※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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キャ~~~~~!!!(萌)

タイトルからして、貴臣の秘密がバレるではないか~~!!


白い肌に刻まれた花びら

 

 

 

 

 

 

 朝がやってきて、窓から眩しい朝の日差しが入ってくる。

 

 

 小鳥の囀る泣き声も聞こえてきて、椿はゆっくりと目を開ける。

 

 

 「!!」 ………がばっ!!

 

 

 

 目を開けた先を見て、驚き、悲鳴をあげそうになって、慌てて口元を押さえる。

 

 

 目を見開いて、見つめる先には、愛しい貴臣が美しい寝顔があった。

 

 

 (た、貴臣…!! どうして、こ、ここに……!!

 

  …………き、昨日は、……ああ、思い出したわ。貴臣が私に逢いに来てくれたんだった。

 

  それから、色々あって………。

 

  一緒に寝てくれて……。)

 

 

 驚きで動悸が激しくなっていた椿は、徐々に落ち着いて、昨日の事が夢ではない事を確認して、ほっとした。

 

 それからは、含み笑いで昔もこうして、貴臣と一緒に寝た事があったな…と思い出していた。

 

 

 (そう言えば、昔、誠斗も一緒に3人で寝た時があったわね…。)

 

 

 今を思えば、懐かしい思い出を声を押し殺して笑っていた椿。

 

 

 そこに不意打ちで耳元に、優しくて芯まで響く声が降り注いでくる。

 

 

 「おはよう…。そんなに楽しそうな顔して、何を考えていたのかな…?

  僕の愛しい姫君は…。」

 

 

 「!! い、いきなり声を掛けないで! 貴臣…!」

 

 

 「あれ? 嫌だった?」

 

 

 「べ、別に嫌………じゃない………です………。

 

  で、でも突然すぎて、驚いたわ!!」

 

 

 「ははは…。ごめんね、椿ちゃん。 なら、今度はちゃんと君が起きていて向き合った時に、してあげるから。ね?」

 

 

 「も、もう……。 貴臣ってば…。」

 

 

 知恵熱がでそうなほど、顔が真っ赤になる椿は、ふと時計を見て、もうすぐ世良さんが起こしに来る時間だという事に気づき、慌てだす。

 

 

 「あ…! 貴臣、起きて!!

  世良さんが起こしに来てしまうわ!! 彼女が来たら、大げさに広められてしまう…!!」

 

 

 「ええ~~、僕はまだ椿ちゃんと居たいし、まだ『おはよう』って言われていないし、それに…、使用人の人達に僕たちの仲を公認してもらえれば、司さんも認めてもらえるかもしれないよ?」

 

 

 「え!? そ、そうかな?」

 

 

 「そうだよ、さ、僕が着替えるのを手伝ってあげるよ。」

 

 

 「だ、大丈夫よ。自分で着替えられるから。」

 

 

 

 

 

 

 

 好きな人の前で裸に近い姿を曝すことになるなんて…!!

 

 

 

 

 

 椿は動揺し、ベッドから起き上がって、近づいてくる貴臣をただ茫然と見るしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガシャッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おはようございま~~す!!

 

  お嬢~~!! 朝っすよ~~!! いい加減起きてくださ~~い!!」

 

 

 

 

 

 タイミングいいのか悪いのか、誠斗が窓からいつも通りに起こしにやってきた。

 

 

 悪気が一切なく、窓辺に座り、頭を掻く誠斗は罰が悪そうな顔で尋ねてくる。

 

 

 「………もしかして御取り込でした? それともこれから……」

 

 

 「いいえ!! 何もないわ!! ちょうどいい所に来てくれたわ!!誠斗、おはよう!!」

 

 

 先ほどまでの出来事を振り切るように、大げさな朝の挨拶をする椿に、誠斗と貴臣は黙り込む。

 

 誠斗は、二人の邪魔ができた事に若干嬉しさを感じつつ、見なくてよかったと安堵する。

 貴臣は、いい雰囲気を払拭されただけでなく、自分よりも先に椿に『おはよう』と声を掛けられたことで、この時ばかりは誠斗を羨ましいと感じるとともに、嫉妬するのだった。

 

 

 

 そんな二人の心境を知らない椿は、黙りこくった二人を交互に見て、首を傾げる。

 

 

 しかしすぐに普段通りに接するのが、二人の生きてきた経験が身体にしみついているからか…。

 

 何事もなかったように、笑顔でお互いに朝の挨拶を交わす。

 

 

 

 

 「あ、貴臣もおはよう…!

