もうやばす~~!!
内にもあんなことがあればな~~!!(儚い夢さ)
(彼とキ…キス…するの。 は……初めての…!!)
彼の顔が近づきのを感じながらその時を待つ私はもう心臓の鼓動が激しくなっていたけど、それを聞かれてもいいと思うほど、私は彼に心を奪われていた。
だけど…
チュッ……
彼がキスしたのは…私の額だった。
「え…?」
思っていた事とは違って、思わずきょとんとしてしまう私。目を開けて彼を見つめると、苦笑して私を見つめていた。
「ごめん…。今はこれで…。再会してすぐに君の唇を奪うなんて図々しい男にはなりたくないから…。へたれだと思ってくれてもいいけど。
俺は君が世界で一番大事だから…。だから…今だけは…。」
月光に照らされた彼の顔は仮面をしていても分かるほど、苦しそうで、でも愛おしそうに私を見つめる。多分、その表情をするのは彼が線引きした、踏み込んだ先にあるのかな…。これ以上は聞かないでくれという視線も相まって、私は何も言えないまま、頷く。
どうして、そんなに苦しそうなの?
私には言えない事なの?
あなたの事がもっと知りたい…!!
何でこんな事を想うのかまだわからないけど、彼に惹かれている私は無意識に心の奥からそう願っていた。その想いがそうさせたのか、私の目から涙が流れ落ちる。
「あれ? ご、ごめんなさい。何で泣いているのかしら? あれ…?」
溢れ出る涙を手で拭うけど、一向におさまらない…。
彼にこんな顔を見せたくないのに…!
私は彼に背を向け、涙を止めようとした。でも全然止まらなくて…。
そんな時、後ろから抱きしめられたと思ったら、彼が私の顎を上げて顔を後ろへと持っていかれると、彼は私の目元をにキスを何度も落とす。驚きで涙も自然と止まる。
「椿…、泣かせてごめん…。俺は君の笑顔で癒されるんだ…。笑ってくれ…。」
後ろから抱きしめられながら、彼は耳元で謝ってくる。
これは私が勝手にした事なのに…。
また涙がこみ上げてきそうだったけど、彼が「笑ってくれ」といったから、私は精いっぱい笑顔を見せた。私の笑顔を見た彼はどこか嬉しそうで、どこか悲しそうだったけど一緒に微笑んでくれた。
そして私を抱きしめていた腕を解き、少し離れてから、彼は私に手を差し伸ばす。
「お詫びに…なんてあれだけど。椿、俺と踊ってくれませんか?」
微笑んでダンスの誘いをする彼の捨てられた猫のようにおねだりする視線にきゅんとなる私。そして、風に乗って流れてくる舞踏会のダンスの曲が耳に入ってくる。
その曲は最後の曲だった。
私は口元を押さえ、クスッと笑いを溢し、彼の手を握り返す。
月と星の光の下、クレマチスの花々に囲まれる中、私と彼は透き通った笑みを浮かべる。
彼は何も言わずに私の背中に手を回す。
私は身体を預けるようにして彼の肩に手を置いた。
二人の身体が触れ合う。
彼は手を優しく包み込んで、背中を深く抱き寄せてステップを踏み出した。
クレマチスの花々も風に乗りながら一緒に踊る。
踊りながらも、彼の顔は常に私を見ていた。
私の顔が常に彼を見ていた。
この月夜が照らした特別な世界の中で、彼と私は、二人だけで踊っていた。
想像してくれれば幸いです!!
今、この世界は二人を中心に回っている…と感じるわ~!!