誠斗はどんなアレンジするかな!!
不敵な笑みを浮かべ、誠斗はいつも太腿に身に着けている両掌サイズのボディバックからナイフを取り出す。
そのナイフでリンゴの皮を綺麗に剥いていき、リンゴの芯を除いて細かく切り分ける。しかも一瞬で。
この誠斗の動きに琴子だけでなく、御令嬢達も驚き、食い入るように見る。もう目が離せなくなり、次はどんなものを見せてくれるだろうと我を忘れて見つめる。
椿は誠斗のこのパフォーマンスのような飾りつけが好きで、飽きることなく、いつも楽しみにしていた。
そんな御令嬢達に見つめられている誠斗はケーキのアレンジに取り掛かっていた。
そのまま出しても悪くないが、誠斗はショートケーキの上に載っているいちごを摂り細かく刻み、ソース状にする。そして別のリンゴを取り出し、中をくりぬくと、くり抜いた部分をベースト状にして再び元に戻す。
そして最後の仕上げに庭を見渡し始めた誠斗はちょうど庭師が花の手入れをしていた。庭師に近づいて、話をしていた誠斗は話し終わると、花を2輪、手にして戻ってきた。その花は椿だった。
桃色と白の椿の花をもらい、飾りつけの最終段階に移る。
先ほどのショートケーキにいちごのソースを添え、椿の花びらを鮮やかに添えた。
そして、桃色と白の椿の花をそのまま皿に盛り、ボディバッグから蜂蜜を取り出した誠斗は蜂蜜を椿の花から溢れだす蜜のように皿に描く。
そして皿の中心にショートケーキを置き、その周りにブロック状にして細かく切ったリンゴをばら撒く。
そしてベースト状にしたリンゴを紅茶用のカップの傍に置き、完成。
見事なアートを見たような飾りつけに目を奪われる御令嬢達。
琴子は誠斗の飾りつけを見て、気づいた。
この飾りつけは椿らしさを出していると。
「さすがね、誠斗。いつも綺麗に盛り付けするから、食べるのがもったいないわ。」
飾りつけに釘付けになっている椿がそのまま誠斗を褒める。
「…大変恐縮です。ですが、食べていただかないとそれこそケーキ達がもったいないと思いますが?」
「それはだめよ。…ではいただきます。
ふ~~~~~~ん!! 美味し~~!!果物の新鮮な味もそうだけど、飾りつけの際に誠斗が味を加えて更に際立っているわね。
後、このリンゴのベーストだけど、紅茶にぴったり合うわ!!」
椿の絶賛を聞いて、御令嬢たちは食べてみたくなった。その表情を見た誠斗は先程の準備に念のために作っていたパーティー仕立てのケーキとリンゴの盛り付けをテーブルに持っていく。
すると、御令嬢達が使用人に命じ、次々と食していく。
あまりにも洗礼された味と盛り付けに笑顔になる御令嬢達。
彼女達の使用人たちもこっそり食べて笑顔になる。そして熱心に盛り付けを観察していた。
「これでは一番優秀なのは椿さんの使用人という事になりますね。」
琴子も意地を張りながら食し、思わず誠斗を認めてしまった。琴子が認めた事で琴子の取り巻き御令嬢達も満足な顔で頷く。
「ありがとうございます。これからも精進するように言っておきますわ。」
誠斗を褒められて、嬉しくなった椿は礼を言う。後者の言葉は付き合いでの台詞だ。
こうして琴子は自分の疾しく考えていた計画を忘れ、椿と楽しく話し合う。御令嬢達もそれに続いて椿と話す。
御曹司達はそんな花園が展開する御令嬢達の雰囲気に入っていけずに結局、使用人査定が誠斗となったため、嫉妬を持ちながら使用人に囲まれている誠斗を睨み、使用人が用意した洋菓子を食べ続ける。
乱暴に頬張ったりしないのは、教育の賜物だろう。
こうしてお茶会は順調に続いていき、椿の女友達作ろう作戦は無事成し遂げる事が出来た。
★★★
「…………おい、用意はできているか?」
「おお。万端だ。皆も同じ心構えだ。」
「よし。ではこれから我々は突撃する。覚悟のある者は続け!!」
藤井正造の屋敷の裏手で和服にちょんまげで腰に刀を下げた者達十数名が投資を露わにして、屋敷を鋭い眼差しで見つめるのだった。
食べ物には目のない誠斗だから、色々と味付けだったり出来るんだよね~。
ところで、凄い奴らが登場するのか!?