  またね、行ってらっしゃい!」 

 

 

 

 まるで人妻でもなったように、服を着て、整えて再び窓から降りていく貴臣を愛おしく、少し寂しさも滲ませた笑顔で見送る椿を、貴臣も手を振りながら、気付かれないようにそっと木陰に隠れて、山を下りて行った。

 

 

 姿が見えなくなったあともずっと見ていた椿の後ろを、誠斗は黙って、椿の今日の服を選び出し、ベッドに並べて準備していた。

 

 

 「お嬢、準備できましたよ。

  早く着替えてもらわないと、俺もお嬢の朝食の用意がありますので。

 

  まぁ、お嬢が朝食がいらないというのであれば、急がなくてもよろしいですが。」

 

 

 「誰もそんな事言ってないでしょ!?

  もう、誠斗はいつも意地悪ばかり!! 少しは貴臣を見習って、女性の心を掴む年強をしたらどうなの!!」

 

 

  グサッ!!

 

 

 「…………結構です。俺には必要のないもんですね。」

 

 

 「何でよ~~!! 誠斗だって、いつもでも面白がって、女性をからかってばかりいたらモテないし、好きな子も振り向いてもらえないわよ…?」

 

 

 グサッ!! グサッ!!

 

 

 

 「…………べ、別にいりませんよ。俺は今もこれからも、お嬢を護る事だけしか考えていませんし、それは一生変わりませんから…。」

 

 

 

 椿の何気ない言葉が誠斗の心に深く突いてくる。

 

 

 

 

 

 何もわかっていない…!!

 

 

 

 俺が好きなのは、椿だけだと言いたい!!

 

 

 

 

 

 でも、それを言えば、今の関係はあっさりと壊れてしまう…。

 

 身分も違い過ぎるし、何よりさっきまで貴臣と共に同じベッドで寝ていたのだ。

 

 自分が愛される可能性がない事も分かっている。

 

 これ以上傷を深くしたくない…。

 

 

 

 

 

 誠斗は、募る言葉を呑み込み、さっさと椿を着替えさせようと椿の服のボタンをはずしにかかる。

 

 

 「さぁ、早く支度してください。 折角世良さんと交代して、起こしに来たんですから。 

  それとも、あれを、世良さんに見られてもよかったんですか?

  間違いなく、司さんに伝わっていたぞ?」

 

 

 最後は、口調をいつも通りにし、呆れながら話す。

 

 

 「それは…、どうもありがとうございました…。」

 

 

 反論できないと大人しくなったところをすかさず、襟を開く。

 

 

 すると、誠斗の手が止まった。

 

 

 しばらくしても動こうとしない誠斗を訝しく感じ、椿が問いかける。

 

 

 「誠斗?どうしたの? 」

 

 

 「………お嬢、これは一体なんですか?」

 

 

 珍しく声が低く、怒気が含まれているように感じたが、何を言っているのかわからず、誠斗から放たれるプレッシャーで身体が震える。

 

 

 「な、なにが?」

 

 

 距離を取ろうとする椿を誠斗がお姫様抱っこして、姿鏡の前まで連れてくる。

 

 

 「自分の目で見てみろよ…。

 

  まったく…、何でそんなに無防備なんだ…!」

 

 

 怒りを含んだ声色と口調に少し恐怖を感じてながらも、言われたとおりに自分の身体を鏡で見ると…

 

 

 「え?………」

 

 

 椿の首元や胸の周りにいくつもの赤い点が白い肌に刻まれていた。

 

 

 まるで、花びらみたいに…。

 

 

 

 

 椿は無意識に手を首元に着いた赤い点に触れ、指でなぞっていく。顔を赤らめながら…。

 

 

 (きっと、私が寝ている時に貴臣が…!!)

 

 

 恥ずかしくて、顔が更に真っ赤になる椿。

 

 

 

 しかし、すぐに正反対に顔色を青くさせ、表情も強張る。

 

 

 

 

 「………そんなに嬉しいんだ? お嬢は…。」

 

 

 

 

 怒っている事が分かるほど表情に出ている誠斗の怒りで、椿は何かなんだかわからないで、恐怖で舌が動かない。

 

 

 (な、何で誠斗が怒っているのよ…!!)

 

 

 

 誠斗と椿は対面したままの睨み合いが始まった。

 

 

 

 

 




理屈では分かっていても、あからさまに嬉しそうな顔をすれば、…ね~。

気持ちは嘘はつかないし、腹が立つのは人として道理だね。

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