※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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愛する人を思うが故…、


女の叫び

 

 

 

 

 司の極秘依頼を受けた翌日、誠斗は昼食の買い出しを兼て、聞き込みに行く。椿は早速司が手配した学者や教授から様々な学問の勉学を賜わっている所だ。椿本人は表面上では真面目にこなしているが、内心は”こんなに詰め込む必要あるの!?”と愚痴っていた。だから、昼食の買い出しに行くという誠斗に「御土産、期待しておりますわ。」と丁寧な口調と絶対買ってきなさいという圧力をかけた視線で誠斗を見送るのだった。誠斗はそれを了承し、部屋を後にしようとした。しかし椿に呼び止められ、振り返ると、椿が誠斗に顔を近づかせて、誠斗の服の袖を掴み、上目づかいでお願いする。

 

 

 「なるべく早く帰ってきてね…!」

 

 

 「………はいよ。」

 

 

 返事をして、すぐに部屋を出る。そして港町へと買い出しに出かける誠斗はかなりのご機嫌で、鼻歌を歌いながら向かった。

 

 

 港町に着いて、買い出し中でもご機嫌がよく、浮かれている誠斗を町の人々が目撃し、珍しい事があるもんだと凝視されていた。そんな誠斗だが、買い出ししながらでも、世間話に乗じて情報を集めていた。

 

 

 「いや~、いつもおすそ分けしてくれてありがとな!ばあちゃん。」

 

 

 「いいのよ。いつも助けてくれてるんだし、これくらいはさせておくれ。

  ところで、今日は誠斗ちゃん、元気いっぱいだね。なんかいいことあった?」

 

 

 「ま、まぁな。すっげーいい事かな! だから買い出し早く終えて、帰らねぇーといけねんだわ!」

 

 

 「ふふふ。そうかい。 なら、もう一つおまけしとくから、その子にも渡しておやり。」

 

 

 「………ありがとう。(そんなに顔に出てたか?)」

 

 

 出店のばあちゃんとの話も終え、買い出しを終わり、ある程度の情報もそれなりに手に入れたので、このまま帰ろうとした。しかし、通りで何か言い争いをしている声が聞こえ、既に野次馬がいる中へ割り込んでいく。

 すると、そこには、誠斗も馴染みがある自警隊の二人に女性が泣きながら、大声で訴えていた。

 

 

 「どうして! どうしてちゃんと調べてくれないのですか!? あの人があんな事をする人ではありません!! もう一度調べてみてください!!」

 

 

 「ですから、私たちにはもう捜査する権利がないんですよ!」

 

 

 「神戸から来た警察の方々にその事は仰ってください。」

 

 

 「そんなの詭弁だわっ!! そういって話を逸らすんでしょ!!?」

 

 

 女性が自警隊の一人の服を掴み、必死に訴える。

 

 会話の内容から今回の事件で逮捕された警備員の妻だろう。

 事件の事で自警隊に再捜査依頼している最中だった。しかし、妻の言い分に違和感を覚え、自警隊と下手人の妻に近寄る。

 

 

 「…すみません、よかったらその話聞かせてもらってもいいですか?」

 

 

 「あっ、あなたは…誠斗さん?」

 

 

 「誠斗!! 助かっ…、いえ、どうしてここに?」

 

 

 突然の誠斗の乱入に双方は驚くが、自警隊の方は誠斗の登場にホッとした。

 

 

 「大丈夫。まだ、神戸の警察に捜査権は移行されていませんから、自警隊が捜査することもできます。 まずは、奥さんが知る事を話してもらえませんか?」

 

 

 「は、はい!! お願いします!!」

 

 

 「ちょ、ちょっと! 誠斗!! 勝手に捜査をするのは!」

 

 

 妻を追い返してくれると思っていた自警隊の二人は妻と少し距離を置いて誠斗に小声で反論する。しかし、誠斗は二人に企みの笑みを浮かべながら、問う。

 

 

 「俺、買い出し中に聞いたんだけどさ。神戸の連中が我が者顔で港町を歩いているっていうじゃないか。挙句の果てに、自警隊を見下しているって。お前たちは悔しくないのか? この港町を守っているのは、奴らじゃない。お前たち、自警隊だぜ?

  なら、あいつらの悔しがる顔を見たいと思わないか? さっき言ったとおり、この殺人事件の捜査権は司様がまだ了承していないから、自警隊のもんだ。さぁ、どうする?」

 

 

 誠斗の言葉に二人は顔を見つめ合い、徐々に闘志を露わにする。誠斗が思っている以上に相当神戸の警察に言われたらしい。誠斗の誘惑するような、(実際に誘惑どころか誘導しているが)口調での言葉に乗せられて、妻に再捜査を開始する事を伝える。

 

 

 「では、こんな場所で立ち話もあれなんで。 あの店に入って、何か飲みながらでも?」

 

 

 そういって、近くの飲食店を指差す。妻はそれを了承し、自警隊の二人もちょうどお腹が減っていたようで、同じく別の意味で了承する。

 そして店の中に入り、個室を用意してもらい、料理を注文する。それまではお互い話をせず、料理がすべて来るまで待つ。料理といっても、誠斗と妻は飲み物だけを注文し、自警隊の二人だけが大盛りで料理を注文したのだが。

 注文した物が来て、ある程度食してから、妻の話を聞くため、誠斗が問いかける。

 

 

 「では、話を聞きますか。 奥さん、どうして再捜査をお願いしたのですか?

  あの事件は確かあなたの夫である警備員が自首したと耳にしたのですが?」

 

 

 誠斗の問いに、涙を必死に堪えながら強く訴える。

 

 

 「だって…! 夫があの人を殺す訳がないんですものっ!!

  あの日は…、夫は!! 非番でしたもの!!」

 

 

 妻の衝撃的な発言によって、個室の空気が一変した。

 

 

 (非番の警備員が警備部屋にいたというのか…?)

 

 

 思いもしない発言から、この事件の全容も一変する直感が誠斗に芽生え、詳しく聞くことにした。

 

 この事件は何かまだ隠れた謎がある…!

 

 

 

 




なんだと~~!!
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