マイヒーロー!!
……キャラの中では一番好きなんですよ。私には!!
「もうっ!!遅いわよ!!すごく待ったじゃないっ!!」
「それはすみませんね~。こっちも急いできたんですが。もしかしてきてほしくなかったですか?」
「誰もそんな事は言ってないわ!!」
「はいはい、そうですかっ!!」
大将の刀を受け止めていた誠斗は鉄製の棒を前に押し出し、大将のバランスを崩し、蹴りを一発お見舞いする。
「大将!!くそっ!!貴様っ!!」
控えていた武士達が大将が蹴り飛ばされた事で頭に血が上り、全員が標的を誠斗に切り替える。
そして一人が、誠斗に向かって斬りかかった。誠斗は難なく躱し、椿を引き寄せて抱きしめると、鉄製の棒を地面に突き立て、大きく跳躍する。
「何っ!?」
空振りに終わり、宙を飛ぶ誠斗に驚く。
そして綺麗に着地した誠斗は椿を降ろし、琴子たちの傍にいるように伝える。
「お嬢、よく頑張りましたね。後は…、俺がすべて片付けるんで!!」
椿の頭を撫でまわした誠斗は侵入していた武士達を見回し、ベストの下に隠していたもう一つの鉄製の棒を取り出す。
「もう、髪が乱れたじゃないの!? …大丈夫?」
撫でまわされてセットした髪がボサボサになり、拗ねながら手櫛で整えながら、心配そうに尋ねる。
「平気ですよ。あれくらい、俺にとっては大したことはありませんので。
それよりも、命令、くれません?」
「………分かったわ。誠斗、敵を戦闘不能にしてっ!!後、怪我はしないで!!」
「…了解!!お嬢!!」
不敵の笑みを浮かべ、両手に鉄製の棒を構えて、相手を威嚇する。
「ちょっと!!椿さん!!いくらなんでもあの使用人にこの人数を相手にさせるのはさすがに無理ですわ!!警察が来るまで待ちましょう!!」
琴子がこれから起きる状況に冷や冷やしながら、椿に誠斗を止めるように詰め寄る。しかし、椿は安心させるように微笑みを琴子に向け、必要ないと過振りを入れ否定する。
「御心配には及びませんわ、琴子さん。誠斗は私から見てもかなり強いですもの。それに彼らを一網打尽にするのは目に見えますから。」
「でも…」
「それよりも、私達は誠斗の邪魔ならないようにここから移動しないと。誠斗が彼らを引き付けている間に。」
先ほどのように真剣にこの状況を見つめる椿を信じられないと恐怖する心で見つめていた琴子はふと椿の手を見て、理解した。椿の手を小刻みに震えていた。それを見て、椿も本当は怖くて、止めたいんだと理解した。でも足枷になりたくないという気持ちが今、椿を動かしている事をなんとなく察した琴子は取り巻きの令嬢達に視線で合図し、ゆっくりと庭を後にする。
その頃、誠斗は武士達に取り囲まれながらも、笑って状況を把握していた。そこに、蹴り飛ばされた大将が戻り、誠斗に刀を向ける。
「なぜ、我々の邪魔をする?」
「別に…、あんたらがどうなろうと知った事ではないさ。だがな…、お嬢に傷一つでもつけようもんなら、俺は容赦はしない。ただそれだけだ。」
「…それがお前の信念か?」
「まぁ、そうなのかな?でも、今なら、見逃してやってもいいぜ。一人の命を奪ったのは悪いが、反省するなら、怪我しないで捕まえてやるよ。」
「生意気な餓鬼めっ!!」
「俺達を愚弄するつもりか!!?」
「大将!! まずはこいつを先に殺りましょう!!」
誠斗の挑戦的な口調と瞳ですっかりと激昂した武士達は熱くなっていた。そして、大将も痛い目に遭わせようと考えていた。
「もう面倒くせぇーから、まとめてかかってきな。」
手の平を上に向けて指を数回曲げ、招く仕草をし、更に挑発する。
それを見て、大将が刀の先を天に向けた後、一気に誠斗の方向に振り下ろす。
「お前達、やれっ!! 我々の憎き華族に味方するそ奴を地獄へ落とせ!!」
「「「「「「「「「「おおおおおおお!!!!!!」」」」」」」」」」
雄叫びを上げると同時に周りを囲んでいた武士達が一斉に誠斗に飛びかかっていく。
それでも誠斗の笑みは止まらなかった。
誠斗は久々の実戦に身体を震えさせ、彼らを戦闘不能にすることを始める。
(椿のため、俺は戦うっ!! 必ず、護って見せる!!)
誠斗、どんな戦いするかは次の時で。
それにしても、御曹司達はなにをしているのか…。男を見せろや!!
…それも次回にて。多分?