせた。
「誰が英雄なものですか。化物だって呼ばれたりもするのに」
呆れと安堵に溜め息。
しかし、子供、か。
自分と艦娘の、私と矢矧の子――本当に出来たらどんな風に成長するのだろうか。
少なくとも自分の臆病さは受け継いで欲しくない。
「つまらない嫉妬よ。で、想像してみた?」
顔が至近距離に迫っていた。
「貴方が許可をくれるなら、私はいつでも構わないわ」
「深海棲艦との戦争が続いている今、水雷戦隊の主戦力たる矢矧を外す訳にはいかない」
「じゃあ終われば?」
「覚悟は出来ているとも」
淀みない返答。満足げに矢矧は頷く。
「楽しみ。待っているわ。……ねえ、提督。私は今とても幸せよ?」
――今度こそ全てを護り切ってみせる。
それが生まれ変わった軽巡洋艦『矢矧』の新たな覚悟だった。
人体の万能性を得た艦娘ならば決して不可能ではない目標。
私は一人でも戦えるようになったのだから。
叶える為にも鍛錬は欠かさず、その努力は確かな結果を与えてくれた。
だが無論――誰かを失う覚悟はしていた。
どんなに強く願っても救い切れないものは現れて沈んでいく。
戦場に犠牲は付きものだ。子供だって理解できる常識だ。不可避の理だ。
なのに、提督の下では誰もいなくならない。
そればかりか増えていく。
かつての戦争では喪うばかりだったというのに。
翔鶴も大鳳も金剛も――大和も、みんなが生きている。
私の犠牲への覚悟は最善のカタチで裏切られた。
いまは未来への期待に満ち溢れている。
私にとって此処は楽園にも等しい。
「皆がいて、貴方がいて……これ以上の幸福はないって思えるぐらいに」
だから、お返しをしたいと想い、願うようになった。
他人の幸福を願い、他人に尽くそうとする貴方こそが。
提督ではなく、英雄でもなく――ましてや化物としてでもなく。
一人の人間として幸せになってほしい。
好きだから、愛しているから。
「――ありがとう、矢矧――」
提督にとっては。
その言葉こそが何にも勝るお礼だった。
自分は、ここにいてもいいのだと。