※この作品はR-18です。

運命のシナリオ   作:薔薇大書館の管理人

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この先、重要な人物を出すよ。


婚約

 

 

 

 椿に貴臣からの婚約申し込みがあった事を告げた3日後の事。

 

 

 貴臣が正式に婚約申し込みに来ることを知った椿は今日がその日だと聞かされ、朝から超が付くほどの機嫌がよく、満面すぎる笑顔で使用人たちや稽古で訪れる先生方の心を鷲掴みにしていた。

 

 その事に一切気づいていない椿はみんなの変化に首を傾げていると、屋敷の門の開閉する音が窓から聞こえてきた。そして愛しい彼の声が玄関から聞こえてくる。

 いても立ってもいられず、すぐに玄関まで急いで歩く。そして、たまに立ち止まっては、衣装や髪形は可笑しくないかを確認し、また歩き出す。そして、玄関に続く階段まで来ると、階段下には身体つきが厚く、長身で、帽子を被った口髭の中年男性と一緒に貴臣がいた…。

 

 貴臣の隣にいる男性に興味が向いたが、意識を切り替えて、階段を下りる。司は既に彼らを出迎えて、何やら話している。

 

 

 「貴臣様。お久しぶりで御座いますわね。またお会いできるのを心から楽しみにしていましたわ。」

 

 

 玄関広場に着いた椿はお辞儀をして、貴臣を迎えると、貴臣もいつもの笑顔を向けながら、挨拶を交わす。

 

 

 「椿ちゃんも元気そうでよかった。ほら言ったとおりに会いに来たよ。」

 

 

 いつも通りの口調に椿は戸惑う。もう一人の男性の訪問客がいたから、口調を変えた椿はその男性の前にもかかわらず、いつも通りの笑顔と話し方で少し驚いたのだ。

 それを椿のちょっとした動きで察した貴臣は彼に手で指して、紹介する。

 

 

 「この方は、僕の父親なんですよ。今日は椿との婚約を結ぶため、時間を割いてもらい、同行していただいたのです。」

 

 

 初めてお会いした自分のお義父様になるかもしれない、いや絶対になる方だと知り、慌てて御挨拶しようとすると、

 

 

 「…ここで立ち話とはいけませんし、どうぞ、応接間にてゆっくりと寛ぎながら、話をしましょう。」

 

 

 司がそういうと、司の執事の若葉さんが先頭をきり、応接間まで一行を案内する。

 

 緊張で動悸が止まらない椿はあの舞踏会で彼に花飾りをしてくれたクレマチスの花の香りを入れたペンダントを握りしめ、リラックスをしながら、貴臣たちの後ろをついて歩く。

 

 

 そして、一行が辿り着いた応接間にてテーブルを挟み、ソファに腰を落とす。椿の隣に司が座り、正面には貴臣が座った。

 

 

 「儂は、貴臣の父親の鳳不二生(おおとりふじお)だ。今は、政府の中枢の役職で総理大臣の補佐をしておる。言ってしまえば、政治家じゃな、わっわっわっ!

  それにしても、貴臣。お前から話はよく聞いていたが、こんなにべっぴんのお嬢様と親しい間柄だったとはな!」

 

 

 圧倒的な存在感を発し、独特で人を一舐めするような眼差しを向けてきた最初の印象とは違い、親しみを込めた雰囲気で話し出した鳳不二生に内心では驚きつつ、微笑みを絶やさずに自分も挨拶をする。その間、鳳は椿を上から下まで隅々観察し、頷きを見せる。

 

 貴臣の父親だというからもっとやさしい方だと思っていたが、外見は鼻の形や骨格を受け継いでいても、内面は対照的だと椿は感じた。

 

 

 そんな面持ちで会話をしてから1時間ほど経った後、鳳が次の仕事に赴くことになり、これで解散する事になった。

 

 婚約に関しては貴臣も椿も合意の上、後日、きっちりとした料亭での話し合い…、で意思を確固とすることになった。

 

 

 椿はいよいよ貴臣との婚約が実現すると思うと、嬉しくて、帰路に着く貴臣を見送りながら、まだ先の未来を幸せそうに見据えていた。

 

 

 幸せそうに笑って、手を振って見送る椿を隣で視ながら、司は温厚な顔立ちの中に悲哀を込めて横目で見つめる。

 

 

 

 

 そして、貴臣たちが去る姿を屋根から見物する誠斗がいた…。

 

 

 




新キャラを出してみた。

鳳 不二生…。こいつがどんな奴なのかはこの後の展開でお楽しみ。
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