どんな幼馴染が好きかな? みんなは…?
食卓の間の扉前に着いた椿は深呼吸をして、息を整える。大好きな幼馴染の貴臣がこの先に待っていると思うと、胸が躍ってしまう。準備もでき、扉を開けると、すでに何人もの人が食事をとれるような長いテーブルの一角に彼は座っていた。
「おはよう、貴臣。 いい天気ね。」
「おはよう、椿ちゃん。 朝早くに訪ねてきてごめんね。 司さんに急ぎの用事があったから、来ちゃった。」
椿は貴臣のそばに行き、挨拶を交わす。そして、今朝の出来事を身振り手振りで話す。それを満面の笑顔で頷きを時々しながら、椿の話を聞く。
「…でね、誠斗がまた勝手に入ってきたの!! どうしていつもああなのかしら!?」
「ははは。誠斗は椿ちゃんが可愛いからほっておけないんだよ。僕も椿ちゃんの可愛い姿、見てみたかったな~。」
微笑みながら言われた言葉に一瞬で頬を赤らめえた椿。
それをばれない様に手で隠そうとするが、隠しきれない耳まで真っ赤になっていく。
(最近、貴臣といると、胸が熱くなる…。どうしたのかな…?)
早く元に戻れと念じながら、平常心を取り戻そうとしていると、
「お嬢様、どうしました? 御顔が真っ赤になってますが? まるで、湯沸かししたポットのようですね。 どこから湯気が出るのか、楽しみです。」
いきなり横から誠斗に声を掛けられた。
「キャ~~!! い、いきなり現れないでよ!! 心臓に悪いわ!!」
「おお、さすが!! 頭のてっぺんから湯気が出てます。 やればできる人ですね。お嬢様?」
「誰のせいだと思っているのよ~!!」
ご立腹の椿は誠に殴り掛かる。ただし、それほど力はないため、ポカポカっと効果音が聞こえそうなほど、痛くはない。今回は椿の猛攻もすべて受ける誠斗だが、顔はいまだにからかって笑っている。
「ははははは。
二人とも、楽しそうですね。 僕も混ぜてもらっても?」
貴臣がそんな二人を見て、ほんわかオーラで見守っていたが、わくわく顔で参戦を申し込んできた。それにはすぐに二人とも反論した。
「ちょっと!! 貴臣、これのどこが、楽しそうなの!?
私は、ちっとも楽しくないわ!」
「そうです、貴臣様。 これはお嬢様の教育の一環でございます。」
「…もう、困ったな~。 誠斗、いつも言っているように、僕の事は貴臣と昔みたいに呼んでほしいって言っているのに。」
「身分はわきまえていますから。 こっちの方が、本来の俺ですよ。」
そう告げると、ほかの使用人たちと同じく、朝食の準備に向かった。
そして、司が食卓の間に入ってきたので、朝食を食べる事となった。
いつも生意気で、からかってくる幼馴染、誠斗。
いつも優しくて、癒してくれる幼馴染、貴臣。
この二人が私の大好きな幼馴染。
私はこの二人と仲良く、いつまでも暮らしていくんだ!
…とそう、思っていた。
今を思えば、懐かしい思い出。
まだ、明治編は続くよ!!
まだ、ほんわかな話が続くので、安心してね!