※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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第二話目以来のメイド登場!!

「椿様の世話役のメイドです。名前はまだありません。年は20代とだけ言っておきます。」




見事な挨拶ですな~。


箱庭から…

 

 

 

 

 風や日差しが生暖かくなってきた初夏、港町では旬の魚を仕入れる為、漁業が活発に活きこんでいて、その日に獲れた瑞々しい魚は早速料理店や食堂で働く者達による壮絶な買い出しが横行し、港町の活気を更に盛り上げていた。

 

 そんな港町と同じく活きこんでいる少女が山奥の屋敷にもいた。港町の人々とは違った意気込だが、態度は彼らと変わりなく、はしゃいでいる。

 

 その少女、椿は顔の筋肉を緩ませながら、椿の世話役の使用人(メイド)と一緒に私服や衣装選びをしていた。

 女同士だからか服選びだけで、軽く二刻は経過していた。化粧用具にも話が進み、窓の淵に座って、ずっとその光景を見ている誠斗は正直飽きてきていた。

 

 

 なぜ、椿たちがこんなにはしゃぎながら服を選んでいるのかというと、神戸の方で華族達が集まる舞踏会が開かれるため、それに参加するためのドレスを選んでいたのだ。そしてその舞踏会が開かれる日の午後に華族の御曹司やお嬢様が集まるお茶会もあり、椿はそれに出席するための招待状ももらっていたのだった。

 

 久しぶりに外に出るし、遠出をするのは十数年ぶりだ。浮かれるなと言われても浮かれてしまうのは椿にとっては仕方のない事なのだ。

 

 それを十分にずっとそばで見てきた誠斗も理解しているため、椿が気が済むまで準備に没頭すればいいとみていたが、さすがに見飽きてきたというか何もする事がないため、暇を持て余していた。

 

 そうなると、意識は椿から窓の外へと向き、考え事をする誠斗。

 

 その考え事をする誠斗の顔は苦虫を噛み締めたような表情をしていたが、程よい時間帯での眩しい日差しでいつしかそのまま眠りにつく。

 

 

 

 それからどれだけ寝てしまったのだろう。気付けば、日も暮れて少し肌寒くなった。夜の風に当たり、目を覚ました誠斗はうっかり寝てしまった自分に後悔し、部屋の中を見ると、椿たちの姿はなかった。慌てて飛び立つと、自分の身体から何かがぱさっと床に落ちる。床に落ちた物を見ると、椿がいつも使っているシーツだった。そのシーツを拾い、ベッドに綺麗に戻しながら、何で俺に被っていたのかと考える。

 

 そして、それが終わり、辺りを見ると、選んでいた衣装があちこちに広げられて置かれていた。一応使用人の誠斗は早く片付けてから椿を探しに行こうと決め、衣装を片付け始めようとした時、ドアが開く。

 

 ドアが開いた先には椿と世話役(メイド)がいた。二人は誠斗の姿を見るなり、急ぎ足で誠斗に接近する。

 

 

 「誠斗、大丈夫!? よく眠れた?」

 

 

 「あまり動かれない方がよろしいかと。」

 

 

 「ああ…? どうしたんだ?二人とも。」

 

 

 二人のあまりにも押し気味の問いかけに誠斗はつい口調が本来のものになってしまう。

 

 

 「どうしたって…。誠斗…、声かけても全然目を覚まさないし、顔色も悪いしで心配したんだから!」

 

 

 少し目に涙を溜めて潤わせた目で誠斗を見つめる。その様子で自分が相当椿に心配させていたのかを知る。

 

 

 「ああ、もう大丈夫ですから。それより、仕事放棄してしまい、申し訳ありません、お嬢。」

 

 

 とにかく、まずは謝ろうと頭を下げて、謝罪する誠斗。だが、二人はそれをよしとはしなかった。

 

 

 「何で誠斗が謝るのよ!? 誠斗は一生懸命に励んでいるでしょ!?

