※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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こいつらを何とかすれば…!!


闇に潜む者同士

 

 

 

 

 

 

 倉庫内で殺気を放ちながら、身体を小刻みに揺らす覆面の男。その苛立ち様に下っ端だと思われる男共は皆ビクついて、視線を合わせまいとひたすら地面を見つめ続ける。彼らの心に今あるのは、不安や恐怖、そして死相からの脱出のみだ。苛立った自分達のボスの機嫌を損ねないように息も押し殺す。

 なぜなら、前に一度ボスの機嫌を損ねた同志がその場で自分達の目の前で八つ裂きに斬られたからだ。その際のボスの言葉を今でもはっきりと鮮明に覚えている。

 

 

 「ああ…、少しすっきりしたぜ…。」

 

 

 一言だけだった。その時の言葉と野獣のような冷たい牙を思わせる目と狂気な笑みに背筋が凍り、息をする事を忘れたほどだ。

 あんな経験をしたくない。それが彼らの共通する認識であり、この場の雰囲気を変える事が出来る人物の到着を神の救いを強請る信者のように待ちわびていた。

 

 

 「あのやろ~…! いつまでこの俺様を待たせているつもりだ!!」

 

 

 そして、それから数十分後、未だに来ない待ち人に痺れを切らした覆面の男は、近くにあった大人二人で運ぶような重さの袋を軽々と宙に放り投げ、愛用する刀を鞘から抜き、一刀両断する。中から、大量のピーナッツが溢れだし、雨のように地面に落ちていく。

 

 

 「さぁ……、お前ら、さっさとこれを食べろ…! 犬のようにな…!」

 

 

 そう命令すると、命が懸かっている彼らは、命令通りに地面に這い疼くなって、舌で舐めずり取ったり、一気に手で取ってリスのように頬一杯に詰め込んだりして、ピーナッツを食していく。それを見て、薄く唇を吊り上げ、思い切り彼らを見下し、鼻で笑い、おこぼれをもらう死に掛けの犬を見るように嘲笑うのだった。

 

 そこに…

 

 

 「主…。今は言動を控えておくべきかと思います。」

 

 

 あの覆面男の腹心の大柄な筋肉質の男が拝謁しながら、声を掛けてきた。その途端、静まっていた殺気が再び場に流れる。

 

 

 「……俺様に意見するのか?お前が? どんな目に遭ってもいいという事で捉えてもいいか?」

 

 

 愛刀に手を伸ばし、柄の部分を撫でる。

 

 部下達の間で緊張が走る。一瞬動きが止まるが、食べるのを止めれば、「誰が食べるなと言った…!?」…と逆鱗がこちらに向かうであろうという未来は想像に難くないため、手を動かす。そしてそのまま、二人と距離を取っていく。

 

 この緊迫した状況を顔色変えずにいる筋肉質な男は、主に許しを請う訳はなく、先程の話の続きをする。

 

 

 「はい、私めの話を聞いていただきたいと思います。主がここで騒ぎを起こせば、我々の存在が気づかれます。以前、潜り込ませた部下は処分済みなので、ここを巡回されれば、救援を呼ばれる事は必至。

  気付かれれば、斬ればいいと主はお思いになるでしょうが、今ここで警備員を殺せば、今回の件に甚大な損失を起こす要因になる可能性が高まります。

  それを回避するためにも、ここはお戯れは控えていただけると幸いです。

  ………これも我が主のためを思っての言葉です。」

 

 

 「………………」

 

 

 筋肉質な男に今にも斬りかかりそうな雰囲気と鋭いキレのある視線を向ける覆面の男に部下達は全身から嫌な汗を掻きながら、恐怖する。

 その沈黙が続いた後、覆面の下から含み笑いが聞こえてきた。

 

 

 「くくくははははははは…!

  お前の言う事も一理あるな…。わかった…。お前の言うとおり、戯れは止めておこう。…今はな。」

 

 

 「ありがとうございます、我が主。」

 

 

 「お前の事は評価しているからな…。だが、俺様に意見をする際は、時と場合を考えろよ…?」

 

 

 「仰せのままに。」

 

 

 先ほどの重苦しい空気が消え、命が縮まるような窮地から脱した部下達は心から安堵する。すると、覆面の男が筋肉質な男が持ってきた木箱の上に腰かけ、足を組み、倉庫の入り口に泣く子も黙りそうなギラギラとした視線を向けた。

 

 

 「……やっと来たか。入る機会を狙っていたのかってくらいに気持ちのいい登場だな…。……さすがに闇の中を生きてきただけはある。」

 

 

 そう話しかける覆面の男にいつの間に入ってきたのか、足音一つも出さずに近寄ってくる人物がいた。

 

 

 「それは褒め言葉として受け取っておこうではないか。しかし、お前も相変わらず人を見下した扱いするな~。」

 

 

 「それはあんたも同じだろう? 俺はまだ可愛い方だと思うがな…。あんたよりは。」

 

 

 「大して変わらないだろ? 結局は何であれ、邪魔なものは目の前から消すからな。」

 

 

 「そりゃそうだ、だがあんたの殺しは骨の髄までしゃぶりつくほどの執念を見せる…。それがあんたの本性であり、上り詰めた権力なんだろう?」

 

 

 「わ~~~~~わっわっわっわっわ!!

  言ってくれるではないか!…まぁ、お前が言う事はすべて正しい。そしてそれがこの世で優れた人物にだけ与えられた力である! 使うのは当然の権利だろうよ。」

 

 

 「仰る通りで。……ところで、あんたが直々に来て本当に平気なのかよ…?

  あんたは一方お偉いさんだぜ?」

 

 

 「いい。既に儂の力はこの日本帝国では頂点に輝いておるからな!今更蟻程度が挑んできたとしても、高みから踏み潰してやるだけだ。これがまた堪らんがな!わ~~~~~わっわっわっわっわ!!」

 

 

 

 お互いに人の悪い、歪んだ笑いをする中、闇に潜む者同士…、相まみえるのだった…。

 

 

 

 

 




覆面の男と一緒にいる男っていったい誰だ?
黒幕ですよ~~!!……多分?
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