※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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前回はあれでしたが、そろそろ暴れさせよう!!戦おう!

……ラブストーリーのはずだけど。


脅威の形跡

 

 

 

 

 

 お茶会で盛り上がっている庭では楽しむ御令嬢達の声が屋敷内にも聞こえる。

 

 そんな中、屋敷の廊下を歩くのは、先程まで庭にいた誠斗だった。

 

 なぜ、ここにいるのかというと聞かれるとあれだが、簡単に言うと逃げてきたのだった。

 

 

 「はあぁぁぁ~~。 御令嬢を相手にするのは本当に気が滅入りそうだぜ。愛想笑いも疲れるってもんだ。」

 

 

 ため息を吐き、頭を搔いて不満を吐露する誠斗の表情はげっそりしていた。

 

 

 それもそうだろう。誠斗は気楽に生きていきたいと思うタイプだ。だから使用人の仕事だって普段は手抜きする方だ。だが、あのようなお茶会の場合は自分に目を付けられれれば、椿にも影響うする事を理解しているため、無理して誠実そうに振る舞っていた。まぁ、身嗜みはまだまだだったが。

 

 だから、使用人査定と命名されたものが終わった途端、御令嬢達が次々と誠斗に近づいてきて、色々とリクエストしてきた。御令嬢達にすっかり囲まれてしまい、逃げ場を失った誠斗は愛想笑いをしながら適当に話を合わせ、リクエストされた洋菓子を運んだり、紅茶を淹れたりした。そして更に使用人たちまでも誠斗に寄っていき、使用人技術を教えてくれと頼んできて、押し合いになった。

 さすがにここまで来ると、愛想笑いするのも、話すのも限界になり、誠斗は紅茶に入れるミルクがきれた為、厨房に行ってくると伝え、庭から逃げてきたといういきさつだ。

 

 

 (ああ~。失敗しちまったかもな。こうなるとは思ってなかったんだけどな~。

  女ってよくわからねぇ~。)

 

 

 誠斗は廊下を歩いて、時間を潰しながら、使用人査定の事を思い出した。誠斗がすぐに椿に参加の了承したのは琴子を自分に意識を向けさせ、椿への対抗心や敵愾心を抑える為だった。そしてそれはうまくいって、琴子は椿に色々と話しかけていた。しかしその事で琴子に怯え、従っていた御令嬢の取り巻き達が一斉にたかが外れた感じで椿や誠斗に寄ってきたのだ。椿は友達が凄く増えたと嬉しがっていたが、誠斗としては鬱陶しいだけだった。

 誠斗は琴子が椿に関心を持たなくなったら、御令嬢達も声を掛けていき、椿に合った友達ができると踏んでいた計画が狂って、どこで間違えたのかと頭を悩ませるのだった。

 

 

 そうして屋敷内をある程度歩いた時、窓から草陰に引っかかっている物を見つけ、窓から飛び出して、外壁の近くにそびえる草陰に向かった。

 

 すると、そこには草木に引っかかって破れた服の切れ端が掛かっていた。それを掴んで、肌さわりを確認する誠斗はこれが、和服のキレだと分かった。

 

 

 「何でこんなところに…? 誰かがここにいたのか?」

 

 

 辺りを見回し、人の気配を探るが、誰もいない。そして、屋敷のどこ辺りかと確認するため、近くの木に飛び上がって登り、外壁の外を見る誠斗。ここに来る前に見た地図を頭で照らし合わせ、この場所は屋敷に入った時の門とはちょうど逆だと分かった。

 

 すると、おかしなことに気づく誠斗。

 

 つまり今誠斗がいる場所は屋敷の裏手となる。しかし、ここには門はないし、この外壁の裏はさっき見たが、細い軒道となっていた。しかも、ここは人が来そうにない場所だ。一体どうしてそんな場所にこの服の切れ端があったのか不思議に思えた誠斗はもう少し詳しく知るため、辺りを調べ出した。

 

 

 そして草陰を進みながら調べていくと、草木がやたらと地面に落ちている場所を見つける。小走りで向かい、地面に落ちた草木を持って、見てみる。

 

 

 「これは…、刃物で斬られた跡だ。葉も綺麗に真っ二つされている。そして、斬られた草陰にも大きく刃物で斬られた痕跡が残っている。ナイフや小刀ではないな…。それより大きな刃で…。すると刀か?いや、そんなはずは…!」

 

 

 刃物の特定をした誠斗は顔を顰め、考える。

 

 刀は明治政府が”廃刀令”を発したため、特別な式典での貴族の礼服を着用時や軍人・警察官の帯刀のみを認めたため、士族の帯刀は出来ない。

 

 そして人気のないこの場所で刀を抜くような貴族や軍人、警察官はまずいない。

 

 

 

 誠斗はおおよその見当をつけ、庭に戻ろうとした時、足元に足跡が大量にある事に気づく。

 屈んで足跡を見てみると、草履や下駄の足跡が大量に見られた。まさかと思い、地面に耳を傾けて足音を聞く。

 

 

 (この足跡は…!大量にあるって事は、1人だけではないな。しかも微かな足音を聞くと、最高でも20人ほどいるぞ。って事は…!まずい!!椿があぶねぇっ!!)

 

 

 急いで立ち上がった誠斗は血相を変えて、椿がいる庭に向かって走り出す。

 

 

 

 

 そして誠斗が庭に向かっているまさにその時、和服を着た男達が屋敷の陰からお茶会の様子を窺っていた。

 

 





なんだか次回はやばい予感が…!!

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