※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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ついに血生臭い…、にならないように祈るか。


侵入者の急襲

 

 

 

 

 

 お茶会が盛り上がる中、椿は帰ってこない誠斗を心配していた。

 

 

 (大丈夫かな?いつもより気遣っていたから気分転換しているのだろうけど…。

  やっぱり心配だな~。)

 

 

 御令嬢達との会話をお嬢様仕様の笑顔と礼儀姿勢で対応しながら、心の中は誠斗の事で心配していた。

 それが、徐々に表に出始め、会話をしながら、度々誠斗が消えていった屋敷の方へ視線を向ける。

 

 そんな時折見せる切なそうな椿の姿を遠巻きで見続ける御曹司達は更に心の病に捕らわれる。

 椿と話したいが、御令嬢達が取り囲んでいるため、中々近づけない。誠斗がいなくなって好機だと思い、何人かの御曹司達が勇気を振り絞っていったが、御令嬢達の言葉責めを受け、あえなく撃沈して帰ってくるのだった。

 

 そこで、ここでは無理でも、今夜の舞踏会で必ず声を掛け、踊りの申し込みを…、いや、婚約の申し込みをしようと意気込み、気合を高めていた。

 

 

 

 

 

 そんなお茶会の様子を屋敷の陰から窺っていた数十人の男達は腰に下げている刀に手を置き、絶好の機会を狙っていた。

 

 彼らの共通点は明治になったこの日本で未だに髷をしていて、刀を帯刀していること。

 

 しかし今はそれは許されていない。特に刀は…。

 

 数年前に散髪脱刀令が発令され、髷を切り、刀を帯刀する事を禁止された。そしてその五年後に廃刀令が発令された事でとうとう刀の帯刀を禁止されたのだ。

 

 

 「おのれ…! 華族の連中め…!のんきに茶を飲んでいやがるっ!!」

 

 

 「若くてもどうせその親と同様にろくなもんにはならんっ!!」

 

 

 「我々を陥れようとする政府の犬共は根絶やしにせねばならん!!」

 

 

 「ああ!!そのためにはまず見せしめにあいつらの子供を懲らしめよう!!」

 

 

 「擦れば、政府の犬共も己らがした過ちに築く事だろうよ。」

 

 

 「おう…!俺達武士から刀を奪う奴らを許すな!!」

 

 

 …と、小声で怒りをぶつける彼らはその言葉通り、明治政府になり、廃刀令を発令された事で武士達の特権的意識の象徴であり、武士の魂とも言われていた刀を強制的に取り上げられ、士族の誇りを奪われた武士達の残党だった。

 

 これまでと違った明治の改革により社会的生命を絶たれた彼らは今まで武士として生きてきた人生での生き方が通じなくなり、仕事も上手くいかず、心の寄り所だった刀も取り上げられ、人生を狂わせた廃刀令を推進した政府の人間や裕福な生活をする華族を倒すために侵入してきたのだ。

 

 

 ある意味、逆恨みに近いが、彼らがこの藤井正造の屋敷を狙ったのは他にも理由がある。

 

 親のようになるくらいなら、今の内に若芽を潰そうと侵入してきたのも理由にある…。

 

 

 

 とまぁ、詳しくは後で。

 

 

 

 そして闘志を掻きたてていた彼らの前を紅茶を追加で運ぶメイドが横通る。メイドは気付かずにそのまま庭の方へと向かう。

 

 そして元武士たちの首相的存在の男がにやっと微笑を浮かべると、後ろに控える男達に合図して、メイドの後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…ところで、椿さん? あの使用人とはどのような過程で貴方に付くことになったのかしら?」

 

 

 琴子が気になっていた誠斗と椿の出会いを問う。それを聞いて、他の御令嬢達も耳を立てて、興味津々で頷きながら聞いてくる。

 

 

 「どんなって言われましても…、皆さんの思うような出会いではありませんよ?」

 

 

 馴れ初めを期待する彼女らは椿の渋った表情と言葉に引き下がらずに身を乗り出して、更にもう一押しする。

 

 

 「ですが、あのような素晴らしい使用人に付き従わせるのは相当なものですわ!」

 

 

 「そうですわ。何か特別な出会いがあったに違いありませんわ!」

 

 

 目をキラキラと輝かせて、さぁ、隠さないで言いなさいという意思を込めた目で椿を見つめる。

 

 椿はどうしようかと悩んでいると、視界に先程新しい紅茶を取りに行ったメイドがこちらに向かってくるのが目に入り、これは好機と思って声を掛ける。

 

 

 「ああ、メイドさん。紅茶の追加、ありがとうございます。早速紅茶をいただいてもよろしいかしら?」

 

 

 歩み寄って紅茶を受け取ろうとする椿にメイドから大声で制された。

 

 

 「来てはいけません!! 私から離れてください!!」

 

 

 「どうしたの? 気分でも悪…」

 

 

 異常なほどの緊張した顔つきのメイドに訝しく思い、落ち着かせようと声を掛けてみると、急にメイドが前のめりに倒れた。

 

 倒れたメイドの背中には斬られた痕があり、そこから大量の血がどんどん溢れかえる。

 

 

 

 「「「きゃああああああ~~~~~~~~!!!!!」」」

 

 

 御令嬢達が絶叫し、悲鳴を上げる。メイドのあられもない姿を見て、失神したり、恐怖で震える者もいた。

 

 御曹司達も何事だと目を向け、メイドのあられもない姿を目撃し、顔色を蒼白にする。

 

 

 そして、ぴくとも動かないメイドの傍には髷をした男が数人刀を抜いて立っていた。

 内一人は刀が血で怪しく光っていた。

 

 

 「いいかっ!! お前達、その場から絶対に動くなっ!!動けば、この奉公人のように死ぬ事になるぞっ!!」

 

 

 大声で刀を振り回しながら、牽制する元武士達。

 

 

 (誠斗っ!! 助けて…!!)

 

 

 椿はこの場にはいない一番頼りになる幼馴染を心の中で必死に呼んだ。

 





はい…!

グロイの決定だね。メイドさん、ごめんなさい!

ちゃんと供養しますので。

にしても、許さんぞっ!! ブシーズ!!←武士集団の名称を付けてみた。
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