  それなのに私ったら、誠斗の体調に全然気づいてあげられなくて、茶会の衣装選びに没頭してたわ…。ごめんなさい!!」

 

 

 そう言って、椿は誠斗の胸に飛び込んで、しがみついて泣き始めた。その光景をメイドが羨ましそうに見つめ、それを誠斗が気づくと、我に戻り、仕事時の態度に戻る。

 

 

 「私も一緒になって長らく誠斗さんを放置させてしまいました。そのお詫びとして、こちらをお持ちいたしました。どうぞ、お召し上がりください。」

 

 

 メイドから渡されたのは、紅茶だった。ヒンヤリと冷やされており、レモン添えもある。ちょうど喉も乾いていたため、早速飲ませてもらうと、程よい甘みと酸味が効いていて、すごく美味しかった。

 

 

 「これ、美味しいですね…。もしかしてブレンドしました?」

 

 

 紅茶を飲みながら、メイドに尋ねると嬉しそうに頷く。

 

 

 「ええ、よくお分かりいただきましたね。こちらは私が数々の紅茶と砂糖等をブレンドした特製の紅茶です。」

 

 

 「さすがの一言に尽きます。ありがとうございます。」

 

 

 「いえ、私はブレンドしただけにすぎません。味の方は椿様がお決めになりました。」

 

 

 「はい?」

 

 

 誠斗は驚き、椿を思わず凝視する。誠斗の視線を受け、照れて顔を背けながら、答える。

 

 

 「誠斗、目にクマとかあったし、もしかして最近寝れてないのかなって…。だから、誠斗って昔から甘い物とか好きだし、糖分を摂ったら気分もすっきりするって聞いたから。飲んで元気になってもらおうって…。」

 

 

 顔を真っ赤にして俯き、照れる椿は指を交差させたり、そわそわしたりしていた。

 

 

 その姿が可愛く思えて、椿の頭を撫でてしまいそうになるのを寸前で気づき、慌てて手を引っ込む。その代わりにとお礼を言う。いつも通りに。

 

 

 「へぇ~。お嬢にしては気の利いたもんを用意しましたね~。お嬢がもしご自身でお作りになった物を飲む事になってた今頃俺は更に哀れもない事になっていたでしょうね~。」

 

 

 「えっ!何でわかったの!? はじめ、私が作ろうとしてたって事!!?」

 

 

 「…………本当に作ろうと思ってたんですか?」

 

 

 「当たり前じゃない!」

 

 

 「…………………」

 

 

 いつもの椿のからかいで場を明るくしようとしていた誠斗は予想外な事実を知り、もしそうなっていたら…と想像しながらそうならなくてよかったと痛感していた。

 

 そんな地獄を味わらなくてよかったとじみじみに感じていた誠斗だったが、別の方向で地獄を見る事になる。

 

 

                     ・・

 やっと普通通りに戻った椿は誠斗の手に持つそれを見て、怒りを見せる。背中に炎のオーラをみた誠斗はなぜ椿が怒っているのかわからず、恐る恐る問いかける。

 

 

 「あの~、お嬢?なぜそんなに怒っているんすか?」

 

 

 「誠斗~~~!!あなた、何を持っているのかしら~!!」

 

 

 椿に言われて、自分の手をよくみてみると、そこには椿の下着が握られていた。「あっ…。」と気づいたときには既に遅し。椿は本棚から書物をたくさん取り出して準備していた。そしてメイドの方は更に本棚や家具から投げれそうなものを集めていく。

 

 

 「お嬢!! これは誤解です! 部屋を片付けようと掴んだだけです!!」

 

 

 「掴んだんでしょ! なら私の怒りをぶつけるには十分よっ!!」

 

 

 それを最後に椿は誠斗にあらゆる角度から投げていく。誠斗は投げ方を研究してきているな~と椿の間違った成長を観察しながらもいつもの通りに避けまくる。

 

 

 

 

 こうして、二人の…、椿とメイド対誠斗の戦いは司が夕食の誘いにやってくるまで続くことになる。

 

 

 

 

 その三日後、椿は久しぶりに屋敷を出るのだった。

 

 

 

 




メイドの名前を応募します!!
 
感想等でお送りください!!



※明日は今までの投稿の改稿をするつもりです!


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