誠斗に飛びかかる武士達は誠斗に刀を振りかざす。
それを誠斗は不敵な笑みを浮かべながら、双棒を振り回しながら、勢いよく一回転する。武士達は刀を弾き飛ばされ、自分達まで吹き飛ばされる。これにより、武士達の半数を撃退する。
この光景を見せられた武士達は先程の怒りの熱さを冷水につけられたかのように冷静になり、誠斗と距離を取る。
「こいつ…、強いぞ!!」
「その年でかなりの武芸の使い手だ…!」
「何者だ、あいつは…!」
誠斗のたったの一撃で只者ではないと長年の経験の直感で間合いを取り続ける武士達。
「…お前は何者だ?先程の攻撃はまさに鎌鼬といったところか?図様しい威力だな。」
「そりゃ、ありがとさん。俺はただの華族の専属護衛ですよ。それより、これでもう終わりか?お前たちの覚悟はそんなちっぽけな奴だったのか?」
がっかり感を混ぜた口調で誠斗が大将に返事すると、眉を上げ、不機嫌さを表情に出す。
「お前さん、目上の者に対し、言葉が過ぎるぞ。」
「侵入者で反乱者のあんたらをどう敬えってんだ?それとも敬ってほしいほど、今更良心に駆られたのか?」
「ほざけ!! もうよい!!皆の者、無駄話はもう良い!!甘く見ずに、蹴散らせ!!」
とうとう火が付いた大将の激昂に武士達も鋭い視線を誠斗に投げ、斬りかかる。
誠斗は斬りかかってくる武士達の攻撃を躱しながら、相手の動きを観察する。
そして、前後に武士達が斬りかかるのを誠斗は横に躱し、攻めてきた武士の刀を持つ手首を捻って、そのまま同士討ちさせる。それにより、血を流さず、峰打ちで倒す。
その後、束になって掛かってきたが、武士達の間を走り抜けることで躱し、相手の裏を突く戦法で誠斗が次々と倒していく事で、大将が一人ずつでの攻撃に切り替えるように指示する。
それを聞き、腕に自信があるのか誠斗より大柄な武士が一歩前に躍り出る。
その自信に嘘はなく、素早い刀捌きに突きにと誠斗を抑えにかかる。誠斗も素早い反射神経で刀捌きで防ぎ、外に逸らすようにして相手の攻撃を流す。そして、相手の防戦一方になった時、懐へ飛び込み、鉄棒で切り捨てる。衝撃を受け、その場に崩れ落ちる。
崩れ落ちた武士を見下ろして誠斗は呟く。
「焦りすぎなんだよ…。」
さしの勝負を終え、無防備状態の誠斗を後ろから二人の武士が斬りかかる。それを、気配で読んでいた誠斗はため息を吐いて、大きく跳躍し、後ろへ反り返り、宙返りしてから武士達の背後を捉え、双棒で一撃を喰らわす。
思い一撃を受け、地面に倒れる武士達をお構いなく、誠斗が大将に問いかける。
「なぁ…。これがあんたらの戦い方なのか? こんな吐き気がするくらいの戦いしかできないようなら、あんたらの恨みは上っ面だって事だな。刀に魂がこもってねぇんだよ。武士なら武士らしく戦いやがれ!これじゃ人斬りと同じだ。」
「何をっ!!生意気な口を…き………」
猛獣のような瞳で睨みつけ、誠斗は目にも止まらない速さで最後の一人となった大将の懐に入り、思い切り鳩尾に一撃を入れた。鉄製の棒ではなく、拳で。かなり鈍い音が響き、大将は誠斗の身体に蹲る形で倒れ、意識を手放した。
こうして、誠斗はたった一人で屋敷に侵入してきた武士達を全員戦闘不能にし、撃退した。それを遠くから見ていた御令嬢や御曹司、使用人たちは目の前で繰り広げられた捕り物に思わず握手する。歓喜も上げ、絶賛する彼らの中で、椿だけは俯く誠斗を心配そうに見つめる。
誠斗は撃退したものの、この戦いに不満と不完全燃焼、そして違和感を感じ、拳を強く握りしめ、歯軋りした。
「ああ、胸糞悪い…!!」
己の意志を持って戦うのが武士なのに、それを感じられず、誠斗は苛立っているのですな~。
分かりますぞ! しかし、よくやったぞ、誠斗!!椿を護ったんだから!!
(励ましているつもりです!)